洋服のアップサイクルについて|おすすめのアイデア・日本で買えるブランド10選
本記事では、洋服のアップサイクルについて、事例を含めながらわかりやすく解説していきます。
また、日本で買えるアップサイクルブランドについても紹介するので、ファッション業界のサステナブルでエシカルな取り組みを知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
さらに、本記事の後半では、古着をアップサイクルして雑貨にリメイクするときのアイデアもいくつか紹介しているので、自分でアップサイクルに取り組みたい人は、ぜひ参考にしてください。
洋服のアップサイクルとは?
アップサイクルとは、ひとことで言うと、産業廃棄物に新しい価値を加えて、作りかえることです。
捨てられるはずだったモノの特性を活かしながら、新しいアイデアを加えて生まれ変わらせることで、そのモノの価値をアップデートさせるという意味があります。
洋服などのアパレル商品では、「再び作り直す」という意味の「リメイク」に近いイメージの言葉です。
アップサイクルは、企業のSDGsの取り組みの一環として注目されていて、アパレル業界のほか、食品業界や建設業界、インテリア・家具業界などでも様々な取り組みが活発になっています。
例えば、アパレル業界のアップサイクルの例を挙げると、大量のデッドストック(在庫)や、商品の生産段階で生まれる布の端切れなどを、他のブランド商品として生まれ変わらせる取り組みが世界中で実施されています。
アップサイクルによって、捨てられるはずだったモノに新しい利用価値が生まれたり、商品そのものの寿命が伸びるというサステナブルな効果が期待されています。
アップサイクルの人気ブランド10選
本記事では、アップサイクルの人気ブランドを厳選して、いくつか例として紹介します。
日本で購入できるファッションブランドや雑貨ブランドを中心に紹介するので、気になるブランドはぜひ公式ページをチェックしてみてください。
BEAMS COUTURE
BEAMS COUTURE(ビームス クチュール)は、あの「BEAMS(ビームス)」のアップサイクルブランドです。
BEAMSの倉庫に眠っている在庫商品を一着ずつ手作業でリメイクして、新たな価値のある一点物の商品として販売しています。
様々なブランドとのコラボレーションも活発に行っているので、普段のBEAMSにはなかなかないようなデザインの洋服や雑貨を楽しめるのがポイントです。
なかでも、あの「真空パック」でお馴染みの「ジップロック」とのコラボ雑貨は、売り切れが多発するほどの人気商品です。
個性的なデザインに生まれ変わった新しいBEAMSブランドを、ぜひチェックしてみてください。
commpost
commpostは、人気ブランド「URBAN RESEARCH」による、雑貨アイテムを中心としたアップサイクルブランドです。
同社では、素材の分別が難しいとされていた廃棄繊維の課題について、「Colour Recycle Network(カラーリサイクルネットワーク)」という研究機関と協働して、繊維を色で分けることを実現しました。
commpostが展開している商品は、どれも統一感のあるデザインで、ブラック、ベージュ、ブラウン、ダークブルー、ボルドーなど、年齢・性別を問わず使いやすい色合いが特徴です。
例えば、commpostのスマホケースは、シンプルでおしゃれなデザインが特徴です。
価格も2,000円ほどなので、気軽に購入できておすすめです。
参考:commpost
tadas
tadasは、富山県の八尾(やつお)に店舗を構える「着物」のアップサイクルブランドショップです。
日本ならではの着物カルチャーをアップサイクルで生まれ変わらせることは、まさに日本独自の手法といえます。
着物の生地から、男性向けのアロハシャツを作って販売したり、女性向けのセットアップの他、ヘアクロスバンドや布マスクなどの小物商品を作って販売しています。
販売する商品は、どれも着物ならではの落ち着いた色合いとデザインが特徴で、特に布マスクは着物や浴衣で観光するときにぴったりのアイテムです。
小物アイテムの価格帯は、1,000円〜3,000円なので、気軽に手に取りやすくおすすめです。
参考:tadas
THE TINY SHOP by MORI
実店舗の古着屋は京都河原町にあり、店内の一角ではリメイク作業も行っています。
カジュアルなデザインのTシャツやロングスカート、ワンピースといった商品のほか、エコバッグや花瓶などの雑貨商品も取り揃えています。
レディースだけでなく、メンズ商品の品揃えも豊富です。
価格帯は6,000円〜10,000円程度です。
また、人気の古着の「黒染め」も、地元の染色会社との協働により、店頭だけでなく、オンラインでの受け付けも可能です。
MALION VINTAGE(マリオン ヴィンテージ)
MALION VINTAGEは、メンズのネクタイやツイードジャケットのほか、デッドストックとされていたシーツなどのヴィンテージアイテムを国内外から買い付けて、女性向けの洋服に作り変えて販売しているアップサイクルブランドです。
全体的にシックで落ち着いた色合いのアイテムが多く、特にネクタイから作ったパッチワークのキャミソールやロングスカートは、唯一無二のおしゃれなデザインが特徴です。
オンラインショップからでも購入できるので、ヴィンテージの洋服が好きな人はぜひチェックしてみてください。
Love & sense(ラブ アンド センス)
Love&senseでは、アルミのプルタブから作ったショルダーバッグなどを販売しています。
同ブランドのプルタブアイテムは世界的にも注目されていて、ニューヨークの近代美術館MOMAのショップでも商品が取り扱われているほどです。
プルタブが一面に編み込まれているショルダーバッグは、まさに唯一無二のデザインといえます。
すべてアルミ素材のため、見た目よりも非常に軽いのが特徴です。
このプルタブシリーズの商品はブラジルで生産されていて、フェアトレードで取引されています。エシカルでサステナブルなLove&senseのプルタブバッグを、ぜひチェックしてみてください。
参考:Love & sense
coxco(ココ)
coxcoは2020年に誕生した新しいブランドで、ファッション業界の過剰生産・大量消費・大量廃棄などの社会問題を解決するためのブランドとして生まれました。
coxcoの洋服は、大量にデッドストックされた衣類の生地からアップサイクルされた商品です。
ワンピースやTシャツは柄のないシンプルなデザインが特徴で、白と黒のモノクロカラーで展開されています。
また、NPO団体の「DEAR ME」と連携したエシカルな取り組みにも注力していて、ファッションを軸としたフィリピンでの教育・雇用機会の創出を目指しています。
参考:coxco
PASS THE BATON(パス ザ バトン)
PASS THE BATONでは、「RECYCLE」、「REMAKE」、そして、再び光をあてるという意味の「RELIGHT」という3つの軸をテーマに、「NEW RECYCLE」という新しい価値観を世間に広げるための活動をしています。
様々な企業・ブランドからB級品やデッドストックを買い付けし、そこにPASS THE BATONならではのアイデアを織り交ぜて新しい商品を開発しています。
例えば、品質基準に満たなかったDEAN&DELUCAのトートバッグにオリジナルの刺繍やプリントを施して販売したり、フランス発の高級バターの運搬用に使われていたバターケースをおしゃれなインテリアランプにアップサイクルしたりと、驚くほど個性豊かな商品を取り扱っています。
センスの光る個性的なアップサイクルアイテムを探している人は、ぜひチェックしてみてください。
SEAL(シール)
SEALは、廃棄されたタイヤチューブから、ビジネスバッグやビジネスシューズ、財布などの男性向けアパレル商品を開発して販売しているブランドです。
もともとの素材がタイヤチューブというだけあって、その丈夫さはお墨付きです。
ビジネスバッグ・リュックを中心に、その商品ラインナップは70種類以上もあります。
本店は東京の青山にありますが、公式オンラインショップのほか、楽天市場の公式ショップからでも購入できます。
父の日のプレゼントや、男性向けの誕生日ギフトにもおすすめです。
参考:SEAL
PLAGLA(プラグラ)
最後に紹介するのは、ペットボトルから生まれたメガネです。
このブランドは、日本製メガネの生産シェア率が90%以上と言われるメガネの町・福井県鯖江市という場所で生まれました。
「PLAGLA(プラグラ)」という名前は、「PLASTIC(プラスチック)」と「GLASSES(メガネ)」という2つの言葉を掛け合わせた造語です。
その名の通り、同ブランドのメガネフレームはリサイクルプラスチックを使用しています。
PLAGLAのメガネフレームの価格帯は6,000円〜と、アイウェアのなかではかなりリーズナブルな値段です。
売上の一部は、公益財団法人「海の羽根募金」に寄付され、全国の海岸の保全活動や清掃活動の費用として使われるので、メガネの購入を通じて、誰でもSDGsの取り組みに参加できます。
オンラインショップにも対応しているので、気になる人は、公式ページをチェックしてみてください。
参考:PLAGLA
洋服のアップサイクルのアイデア・作り方
自分で古着のアップサイクル(リメイク)に挑戦したいときは、YouTubeの動画が参考になるのでおすすめです。
一例として、以下の動画では、デニム生地をアップサイクルして、スマホホルダーなどのアイテムの作り方を紹介しています。
そのほか、人気のある古着のアップサイクルのアイデアの例は、以下の通りです。
- レディース/メンズの洋服→子供服
- バッグ
- コインケース
- ポーチ
- クッションカバー
- ヘアアクセサリー
- 鍋敷き
- 布マスク
- 布ナプキン
- パッチワークの小物
特にジーンズなどのデニム生地は厚地の特徴があるので、比較的丈夫でしっかりしたつくりの小物を作ることができます。
裁縫が得意な人は、パッチワークに挑戦してみるのもおすすめです。
YouTubeやインターネットで検索するときは、「アップサイクル」以外にも、「古着」「リメイク」「DIY」などのキーワードで検索すると、様々なアイデアや作り方が確認できます。
また、最近はメルカリなどのフリマアプリでも、ハンドメイドの作品として古着のリメイク雑貨を販売している作家さんも多くいます。
ぜひ、自分にぴったりのアップサイクル術を探してみてください。
まとめ
本記事では、洋服のアップサイクルについて、日本国内のアップサイクルブランドの事例なども含めて紹介しました。
洋服のアップサイクルは、倉庫に眠るデッドストック品を中心に、捨てられるはずだったモノに新たな命を吹き込んで生まれ変わらせる素晴らしいアイデアです。
ぜひ、本記事で紹介したおすすめのアップサイクルブランドから、多様なアイデアに触れてみてください。
また、裁縫が得意な人は、ぜひご自身で、古着のアップサイクルに挑戦してみましょう。
それでは、最後に本記事のポイントをおさらいしておきましょう。
洋服のアップサイクルのポイント
- 大量のデッドストックや生産過程で生まれる布切れ、B級品などが再利用されている
- 洋服のアップサイクルでは企業、ブランドの枠を超えたコラボレーションが活発である
- 着物のアップサイクルは日本独自のアプローチ法である
- 古着のアップサイクル(リメイク)は個人の趣味としても楽しめる
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