ミニマリストとは?無駄をなくし、地球環境や生活を豊かにする生活について
最近増えてきている「SDGsミニマリスト」。
テレビや雑誌などのテーマとして良く耳にする、SDGsを達成させるためにはミニマリストのようなエシカルな行動が大切だとされています。
多くのメディアで紹介されているため、「なんとなく聞いたことがある!」という方も増えてきているのではないでしょうか。
しかしなんとなくイメージができても、ミニマリストとは一体どのような考え方なのかわからない人も多いはずです。
普段の生活の中でSDGsについて知る機会は少ないため、その実情がよくわからないまま遠ざかっている方も少なくありません。
「無駄を無くし生活を豊かにする」日常に溶け込み簡単に取り入れられるミニマリストとSDGsの考え方について、詳しくご紹介します。
ミニマリストってなに?
SDGsミニマリストの定義は様々です。
日本においてSDGsミニマリストとは一般的に個人が所有する財産や生活に必要な必要最低限の物で暮らしている人のことを指します。
そうすることにより必要最低限のモノだけで生活が営みやすくなるという考え方で、大量生産大量消費の現代社会で新しく生まれたエシカルなライフスタイルです。
たとえば洋服や靴、鞄の数を減らし着回したり、不要なものは置かずに一つの物を様々な用途で使ったりするほかに、物を他の人と共有するなど自分の所有する物を厳選する人が増えてきています。
ミニマリストが注目されたきっかけや背景
ミニマリストの語源はアメリカにあります。
最小限を意味するminimalと主義を意味するismからきています。
日本においては「シンプルイズベスト」、「断捨離」、「ミニマリスト」というように歳月を得て表現方法は進化してきたようです。
そもそも物に不自由しないこの現代で、暮らしやすさを極めるためにも「断捨離しましょう」ということが2000年代以降に言われるようになりました。
その断捨離は近年ではミニマリストが主流です。
「シンプルイズベスト」は企業をメインに採用されていた方針である一方、メディアや書籍では「断捨離、ミニマリスト」という言葉、方法がもてはやされています。
多くのものや情報であふれる社会で、多くの物を手にしても満たされない人や物に埋もれて本当に大切な物が見えなくなって生きづらさを感じる人が増えています。
自分にとって本当に大事な物を見極めて必要な物だけを取り込むことで楽に生きたいといった思いから注目を集めるようになりました。
大量生産や大量消費
SDGsミニマリストといえば「物を最小限に持つ、物を大切に使う」という目的があります。
しかし大量生産・大量廃棄の近年では必要最低限の物だけを大切に使うのも難しくなっています。
たとえば、生活をする上で必要不可欠な家電。
日本においては新製品が次から次へと開発、販売、購入されています。
大量生産のこの時代、家電の調子が良くないために修理の依頼を行いたいと願っても、販売店からは「新しい家電に買い替えるように」と促されることが多いのはご存知でしょうか。
なぜなら、購入後すぐ短期間のうちに家電を買い替えさせることができれば、商売側には利益になるからです。
この家電業界のしくみは近年において顕著になっています。
逆に一部の人では良いもの、思い出の家電を手放したくないという思い、手放すことによりデメリットを感じる人も存在しているのです。
思い出の物を長く愛用したいというミニマリストユーザーは、所有物の修理を承ってくれる業者を自ら探して出して個人的に依頼することも。
そうした依頼を受ける業者は多くはないので一社に集中しがちになり、何ヶ月も待つことになったり、部品が製造中止であれば修理できないリスクを抱えたりしています。
大量生産、消費を促してきた家電業界他、SDGsミニマリストはこういった事情を嘆いて物を大切にすることを選んだ人もいるでしょう。
環境破壊
大量生産や大量消費による環境破壊は1950年後半頃から注目されています。
特に問題となっているのが、
- 工場や物流、車の排気ガスなどで排出される大気汚染
- 生活排水や有害物質を海に流出し海洋汚染
- 大規模な森林伐採による生態系の破壊や地球温暖化の加速
などの環境破壊です。
日本は世界一のゴミ捨て大国であることはご存知でしょうか。
小さな島国である日本ですが、ゴミの焼却場数がアメリカやフランスを抑えてぶっちぎりの1位なのです。
それに比例してダイオキシンの排出量も世界一と、物が増えすぎたことによる環境破壊が深刻な問題となっています。
参照:世界のごみ焼却ランキング 3位はデンマーク、2位はノルウェー、日本は?
労働環境の深刻化
メイド・イン・チャイナやメイド・イン・インドなど、すっかり見慣れてしまった製造国表示。
昭和時代には労働資源を中国やインドネシア、ベトナムなどのアジア諸国へとうつされていました。
その理由の背景には、労働者へ支払う賃金が日本よりも安いことにあります。
発展途上国では想像もつかない低賃金で働かされており、貧困から抜け出せずに今でも劣悪な環境で労働を強いられているのです。
低コストで大量生産が可能なため、先進国のアパレルメーカーがこぞって低賃金での長時間労働を行っていたことが明らかとなり問題となりました。
私達は経済成長発展の裏側には、多くの犠牲が払われてきたことを知る必要があります。
ミニマリスト=地球に優しい生活なのか
ミニマリストという生き方がどうして地球環境改善につながるのか、考えていきましょう。
SDGsミニマリストと名乗っているとしても、考え方の認識は個々で様々です。
環境破壊を心配しているミニマリストには、
- ノーペットボトル生活を実行しているというミニマリスト
- 天然、自然成分のみで含有された固形石鹸のみを使用するミニマリスト
- オーガニック、植物由来成分のみ含有されている製品を選ぶミニマリスト
など、こだわるところは多種多様です。
特に女性ミニマリストは、シャンプー、ボディソープという美容品に拘る方が多いイメージでした。
一方で、環境への影響が多大と言われている医療業界。
洋服や家電に至るまで環境に配慮しているミニマリストは積極的にエコを重んじるタイプのSDGsミニマリストですが、あまり多くはなさそうです。
洋服業界の環境破壊はペットボトル以上に悪影響で、その環境破壊の様子は多大だという研究結果が出ています。
SDGsミニマリストとして洋服を必要以上、無駄に持たないようにしている人や洋服を長く着ることにつとめて買い替え頻度も低いのであれば環境にも優しい活動家といえるのでしょう。
ミニマリストになって変わる生活とは
ミニマリスト生活に成功すれば、暮らしやすさが手に入るようです。
それではミニマリストになると何かが変化していくのか具体的に見ていきましょう。
メディアに左右されない生活
情報化時代と呼ばれて数十年経過し、雑誌にインターネット通販、現代では昔よりも物が溢れています。
欲しい物は山ほどある世の中で、欲しいだけの欲望に振り回されることのない生活を送れるようになると、金銭的、時間を大切に使うことができるのです。
ミニマリストとして必要な物を取捨選択できるようになれば、ローンやカードを使って物欲を満たす生活ともさようならすることができます。
洋服やアクセサリーを購入するためにローンを組み借金をする生活とも無縁です。
身の丈での暮らしが叶うので、心身ともに余裕が生まれてきます。
ミニマリストは他人の欲望にも影響されにくく一度ミニマリストの考えと習慣を身につけてしまうと、衝動買いも止められるようになります。
こうした生活が自分に合うのかどうか?
理想的な人生なのか?
は人それぞれです。
ミニマリストになれば、決めたこと以外に気を取られたり時間を費やしたりすることもなくなるでしょう。
買い物をする時間が減る
私たちはお買い物をする時間にどれだけ費やしているのでしょうか。
洋服などの贅沢品、日々の食料品、日用品の買い出しと、どこで何をどのくらい買おうか?と考えている時間が意外と多いものです。
買い物でストレスを発散している女性や、買い物が好きな女性は買い物のことを考える時間は至福かもしれませんので、強制はできません。
ミニマリストとして生活することは、生活を営みやすくすること。
買い物が喜び、楽しみになっている人にはそのままでいいのです。
ミニマリストになっても買い物のことを楽しんでもいいのです。
ただ義務として買い物をする人にとってミニマリストでは頭の中に余計な欲求を入れないことにも通じるので、買い物の時間、買うかどうか考える時間やエネルギーも省エネになります。
無駄な買い物、衝動買いも減るので貯金が増えるという嬉しい結果にもつながります。
ネットサーフィン、ネットショップも同じ、他人に時間を奪われる生活から抜け出せることが最大のメリットです。
ミニマリストになると、その購買意欲や行動も抑制されていきます。
家事の時間が削減される
好きな人もいれば嫌いな人も多い家事。
家事労働なんて表現もされている、負担になる仕事です。
家事においてミニマリストにとってのメリットは、家事に携わる時間が削減できること。
無駄な掃除や洗い物など、家事には無駄がつきものですよね。
ミニマリストとして暮らすとお皿の数、収納場所、動線と、効率と手際を考えた暮らしになるので、家事はとても簡単です。
まさにシンプルイズベスト。
部屋に余計な物が無ければ、掃除機がかけやすくなります。
スッキリとした空間で生活を送ることは、健康的。
イメージとしては、ビジネスホテルに宿泊したり、台所つきのお部屋に必要最低限の荷物を持って宿泊するような暮らしです。
こうした場所では余計な動きや家事はせず、とても楽でシンプルです。
家事の時間が少なくなることは悪いことではなく、効率的な家事ができる為に品質もあがり家庭のためにもなるということを忘れてはいけないでしょう。
ものを減らすことで本当に必要なものがわかる
ミニマリストのメリットとして不要なモノを処分していくと、案外必要な物が限られていると気がつくようになります。
物に囲まれていると安心感を得られるという方も多く、男女問わず物を増やしがちに。
ところが、この心理で自宅に物がどんどんと増えてゆくと、増えた後の最終処分の段階でどうしよう?と苦労してしまいがち。
それなら早いうちに少ない物で暮らす習慣を身につけておいた方が楽でお得です。
これは、老後のための整理整頓も兼ねて考えることができます。
女性の物で多いアイテムは日傘、靴、洋服、バック類。
何着も所有している女性ほとんどでしょう。
ところが、バックも靴も衣類も何個持っていても結局は長年着用していない!そんな物もあるはず。
使用しなくても思い出のある物を捨てるのは、心苦しいものです。
そこで、一度物を捨てたつもりで生活を送ると一年使用していなかった…なんていうことも経験したりします。
本当に必要なものがわかれば無敵です。
一気に捨てようと決断をする必要もないので、ゆっくりと捨てる考えていくことで成功です。
ゆっくり考えることをモットーにすれば大丈夫、断捨離への気持ちもとても楽になります。
ミニマリストから学ぶモノの捨て方と選び方
最低限のモノだけで暮らすには、生活に必要のないものを減らすのが大前提です。
使わないモノや使えないモノは捨てて、部屋をスッキリさせることが大切です。
持ち物を捨てるべきか迷ったら、
- 自分にとって今必要なのか
- 今、家族や自分が大切にしているものなのか
など「今」を基準にするといいでしょう。いつか使う、もったいないと置いておいても使うことも無ければ置いてあるだけなので必要がありません。
「未来に必要になるかもしれない」という考え方はやめておいたほうがいいでしょう。
物を捨てる理由を考える
断捨離では、ときめく物だけを手元に残しておくことを推奨されています。
一例ではすでにサイズアウトしてしまった洋服をいつまでもクローゼットに収納しておくことは勧めず、ときめかない衣類は捨てるというようにとのアドバイスです。
しかし頭で分かっていても捨てるかどうか悩んでしまうこともありますよね。
自分の荷物に対してどう考えているか認識することで、「物を捨てる・残す」の判断がしやすくなるかもしれません。
物を捨てられないときの思考パターンは、
- 必要になるかもしれない
- 価値がある
- 捨てるのが面倒くさい
- 思い出がある
- 気に入っている
- もったいない
などが考えられます。高い価格で購入したものは特に捨てられない傾向があり、捨てづらいと感じる人も少なくありません。
しかし「今は使わないモノは無価値」です。
残してはおかずに捨てるとルールを決めておくようにしてください。
「いつか使うかもしれないモノ」は存在を忘れてしまっていたり、使うときには気に入らなくなっていたりと、大概今後も使わないものばかりです。
持っている必要もないのですので、捨てる決断をしましょう。
特に1年以上使っていないものは来年も再来年も日の目を見ることはないので、思い切って捨てることをおすすめします。
重複しているモノから減らしていく
キッチンにある食器類やクローゼットの中に嵩張る衣類、玄関のクローゼットに収納された靴など家の中には重複している物がたくさんあります。
こうした重複している物から徐々に減らしていく方法がおすすめ。
服飾品の多い女性には特に該当する術です。靴、カバン、洋服類は特に次から次へと買わない、置かない、持たないようにすれば暮らしやすくなります。
似ているものやほとんど使用していないものを減らしていくと、整理整頓や掃除、物の管理、物選びなどが簡単になり生活が楽になるメリットも。
どれもこれも新品、必要な物だというのであれば居住スペース屋外に荷物入れの倉庫を利用する方法もおすすめ。
有料ですが、毎月の使用料金を払って大事な物を収納するサービスです。
使うけれど物が多い場合、こうした倉庫へ収納しても良いでしょう。
日々のルーティンを決めておく
一般的にミニマリストとはものを積極的に処分するイメージが強いかもしれません。
しかしミニマリストの本質は必要な物を選択することで自分のしたいことを集中することがあります。
つまり積極的に物を処分するのは目標を達成するための手段に過ぎず、物を捨てるだけでミニマリストを実施していることにはなりません。
ミニマリストの多くは自分のしたいことに集中するために、時間の使い方には気をつけています。
そのため生活のルーティン化を心がけ、1日を効率よく過ごすのがいいでしょう。
日常的に着用する衣服や食事を前もって決めておくことで、悩む暇や外食を無くすことができます。
逆の発想として、やりたいことをするために「やらないことリスト」を作ってみるのもいいでしょう。
やらないことリストに記載したことをやらないようにするだけで、自分のしたいことを明確にできるためです。
新しい物を増やさない
ミニマリストとして物を片付けることが重要ですが、新しいものを増やさないことも大切です。
片付けをしていると手放すことばかりに気を取られて、「物を断つ」ことを忘れてしまいがち。
片付けると決めたからには新しいものを買ったりもらったりして、増やすことは極力避けましょう。
1回の断捨離でミニマリストを目指さない
ミニマリストとして一気に断捨離を実行するのは体力的、時間的、精神的にとあらゆる負担があるため危険です。
できるところからゆっくりと断捨離を行うようにしましょう。
特に物が多い場所の断捨離を一度に済ませようとせずに、マイペースに取り組めば大丈夫です。
日本には春夏秋冬季節が存在します。
春はキッチン、夏はクローゼットという風に春夏秋冬の大掃除で取り組んで見てもいいでしょう。
とにかく一生懸命に取り組みすぎずに、心にゆとりを持つことが大切。
断捨離の時は一度よりも二度、三度と吟味しながら断捨離していけば、後で捨てなければよかったと後悔しません。
また、断捨離する時は一人で行うとおすすめです。
理由は隣に捨て魔がいると、本当に捨てたいのかどうか?の判断に迷うことにつながります。
その都度捨てても後悔したことがないと他人に助言されても、あくまでも決定は自分で判断するべきです。
ミニマリストを通して地球環境を考えてみよう
暮らしやすい環境を整える目的がミニマリストです。
暮らしやすさを個人単位で考えると、部屋に余計な物が置かれずに必要な物だけで暮らすこと。
ゴミが出にくい物を選んで購入することです。
もっと大多数の単位で考えると、ミニマリストの暮らしは自然保護や地球環境に優しい生活を送る工夫にもなるのです。
良い製品と出会うことができたのであれば自然素材を重視した製品を使う、手洗いソープとボディソープやフェイシャル用ソープを同じ物で応用することも地球環境に優しい生活、取り組みといえるでしょう。
ミニマリストとには賛否両論あり、他者から見たところ目的不明と感じることも多いようですが、結局は地球と自分に優しく暮らしをするための手段です。
ミニマリストを深く考えすぎずに無駄を考えた生活を送るのもいいのではないでしょうか。
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