【ブランド5選】アニマルフリーとは?意味や意義、取り組み事例も紹介
アニマルフリーという言葉を耳にしたことはありませんか。
アニマルフリーとは動物性の素材を使用していない製品のことです。
例えばファッションでいうなら、毛皮(ファー)や羽毛(ダウン)、皮革(レザー)等の製品に動物素材を使用しないもののことを言います。
人間はこれまで生きるために、多くの生物の命を犠牲にしてきました。
それは人類の長い歴史の中で必要な面もありましたが、現代においては明らかに不要で贅沢なものも存在します。
これ以上、他の生物の生命に負荷をかけないためにも、アニマルフリーに取り組むことは非常に重要です。
この記事では、アニマルフリーについて、さまざまな角度からわかりやすく解説していきます。
アニマルフリーの意味と動物素材製品の問題点を解説
アニマルフリーの言葉の意味から、私たちが身近に使用している製品にどれだけ動物たちが犠牲になっているかを解説します。
アニマルフリーってどんな意味?
アニマルは「Animal」、フリーは「Free」です。
フリーは一般的に「自由」という意味で使用されますが、他にも「~が含まれていない」「~を除いた」という意味があります。
つまりアニマルフリーは「動物性のものは含まれていない」という意味になります。
動物素材にはどんな製品がある?
私たちの身近にある製品にどれくらい動物性の素材が使用されているか考えたことはありますか?
ファッションでいえば、羽毛のダウンジャケットや毛皮。
他にも財布やバッグなど多くのファッションアイテムには動物素材が使用されています。
特に本物の動物素材は高級感があるとされ、高級ブランドメーカーを中心に販売されてきました。
動物素材製品のために犠牲になる多くの動物たち
どのような製品で動物たちが犠牲になっているかを、具体的にご紹介しましょう。
何気なく使用している日用品にも動物素材のものは多く存在しています。
毛皮
毛皮の多くはウサギやキツネ、ミンクなどの動物の毛皮を生きたままむしったり、はいだりしたものが使用されています。
動物たちは悲惨な状況のなか、毛が生えればまた同じことが繰り返されます。
靴
靴に使用されているのは、牛や馬などの動物たちの皮です。
特に牛皮は生後2〜6ヵ月以内に去勢された雄の成牛の皮が多く使用されています。
食料となる牛の皮を利用します。
羽毛・羊毛製品
ダウンジャケットなどの羽毛製品はダチョウの羽根を生きたまま、むしり取っています。
ウール製品は羊の毛を刈り取るだけだと思ったら間違いです。
メリノ種のように毛の多い羊は臀部が不潔になって虫がわくことがあるため、それを防止するためにその部分の皮膚を切り取るミュールジングが行われています。
財布・バッグ
財布やバッグには、ワニやヘビ、トカゲの皮が使用されているものがあります。
特にワニ革は高級感のある素材として人気があり、多くのワニが密漁や乱獲され問題になりました。
動物素材による環境問題
動物素材による環境問題も深刻です。
毛皮や皮革製品は加工するための製造過程において、多くの水や化学薬品を使用しなくてはなりません。
水の大量消費はエネルギーの大量消費に繋がり多くの二酸化炭素を発生させます。
使用されている化学薬品には界面活性剤や酸、殺菌剤や漂白剤があり、中でも六価クロムやホルムアルデヒドは人体に多大な影響があると言われています。
中国で毛皮や皮革の産業を行っている地域では、これらが河川を汚染しています。
エシカル消費とサステナブル素材で動物たちの負担を減らす
アニマルフリーの問題を解決するためには、エシカル消費とサステナブルな視点からの素材購入が重要です。
ここではエシカル消費とサステナブル素材について簡単に解説します。
エシカル消費とは
エシカルの意味は「道徳的」「倫理的」です。エシカル消費とは、商品の製造から販売、再利用に至るまで、環境や労働する人たちに対して「道徳的」な配慮を行うことを指します。
具体的にいうと、エシカルファッションを購入したりサステナブルな製品やサービスを利用したりすることです。
サステナブル素材には何がある?
近年サステナブルな素材はあらゆる分野で注目されています。
サステナブルとは持続可能ということ。
食品でいえばできるだけ環境に負荷をかけない農薬未使用の野菜や代替肉。
エネルギーでいうなら二酸化炭素排出を抑制できる再生可能エネルギー。
ファッションでいうならオーガニックコットンや再生繊維、もちろんアニマルフリー素材もそのひとつです。
ヴィーガンアパレルについて
ヴィーガンという言葉もよく耳にするようになりましたが、ヴィーガンとは、もともと完全菜食主義のことを言います。
ヴィーガンアパレルは、食品と同様にファッションやファッションアイテムにおいても、動物性商品を一切使用しないことです。
アメリカやイギリスでは、ヴィーガンアパレルはヴィーガン認証マークを取得しているので、アニマルフリー製品購入の目安になります。
動物たちを消費しないために何が出来るか考える
動物たちの命を過剰に消費しないために私たちに何ができるかを考えることは重要です。
ここでは以下の2点にポイントを置いて、アニマルフリーについて考えましょう。
- 動物実験について
- ライフスタイルについて
動物実験をしない・させない(クルエルティーフリー)
コスメや日用品などの使用において人体への悪影響を確認するために、多くの動物実験が行われていることをご存じですか。
化粧品の安全性を立証するためにウサギを押さえつけ、目に薬品を投与し続けるという残酷な実験が行われています。
食料や衣類など生きる上で必要な部分は仕方ないとしても、人間の過剰な欲求から多くの動物たちが犠牲になっています。
クルエルティーフリーとは「cruelty(残虐性)free(含まない)」という意味で、コスメや日用品等の開発・製造・販売に関して一切の動物実験を行っていないもののことです。
動物たちの犠牲を減らすためにも、私たち消費者は商品に対してしっかりとした視点を持つことが求められます。
ライフスタイルを見直そう
私たちは多くの物を所有し過ぎていることに気づくべきです。
買い物をするときには、それが本当に必要なものなのかまずはしっかりとみきわめましょう。
また何気なく使っているものが動物性製品かどうかを確認することも大切です。
過剰な消費は過剰な生産を生み、それだけ動物の犠牲が増加することを意味します。
一人一人が自分たちのライフスタイルを見直し、過剰に動物性の商品を消費しないことが、動物たちへの犠牲を減らす手立てとなります。
アニマルフリーを実現する世界や日本のブランド
ここではアニマルフリーを実現している世界や国内のブランドをご紹介します。
アニマルフリー商品を選ぶときの参考にしてくださいね。
海外ブランドの事例3選紹介
アルマーニ
世界に名だたるアルマーニは「ファー・フリー・ポリシー」を掲げ、2016年に全コレクションから、アルパカやアンゴラなど動物の毛皮を使用した製品を撤去しました。
Womsh(ウォムシュ)
イタリア発のフットウェアブランドWomsh(ウォムシュ)。
りんごからできた繊維を活用し代替レザーとして使用したスニーカーを製造。
サステナブル・ビューティの代名詞として世界中にファンのいるブランドです。
KYOMO
人の生き方や環境への配慮、動物愛護を掲げている時計ブランドのKYOMOは、動物に危害を与えないために、動物由来の材料を使わずにアイテムを生産しています。
時計に使用されているバンドは、すべてアニマルフリーのヴィーガンレザーです。
国内ブランドの事例2選紹介
株式会社ナダヤ
創業60周年の老舗ナダヤはアニマルフリー素材の製品も取り扱っています。
本来廃棄されるはずのパイナップルの葉から作られたヴィーガンレザー、ピニャテックスを使用し、内装までアニマルフリーにこだわった財布を製造販売しています。
FUMIKODA(フミコダ)
FUMIKODAは日本製のヴィーガンレザーを使用したバッグやリュックを販売しているエシカルブランド。
ヴィーガンレザーだけではなく、ファー素材はエコファーを使用するなどアニマルフリーにこだわった製品づくりを行っています。
すべての命の負担を減らす持続可能な社会を実現するために
アニマルフリーについて、さまざまな視点から解説しました。
サステナブルな社会は人間だけが存在する世界ではありません。
すべての命を尊重し、共存していく世界こそが、本当の持続可能な社会です。
動物たちへの過剰な犠牲を強いることなく、豊かな社会を築くためにも、アニマルフリーの製品に注目し、手にとって見てくださいね。
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