気候変動・脱炭素

今日からできる防災対策!気候変動が引き起こす災害にどう備える?

近年、気候変動による異常気象が世界中で多発し、自然災害のリスクがこれまで以上に高まっています。

自然災害に対する日頃からの備えが、ますます重要になってきました。

本記事では、自然災害に備えるための防災対策や、災害発生時に役立つサービスを紹介します。

また、基本の防災グッズリストや選び方のポイントなど、すぐに活かせる情報をまとめました。

いざというときに自分と家族の安全を守るため、必要な準備を今すぐ始めましょう。

気候変動によって引き起こされる異常気象

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)評価報告書によると、世界の平均気温はこれまでに類を見ない速度で上昇しています。

今後数十年の間に温室効果ガスの排出を大幅に減少しない限り、2100年までの間に世界の平均気温は工業化前と比べて、1.5℃および2℃上昇するシナリオです。

気象庁によると、2023年は統計を開始した1891 年以降、最も暑い 1年でした。

昨今見られるこのような異常気象は、気候変動によって引き起こされています。

参考:気象庁|気象業務はいま2024

異常気象による災害リスクの増加

気候変動がもたらす記録的な猛暑や降水パターンの変化により、災害リスクが増加しています。

具体的にどのような自然災害が発生し、被害が出たのか、一例を紹介します。

<2023年に各地で発生した自然災害による被害の一例>

  • カナダ:森林火災により約 18.5 万平方キロメートルが焼失
  • 米国ハワイ州:ハリケーンに伴う強風や乾燥による森林火災で120 人以上が死亡
  • リビア:地中海で発達した低気圧による大雨の影響で 12,350 人以上が死亡

このほかにも、世界中で人的・経済的被害をもたらした自然災害が多く発生しました。

今後、気候変動のさらなる進行に伴って特に懸念されるのが、熱波・豪雨・干ばつといった自然災害の深刻化です。

豪雨により、沿岸部での洪水や高潮被害が拡大し、干ばつや水不足による農業被害や食糧難・森林火災のリスクが増大しています。

そのことが健康被害や生態の崩壊につながる恐れもあります。

いつ・どこでも起こりえる災害に備え、日頃の防災対策がますます重要となるでしょう。

参考:気象庁|気象業務はいま2024
参考:気象庁・文部科学省|気候変動2021 自然科学的根拠

自然災害に備えるための基本的な防災知識

今後も多発するであろう自然災害に備えるには、個々が防災意識を持ち、基本的な防災知識を身に付けることが欠かせません。

災害発生時には、迅速な避難が求められるため、避難経路の確認や防災訓練の実施が必要です。

また、災害情報を正確に把握し、適切に行動することも大切です。

避難経路の確認と防災訓練の重要性

災害時に命を守るために、避難経路を確認しておきましょう。

地震・火災・大雨による洪水などが発生した際に、慌てずに避難するためには、自宅・職場・学校から避難場所までの経路を把握しておく必要があります。

また、避難経路の確認だけでなく、実際の災害を想定した防災訓練を行うことも大切です。

いざ災害が起きると、誰しもがパニックに陥るもの。定期的な防災訓練によって非常時の行動が身に付き、迅速かつ冷静に行動できるようになります。

防災情報の入手方法と活用

災害時には、正確な防災情報をいち早く入手することが重要です。

気象庁や自治体が提供するアプリや、テレビ・ラジオなどのメディアを通じて、災害速報・避難指示などの情報をこまめに確認しましょう。

ただし、注意しなければならないのは、SNSやインターネットの情報です。

これらは、リアルタイムで情報が入手できて便利な反面、情報の正確性に欠ける可能性もあります。

ITリテラシーを高め、信頼できる情報に基づいて行動しましょう。

防災グッズの選び方と準備すべき必需品

いつ起こるかわからない災害に備え、普段から適切な防災グッズを準備しておきましょう。

災害時には食料・水・医薬品などが必要となるため、事前に備蓄しておくことが求められます。

また、防災リュックの中身にも注意を払い、必要な物品を厳選しておくことが大切です。

災害時に役立つ防災グッズリスト

防災グッズは、災害時の安否を左右する要となるものです。まず、食料と水を備蓄することが基本となります。

国では「最低3日分、できれば1週間分」の食料品の備蓄を推奨しています。

なぜなら、被災地へ支援物資が届くまでに数日かかる場合が多いためです。

食料と水に加えて、以下の防災グッズを必要に応じて用意しましょう。

<基本の防災グッズリスト(避難時持ち出し用)>

  • 懐中電灯
  • ラジオ
  • バッテリー式充電器
  • 救急セット
  • 除菌グッズ
  • 医薬品や常備薬
  • 簡易トイレ
  • 防寒具・アルミブランケット
  • ビニール袋(黒色など中身が透けないもの)
  • ビニールシート
  • 身分証明書や家族の連絡先を記載したメモ
  • 少額の現金
  • 筆記用具
  • 軍手

<あると便利な防災グッズリスト>

  • アメ・チョコレートなどの携帯食
  • カセットコンロ・ボンベ
  • ラップ
  • 紙皿・紙コップ・割りばし
  • 乾電池
  • ライター
  • ランタン・ろうそく
  • 雨具(カッパ)
  • マウスウォッシュ
  • 万能ナイフ

参考:広島県危機管理監みんなで減災推進課|防災グッズ一覧

非常食や水の備蓄方法と期限管理

水は、1人あたり1日3リットルを目安に、家族の人数分を最低3日分備蓄しましょう。

非常食には、長期保存が可能な缶詰・乾パン・レトルト食品などが適しています。

備蓄品の賞味期限は定期的にチェックし、期限を過ぎる前に入れ替えることが大切です。

古くなった備蓄品を無駄にしないよう、日常的に消費する工夫も必要です。

カップ麺やカレーなどのレトルト食品、パックご飯や即席味噌汁、缶詰などは日頃から多めに用意しておき、定期的に消費しながら買い足すと良いでしょう。

防災リュックの中身と選び方のポイント

防災リュックは、非常時にすぐに持ち出せるように準備しておく必要があります。

軽量で防水性があり、収納ポケットが多いリュックがおすすめです。

リュックの重さは、男性で15kg、女性で10kgを目安にすると、移動に支障がなくスムーズです。

定期的に中身を見直し、必要な物品がそろっているかを確認しましょう。

家庭での防災備蓄と災害対策

家庭での防災備蓄と災害時を想定した日頃の準備は、家族の安全を守るためにもぜひ実践したいものです。

日常生活の中でできる備蓄と準備を進めることで、非常時にも冷静に対処できるようになります。

家族で共有すべき災害時の行動指針

あらかじめ家庭内での避難計画を立てておくと、災害時の混乱を防げます。

家族全員が共通認識を持ち、どのタイミングでどの避難場所に向かうのか、連絡方法はどうするか、防災リュックには何が入っていてどこに置いてあるかなどを確認しておきましょう。

地域の指定避難所に加え、親戚・知人の家など、複数の避難場所を決めておくと安心です。

また、ペットを飼っているご家庭は、ペットと一緒にどこへどのように避難するのかも話し合っておきましょう。

ペットを受け入れる避難所は限られており、仮に受け入れ可能であっても周囲とのトラブルになる恐れもあります。

事前に確認し、必要な備えをしておきましょう。

防災対策・災害発生時に役立つサービス

iStock | years

最後に、日頃の防災対策として、災害が発生した際に知っておくと便利な3つのサービスを紹介します。

カップヌードルローリングストック

カップヌードルローリングストックは、ガスコンロ・水・軍手などの基本セットのほか、カップヌードルやどん兵衛などのインスタント食品が3カ月ごとに定期便で送られてくるサービスです。

ローリングストックとは、普段食べ慣れているものを防災用に備える考え方です。

定期的に送付されるため、常に最新のインスタント食品がストックでき、日常で適切に消費すれば食品ロスも防げるでしょう。

日清食品の製品には、ビタミン・ミネラル・食物繊維のほか、三大栄養素のバランスの取れた「完全メシ」があり、カップヌードルローリングストックにも含まれています。

災害時にもおいしく栄養バランスの整った食事を楽しめます。

参考:日清食品

災害救援自販機

ダイドードリンコが提供する災害救援自販機は、停電時にも人的操作で自販機内の商品を取り出せる便利な自販機です。

もちろん、普段は通常の自販機として使用できます。

災害が発生した際、災害救援自販機があれば一時的に飲料を供給できるので、ライフラインの復旧や支援物資が届くまでの間も安心です。

また、ダイドードリンコは、全国の地方自治体と災害支援協定を提携しています。

大規模な災害が発生した際に、同社が指定した物流拠点または災害救援自販機の在庫商品を無償で提供することを約束しています。

参考:ダイドードリンコ|災害救援自販機

通信キャリアによる災害時の安否確認サービス

ドコモ・au・SoftBankなどの各キャリアでは、大規模な災害の発生時に携帯電話から安否確認ができる災害用伝言板サービスを提供しています。

特別な申し込みなどは不要で、料金も無料で利用できます。

安否情報の登録や確認はもちろん、「無事です」「自宅に居ます」といったコメントの登録も可能です。

ドコモでは、ほかにも災害に備えるサービスを多く提供しています。

例えば、緊急速報を回線混雑の影響を受けずに利用者に知らせるサービスや、事前登録したエリアに避難情報が発令された際にSNSで通知するサービスなどです。

このようなサービスは、その存在を知らなければ活用できません。

自分や家族の契約しているキャリアのサービス内容を確認し、もしものときに備えて使えるようにしておきましょう。

参考:NTT docomo|災害時に知っておきたいこと
参考:au|災害用伝言板サービス
参考:SoftBank|災害用伝言板

まとめ

気候変動による自然災害は、今後も増加すると予想されています。

事前の備えをしっかりと行い、冷静に行動することで、災害時に自分と家族の安全を守れます。

避難経路の確認や防災グッズの準備をはじめ、日常的な防災意識を持つことが重要です。

万が一の事態に備えて、今日からできる防災対策を始めてみませんか。

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