エシカルライフ

自宅で気軽に始められるSDGs。パナソニックの「家庭用生ごみ処理機」を使ってみた

ご家庭で出る生ごみに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

生ごみから出る臭いや汚れ、夏になると出てくるコバエなど、悩みの原因はさまざまです。

そんな生ごみ問題の対策として有効なのが「生ごみ処理機」。

生ごみ処理機は微生物や乾燥により生ごみを分解し、処理する機械のことです。

素早く処理してくれるので、臭いやコバエの発生を抑えられます。

さまざまなメーカーが生ごみ処理機を出していますが、今回はPanasonic(以下、パナソニックと表記)から発売されている「家庭用生ごみ処理機 MS-N53XD」をピックアップします。

家庭用生ごみ処理機 MS-N53XD

「家庭用生ごみ処理機 MS-N53XD」はレンタルの定額利用サービスが使える生ごみ処理機です。

月額2,600円(税込)で、途中で買い取りもできます。

お住まいの地域によっては、レンタルを利用するときに自治体から助成金が出ることもあります。

環境だけでなくお財布にもやさしいサブスクリプション型サービスは嬉しいですね。

参考:⽣ごみ処理機 定額利⽤サービス

この記事では、実際に編集部が使ってみて感じたことを正直にレビューしました。

「生ごみ処理機って実際どうなの?」と思っている方はぜひ参考にしてください。

提供:パナソニック株式会社

生ごみ問題の現状とは?

環境省の発表によると、令和3年度の一般廃棄物(ごみ・し尿)は4,095万tでした。

これは東京ドーム約110杯分に相当し、日本国民1人1日当たり890gのごみを排出していることに。

そのうち家庭から出るごみ(生活系ごみ)は2,925万tで、全体の約71%を占めています。

参考:環境省「一般廃棄物処理事業実態調査の結果(令和3年度)について」

一般廃棄物の排出量は年々減少しているものの、まだまだ多くのごみが廃棄されています。

家庭ごみの約3割が「生ごみ」

家庭から出るごみのうち、3割が生ごみだといわれています。

生ごみには、野菜の皮や茎などの調理くず、食べきれなかった食品や賞味期限が切れた食品などが含まれ、「食品ロス」の問題とも深く関係しています。

参考:環境省「生ごみの分類と発生・処理状況」
参考:富士市「生ごみ減量方法いろいろ」

また、生ごみは多くの水分を含んでいます。その量はなんと、70〜80%。

水分含有量が多いため、生ごみは重く腐敗しやすく、悪臭を放ったり虫を寄せ付けたりする原因になります。

ごみに水分が多いと焼却処分した際、焼却炉内の温度が低くなったり火が消えたりする可能性もあります。

そのような問題を防ぐため、焼却炉には化石燃料や石油由来のプラスチックなどの追加投入が行われています。

生ごみは、家庭での悪臭や汚れの発生源になるだけでなく、環境負荷を大きくする要因にもなっているのです。

こうした環境問題を解決するためには、生ごみ自体を減らすことはもちろん、生ごみ処理自体を工夫する必要があります。

家庭でできることの一つが「生ごみ処理機を使うこと」です。

【商品レビュー】パナソニック「家庭用生ごみ処理機 MS-N53XD」を使ってみた!

「MS-N53XD」は家庭用の生ごみ処理機です。

コンパクトでありながら大容量、そして生ごみを肥料として再利用できる「ソフト乾燥モード」があるのが特徴です。

大きさや重さなどを以下にまとめました。

サイズ(幅×奥行×高さ)  268×365×550mm(フタを開けた時の⾼さ770mm)
本体の重さ 12kg
最大処理量 1回 約2.0kg 1⽇ 約8.0kg
処理時間(電気代) 約400g:約1時間40分(1回 約23円)
約700g:約2時間15分(1回 約35円
約1000g:約3時間(1回 約47円
約2000g:約5時間40分(1回 約93円)
ソフト乾燥モード(約700g):約3時間30分(1回 約42円)

参考:Panasonic「家庭用生ごみ処理機 MS-N53XD 詳細(スペック)」

実際にキッチンに置いてみました。

普段使っているゴミ箱と同じくらいのサイズ感。シンプルなデザインなので、どんなキッチンにもなじみそうです。

機体の後ろから排気が出るため、四方を壁から5cm以上離す必要があるものの、大き過ぎて邪魔だなと感じることはありませんでした。

スピーディかつ無臭で処理完了!使い方も簡単

今回投入したのは、2人家族で昼・夜2回×2日分の調理で出た439gの生ごみ。

内容は野菜と柑橘(夏みかん1個)の皮、そしてお茶っぱです。肉や魚類はありません。

水分を含んでいるものが多く、ボウルを持ったところ、ずっしりとした重さを感じました。

「MS-N53XD」のフタを開けて生ごみを処理容器に入れ、まずは標準モードで処理します。

操作は簡単で、フタを閉めて電源「入」ボタンを押すだけでした。

今回の生ごみは、1時間45分で処理が終了。複雑なボタン操作がないので使いやすかったです。

処理中は、オーブンを熱しているような臭いがありますが、気になるほどではありません。

臭いは投入した生ごみによって変わるようです。

今回、処理中の臭いはほぼなく、フタを開けた際に香ばしい臭いがする程度でした。

処理中の臭いが気になる方は、換気扇を回すと良さそうです。

処理後の生ごみの重さは128gでした。

処理前が約430gだったので、3割程度の重さまで減ったことになります。

玉ねぎの皮などを多く投入したので、見た目はあまり変わりませんでしたが、ボウルを持ち上げると軽さに驚きました。

使用後の処理容器にはカスがつきますが、お湯で洗うと簡単に落ちます。

カスが取れない場合は、お湯や水に浸すと良いそうです。

処理したごみをすぐに処分しない場合は、乾燥後の生ごみの上から追加投入することも可能。

こちらのサイトでは、1人あたりの1日の生ごみ排出量は250g前後となっています。

パナソニックによると朝・昼・晩に出たごみを毎晩まとめて処理機をオンにすることを想定しているようで、400〜500g程度であれば2週間程度は連続して処理できるとのこと。

生ごみは継ぎ足しできるので都度洗う必要もないですし、ごみ出しの回数を減らせるのは嬉しいですよね!

「ソフト乾燥モード」で速効性のある有機質肥料づくりに挑戦!

前回とほぼ同じ430gの生ごみが出たので「ソフト乾燥モード」を試してみました。

前回同様、生ごみの種類は同じで肉や魚は入っていません。処理時間は2時間でした。

「ソフト乾燥モード」は、低温でゆっくり処理するモードです。

処理時間は標準モードよりも長いですが、速効性のある有機質肥料ができます。

有機質肥料は土に混ぜると土壌の微生物のエサとなり、分解されます。

微生物が分解することにより、土壌の保水性や排水性が良くなるとされています。

ガーデニングや家庭菜園などをされる方は、ぜひソフト乾燥モードを利用してみてください。

処理後の生ごみの重さは、約200g。処理前の半分以下の重さになりました。

ソフト乾燥モードで処理した生ごみは標準モードに比べて水分を多く含み、柔らかい質感ですが、べちゃっとしている感じはありません。

我が家には小さい庭があるので、できた有機質肥料を地面に埋めました。

ガーデニングや家庭菜園などに利用することで、生ごみを捨てること自体なくなります。

「家庭用生ごみ処理機 MS-N53XD」を使って気づいた身近な環境貢献

今回パナソニック「家庭用生ごみ処理機 MS-N53XD」を使って実感したのは、操作の簡単さや利用しやすさだけでなく「環境へのやさしさ」でした。

自炊するとどうしても出てしまう生ごみを、今までは可燃ごみとしてそのまま廃棄していました。

放置しておくと悪臭を発するため、可燃ごみの袋がいっぱいにならなくてもごみ出しする必要も。

ごみ袋を無駄遣いし、環境に配慮できていないように感じていたため、生ごみの処理方法は我が家の悩みの種でした。

しかし生ごみ処理機を使えば、今後ごみ出しの回数は減るでしょう。

また冒頭で紹介したように「家庭用生ごみ処理機 MS-N53XD」には定額利用サービスがあります。

参考:⽣ごみ処理機 定額利⽤サービス

初月から48ヶ月までは月額料金2,600円(税込)、49ヶ月目から72ヶ月目までは月額料金330円(税込)で利用可能です。

定額利用中の途中で購入もできます。

契約期間中に故障しても、修理費用は発生しません(※条件あり)。

「地球にやさしい取り組みをしたいけど、何から始めたら良いかわからない」という方に、生ごみ処理機のサブスクリプション型サービスはおすすめです。

広がる自治体との生ごみ削減プロジェクト(取材)

家庭用生ごみ処理機を開発したパナソニックは、その販売を通じて生ごみ問題に取り組んでいるほか、自治体と連携して生ごみ削減プロジェクトを実施しています。

【生ごみ削減プロジェクト概要】

    • ごみの減量や資源化は、地方自治体だけの力で達成することは困難です。そこでパナソニックは1993年から「家庭用生ごみ処理機」を販売し、すでに多くの地方自治体で購入助成制度の対象となっている「家庭用生ごみ処理機」の事業において、自治体と一緒に生ごみ問題を解決するプロジェクトを2020年に立ち上げました。

自治体との連携方法は主に2つ。1つはモニターを募集し、より多くの市民に生ごみ処理機の良さを知ってもらう取り組み。2つ目は購入助成金に加えて、新たにパナソニックが始めたサブスクリプション型サービス用に、レンタルの助成金制度をつくって普及させる取り組みです。

そのプロジェクトの立ち上げ背景や自治体・市民の方からの反応について、パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社 ランドリー・クリーナー事業部 ビジネスデザイン部 ビジネスインキュベーション2課の田澤岳史さんと青山明弘さんにお話を伺ってきました。

生ごみ処理機の普及がごみ問題解決の鍵

左:田澤岳史さん 右:青山明弘さん

編集部:
御社は自治体と一緒に生ごみ削減プロジェクトを実施していますが、どのような経緯でスタートしたのでしょうか。

田澤さん:
自治体のごみ問題を解決するには、家庭用生ごみ処理機を普及させる事が効果的だと考えたことがきっかけです。

2021年5月に宮崎県新富町、南九州大学と食品ロス削減と生ごみ減量化に向けた包括連携協定を締結しました。

以降、生ごみ処理機を使った堆肥活用による、食農循環プラットフォーム構築の実証実験を行ってきました。

この新富町での取り組みを皮切りに現在は兵庫県洲本市など複数の自治体と連携しています。

来年度はさらに連携する自治体を広げていく予定です。

編集部:
どこの自治体とも市民に生ごみ処理機を使ってもらうモニターの募集と、購入とレンタルの助成金制度の実施の2つをおこなっているのでしょうか?

田澤さん:
モニター応募とレンタル助成金制度両方を提案しておりますが、自治体の状況に応じて選択いただいています。

また、モニター応募とレンタル助成金制度を軸に取り組みを広げた地域ならではの協定もあります。

田澤さん

編集部:
モニターとして生ごみ処理機を利用した市民の方からは、どのような反応が多いでしょうか?

青山さん:
「ごみが減った」「臭いが減った」と効果の実感と生ごみ処理機を活用することにより、ごみ分別・ごみ減量に対する意識向上にもつながったというご意見もございました。

世代に偏りはなく、処理機の容量が大きいのでファミリー層の利用もあります。

モニターは募集をかけるとすぐに利用の枠が埋まり、モニター利用終了後に継続利用しようと購入助成金の申請をする方が多いようです。

編集部:
今年の7月に定額利用サービスが始まりました。特にどのような方に使ってもらいたいですか?

青山さん:
これまでは高齢の方が乾燥生ごみを家庭菜園で使うといった利用が多かったようですが、幅広い世代にごみを減らす生活スタイルが広がればと思います。

最近では子供向けのSDGs教育も拡がってきていますが、特に若い世代の方々は環境問題に対する意識が高いと認識をしておりますので、食品ロスやごみ問題は身近に感じてきた課題でしょう。

ぜひ若い世代にも、使ってその効果を実感してもらいたいですね。

青山さん

田澤さん:
最近だとディスポーザー(生ごみ粉砕機)が設置されているマンションもありますが、実はディスポーザーには卵の殻や繊維質の多いバナナの皮などは入れられません。一方で、当社の生ごみ処理機では処理可能です。

環境意識の変革への思い

左:田澤さん 右:青山さん

編集部:
御社がこれから取り組んでいきたいことや社会貢献への展望はありますか。

青山さん:
今後は規模の大きな中核都市とも組んでスケールアップしたいです。

パナソニックは家電事業を通して社会課題の解決や貢献を目指していますが、私たちは自治体で取り組みをされているごみ削減、CO2削減に対して一緒に課題解決を図りたいと考えております。

「持続可能な社会」の実現に向けて、循環型社会形成の観点から生ごみを使ったバイオマス発電なども注目されてきていますが、設備投資、運搬、管理面にも課題があり、まずは個人の意識を変えて住民一人ひとりが出すごみの量を減らす、ということを自治体と一緒に進めることが大事だと考えています。

編集部:
個人の意識向上はこれから底上げが必要ですが、環境問題を重視する御社への期待は大きいでしょうね。

本日はありがとうございました。

家庭用生ごみ処理機は導入のハードル低く、環境への配慮ができ、家庭にメリットをもたらす

「家庭用生ごみ処理機 MS-N53XD」のレビューとともに、パナソニックの自治体と連携した環境問題の取り組みや思いを紹介しました。

結論として、家庭でできる環境にやさしい生ごみ処理の方法として、生ごみ処理機の利用はおすすめです。今回初めて生ごみ処理機を使用しましたが、処理とお手入れの手軽さは想像以上でした。

また取材を通じて、生ごみ問題は市民である私たち一人ひとりの意識を変えていかなければならないことがよく分かりました。

身近なことから取り組むSDGsの第一歩として、「家庭用生ごみ処理機 MS-N53XD」を使ってみてはいかがでしょうか。

提供:パナソニック株式会社

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