生物多様性

森林破壊が動物に与える影響と森を守る取り組み

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国土面積に占める森林の割合が多い日本は、世界2位の森林大国です。

日本は樹木に恵まれていますが、世界をみると地球上の森林面積は30%程度しかありません。

東南アジアや南アメリカなど熱帯地域を中心に大規模プランテーションによる過度な森林伐採が行われていることや、乾燥地域での火災や落雷、焼畑農業など森林火災も大きな原因です。

森林が減少すると、動物の命と生物多様性に影響をもたらします。

本記事では、森林破壊が動物へ与える影響と森林を守る取り組みをみていきましょう。

森林破壊が動物に与える影響

国連食糧農業機関(FAO)の報告書「森林資源評価報告書2020」によれば、1990年以降、世界では4億2000万ヘクタールにおよぶ森林が農地転換により破壊されています。

イギリスのBBCが公開したロンドン動物学協会のグラフをみると明らかな通り、地球上の生物の個体数が1970年以降断続的に減少しており、野生生物を絶滅の危機に追い込んでいます。

森林伐採や森林火災が原因で、急速に森林の面積が減少している昨今。

1週間ごとに東京都と同じくらいの広さの森林が失われ続けていて、約30年後には現在の10%から20%以上の動物が絶滅する深刻なペースです。

絶滅危惧種には細心の配慮を

絶滅危惧種に登録されている動物を紹介します。

現在最も絶滅危機が高い大型哺乳動物のスマトラサイは、森林破壊の影響で大陸から姿を消し、スマトラ島とボルネオ島の限られた地域にたった30頭ほどしか生き残っていません。

森林伐採のような開発で人が生息地に入り込むと、高く売れるサイの角が密猟されたりと、二次的な理由も種の減少につながっています。

スマトラサイのほかにも、ニシゴリラなど絶滅の危機が高い野生生物は、1万4,000種以上いるとWWF(世界自然保護基金)に報告されています。

生き物は多様性の中で補い合って生きているので、1つの生き物が絶滅するとさらに多くの生命が危機に脅かされてしまいます。

私たち人間はその責任を理解した上で、自らの利益だけでなく生態系の保全に視野を広げて貴重な熱帯の森を守り、密猟を防ぐ取り組みが必要です。

熱帯地域の生物が人類を守る薬の一翼を担うケースもあるので、森林を守ることは人間を守ることと同じと言っても過言ではありません。

WWFの公式ホームページでは、特に絶滅の危機にある10種類の動物と絶滅の原因、解決に必要な取り組みが紹介されているので、気になる方はチェックしてみてください。

参照:WWF「森林の保全と野生生物」

森林破壊は人間にも影響を及ぼす

新型コロナウイルスの猛威が世の中を襲ったように、動物はさまざまな病原体をもっており、動物が持つ病原体ウイルスが人間にうつる場合があります。

森林破壊が進むと、すみかを失った野生生物との接触機会が増えます。

いまだ未知の病原体やウイルスが人間に入り込むチャンスにもなるので、人間への影響は大きいです。

また、森林が減少すると、その地域の天候にも変化が訪れるので、干ばつや洪水のような自然災害の被害も受けやすくなります。

動物だけでなく、人間にも影響の大きい森林破壊。

自分ごととして森を守るための取り組みを見ていきましょう。

森林破壊の原因と森の動物を守る取り組み

森林破壊を進める主な原因は、プランテーションによる農地への土地利用の転換です。

ほかにも、国の法令に反して必要以上に手を加える違法伐採や森林火災も影響しています。

日本では少子高齢化により林業が衰退し、広大な山林を適切な状態で整備することができずに荒廃してしまう現状もあります。

下記では具体的に、森林破壊に加担しない取り組みをチェックして、絶滅危機に陥る動物を守っていきましょう。

海外輸入に依存しない!天然の国産材を使おう

森林破壊が進む東南アジア地域やアマゾン地域は、経済的な貧困エリアであることから、輸出による利益のために、過剰な森林伐採や自然の回復を無視した焼畑農業が行われています。

令和2年(2020年)木材需給表によると、日本の木材自給率は約42%。

その他を海外に依存しています。

国内に天然の樹木が豊富な一方で、高度経済成長期から現在まで、安価で加工しやすい外国産の木材を輸入して家造りや家具造りが行われたことが背景です。

近年では、国内の林業が衰退することを防ぐために、札幌の木材を使った家具メーカーが生まれたりと、天然の国産材を使う企業の動きが活発化しています。

国産木材の利用を進めることで、世界的な森林破壊による動物の影響を抑えていきたいですね。

参照:「令和2年木材需給表」

国際NGOの取り組み

WWFジャパンは、森林破壊による動物の減少を抑えるために、保護区などへの支援を行い、紙や木材、天然ゴムやパーム油などの持続可能な生産を支える活動に取り組んでいます。

特に、日本の消費が森林破壊に繋がる影響を小さくするために、世界各国とのネットワークを生かして、インドネシアなど東南アジア諸国、極東ロシア地域を中心に保全活動が行われています。

具体的には、

  • 科学調査から森林に生息する野生動物の実態を把握する
  • 森林破壊を防止して、失われた森の再生を図る
  • 地域の人々が森林破壊に加担せず生活できる社会のフレームをつくる

という活動をしている国際NGOです。

生活する上で欠かせない木材を持続可能な方法で調達できるように思考し、消費者誰もが森林保全に貢献できる社会的な仕組みを作っている団体なので、興味がある方はサポーターとして寄付を考えることもアクションの1つです。

参照:WWFジャパン

森の環境に配慮したエコラベル

出典:FSC応援プロジェクト

森の環境保全に配慮し、持続可能な方法で生産された木材に与えられる国際的な認証が「FSCマーク」です。

日本の国土面積の約5倍にあたる広さが認証されており、FSC認証がされた製品は日本でも流通しています。

たとえば、紙ストローやコピー用紙、トイレットペーパーなど普段から私達が使っている生活用品です。

木材輸入に頼る日本こそ、1人の消費者としてエコラベルに敏感に、意識を持ちながら消費行動をすることが、森林保全に繋がり、森で生活する動物たちを守る行動になります。

まとめ

私たちが生活しているいまこの瞬間も世界のどこかで森林破壊が行われ、絶滅危機に瀕する動物がいます。

農地や植林地などのプランテーションでは、木材や製紙用パルプ、天然ゴム、パーム油や大豆、牛肉など、私たちの生活に身近な素材や食べものが作られています。

経済的利益だけを考えるのではなく、生活のなかで森林で生きる動物のことを思いやり、FSCマークの商品を手にとるなど、 私たちにできることから取り組んでいくことが生物多様性を守ることに繋がります。

ローマは1日にしてならずとも、1人1人の小さな行動の積み重ねが大きなインパクトに繋がります。

微力であっても無力ではありません。

できる行動をおこし、森で生活する動物を社会全体で守っていきましょう!

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