【徹底解説】サステナブルとエシカルの違いとは?具体的な取り組みを紹介!
環境意識の高まっている今、よく聞くのが「サステナブル」と「エシカル」という言葉です。
「環境や社会にとっていい」となんとなくは分かるものの、それぞれの意味や違いはよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
言葉の意味や具体的な取り組みが分かると、サステナブルなことやエシカルなことが身近にあることを実感できます。
この記事では、サステナブルとエシカルの意味や違い、企業の具体的な取り組みや自分たちにできることを紹介していきます。
サステナブルの意味とは?
サステナブル(sustainable)とは、「持続可能な」という意味です。
2015年に国連サミットで「SDGs(持続可能な開発目標)」が掲げられたことで、言葉が浸透しました。
最近では、
- 「サステナブル社会」
- 「サステナブルな暮らし」
- 「サステナブルファッション」
のように組み合わせて、使われることが増えています。
そのため、一般的に「未来のために、自然環境・社会・経済を守り続ける」という意味が大きくなっています。
エシカルの意味とは?
エシカル(ethical)を直訳すると、「倫理的」「道徳的に正しい」という意味の言葉です。
具体的にいうと、「みんなが正しいと思う行動」「社会にとって良い行い」という意味になります。
そのため、エシカルは
- 「環境に優しい」
- 「社会貢献になる」
- 「地域活性化に繋がるもの」
という意味合いで使われています。
また、「エシカル消費」というワードは、「人、環境、社会に優しいサービスや商品を利用することを表しています。
サステナブルとエシカルの違い
このように、サステナブルとエシカルの意味は違いますが、似ている点も多くあります。
違いがより明確になるように、それぞれのポイントをまとめました。
「サステナブル」のポイント
- 「未来」の意味合いが強い。
- 「みんなが豊かな暮らしができるように、人、環境、社会を守り続ける未来を目指す」という思いから使われている。
「エシカル」のポイント
- 「今」という要素が強い。
- 「人、環境、社会に優しい行動や考え」など、今できるものを指す。
つまり、サステナブルな社会を「未来」目指すために、エシカルな行動や考えが「今」必要であると言えます。
2つの意味は違いますが、密接に関わっています。
サステナブル社会を目指す!企業のエシカルな取り組み
サステナブルな社会を目指すために、企業はどのような取り組みをしているファッション業界のエシカルな事例を紹介していきます。
「パタゴニア」環境保護に貢献!
パタゴニアは、1985年から「1% for the Plant」に取り組んでいます。
これは、自然保護や回復のために、売上の1%を寄付するという活動です。
開始以来、総額1億4,000万ドル以上の寄付をしてきました。
この数字は、「製品を販売するために、自然環境にお返しをしよう」という強い思いを証明しています。
さらに、服の生産にもこだわっています。
環境に負荷を与えるという事実を受け止めた上で、エネルギーや資源を無駄にしないよう、耐久性に強い製品を生産し続けています。
「ユニクロ」ペットボトルから人気アイテムを生産!
ユニクロは、フリースやポロシャツなどの生地に、ペットボトルを再利用したリサイクルポリエステルを使用しています。
ペットボトルからできたリサイクル素材を使用した場合、従来の生産と比べると、二酸化炭素の排出量を、約1/3も削減できるそうです。
世界中に支店があるユニクロだからこそ、影響力は大きいでしょう。
「アディダス」プラスチックゴミ0の未来を目指す!
アディダスは、プラスチックゴミ0の未来を目指した活動を続けています。
2024年までに、全ての製品でリサイクルポリエステルを100%使用することが目標です。
人気の「スタンスミス」は環境に優しいモデルとしてリニューアルしました。
生産工程を見直し、高性能なリサイクル素材やヴィ―ガン素材、廃棄ゴムなどを使用しています。
スタイリッシュなデザインをキープしたまま、サステナブルな生産方法に移行したアディダスは、相当な企業努力をしていると考えられます。
ファッション業界のSDGsの取り組みについて、下記でさらに詳しく解説しているので、チェックしてみてください。
その服は本当に必要?ファッション業界が取り組むSDGsを紹介
自分たちにできる!エシカル消費アクション5つ
自分たちにできる「エシカル消費」について紹介します。
サステナブル社会を目指すためには、消費者意識を「より安い商品」から「より良い商品」という方向へ変えていくことが大切です。
エシカル消費を始めたいけれど、何をすべきか迷っている方でも、簡単にできる5つのアクションを紹介します。
①エコマーク商品を利用する
「エコマーク」がついた商品を買うこともエシカル消費になります。
エコマークとは、生産から廃棄における工程全体において、環境負荷の少ない商品につけられる環境ラベルです。
例えば、エコマークがついたノートは、古紙からできた原料を70%以上使用。
液体石鹸の場合は、廃棄された食用油が50%以上再利用されています。
エコマークを買うことは、環境に優しい消費に繋がります。
②リサイクル用品を活用する
リサイクルショップで、古着や中古品を買うことも、環境に優しいアクションです。
新たに製品を作るためには、大量の資源やエネルギーを使用します。
例えば、服を一着作るのに、「二酸化炭素がペットボトル約255本分」「水は浴槽11杯分」を消費すると言われています。
リサイクル用品を活用することは、貴重な資源などを節約できるため、エコな買い物です。
また、最近では「フリマアプリ」も人気が高まっています。
自分が利用しやすい方法で、リユースに協力するのもエシカル消費につながります。
③フェアトレード商品を買う
フェアトレードとは、「公平な取引」という意味です。
社会的・環境的・経済的な視点で「公平な取引がされている」と認証された商品については、国際フェアトレード認証ラベルが付与されます。
フェアトレード商品を買うことは、発展途上国の生産者を支援することに繋がります。
つまり、弱い立場にいる労働者の働く環境や収入を守ることができます。
コーヒー、紅茶、チョコレート、バナナ、コットン製品などを買う時は、フェアトレードマークを探してみてください。
下記でフェアトレード商品について解説しているのでチェックしてみてください。
フェアトレード商品とは?できることや問題点をわかりやすく解説!
④寄付付きの商品を選ぶ
寄付付きの商品を選ぶことも簡単にできるエシカル消費です。
企業が売上の一部を寄付している商品を買うだけで、社会貢献につながります。
例えば、WFP(国連世界食糧計画)では「レッドカップキャンペーン」を実施しています。
レッドカップマーク付きの商品を買うと、学校給食支援の力になります。
直接、団体に寄付をするのは勇気がいるという方も、寄付付きの食品や洗剤を買うことなら、一歩を踏み出しやすいのではないでしょうか。
⑤地産地消や地方の特産物で応援消費をする
地産地消とは、国内の地域で生産されたものをその地域で消費すること指す言葉で、地元でとれた野菜や地方の特産物を買うことは、地域の生産者の応援になります。
ローカル食材の消費が増えると、売上がアップするので、地方の経済が活性化します。
今は帰省や旅行が難しいご時世ですが、スーパーやネットショッピング、ふるさと納税で、地方の特産物を購入して、どこからでも地域の活性化を応援できます。
参考:「地産地消の推進(東海農政局)」より
まとめ
言葉の意味を深く知ることも、よりよい未来をつくるために必要な価値のある行動です。
それでは、最後にもう一度確認しておきましょう。
「サステナブル」のポイント
- 「未来」の意味が強い。
- 「みんなが豊かな暮らしができるように、人、環境、社会を守り続ける未来を目指す」という思いから使われる。
「エシカル」のポイント
- 「今」という要素が強い。
- 「人、環境、社会に優しい行動や考え」のことを指すことが多い。
つまり、サステナブルな暮らしをするために、エシカル消費などが必要であると言えます。
今まで、あまり意識していなかった方も、意味や企業の取り組みを知ることで、少し身近に感じたのではないでしょうか。
「サステナブル」「エシカル」の意味をしっかり理解した上で、ぜひ自分ができることから行動してみてください。
『GREEN NOTE(グリーンノート)』は環境・社会課題をわかりやすく伝え、もっと身近に、そしてアクションに繋げていくメディアです。SDGs・サステナブル・ESG・エシカルなどについての情報や私たちにできるアクションを発信していきます!