こども気温の真実!夏の暑さ対策を紹介

子どもの暑さ対策に悩んでいませんか。実は、子どもが体感する「こども気温」は、大人より約7℃も高くなることがあります。
本記事では、こども気温の正体や熱中症リスク、今すぐできる7つの対策を具体的に紹介します。読めば、気温に合わせた行動が取れるようになり、子どもを暑さから守る自信が持てます。
こども気温は大人より約7℃高い
「こども気温」とは、子どもが感じる気温が大人よりも約7℃高いという概念を指します。
この気温差は、サントリー食品インターナショナルと気象専門会社のウェザーマップが共同で行った実験に基づいています。ある実験では、大人が立っている高さ(およそ150cm)で測った気温が31℃だったとき、子どもの目線の高さ(約80〜120cm)では、38℃近くまで上がっていることが確認されました。
大人が「今日はちょっと暑いな」と思っている日でも、子どもは「危険な暑さ」の中にいるかもしれません。夏の外出では、大人と子どもの体感している暑さがまったく違うことを理解しておくことが重要です。
なぜプラス7度も高くなるのか?
子どもの方が体感温度が高くなる理由のひとつが「地面からの照り返し」です。
夏の日差しは、地面にあたると熱をためこみ、それを空気中に跳ね返します。特にアスファルトやコンクリートのような道は、太陽の熱を強く吸収し、跳ね返す性質があります。
子どもは背が低いため、照り返しの熱を大人よりもずっと近くで受けてしまうのです。
ベビーカーも注意が必要
ベビーカーも地面から最も近い場所にあるため、日差しや地面からの照り返しの影響を受けやすくなります。
兵庫県立消費生活総合センターの調査によると、夏季の14時、アスファルト路面上でベビーカーを押している大人の顔の位置が32.9℃だったのに対して、ベビーカー内の温度は、3.5℃高い36.4℃になりました。
こうした環境では、乳幼児の体温が上がり、熱中症になるリスクも高まるため、注意が必要です。
日差しカバーや冷却シートをつけて、日差しや地面からの熱から守りましょう。
参照:兵庫県立消費生活総合センター|ベビーカー内の環境に注意
子どもは熱中症になりやすい理由
熱中症とは、高温多湿な環境に長くいることや水分不足などが原因で、体温調節機能がうまく働かなくなったり、体内に熱がこもったりすることです。手足のしびれやめまい、吐き気や頭痛などの症状を引き起こします。
特に子どもは大人より熱中症になるリスクが高いため、消費者庁や厚生労働者なども注意を呼びかけています。では、なぜ子どもは熱中症になりやすいのでしょうか。ここでは、具体的な理由を紹介します。
子どもの汗をかく機能が未熟
汗は、体にたまった熱を外へ出すための大切なしくみです。「子どもがよく汗をかく」と思っている方もいるのではないでしょうか。
しかし、子どもは大人に比べて、汗をかく力が十分に発達していません。体温調節機能が未熟なため、暑さを感じてから汗をかくまでに時間がかかったり、体の中に熱がたまりやすくなったりしてしまいます。
子どもは自ら予防するのが難しい
子どもが「体調の変化をうまく伝えられない」ことも理由の一つです。暑さでしんどくなっていても「暑い」「気持ち悪い」とはっきり言える子ばかりではありません。
小さな子どもは、突然機嫌が悪くなったり、泣き出したりするだけで、大人が体調の異変に気づきにくい場合があります。
自分では服装などで暑さ調節もうまくできないため、大人が日ごろから子どもの表情や動きに目を配り、「いつもと違うかも?」と感じたらすぐに休ませる・冷やすなどの対応が大切です。
参照:こども家庭庁|みんなで見守り「こどもの熱中症」を防ぎましょう!
近年の気温上昇で熱中症のリスクも増加
自分が子どもの頃は、7〜8月も公園で思い切り遊べたのにと感じる方も多いのではないでしょうか。
日本の年平均気温は、100年あたり1.16℃の割合で上昇しています。ここ数十年で、地球全体の平均気温が少しずつ上がっています。1990年代半ばを境に、最高気温が30°C以上の日(真夏日)、35°C以上の日(猛暑日)の日数は、いずれも大きく増加しているのが現状です。
これらは、二酸化炭素など温室効果ガスの増加が引き起こす「地球温暖化」が大きく関係しています。
夏は、昔よりも明らかに暑くなり、気温が35℃を超える日が当たり前のように続くようになりました。このような環境では、大人でも体調を崩しやすく、子どもにとってはさらに大きな負担となります。
子どもを守るためには、暑さの背景や原因をしっかり理解して、早めの対策をとることが必要です。
参照:気象庁
参照:気象庁|4-1. [観測結果] 平均気温の上昇とともに極端な高温の頻度も増加している
今すぐできる具体的な熱中症対策
暑さから子どもを守るには、先まわりの対策が何より大切です。
ここでは、今日からすぐに実践できる水分補給のコツや服装の選び方、年齢に応じた暑さ対策アイテムなどを紹介します。
こまめな水分補給
子どもは遊びに集中してしまうと、喉が渇いても「水を飲みたい」と言えないことがあります。喉が渇く前に、20〜30分ごとに少しずつ水や麦茶を飲むようにしましょう。
大量の汗をかいたときには、塩分や経口補水液なども補給することもおすすめです。
もし意識がもうろうとしている場合は、無理に飲ませず、すぐに医療機関や救急車を頼ることが重要です。
参照:武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科|子どもの熱中症を防ごう!親が知っておきたい予防と対策ガイド
適切な服装・帽子の着用
服は、綿や吸湿速乾素材など、通気性が良く、汗を吸いやすい素材を選びましょう。色は黒っぽい暗い色ではなく、白やパステルなど、直射日光を避ける明るい色が適しています。
帽子は、つばが広く、通気性のあるものが理想です。
参照:こども家庭庁|みんなで見守り「こどもの熱中症」を防ぎましょう!
保冷アイテムの活用
首回り、脇の下、足の付け根など、身体を冷やすことも効果的な暑さ対策です。年齢に合った保冷アイテムを活用しましょう。
ベビーカーで外出するときは、保冷剤を入れてベビーカーに敷ける保冷シートが便利です。最近では、メッシュ素材や冷却素材のシートもあります。
子どもが一人で歩くようになったら、首に巻ける保冷ネックリングや保冷ベスト、帽子の内側に入れる冷感パッドなどのアイテムが有効です。
冷却アイテムが家にない場合は、タオルや紙おむつで保冷剤をつつめば代用できます。布マスクに保冷剤を入れて、ひもに腕を入れたら、背中を冷やすアイテムにもなります。
こまめな休憩と日陰・室内の活用
15〜20分おきに日陰や屋内で休憩を取り、体をクールダウンさせましょう。炎天下での長時間の遊びは避け、朝や夕方など比較的涼しい時間帯に外出することも大切です。
特にベビーカーの中は熱がこもるため、こまめに抱き上げたり、風通しの良い場所で涼んだりすることを忘れないようにしましょう。
参照:消費者庁|Vol.593 子どもの熱中症対策を心がけましょう!
子どもの体調を観察する
「何かおかしいな?」と思ったら迷わず行動することが、重症化を防ぐカギになります。次の症状は、熱中症の初期サインかもしれません。
- 顔が赤い
- 汗がだらだら出ている
- 急に機嫌が悪くなった
- 動きが鈍い
- 言動がいつもと違う
- ふらふらしている
このような様子が見られたら、早めに涼しい場所で休ませ、水分を少しずつ飲ませることが重要です。
参照:独立行政法人日本スポーツ振興センター|熱中症発生のメカニズムと対策『乳幼児編』
参照:消費者庁|Vol.626 早めの熱中症予防! 症状が現れたら速やかな処置を!
暑さに強い身体作りを日頃から
バランスの良い食事・十分な睡眠・適度な運動は、暑さに負けない体を作る基本です。
気温が高くなると、食欲が低下し、冷たい飲み物やアイスクリームなどに偏ってしまいます。糖質は人間にとって大切なエネルギー源です。しかし、糖質の代謝に必要なビタミンB1が不足すると、代謝がうまく働かずエネルギーが作られません。その結果、疲れやすさやイライラを引き起こします。
ビタミンB1を多く含む、豚肉やうなぎ・玄米・大豆・きのこ類などを積極的に摂取しましょう。野菜も多く入った「冷しゃぶサラダ」「豚肉を使った夏野菜カレー」もおすすめです。
夏休みになると、牛乳を飲まなくなる子どももいるかもしれません。「カルシウム」は、筋肉を動かすのに必要な栄養素です。汗をかくと失われやすい特徴があります。暑さに強い身体作りのためにも、牛乳や乳製品、小魚などを摂取するように心がけましょう。
参照:消費者庁|Vol.414 子どもを遊ばせるときは熱中症対策をしっかりと!!
熱中症警戒アラートの活用
気象庁が発表する「熱中症警戒アラート」は、危険な暑さの日を知らせる重要な情報です。アラートが出た日には「できるだけ外出や運動を控える」「屋内でもエアコンを使って過ごす」など、強い注意が必要な日を意味します。
確認方法は簡単で、以下のような方法があります。
- 環境省の「熱中症予防情報サイト」を見る
- テレビの天気予報やスマートフォンの天気アプリでチェックする
あわせて「暑さ指数(WBGT)」もチェックすると、外出や運動を控える判断がしやすくなります。
「暑さ指数(WBGT)」は体の熱収支に与える影響の大きい、気温・湿度・日差し(輻射熱)の3つをもとにして作られた、熱中症のなりやすさを表す数値です。気温とは異なり「どれくらい体が暑さを感じて、負担がかかっているか」をわかりやすく教えます。
気温がそれほど高くなくても、湿度が高い日や風がない日にはWBGTが高くなるケースもあるため、気温だけでは判断できないときにも役立ちます。
WBGTやアラートをうまく活用することで、「今日はどこまでなら安全か」を客観的な判断が可能です。自分の感覚だけに頼らず、データを味方にして子どもを守る行動をとっていきましょう。
参照:環境省熱中症予防サイト|熱中症特別警戒アラート・熱中症警戒アラートの発表状況
参照:政府広報オンラインサイト|熱中症特別警戒アラートとは?発表時の対策と熱中症予防のポイント
こども気温を理解して、子どもの命を守る
「こども気温」とは、身長差によって子どもが体感する温度が大人より約7℃高くなる現象です。親が子どもの熱中症リスクをより正しく認識することで、服装・休憩・水分補給・体調観察・暮らし方を整えやすくなります。
以下は、すぐに実践できる暑さ対策チェックリストです。
- 外出時の目安:大人より体感温度が7℃高くなることと想定して行動する
- 服装:通気性が良く、汗を吸いやすく、明るい色の服を選ぶ
- 帽子:風通しが良く、つばが広く、日差しを防げるものを着用する
- 水分補給:20〜30分ごとに少量の水や麦茶をこまめに飲ませる
- 休憩:15〜20分ごとに日陰や室内でクールダウン
- 体調観察:顔の赤さ、汗の量、元気がない、目がうつろなどに注意する
- 生活習慣:しっかり寝て、ビタミンB1やカルシウムなどの栄養素をとる
- 熱中症警戒アラートやWBGT:スマホや天気サイトで毎朝チェックする
外出前や公園で遊ぶとき、ベビーカーに乗せるときなど、行動の目安としてぜひ活用してください。また子どもばかり心配しすぎて、自分のことをつい後回しにしてしまう方もいるかもしれません。大人も無理せず、しっかり暑さ対策をして、暑い時期を乗り越えましょう。
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