人気スナック「Jagabee」と「ムーミン」が「Green Project」でコラボレーション。カルビー流の楽しいサステナビリティを取材!
カルビーのヒット商品「Jagabee」と世界中で愛される「ムーミン」が、サステナブルな未来のために「Green Project」で初のコラボレーションを果たしました。
プロジェクトは、ただおいしいだけでなく、環境や社会への配慮も兼ね備えた「持続可能なおいしさ」を追求しています。
「ムーミン」の各キャラクターがアンバサダーになることで、お客様が楽しくサステナビリティの取り組みに参加できる工夫も満載です。
「ムーミン」との特別なコラボレーションに込められた想いや、お客様と創る「Jagabee」流サステナビリティについて、担当者を直撃して深掘りしました。
提供:カルビー株式会社
「Jagabee」の「Green Project」とは?—サステナブルな挑戦の全貌
「Jagabee」は2023年から「Jagabee Happee3プロジェクト」を開始しました。
プロジェクトは、「Green Project」「FAN&FUN Project」「Pass the Happee Project」の3つから構成されています。
それぞれに「ムーミン」の人気キャラクターがアンバサダーとして就任しました。
本記事で焦点を当てるのは、「スナフキン」がアンバサダーを務める「Green Project」。
大きく分けて2つの活動から成り立ちます。
1つ目は「Jagabee」対象品の売り上げの一部を、カルビーの多くの商品で使われているパーム油を生産するボルネオ島に寄付し、支援する活動。
2023年の活動では約1.4ヘクタールの森を取得し、保護を行いました。
2つ目は気軽に自然に触れる機会を提供する「じゃがいも収穫体験」。
都会に住んでいるとなかなかできないじゃがいもの収穫ができ、お菓子の原料がどのように育てられ、収穫されるのかが体験できます。
畑での収穫体験とあわせて、座学で楽しく学べる「SDGsワークショップ」を開催し、子どもの食育を促します。
インタビュー:お客様と創る「Jagabee」流サステナビリティに迫る
お客様を巻き込み、楽しみながら一緒にサステナビリティについて考えていく「Jagabee」の「Green Project」。
プロジェクトに込めた熱意を、カルビーのJagabeeチーム・ブランドマネジャーの山口ひとみさんに伺いました。
創業の精神から続くカルビーの社会貢献への想い
編集部:「Green Project」を立ち上げた経緯を教えていただけますか。
山口さん:「Jagabee」は2026年で20周年を迎えるにあたり、カルビー創業の原点に立ち戻りました。
そこで生まれたのが「Green Project」です。
カルビーの創業者である松尾孝は、第二次世界大戦中の食料供給がままならない時代に、廃棄されていた米ぬかからはい芽を抽出し、さつまいもや野草に混ぜてお団子として販売するところから事業をはじめました。
社名のカルビーは「カルシウム」と「ビタミンB1」が由来です。
カルシウムは、ミネラルの中でも代表的な栄養素、ビタミンB1は、ビタミンB群の中でも中心的な栄養素です。
みなさまの健康に役に立つ商品づくりを目指し、名づけられました。
そして、「自然の恵みを大切に活かして、人々の健康に役立つ商品を作り出したい」という創業者の理念から、弊社の看板ブランドである「かっぱえびせん」や「ポテトチップス」をはじめとする商品が生まれました。
昨今、おいしいお菓子が市場にあふれ、おいしいだけで売れる時代は終わりました。
そのような時代で、「どうしたら『Jagabee』がお客様から愛され続けるか?」考えたときに、創業の精神に立ち返りました。
「Jagabee」は、皮付きのじゃがいもをそのまま使用していることから、自然素材のポテンシャルを最大限に生かしたお菓子です。
創業者の理念と親和性があります。
カルビーはお菓子メーカーとして、自然を守ることに責任を感じています。
おいしいだけではなく、お客様を巻き込みながら環境に対して社会的意義のある活動をしていきたいという想いから「Green Project」が生まれました。
「自然との共生」「多様性」という価値観が合い、「ムーミン」とコラボレーションへ
編集部:「ムーミン」とコラボレーションされた経緯を教えていただけますか。
山口さん:まず前提として、本キャンペーンはアンバサダーを立てることで、よりお客様に親しみを持って参加いただけると考えていました。
その上で「ムーミン」の物語で描かれる価値観と「Jagabee」の信条が一致したことがコラボレーションの大きな理由です。
「ムーミン」作品の価値観のなかで、特に「自然との共生」と「多様性」が「Jagabee」の信条と共通するものがあると考えています。
「ムーミン」の物語では、自然の中で多種多様な仲間たちが共に生活をしているのが印象的です。
「ムーミンやしき」に訪れた仲間を誰でも迎え入れているのが、その表れでしょう。
「Jagabee」も自然素材を生かしたお菓子のため、ひとつひとつの形が不揃いなことが特長です。
だからこそ、飽きのこないおいしさと食感の楽しさに繋がっています。
そんなJagabeeを応援してくださるお客様の「素のまま」に寄り添うブランドでありたいと考えています。
また、「ムーミン」が2025年に出版80周年を迎えるにあたり、物語が伝えるメッセージをより広めていきたいというタイミングと「Green Project」の実施時期が重なったことも、コラボレーションを後押ししました。
大切なのは、SDGsの取り組みと商品を連携させること
編集部:「Green Project」は、どのような想いでプロジェクトを作り上げましたか。
山口さん:カルビーがお菓子というお客様に身近な商品を取り扱っているので、SDGsの観点からもできることがたくさんあると思いました。
大切にしているのは「SDGsの取り組みと商品を連携させること」です。
プロモーションとして一過性の取り組みを行うことは、いくらでもできます。
多くのお客様に手に取っていただく商品だからこそ、SDGsの取り組みを商品に落とし込み、説得力を持たせることが大切です。
例えば、「Jagabee」で使われるパーム油は持続可能なRSPO認証を取得したものを使用しています。
パッケージのインクにはバイオマスインキを使用しています。
さらに原料由来に加えて、印刷工程のCO2排出量が従来と比べ約30%削減できる印刷方式へ変更しました。
グリーンウォッシュ※ではなく、本質的にサステナビリティを実現するには、商品と連携させることがとても大切だと考えています。
編集部:「Green Project」では、対象商品の売上の一部を「認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン」の森林保全活動に寄付されています。なぜこちらの団体を寄付先として選ばれたのでしょうか。
山口さん:「Jagabee」を含めたカルビー商品の原材料としてパーム油が使われており、ボルネオ島がパーム油の一大産地だからです。
寄付先の候補を選定する際に、北欧の森林や日本国内の森林なども候補にあがりました。
しかし、まずはいつも商品製造で関わっている場所に還元すべきだと考え、認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパンさんを選定させていただきました。
事業と親和性のある寄付先を選定したことで、お客様の納得と共感につながっていると思います。
商品と関係のある寄付先と連携することは、お客様が原料に興味を持っていただくきっかけになったり、食べるときに原産国に想いをはせたりすることにつながります。
編集部:「Jagabee」の商品作りにおいて、サステナビリティの観点で何か変化があれば詳しく教えていただけますか。
山口さん:2024年に入ってから行った商品の変更点として、「Jagabee」食べきりサイズのスタンドパック商品の一部からチャックを外し、従来品より約11%のプラスチックを削減しました。
環境への配慮を商品に落とし込む際、「お客様のご不便につながっていないか」をよく考えています。
食べきりサイズのスタンドパック商品からチャックを外したのは、事前のお客様アンケート調査で、半数以上の方がチャックを使用していないと判明したためです。
環境への配慮がお客様の不利益につながらずに、お客様と環境にとってウィンウィンである必要があります。
楽しさを大切に、サステナビリティにつながる体験を提供
編集部:「Green Project」全体を通して、お客様の反応はいかがですか?
山口さん:お客様の声が最も多く寄せられたのは、Xでのキャンペーンです。
キャンペーン内容は1リポストあたり1円を、森林保全活動支援のため認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパンに寄付するというもの。「共感します」「賛同します」というポジティブなコメントが多かったです。
一般的には、企業が寄付のキャンペーンを行う場合は商品を買ったら一部を寄付する形を取るものが多いです。
しかし、本キャンペーンでは気軽に参加いただくために、商品を購入しなくてもリポストだけで参加できるようにしました。
「こういう寄付の形もあるのですね」と感想もいただきました。
コラボレーショングッズが抽選で当たる特典をつけたことで、より多くのお客様にご参加いただけたと思います。
編集部:「じゃがいも畑で収穫体験」と「SDGsを学ぶワークショップ」のお客様の反応はいかがでしたか。
山口さん:「今まで家族で環境問題について話す機会はなかったけれど、この体験が話し合うきっかけになりそうです」「芋掘り体験ができ、子どもにとって良い経験となりました」など感想をいただいています。
わざわざSNSのダイレクトメールで感想を送ってくださる方もいらっしゃいました。
カルビーでは「楽しさ」を大切にしています。
一方的な社会貢献ではなくて、楽しい思い出に残るような体験を提供することが、カルビーらしさだと思います。
「人間の本質的な欲求」と「自然の共生」を両立することが、社会の発展につながる
編集部:今後の「Green Project」の展望を教えていただけますか。
山口さん:2025年に「ムーミン」が80周年、コラボレーションは3周年を迎えます。
前年を超える盛り上がりを作れるように、現在さまざまな企画を練っている最中です。
一方で「自然との共生」「多様性」は普遍的なテーマとして、貫いていこうと考えています。
テーマに一貫性を持たせながら、キャンペーン内容に変化を持たせて、コツコツと継続することが大切です。
編集部:SDGsやサステナビリティの観点から、今後の食品業界の未来についてどのような展望をお持ちですか。
山口さん:私の個人の考えではありますが、事業の持続可能性を考えた際に関係者の誰かが我慢する形では続かないと思います。
例えば、環境に配慮した商品をお客様が無理をして高い値段で購入したり、環境に配慮のある商品だけれどおいしくなかったりすれば、事業は続かないでしょう。
飽食の今の時代、カルビーが提供するお菓子は人によってはなくても生きていけるものかもしれません。
しかし、なぜ存在しているのかというと、食べることによってお腹だけではなく気持ちも満たしたい、誰かとコミュニケーションをとりたい、といった人間の本質的な欲求と強く関係しているからだと思います。
人間の本質的な欲求と自然との共生を両立することが、社会の発展につながるのではないでしょうか。
お菓子メーカーとしても、両立をするべく、技術革新をはじめ企業努力をしていく必要があると考えます。
編集後記:カルビーが目指すサステナビリティの進化
「Jagabee」はまもなく迎える20周年をきっかけに、「自然の恵みを活かして、人々に役立つ商品を作り出したい」という創業者の精神に立ち返り、「Green Project」を立ち上げました。
「自然との共生」「多様性」を価値観として掲げる「ムーミン」とコラボレーションし、SDGsを体験できる「じゃがいも畑で収穫体験」や「SDGsを学ぶワークショップ」を開催したり、カルビーのお菓子には欠かせないパーム油を製造するボルネオ島に寄付したりしています。
このように企業理念が忠実に商品に反映され、商品に関連した取り組みが行われているため、多くのお客様の共感を呼び、持続可能な価値創造につながっているといえます。
また、一方的ではなく、「楽しさ」を大切にしながらお客様も一緒に体験していただくことが、カルビー流といえるでしょう。
事業を通じたサステナビリティへの貢献は、一部の関係者が不利益や不便さを感じれば成り立ちません。
おいしさ・楽しさ・利便性・サステナビリティのすべてをバランス良く、より良い方向へ進化させていく「Jagabee」の次の企画に期待が高まります。
提供: カルビー株式会社
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