デザイン思考でエシカルヒット商品を開発:DG TAKANO「節水ノズルと食器」
エシカル消費への関心は次第に高まり、生活の中にエシカルな商品を取り入れるのは珍しいことではなくなっています。
実際、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)の調査では70%近い人が「環境負荷をかけない商品を購入したい」と答えています。
(引用:消費者の4割が「環境負荷の少ない商品購入に踏み出せていない」と回答)
このようにエシカル消費への関心が高まる中で、多くの企業がサステナブルな商品の開発や環境保護に取り組んでいます。
不足の解決に力を入れるDG TAKANOもその1つです。
環境問題に取り組む企業は数あれど、DG TAKANOほどデザイン思考にこだわる企業は無いでしょう。
デザイン思考とはプロダクトの課題や消費者のニーズの本質を捉えることで、問題の解決やサービスの向上を目指す考え方です。
(参考:about | dg takano)
この記事では、デザイン思考によって世界を変える商品を産み出すDG TAKANOについてご紹介します。
DG TAKANOのプロダクトがこれほどまでに使い手の心を掴むのはなぜなのでしょう。
そのこだわりや開発にかける思いをご一読ください。
DG TAKANOとは
DG TAKANOは2010年設立の企業で、本社は東京都台東区にあります。代名詞ともいえる商品の1つが高い洗浄能力と節水性を両立させたノズル「Bubble90」です。
日本は水資源が豊富な国と思われていますが、実は生活で使用できる水の量は世界平均を下回っているのです。
実際、夏場には毎年のように水不足が話題になります。
(参考:日本は水不足ってホント?限りある水資源を大切にしよう)
社長の高野雅彰氏は徹底した市場調査と必要な技術の習得に打ち込み、社会的課題である水不足に貢献する商品を生み出しました。
この「Bubble90」はヘッドに特殊な加工を施すことで、一般的なノズルに比べ最大95%もの節水を実現しています。
そんな超節水ノズル「Bubble90」の根底にあるのは高野氏の父が営む工場の高い技術力です。
高野氏は受け継がれてきた技術の中から節水ノズルづくりに必要な技術を論理的に選び取り、革新的な発想を形にしました。
DG TAKANOが掲げる「デザイン思考」の真髄がここにあります。
また、DG TAKANOが立ち上げた新ブランド「meliordesign」の食器は人々に画期的な新しいライフスタイルを提案しています。
「食器は洗剤で洗うのが当然」と思ってはいませんか。このブランドの食器は世界初のナノテクノロジーによる表面改質技術が用いられており、水ですすぐだけで汚れや細菌が落ちるのです。
開発には実に5年もの歳月が費やされました。
食器洗いの時間を大幅に削減できるのはもちろんのこと、食器洗い乾燥機に費やす電力を0にできる、洗剤による環境への影響を無くせるなどのメリットもあります。
ユーザーだけでなく環境にも優しい食器なのです。
環境のために選ぶのではなく、ユーザーが自らの利便性のために選んだものが、”いつの間にか”環境のためにもなっている。
それが、DG TAKANOが多くの消費者に支持される理由かもしれません。
高野氏は「課題を解決して世の中を変えるようなものしか、うちは出す気がない。」と言い切ります。
この強い信念とそれを裏打ちする確かな「デザイン」や技術が商品1つ1つに込められているのです。
人気になった理由
DGTAKANOは画期的な発想と高い技術を持つ日本の企業として注目され、サステナビリティの観点からも多くの支持を集めています。DG TAKANOの節水関連商品が支持される理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
- 高度な節水技術
- 環境への影響
- 経済的なメリット
- デザインと機能性
- 新たなライフスタイルの提案
- 環境意識の高まり
主な理由として、以上のようなものが考えられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
高度な節水技術
DG TAKANOの節水ノズル「Bubble90」は独自の技術により水の使用量を大幅に削減しつつ、洗浄能力を維持・向上させることができます。
なんと、通常ノズルに比べて平均90%もの節水を実現。
これは、ヘッド部分に施された特別な加工によって脈動流を発生させているためです。
脈動流は、空気を含んだ水の玉を一定のリズムで叩きつけるように放出させます。
通常は電力を必要としますが、「Bubble90」では一切必要としません。
また、内部の汚れやサビを簡単に落とせる機能がついており、メンテナンスフリーなのも大きな魅力。
運営コストが低く、消費者の節水ニーズにダイレクトに応えることができるのです。
国内の飲食チェーンでのシェアは今や80%を超え、海外でも高評価を得ています。
確かな性能は、今後もユーザーの心を掴み続けるでしょう。
(参考:世界を節水する Bubble90 バブル90・節水ノズルで世界の環境保全に貢献-東大阪の町工場発ベンチャー DG TAKANOの挑戦)
環境への影響
水は限りある資源です。無駄づかいは環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
DG TAKANOの節水商品を使用することで、水道料金が減少するだけでなく環境負荷を抑えられるのです。
実際、「Bubble90」の使用により1年間で約26,000,000㎥の水が節水されています。
これは、大阪市の1ヶ月間の水道使用料に匹敵します。
(参考:products | dg takano)
また、ご紹介したように、DG TAKANOの商品は食器洗い乾燥機の使用などによる電力消費を抑えることもできます。
水だけでなく、様々な点で省エネルギーであることが、サステナビリティに関心を持つ消費者からの支持につながっています。
経済的なメリット
DG TAKANOは環境問題と経済問題の同時解決を掲げています。
環境のためにユーザーが負担するのではなく、「プロダクトを通じて、無意識のうちに」環境問題に働きかけられるような商品が特徴です。
(引用:about | dg takano)
そのため、プロダクト1つ1つに節水・省電力・洗剤代不要などの経済的なメリットがあります。
ユーザーは自分の利便性のために選んだプロダクトで環境問題に貢献できるのです。
このように、サステナビリティと経済的な利益が両立する商品は、多くの消費者から評価されています。
デザインと機能性
DG TAKANOの食器は、デザインと機能性を兼ね備えています。
節水だけでなく、見た目や使いやすさも考慮されているのです。
シンプルで飽きのこないデザインの中に、手に持ちやすくすすぎやすい工夫が詰まっています。
また、うつ伏せに置いても空気が通る設計なので乾きやすいのも嬉しいポイント。
洗う手間だけでなく拭き上げる手間も省けます。
上品なパッケージは五重塔をイメージしており、ブランドのビジョンである「将来、より良い未来になるために努力する。」を象徴しています。
(引用:デザイナーの想い – meliordesign(メリオールデザイン))
このデザイン性の高さと使いやすさから、大切な方へのプレゼントや自分へのご褒美にと購入する方も多いようです。
新たなライフスタイルの提案
デザイン性、機能性ともに魅力的な「meliordesign」の食器。
何より心惹かれるのは、“洗剤を使った食器洗いをしない”という新しいライフスタイルではないでしょうか。
実際、食器洗いにストレスを感じている人は79%にも上ります。
多くの人が「当たり前」と思っている食器洗いですが、費やす時間は1年間で10日にもなるのだとか。
「meliordesign」の食器を使うことでその時間がぐっと短縮できます。
“子どもとの時間が増えた”、”理想のライフスタイルを実現できた”といった声も。
皆さんも「meliordesign」の食器で新たなライフスタイルを始めてみてはいかがでしょうか。
(参考:水だけで汚れも菌も落とす皿 – meliordesign(メリオールデザイン))
環境意識の高まり
冒頭でご紹介したように、近年、環境保護やサステナビリティに対する関心が高まっています。
このような背景のもと、節水やエコロジーを重視した商品は、多くの消費者に受け入れられやすくなっているのです。
一方で、環境負荷が少ない商品を実際に購入している人は「購入したい」と考えている人の半数ほどだといいます。
(参考:消費者の4割が「環境負荷の少ない商品購入に踏み出せていない」と回答)
購入に踏み切れない理由の1つが価格が高いこと。
サステナビリティと経済的な利益が両立するDG TAKANOの商品こそ、多くの人の「環境に良い商品を購入したい」という思いに応える商品といえるでしょう。
DG TAKANOが掲げるのは「人と地球の共奏」。
ただ地球と共存するのでなく、暮らしの発展と地球との共存を両立し「共に奏でる」というビジョンです。
地球と人、どちらにもメリットのある商品だからこそ、DG TAKANOの節水関連商品はサステナビリティの観点から多くの支持を集めているのです。
日本での展開
DG TAKANOの商品開発や地球と人が共に歩む未来への想いをご紹介してきました。
環境だけでなく、ユーザーにも優しい商品はとても魅力的ですよね。
そんな魅力的な商品はどこで手に入るのでしょうか。
購入できる場所やDG TAKANOの日本での展開をご紹介します。
主力商品の「Bubble90」は日本全国の医療機関・ホテル・大手飲食チェーン・工場などで採用され、高い支持を得ています。
現在は個人向け商品の販売は行われていませんが、今後は一般家庭のキッチンへの導入が期待されるところです。
購入は販売店への問い合わせの他、通販サイト「モノタロウ」での注文が可能です。
蛇口の形状によっては設置できない場合もあるので注意しましょう。
(参考:モノタロウ 現場を支えるネットストア)
今年5月に発表されたmeliordesignの食器は公式サイトにて購入が可能です。
販売当初はわずか7日間で完売となる人気で発送待ちとなっていました。
現在は1週間ほどで手元に届くようです。
ギフトにも嬉しい上品なパッケージに加え、お届け先指定ができるので、直接会えない方への贈り物にもおすすめです。
通常は公式サイトでの通信販売しか行っていない商品ですが、期間限定で店舗販売も行っています。
2023年6月28日から9月30日にかけて、体験型ストアb8ta(ベータ)の常設4店舗と期間限定店舗にて販売。
一部の店舗では実際に食器の汚れを水で落とす体験もできます。
「自分の目で見て、触れて商品を購入したい」という方は今後の販売動向をチェックしてみてくださいね。
まとめ
DG TAKANOの営業所は国内に6ヶ所ある他、シリコンバレーやフランスのリヨンにもオフィスを構えます。
「世界を節水する」べくグローバルな取り組みを進めているのです。
現在は節水関連商品をつくるDG TAKANOですが、今後の展開は未知数です。
社長は社員との対談の中で「今は節水ノズルを作る会社だけど、数年後には何の会社かわからなくなっているかもしれない」と述べています。
(引用:研究思考が、世界を変えるものづくりを加速する:株式会社DG TAKANO)
DG TAKANOの常に挑戦し、問題の本質を追求し続ける姿勢は世界をよりサステナブルに変えていくでしょう。
今後も、その確かな知識とアイデア実現のための努力から目が離せません。
『GREEN NOTE(グリーンノート)』は環境・社会課題をわかりやすく伝え、もっと身近に、そしてアクションに繋げていくメディアです。SDGs・サステナブル・ESG・エシカルなどについての情報や私たちにできるアクションを発信していきます!