【SDGs会社見学】象印マホービン株式会社のSDGsの取り組みを紹介|後編
GREEN NOTEアンバサダーの難波遥さんと象印マホービン株式会社の本社へ訪問し、SDGsの取り組みについてお話を伺い、前編と後編に分けてお届けいたします。
後編では、【食と健康】【教育】を軸とした3つの取り組みについてお話を伺いました。
・ライスマイル【食と健康】
・ZOJIRUSHIユメセンサーキット【教育】
・OSKと踊ろう!Dream on a Dance【教育】
【環境】を軸とした2つの取り組みについて:【SDGs会社見学】象印マホービン株式会社のSDGsの取り組みを紹介|前編
ライスマイル【食と健康】
出典:https://www.zojirushi.co.jp/ricemile/
難波さん:「ライスマイル」について、教えてください。
美馬本さん:「ライスマイル」は、2013年に「ごはん好きの輪を広げるための活動」としてスタートしました。
農林水産省によると、1962年度をピークにお米の一人当たりの年間消費量は減り続けており、1962年度は118kgで、2020年度は半分以下の50.8kgと、「米離れ」が進んでいます。
(引用:「農林水産省」https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1808/01.html)
炊飯ジャーの開発・販売をしている企業として、米離れはやはり痛手です。そこで、おいしいごはんで笑顔を増やすという意味で、ライスとスマイルで「ライスマイル」を企画しました。
難波さん:具体的にどんな活動内容ですか?
美馬本さん:Webサイトで、ごはんの栄養や世界各地での食べ方など、ごはんに関する知識について発信しています。
その他にも、高級な炊飯ジャーを買っていただいても、正しく炊飯しないとおいしいごはんを食べていただくことができないので、炊飯までの準備やお米の保管方法、量り方や洗い方などをトータルで発信しています。
また、契約農家さんと連携し、その農園に新入社員が訪問して田植えや稲刈りをするという米作りにも取り組んでいます。
難波さん:この取り組みから気づいたことはありますか?
美馬本さん:子どもたちのごはんに対する意識の変化を感じています。
「米離れ」のお話をしましたが、最近は、パンやパスタなど、ごはん以外の選択肢が増えています。
そこで象印では、親子でごはんをおいしく食べたり、ごはんを一緒に炊く方法を学んだりして、子どもたちに「ごはんはおいしい」と気づいてもらうためのイベントを開催してきました。
出典:https://www.zojirushi.co.jp/ricemile/oyako/2018.html
(主催:朝日小学生新聞・協賛:象印マホービン|小学生親子が参加するイベント『親子で学ぶ「ごはんのおいしい炊き方」親子de炊飯教室』 ※画像は2018年実施の様子)
難波さん:課題や広がり方など、感じることを教えてください。
美馬本さん:ごはんをおいしく炊く方法は、学校で教えてもらうというより、家の中で代々伝わってきて、炊飯ジャーが変わっていっても、炊き方はアップデートされていないことが多いんです。
イベントでは、同じ炊飯ジャーで炊いているのに、「味が全然違う、おいしい!すごい!」と言っていただくことが多いので、ごはんに対する意識の変化があると実感しています。
難波さん:今後の活動について教えてください。
岩本さん:リアルイベントを復活させたいです。コロナ禍ではリアルイベントが難しかったので、ロボット、AI、IoTなどを活用したスマート農業に取り組んでいる農家さんに、私たちが直接取材に行き、その内容を動画で配信するという、リアルとデジタルを組み合わせた発信をしました。その動画を見て、田んぼのことを身近に感じてくださった方に、その田んぼで収穫されたお米を購入していただきました。
実際に行くことができなくてもオンラインで現場を知ることで、ごはんをおいしく感じてもらえるかな、とも思っています。
今後もいろいろな方向から「おいしいごはんとはどういうことなのだろう」と考え、活動していく予定です。
ZOJIRUSHIユメセンサーキット【教育】
出典:https://www.zojirushi.co.jp/corp/yumesen/index.html
難波さん:「ZOJIRUSHIユメセンサーキット」について教えてください。
美馬本さん:日本サッカー協会(JFA)さんの社会貢献活動である「こころのプロジェクト『夢の教室』」に賛同し、象印が推進する「水分・塩分の両方を補給することの大切さ」を伝える熱中症対策の活動と掛け合わせる形で、2013年にスタートした取り組みです。
『夢の教室』は、現役のサッカー選手、OB/OGなどのサッカー関係者をはじめ、他競技のアスリートやさまざまな職業のプロフェッショナルを「夢先生」として小学校に派遣し、「夢を持つことや、その夢に向かって努力することの大切さ」「仲間と協力することの大切さ」などを子どもたちといっしょに考える体験型のプログラムです。
プログラム前半は体育館で「ゲームの時間」として体を動かし、後半は教室で先生の生い立ちや、スポーツを始めたきっかけ、こんな挫折があったけど夢を持ち続けたら本当にオリンピック選手になれたよ、といった話をする「トークの時間」、夢先生と子どもたちがメッセージのやり取りをする「夢シート」で構成されています。
出典:https://www.zojirushi.co.jp/corp/yumesen/list.html
(2019年第1回大阪府 大阪市立茨田南小学校 夢先生:元オリンピックバドミントン日本代表の藤井 瑞希さん)
夢先生はサッカー選手以外に、水泳やバレーボール、バドミントンなどいろんなアスリートやオリンピアンの方、アナウンサーやパティシエなど、アスリートではない方もお迎えしています。
象印での取り組みは、これまで47都道府県全てで「夢の教室」を開催することができ、参加児童は4,500名を超えました。
難波さん:象印が推進する熱中症対策の活動と掛け合わせているとのことですが、具体的にどのようなことを行っているのですか?
栗栖さん:東京で開催した際、夢先生と体を動かしたあとに、象印の子ども用水筒にスポーツドリンクを入れて熱中症予防のことをお話し、夢を学ぶことに体の健康を掛け合わせる授業を行いました。
熱中症を防ぐには塩分やミネラルが大切です。実はスポーツドリンクを入れる水筒は、何でもいいわけではありません。弊社の水筒は、フッ素加工がしっかりしているので塩分に強く、スポーツドリンクを入れることができることも子どもたちに伝えています。
OSKと踊ろう!Dream on a Dance【教育】
出典:https://www.zojirushi.co.jp/corp/osk/
難波さん:「OSKと踊ろう!Dream on a Dance」はどんな取り組みですか。
美馬本さん:三大少女歌劇のひとつであるOSK日本歌劇団は、社会貢献活動として関西圏の小・中学校や高校を訪問してダンスの授業を行っています。この取り組みは、中学校でダンスが必修化になったタイミングに合わせて2013年に始まり、同年より弊社は協賛を開始しました。
ダンスは体育でも音楽でもなく、担当できる教師がいないため、学校からOSK日本歌劇団に何かやっていただけないだろうか?とお声がけがあったそうです。そこで、OSK側ができることとして、若手の劇団員を派遣して子どもたちにダンスの楽しさを教える取り組みを始めました。
訪問ダンス授業を受けた生徒は累計55,000名を超え、今も多くの子どもたちにダンスの楽しさを伝え続けています。
出典:https://www.zojirushi.co.jp/corp/sustainable-action/education/20221220.html
2022年度13回目「OSKと踊ろう!Dream on a Dance」訪問ダンス授業の様子
美馬本さん: スポーツ団体などからチームを応援(協賛)してもらえないか?という問い合わせを多くいただくのですが、単にそのチームへの協賛ではなく、そのスポーツを通じて子どもたちの未来に繋がる活動に協賛することが象印としての考えです。
難波さん:「ZOJIRUSHIユメセンサーキット」と「OSKと踊ろう!Dream on a Dance」は、義務教育である程度の教育は整っているものの、それだけでは補えないものやそこだけでは学べないことを、協賛を通じてプロジェクトを応援し、子どもたちのために環境を整えていく活動ですね。
全体を通しての今後の方針や想い
難波さん:全体を通して、今後はどんなことを考えていらっしゃいますか?
美馬本さん:「環境」「食と健康」「教育」の3つの分野を軸に、本業を通じて象印らしい社会貢献活動に取り組んでいく方針です。
栗栖さん:余ってしまうごはんをなくすことを軸として、取り組みを続けていきたいと考えています。
メーカーの開発で生まれる食品ロスはこれまであまり知られることがなく、注目されてきませんでした。一般的に言われる食品ロスとは違いますが、メーカー側として問題だと思っていることなので、同業社から多くの反響がありました。
このような取り組みは、弊社以外の企業でも行っていただければ嬉しいですし、そのきっかけになれば続ける意味があると思っています。
弊社にもまだ余ってしまうごはんがあるので、その解決が一番なのですが、それ以外のもったいないごはんを、象印に頼んだらアップサイクルしていいものになる、そんなシステムができたらと思います。
難波さん:象印が行っている社会貢献活動の取り組みのアイディアなどが、広がっていくと嬉しいですね。
本日はありがとうございました。
難波遥のコメント
今回の取材で、象印の世代を超えるサステナブルな活動をたくさん見せていただきました。
人々の課題にアプローチした事業を通じて、豊かさを提供してきた背景を知り、象印のファンになりました。
また、炊飯ジャーや水筒などの商品が、多くの方々の時間、想い、汗と涙の結晶であるということを改めて感じました。
象印食堂では、とてもおいしいごはんをいただきました。象印の炊飯ジャーで炊いたいろいろな硬さのごはんは、風味も豊かでお米の味がしっかりしており、8杯もおかわりしてしまいました。
このおいしさを追及するために、何度も炊飯ジャーでごはんを炊いて試食する、を繰り返し、そこでどうしても出てしまうごはんの廃棄の部分も活用して、除菌ウエットティッシュをつくる、という流れはまさに、“ごみ”を出さない持続可能なビジネスモデルであると思いました。
より多くの方々に手に取っていただきたいと感じました。
“ごはん”は日本人の主食であり、もはや文化のような立ち位置でもあると考えます。
その強みをさまざまな方法で活かしている点が大変素敵でした。
消費者である私は、“選ぶ”、“伝える”という形で貢献していきたいと思います。
まとめ
象印マホービン株式会社のSDGsの取り組みをご紹介しました。
また象印では、
・製品開発とごはんにこだわり抜いた食事を提供する「象印食堂」(東京・大阪2店舗)
・まほうびん業界の発展と進化の歴史が学べる「まほうびん記念館」(大阪本社1階、入場無料、事前電話予約制)
の運営も行っています。
象印食堂とまほうびん記念館については、アンバサダーの難波遥さんのInstagramで紹介しています。
是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
象印食堂の紹介:https://www.instagram.com/reel/
まほうびん記念館の紹介:https://www.instagram.com/reel/
提供:象印マホービン株式会社
『GREEN NOTE(グリーンノート)』は環境・社会課題をわかりやすく伝え、もっと身近に、そしてアクションに繋げていくメディアです。SDGs・サステナブル・ESG・エシカルなどについての情報や私たちにできるアクションを発信していきます!