エシカルライフ

「5つのP」でSDGsの目標をイメージしよう!

SDGsで示されている17の目標について、より理解を深めるには「5つのP」を知ることが大切です。

5つのPは、SDGsの基本理念であり、SDGsの17の目標すべてのベースとなる考え方でもあります。

では、5つのPはSDGsとどのような関係性があるのでしょうか。

今回は、SDGsについての理解をより深めるために知っておきたい「5つのP」とはなにか、SDGsとの関係性や企業で行われている取り組みの例について紹介します。

SDGsの基本的な考え方

SDGsはSustainable Development Goalsの略称で「持続可能な開発目標」を意味する言葉です。

2030年までに達成すべき国際目標として17の目標が掲げられており、世界中でさまざまな取り組みが行われています。

「誰ひとり取り残さない」をスローガンとして、弱い立場の人々や先進国、途上国問わずあらゆるすべての人のために目標達成を目指す考え方です。

SDGsは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年の国連サミットで採択されました。

17の目標には、それぞれの目標を達成するために必要な「169のターゲット」があり、それらひとつひとつをクリアしていくことがSDGs達成に欠かせないものと位置づけられています。

SDGsの目標と「5つのP」の関係性

SDGsの17の目標は「5つのP」に分類することができます。

5つのPは、SDGsのベースとなる考え方や指針のようなものであり、17の目標をそれぞれに分類することでより理解しやすくなるでしょう。

5つのPは、

People(人間)

Prosperity(豊かさ)

Planet(地球)

Peace(平和)

Partnership(パートナーシップ)

の頭文字から取ったものです。

では、SDGsの17の目標は、5つのPに対してどのように分類されているのでしょうか。

1.People(人間)

SDGsの5つのPのうちのひとつは「Peaple(人間)」で、目標1~6が該当します。

1.貧困をなくそう

2.飢餓をゼロに

3.すべての人に健康と福祉を

4.質の高い教育をみんなに

5.ジェンダー平等を実現しよう

6.安全な水とトイレを世界中に

SDGsの1~6の目標は、すべての人が人間らしく生きるために必要な目標です。

「安全で安定的な生活の維持」「すべての人に対する人権の尊重」「それらを継続していくために必要な教育の平等」などが挙げられています。

安心して生活できるための基盤である「すべての人が潜在能力を発揮できる社会」を目指して掲げられた目標です。

2.Prosperity(豊かさ)

5つのPのふたつ目は「Prosperity(豊かさ)」に関する7~11の目標が分類されています。

7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに

8.働きがいも経済成長も

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

10.人や国の不平等をなくそう

11.住み続けられるまちづくりを

Prosperityに該当する目標は、誰もが経済的に豊かで充実した生活が送れるような社会にするためのものです。

人の豊かさのためには経済成長や産業などの社会全体の発達が不可欠であり、その恩恵を受ける人々の格差をなくす必要があると定めています。

3.Planet(地球)

5つのPのうちの3つ目は「Planet(地球)」です。

人が人らしく生きること、そして誰もが経済的に豊かな暮らしを享受できるようにしていくためには、地球に関するあらゆる問題解決が必要になります。

12.つくる責任つかう責任

13.気候変動に具体的な対策を

14.海の豊かさを守ろう

15.陸の豊かさも守ろう

陸、海、空のさまざまな環境問題への対応や地球を破壊から守ること、また、環境破壊に依存せずに生活を維持できるようにすることを目指すための目標です。

4.Peace(平和)

5つのPのうちの4つ目は「Peace(平和)」です。

人々の安定した生活の維持は、平和のもとに実現するという考え方からこの目標が定められています。

16.平和と公正を全ての人に

SDGsの17の目標のうち、Peaceに該当するのは目標16です。

平和が脅かされると、安定した生活の維持に必要な食べること、教育を受けること、社会を成長させることがすべて損なわれます。

そのため、SDGsの達成には、暴力や恐怖のない平和な世界を目指す必要があるとして定められた目標です。

5.Partnership(パートナーシップ)

5つのPのうち、5つ目にあたるものが「Partnership(パートナーシップ)」です。

世界中のあらゆる課題を解決するためには、さまざまな国や地域、あるいは一人ひとりが協力して目標達成を目指す姿勢が必要になります。

17.パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsの目標17が、Partnershipに該当する目標です。

パートナーシップでは、政府、民間、市民、国連など、すべての人々または国や機関の協力で達成を目指すことを定めています。

「5つのP」の取り組み事例

私たち自身が国や企業の取り組みに関心をもつことで、商品やサービスの購入などによる支援を行うのもSDGsの目標達成には欠かせません。

国家単位の取り組みでは、環境保全や平和に関する法整備や、途上国への支援活動なども活発に行われています。

では、企業では具体的にどのような取り組みが行われているのでしょうか。

ここからは、5つのPに該当する取り組みを行っている企業の例を紹介します。

People(人間)

People(人間)に関する取り組みを行っている企業の例として「株式会社ケイ・ウノ」が挙げられます。

1.ネパールの無電化地域へ水力発電機を導入するためのクラウドファンディング

クラウドファンディングの返礼品として、スマートフォンの懐中電灯用ランプシェードとして利用可能なネックレス「エネジュエリー・しずく」を開発しました。

明かりは、学習環境の改善に大きな影響をもたらすものであり、学習機会や環境の向上にもつながるものです。

クラウドファンディングで集まった資金により、ネパールの小学校に軽水力発電機「Cappa」の導入を実現させました。

教育水準の底上げや識字率の向上、生活水準や女性の地位向上につながる取り組みとして注目されています。

2.自社の開発過程で出た革製品の端材を学生に寄贈

服飾系の学生支援につながるほか、革製品のもととなった動物への感謝、敬意を忘れない姿勢を示す取り組みです。

3.使用したワックスの端材を再生し、学生へ提供

ジュエリーや美術作品などのものづくりに関わる学生を支援し、廃棄の発生を防ぐ取り組みとして行われています。

Prosperity(豊かさ)

Prosperity(豊かさ)に関する例として、国際会議や学術集会などのコンベンション運営を行う「株式会社コングレ」の取り組みが挙げられます。

1.G20 財務大臣・中央銀行総裁会議

世界経済の安定・持続可能な成長に向けた協力を目的としたフォーラムの会場を提供しました。

この会合では、地産地消の食材・生花装飾・伝統工芸品の調達を実施し、地元の小学生をまねいた会場見学会なども行い、地域住民とともに国際的な人材育成の促進につなげています。

2.G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合

2019年に行われた会合で、株式会社コングレは自走式デジタルサイネージによる各種案内、使用済みコピー用紙の再生活用の実演、最新の技術展示などを行いました。

木製ストローの利用や、土に還る生分解性素材を使用したIDケース、長野県の間伐材の活用したデスクボード、水素自動車の使用など、環境に配慮した取り組みを披露し、認知度向上に努めています。

3.ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター

グランフロント大阪に設置された会場では「起業家を生み、育て、成功者にし、成功者が次の成功者を生む」をコンセプトに、若手スタートアップを支援する会議の開催に協力しています。

女性向けのイベントを開催し、キッズルームの設置や科学館と協力した親子教室を実施し、女性が参加しやすい会場づくりに貢献しました。

Planet(地球)

5つのPのうち、Planet(地球)に関する取り組みを行っている企業のひとつが、産業廃棄物収集運搬業などを行っている「株式会社エコランド」です。

1.カンボジアへの寄付プロジェクト

エコランドで回収した品物をリユース事業で売却し、収益化。収益の一部を環境や社会貢献活動を行っている団体に寄付しています。

文具メーカーの製品や文房具をカンボジアの孤児院への寄付もその一例です。

2.障がい者施設への寄付プロジェクト

顧客の自宅から引き取った、冷蔵庫やマットレスを孤児院や障がい者施設などへ寄付を行いました。

3.ラオスへの寄付プロジェクト

近年、異常気象の影響を受けているラオス人民民主共和国に対し、日本で廃棄となった冬服をラオスの子どもたちやお年寄りの方々に寄付しました。

4.まちづくりへの支援

エコランドは、国内での取り組みも行っています。

空き家のリノベーションや、イベント開催によって地域活性化の実現を目指すプロジェクトを支援し、エコランドで回収した物品をアート素材などに活用しました。

5.物々交換会の支援

誰でも参加できる物々交換会の活動をサポートし、物を所有することから共有することへ向けた循環型社会へのシフトを促しています。

Peace(平和)

「株式会社スタイル・エッジ」は、Peace(平和)に関する取り組みを行っています。

1.交通事故対応専門のメディアにより、知識格差の是正をおこなう

被害状況に適した弁護士の案内や交通事故被害に関する基本的な正しい知識の提供を行うメディアを運営し、知識格差是正に努めています。

2.コンサルティング

専門家と協力しながら、不動産にまつわるトラブルや問題の解決をサポートする「家づくりカウンター」などの総合不動産コンサルティング事業を展開しています。

3.士業(師業)へのコンサルティング

弁護士などの士業(師業)に携わる知的スペシャリストへのマーケティング支援やコンサルティングによる課題解決を行っています。

トラブルを抱える人との架け橋となり、知識格差の是正や社会課題の解決に貢献する取り組みです。

4.社内託児所の設置

出産後も子どもと通勤できる取り組みを進め、他企業への社内託児所設置に関するアドバイスやサポートも行っています。

Partnership(パートナーシップ)

「株式会社中京医薬品」は、Partnership(パートナーシップ)に関する取り組みを行っている企業のひとつです。

1.安全衛生委員会の設置

職場内の衛生対策やメンタルヘルスを守るため、相談サービス・産業医と連携して支援を行い、健康や安全に対する啓蒙活動を推進しています。

2.国際社会への貢献活動

アジア保険研修所(AHI)や日本国際飢餓対策機構の資金支援に加えて、社員自ら現地に足を運んでいます。

また、コンゴ民主共和国キンシャサ、ルブンバシ地域の給食プログラムなどへの支援も行いました。

3.地域活動への参加

災害時の飲料水提供に関して自治体と協定を結び、災害支援、防災協定、献血活動に参加しています。

また、豊かな自然風土を後世へ残すことを目標とした「どんぐり1000年の森をつくる会」への株主協力も行いました。

まとめ

SDGsは、国や各種機関、自治体、企業だけでなく、私たち一人ひとりの協力がなければ達成することができません。

SDGsにおける5つのPについて知ることで、より理解を深め、今自分に協力できることはなにか、考えるきっかけになるのではないでしょうか。

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