エシカルライフ

ロハスフェスタがグッドデザイン賞を受賞!ロハスとは?SDGsとの違いも解説

環境意識が高まるなか、サステナビリティや持続可能性がより重視されています。SDGsやエシカルといったワードが広まりつつあるなかで、注目すべきワードは「ロハス」です。

実は、2023年度グッドデザイン賞を「ロハスフェスタ」が受賞しました。

とはいえ、「そもそもロハスとは?」と疑問に思う方もいるでしょう。

今回は、ロハスの意味やSDGsとの違いなどを解説します。

ロハスフェスタから学べるエコな生活のヒントもまとめました。ロハスについて理解を深め、自分らしいライフスタイルを実現させましょう。

ロハスとは

ロハス(LOHAS)とは「Lifestyles of Healthand Sustainability」の頭文字をとった略称で、健康・環境の両面において持続可能な生活スタイルを意味します。

倹約や環境運動などに注力するストイックな生き方よりも、自分らしい快適な生き方を重視することに特徴があります。

ロハスはもともと、1990年代後半にアメリカで生まれたビジネスの考え方です。

日本では2004年後半からメディアで取り上げられるようになり、新しいエコなライフスタイルとして定着しました。

ロハスを重視したビジネスは、大きく5つのカテゴリーに分けられます。

  • 持続可能な経済: 再生可能エネルギー、エコ建築素材・技術、SRI、代替交通、環境マネジメント、省エネ製品など
  • 健康的なライフスタイル: 天然・有機商品(食品・衣料など)、飲食品、サプリメント、パーソナルケアなど
  • 代替医療: 鍼灸、ホメオパシー、予防治療、全体治療、補完医学など
  • 自己開発: セミナーなどの参加、ヨガ、ダイエット、「SPIRITUAL」な製品・サービス、瞑想・座禅など
  • 環境に配慮したライフスタイル: エコ住宅、エコロジーなオフィス製品、有機・再生繊維製品、環境負荷の低い電化製品、エコツーリズムなど

引用:NPOローハスクラブ|LOHASの5つの カテゴリー

つまり、有機野菜や大豆ミートなどの代替食品を買ったり、太陽光発電を使用したりなど、身近な行動がロハスにつながっているといえます。

出典:環境省
出典:日本政策投資銀行南九州支店|DBJ 経済ミニレポート(鹿児島)

ロハスとSDGsとの違い

「持続可能」や「サステナビリティ」と聞くと、SDGsを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ロハスとSDGsは、持続可能な社会の実現を目指している点では共通しています。

しかし、言葉としてのあり方が大きく異なります。

ロハスは、健康や環境に配慮した消費や事業に関するビジネス用語です。

一方、SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略称で、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。

ロハスを意識した生活をすることが、SDGsへの貢献につながるといえるでしょう。

サステナブルとエシカルについてもくわしく知りたい方はこちらをご覧ください。
【徹底解説】サステナブルとエシカルの違いとは?具体的な取り組みを紹介!

出典:外務省|SDGsとは

なぜ、ロハスは注目されているのか

ロハスのメリットは、環境にやさしいことだけではありません。

日本でも注目されている理由の一つとして、経済効果があげられます。

環境省によると、国内における環境産業の市場規模は拡大傾向にあります。

環境産業とは、「供給する製品・サービスが、環境保護(Environmental protection)及び資源管理(Resource management)に、直接的又は間接的に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献する産業」と定義されています。

具体的には以下の4つに分類されています。

  • 環境汚染防止
  • 地球温暖化対策
  • 廃棄物処理・資源有効活用
  • 自然環境保全

国内の環境産業の市場規模推計は、2020年度で108兆908億円

2000年比で約1.7倍を記録しました。

さらに国内の市場規模は、2050年にかけて上昇傾向を続けると示唆され、約123.7兆円まで成長すると推計されました。

環境に配慮した商品やサービスが、市場拡大に期待できるといえるでしょう。

出典:環境省|環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書の公表について
出典:環境省|環境白書

ロハスを楽しめるイベント

ロハスをテーマにしたイベントも国内で開催されています。

エコなライフスタイルを家族や友人と気軽に体験できるため、人気を集めています。

今回は2つのイベントについてまとめました。

①ロハスパーク

おしゃれでかわいくエコを実践できるロハスパークは、西日本を中心に開催されているイベント。

地球にやさしいだけではなく、「自分の心にもいいことをしよう」というコンセプトを大切にしたイベントです。

市場では、手作りの小物や家具、受け継がれてきたアンティークを販売したり、食材にこだわったフードやスイーツを提供したりしています。

2023年度8月〜12月の間だけでも、関西を中心に15回以上開催されました。

出典:ロハスパーク

②ロハスフェスタ

ロハスフェスタのテーマは、「みんなの小さなエコを大きなコエに」

一人ひとりの生活スタイルで地球の未来を変えていくことを大切にしています。

初開催は2006年。18年目となる2023年度は、万博記念公園(大阪)と光が丘公園(東京)で開催されました。

さらに、ロハスフェスタはこれまでの「ロハス」という考え方を徹底した取り組みが評価され、2023年度グッドデザイン賞を受賞しました。

2024年の春開催も決定しています。

気になる方はぜひ足を運んでみてください。

出典:ロハスフェスタ
出典:ロハスフェスタが「2023年度グッドデザイン賞」を受賞しました

ロハスフェスタから学ぶSDGs

ロハスフェスタは、SDGsに貢献する活動にも積極的に取り組んでいます。

2023年度の開催は終了していますが、今からでも個人や団体で実践できる事例をピックアップしてまとめました。

①こども食堂の周知を図る

こども食堂を一人でも多くの方に知ってもらうために、ロハスフェスタの会場内ではこども食堂が開かれています。

貧困は開発途上国にフォーカスされることが多いですが、日本の貧困も深刻です。

日本の子どもの約9人に1人が相対的貧困状態といわれています。

相対的貧困とは、同じ国・地域の人とくらべて収入や資産が少なく、生活が厳しく不安定な状態を意味します。

こども食堂は、子どもの貧困を解消する手段の一つです。

開催するだけではなく、お金や食べ物を寄付することで活動を支援できます。

これはSDGsの目標「1.貧困をなくそう」につながるといえるでしょう。

出典:むすびえ

②アフリカやアジアの飢餓に貢献

ロハスフェスタでは、アフリカやアジアの飢餓を少しでも解消するためTABLE FOR TWOへの寄付に取り組んでいます。

これは、目標「2.飢餓をゼロに」に貢献した事例です。

TABLE FOR TWOは世界をひとつの食堂と考え、開発途上国の子どもたちに学校給食を提供する支援を実施しています。

これまでに、1億196万7,269食を支援しました(2023年10月末時点)。

個人・法人、いずれもサポーターになり支援できます。

出典:TABLE FOR TWO

③環境にやさしい洗剤

現在、水不足の影響を受けている人々の割合は、世界人口の40%以上にのぼります。

そして、残念ながらこの割合はさらに増えることが予測されています。

貴重な資源である水を守るために、ロハスフェスタでは、環境に配慮した排水に努めています。

  • 油脂や生ゴミを直接下水道に流さないためのグリストラップという装置を設置
  • 環境にやさしい食器用洗剤を使用

私たち一個人も、洗剤の使いすぎに気をつけたり、植物由来の洗剤を使ったりすることはできるのではないでしょうか。

これらの行動は目標「6.安全な水とトイレを世界中に」に貢献できるといえます。

④地域密着イベント

現在、世界人口の半数に当たる35億人が都市で暮らしていて、2030年までに都市住民は50億人に達すると予測されています。

都市の面積は地球の陸地部分のわずか3%にすぎません。

しかし、都市におけるエネルギー消費は全体の60〜80%、炭素排出量は全体の75%を占めています。

持続可能な社会の実現のためには、都市部に住む住民一人ひとりが、気候変動について考えることも大切です。

ロハスフェスタは、大阪・兵庫・福岡・広島・東京で開催されています。

地域住民の参加型イベントがあることで、エコな暮らしとは何か、考えるきっかけを提供しているといえます。

これは目標「11.住み続けられるまちづくりを」に貢献しているといえるでしょう。

出典:国連広報センター|持続可能な開発目標

⑤ごみや食品ロスの削減

リサイクルやアップサイクルは、ごみを削減するために欠かせないアクションです。

ロハスフェスタでは、多くの出展者がリサイクルやアップサイクルしたモノづくりに努めています。

主催者も会場内で使用したテント布を再利用したマイバッグづくりを実施。

さらに、フードドライブ活動で食品ロスの削減にも取り組んでいます。

参加者が消費者として「つかう責任」を果たせるようなサポートを整えることで、気軽に目標「12.つくる責任つかう責任」に貢献できるといえるでしょう。

ロハスフェスタの取り組みのように、普段から、捨てない生活を意識することが大切です。

出典:日本ユニセフ協会|12.つくる責任、つかう責任

⑥プラスチック削減

ロハスフェスタでは、マイバッグの持参、リユース食器や生分解性プラスチックストローの使用で、プラスチックの削減を呼びかけています。

これは、目標「14.海の豊かさを守ろう」と関係が深い取り組みです。

世界でみると、毎年約800万トンのプラスチックごみが海洋に流出していると試算され、2050年には海洋中のプラスチックごみが魚の重量を超えると指摘されています。

海洋中のプラスチックごみは、海を汚すだけではなく、生き物の命を奪う恐れもあります。

海の豊かさを守るためには、プラスチックの利用を抑え、環境への負担が少ない素材やくり返し使えるものを選ぶことが重要です。

このようにロハスフェスタの取り組みには、個人でできるアクションのヒントが隠れているといえるでしょう。

出典:ロハスフェスタ|SDGsの取り組み

ロハスとは、環境を守りながら自分らしく生きること

ロハスとは、健康も環境も持続可能な生活スタイルを意味します。

環境産業が拡大するなか、ロハスを意識した商品やサービスは今後も増え続けるでしょう。

SDGsも持続可能性を重視していますが、ロハスのほうがライフスタイルに根付いた言葉であるといえます。

ロハスという言葉が誕生したことで、「エコな暮らしを、より自分らしく楽しく送る」という価値観が広がったのではないでしょうか。

ロハスの魅力を体感し環境意識をより高めたい方は、ロハスフェスタやロハスパークにぜひ参加してみてください。

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