気候変動・脱炭素

「温暖化で沈む国ツバル」の真相は?島国が直面する温暖化の影響とは

ツバルという国をご存じでしょうか。

ツバルは太平洋に浮かぶ小さな島国で、温暖化による影響で水没が危惧される国です。

しかし、中には「ツバルが水没するのは温暖化によるものではない」とする意見もあります。

果たしてどちらが正しいのでしょうか。

そこで今回は、ツバルが直面している現実や、温暖化を食い止めるために私たちが取れる簡単なアクションを紹介します。

温暖化が海面上昇の原因となる理由

海面上昇の原因は主に2つあります。1つ目は海水の温度が上昇することによる膨張、2つ目は氷河氷床の融解です。

海面上昇といえば、氷が解けることにより、海面水位が上昇するイメージのほうが強いかもしれません。

しかし、どちらかといえば海水の膨張による影響のほうが大きいです。

20℃の海水温が 1℃上昇すると、海水の体積がおよそ0.025%も膨張します。

分かりやすい例では、海面から水深500mまでの範囲が2℃上昇すると、海面水位は25cm上昇します。

海面の上昇による島国への影響

温室効果ガス排出シナリオに基づく予測によると、最悪の場合、2100年までに海面水位は最大で80cmほど上昇するとされています。

海抜の低い島国にとっては死活問題で、それは日本も例外ではありません。

日本の海面が1m上昇した場合、日本国内の砂浜の9割以上が失われると予測されています。

さらに東京・大阪・名古屋・福岡・札幌など、人口が集中している低地の大都市でも浸水被害の危険性があるでしょう。

海面上昇による影響は、以下の記事でも詳しく取り上げています。

関連記事:海面上昇は地球温暖化が原因!2100年に日本は沈む?

今のままのペースで温暖化が進めば、島国だけでなく地球上の広範囲の陸地が水没する事態になりかねません。

多くの人たちが故郷を失い、移住を余儀なくされるなど、生活環境が大きく変化するでしょう。

地球温暖化を食い止めるためには、私たち一人ひとりの行動がますます重要となります。

参考:東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター|【インタビュー記事】Ocean at Risk 03

ツバルとはどんな国?

 

ツバル(Tuvalu)は、赤道直下の中央太平洋に位置する島国です。

もともとはイギリスの植民地でしたが、1978年に独立しました。

人口は11,204人(2021年時点)で、面積は26㎢(東京都品川区とほぼ同じ)ほどの世界で4番目に小さな国です。

美しい海と手つかずの自然がそのまま残る観光地として知られています。

ツバルは、サンゴ礁の上に砂が堆積してできた9つの環礁(環状のサンゴ礁)から形成されているのが大きな特徴です。

国土の海抜は最大でも5mほどと低く、平均海抜は2mほどしかありません。

そのため、ツバルは「温暖化で沈む国」として知られ、地球温暖化が引き起こす海面上昇や自然災害による国家存続の危機に直面しています。

ツバルの危機的経済状況

ツバルの主な産業は農業と漁業です。資源に乏しいこの国では、入漁料と出稼ぎ船員による海外送金が主な収入源です。

住民の暮らしは自給自足であり、ツバルは、外国からの経済援助なくしては成り立たない国でもあります。

日本は、オーストラリア・ニュージーランドに次ぐ第三の主要援助国であり、無償資金協力(返済義務のない資金提供)のほか、技術協力(開発途上国の人材育成を手助けするための協力)を積極的に行っています。

参考:外務省|日本のODAプロジェクト ツバル無償資金協力

「温暖化で沈む国ツバル」に疑問を抱く声も

一部の専門家の間では、「ツバルが沈むのは温暖化が直接の原因ではない」とする意見もあります。

実際、ツバル以外にも海抜の低い国は存在します。

マーシャル諸島・フィジー・モルディブ・バハマ・オランダなどがその例です。

それなのに、なぜツバルだけが「温暖化で沈む国」として注目されるのでしょうか。

データを見ると、ツバルの人口は増加しており、国土面積も拡大しています。

人口増加によって砂浜間際の低地にまで家を建てる必要が生じましたが、低地の家の浸水が温暖化の影響なのかといわれると、疑問が残ります。

温暖化と直接関係のない被害がひとり歩き

ツバルでは毎年2~3月になると、大潮の影響を受けて海面が上昇します。

その結果、島のあちこちで水が噴き出し、低地の浸水・道路や畑の冠水、民家の床下の浸水などの被害に悩まされてきました。

しかし、これらの映像が「温暖化の影響」とされ、ツバルが「温暖化によって被害を受けている国」として誤って認識されることがあります。

実際、ツバルはもともとサンゴ礁の上に形成された島国であり、満潮時には地盤(サンゴ礁)の穴を通じて水がにじみ出す現象が見られます。

このような状況は以前から観測されており、温暖化によって生じるものではありません。

温暖化の影響はまぬがれないツバル

たしかに、ツバルは温暖化の影響を受けています。

温暖化によって巨大化したサイクロンが高潮や津波を引き起こし、海抜の低い国に深刻な被害をもたらす可能性があります。

例えば、2015年3月に発生したサイクロン・パムは、ツバルに甚大な被害をもたらしました。

日本はその際に、124万米ドル(約1億5,000万円)の緊急無償資金協力を行いました。

また、海水がツバルの主食であるタロ芋畑に入り込み、作物が育たなくなるなどの被害も出ています。

生活用水も地下水への海水の流入により利用が難しくなり、代わりに雨水を主に利用するようになっています。

しかし、昨今の異常気象により長期間雨が降らないといった状況も発生しており、飲料水の確保がますます困難になっているのが現状です。

ツバルは自給自足の生活を送っていますが、国が沈む前に食糧が確保できなくなる可能性もあります。

地球のために私たちができること

ツバルの現状や、ツバルのような島国に温暖化が与える被害について見てきました。

温暖化を食い止めるためには、私たち一人ひとりが普段の生活を見直し、小さなアクションを取ることが必要です。

個人でもできることは多くあります。例えば以下のような例です。

  • エアコンの温度設定を見直す
  • 不要な照明はこまめに消灯する
  • 冷蔵庫は開閉を少なくし、詰め込みすぎない
  • 使わない電気製品はコンセントからプラグを抜く
  • 車の使用を控え、電車・バス・自転車を利用する
  • 買い物にはマイバッグを持参する
  • 節水を心がける

エアコンの温度設定を見直す

エアコンの温度は低めに設定しましょう。暖房は20℃、冷房は28℃が目安です。

また、風量の設定は弱よりも自動運転のほうが節電できます。

地球にも優しく、電気代の節約にもなるので、ぜひとも実践したいですね。

不要な照明はこまめに消灯する

使われていない部屋の照明を消すのはもちろんのこと、廊下や玄関の明かり、スモールライトなど、なくても生活に支障のない照明はこまめに消しましょう。

冷蔵庫は開閉を少なくし、ものを詰め込みすぎない

冷蔵庫はものを詰め込みすぎると冷えが悪くなり、庫内を冷やすために大量の電力を消費します。

詰め込まれた状態では冷蔵庫の中が見通しづらく、探すのに手間がかかり、ドアの開閉時間も長くなります。

結果として電気代もかさんでしまうので、定期的に中を整理するのがおすすめです。

賞味期限切れの食品がないか、不要なものがないかなどもチェックしましょう。

使わない電気製品はコンセントからプラグを抜く

頻繁に使用しない家電製品は、コンセントからプラグを抜いておきましょう。

これにより待機電力の削減が可能です。

また、春や秋などのオフシーズンには、見落としがちなエアコンもコンセントから抜いておくと節電につながります。

省エネルギーセンターの調査によると、家電製品のプラグをコンセントから抜くことで、待機電力を約49%削減できるとされています。

車の使用を控え、電車・バス・自転車を利用する

車の排気ガスには大量の温室効果ガスが含まれており、これが温暖化に直結してしまいます。

なるべく個人での移動は、電車やバスなどの公共交通機関、あるいは自転車を利用することが望ましいです。

ただし、車を使わざるを得ない場合は、以下の環境省のサイトを参考にしてエコドライブを心がけましょう。

参考:環境省|エコドライブ10のすすめ

買い物にはマイバッグを持参する

レジ袋が有料化されたことで、マイバッグ(エコバッグ)の普及も進みましたが、いまだにレジ袋を購入する人を見かけます。

日本国内では、レジ袋を含むプラスチックごみが年間900万t発生しており、そのうちの57%は焼却処理されます。

焼却時には大量のCO2が発生するため、必ずマイバッグを持参し、プラスチックごみを減らすことが重要です。

節水を心がける

節水と温暖化は一見関係がないように見えますが、浄水場や下水処理場で水を処理する際、ポンプで水を吸い上げるためには電気が必要です。

節水を心がけることで電力消費量を減らし、地球温暖化対策に貢献できます。

まとめ

温暖化やツバルへの被害に関してはさまざまな情報が飛び交っています。

目にした情報だけを鵜吞みにせず、その信憑性を確かめ、情報リテラシーを高めることが重要です。

ツバルをはじめとする小さな島国だけでなく、地球全体のためにも、私たち一人ひとりができることを考え、実践する必要があります。

「地球のために私たちができること」の例を参考にして、地球に負荷をかけない暮らしを心がけましょう。

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