フェアトレード認証とは?団体や基準、おすすめ商品も紹介
ここ数年、フェアトレード認証の商品が増えています。
これは、企業や消費者の環境意識や社会貢献への関心が高まった証拠といえます。
とはいうものの、「フェアトレード認証って何?」「どんな基準があるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フェアトレード認証の意味、団体や基準について解説しています。
最後には手軽に買える認証商品についてもまとめました。
フェアトレード認証とは?
出典:https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/intl_license.php
そもそも、フェアトレードとは、「公平な貿易のしくみ」を意味します。
コーヒー豆やカカオなど開発途上国の原料や製品を適正な価格で購入することで、立場の弱い生産者や労働者が人間らしい豊かな生活を目指しています。
そして、フェアトレード認証とは、フェアトレードであると認められたことを証明するもの。
世界的に有名なのが「国際フェアトレード認証ラベル」です。国際フェアトレード認証ラベルの製品を購入することで、開発途上国で働く生産者と労働者の生活とコミュニティを守ったり、改善したりすることにつながります。
どうして、フェアトレード認証が必要なのか?
では、どうしてフェアトレード認証が必要なのでしょうか。それは、衣料用品や食品の原料を生産する開発途上国の方々を守るためです。
たとえば、チョコレートなら「カカオ」、コーヒーなら「コーヒー豆」、Tシャツなら「綿(コットン)」などの多くは、遠い国の畑で育てられています。
私たちの生活を豊かにしてくれる一方で、開発途上国の生産者が低賃金や劣悪な環境で働かされ、貧困に陥る問題があるのです。
さらに、児童労働をせざるを得ず、子どもに教育を受けさせることができない場合もあります。
また、ガーナの児童労働の94%がカカオ農家と言われていて、社会的弱者を狙った不公平な取引はそれだけ多くあるといえるのです。
このような社会問題は一刻も早く解決しなければなりません。
問題解決のためには、
- 労働者に適正な賃金を支払うこと
- 労働環境の改善
- 子どもの権利の保護
などを保証した取引を普及させることが必要です。
つまり、誰もが人間らしく働けるような未来を叶えるためには、フェアトレード認証は欠かせません。
出典:https://www.fairtradejp.org/about_fairtrade/why_fairtrade.php
フェアトレード認証の団体「国際フェアトレードジャパン」
出典:https://www.fairtrade-jp.org/about_us/strategy.php
フェアトレード認証の普及を目指す団体の一つが「国際フェアトレードジャパン」、組織理念は「フェアスピリッツ」です。
世界中のすべての人が対等で尊重し合う世界の実現を目指しています。
社会、環境、経済的な基準を網羅した国際フェアトレード基準を設定し、基準を達した製品に国際フェアトレード認証ラベルを承認しています。
公正な貿易の実現によって、あらゆる貧困に打ち勝ち、生産者が持続可能な生活を手に入れられるように活動しているのです。
フェアトレード認証の基準
では、フェアトレード認証はどのような基準をクリアしているのでしょうか。
基準の内容がわかるように、以下に「国際フェアトレード基準」についてまとめました。
国際フェアトレード基準は、開発途上国の小規模生産者・労働者の持続可能な開発を促進する目標が基盤になっています。
基準は多岐に渡りますが、3つの原則に分類できます。
経済的基準
- フェアトレード最低価格の保証
- フェアトレード・プレミアムの支払い
- 長期的な取引の促進
- 必要に応じた前払いの保証など
社会的基準
- 安全な労働環境
- 民主的な運営
- 差別の禁止
- 児童労働・強制労働の禁止など
環境的基準
- 農薬・薬品の使用削減と適正使用
- 有機栽培の奨励
- 土壌・水源・生物多様性の保全
- 遺伝子組み換え品の禁止など
引用:https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/intl_standard.php
このように、経済的、社会的、環境的に持続可能な社会を叶える基準になっているのです。
国際フェアトレード認証の種類
実は、国際フェアトレード認証には3つの種類があります。
- 国際フェアトレード認証ラベル
- 矢印がついた国際フェアトレード認証ラベル
- 国際フェアトレード原料調達ラベル(FSIラベル)
国際フェアトレード認証ラベルは、その原料が生産、輸出入、加工、製造工程の中で、国際フェアトレード基準を満たしていることを証明したラベルです。
農場から認証製品として出荷されるまで完全に追跡可能で、コーヒーやバナナなど認証された原料が100%からなる製品に表示されます。
矢印がついた国際フェアトレード認証ラベルの矢印は「パッケージの裏面をみて、認証原料と調達方法について確認してください」という意味を表しています。
国際フェアトレード原料調達ラベルの「FSIラベル」は主に複合材料製品に使用されます。
タブに記載されている原料のみが、フェアトレードとして調達されているのです。
たとえば、ミックスナッツ製品に「カシューナッツ」タブのあるFSIラベルが表示されている場合、カシューナッツのみがフェアトレード認証原料。
それ以外のナッツは認証原料ではありません。
SIラベルの導入のおかげで、小規模生産者や労働者はフェアトレード条件で原料を販売できる可能性が増えました。
また、企業もより柔軟性をもってフェアトレードへ参加しやすくなったのです。
消費者にもとっても、持続可能な買い物をする機会が増えるといえ、メリットが多いといえるのではないでしょうか。
手軽に買える!フェアトレード認証商品8選
最近、フェアトレード認証ラベルがついた商品が増えています。
とはいうものの、どんなモノがあるのかと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
よりフェアトレードを身近に感じられるように、スーパーマーケットやコンビニ、オンラインショップで手軽に買える商品を厳選しました。それぞれの特徴を以下にまとめています
チョコレート:セブンイレブンのハイカカオチョコレート
公式サイト:https://7premium.jp/product/search/detail?id=7791
フェアトレード認証商品はセブンイレブンで購入可能です。「カカオ73%のハイカカオチョコレート」には、フェアトレードのカカオが使用されています。
値段も「税込159円」とお手頃価格なので、トライしやすいのではないでしょうか。
紅茶:トップバリュのティーバック
公式サイト:https://www.topvalu.net/items/detail/4549414177824/
イオンのプライベートブランドであるトップバリュでもフェアトレード認証商品を販売しています。
紅茶の商品は、アールグレイ、ダージリン、セイロンウバの3種類。
購入することで、スリランカやインドで働く茶畑農家の方を守ることにつながります。
値段も200円以下と日常使いしやすい価格です。
バナナ:コープ用バナナ
公式サイト:https://www.ucoop.or.jp/shouhin/ucoopselection/us_banana.html
コープではフェアトレードバナナを購入可能です。おうちcopeや各店舗で取り扱っています。
この商品には、「おいしさ×社会貢献=幸せ倍増」という想いが込められていました。
購入することで、バナナの生産者の社会的自立をサポートできるのです。
食べる人も作る人も幸せになる商品といえるのではないでしょうか。
ごま:いりごま
公式サイト:https://www.kuki-info.co.jp/products/sesame_roasted-ground/kuki_irigoma_fair-trade.html
九鬼が販売する「フェアトレードいりごま白」には、ニカラグア産の認証を受けた白ごまを使用しています。
これは、国内のごまメーカー初のフェアトレード認証商品。
カラグア共和国にあるデル・カンポ農協の方々が、丹精込めて育て、香り高く焙煎し、深煎りに仕上げているそうです。
時間と労力をかけて育てられたことを知れば、よりおいしく感じるのではないでしょうか。
スパイス:S&Bブラックペッパー
公式サイト:https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/15484.html
S&Bが手掛けるブラックペッパーの中にも、フェアトレード認証商品があります。
さらに、安全・安心・環境に配慮し有機栽培原料を使用した有機JAS認定のシリーズでもあります。
消費者の健康、生産者の生活、環境を守ることにつながる商品といえるのではないでしょうか。
アイスクリーム:BEN & JERRY’Sアイスクリーム
公式サイト:https://www.apsp.or.jp/product/
BEN & JERRY’Sアイスクリームは、フェアトレード認証商品として有名です。
1978年にアメリカで創業され、海外展開しているプレミアムアイスクリームのブランドとして知られています。
製品の原料調達から販売に至るまで「得た利益を社会に還元する責任がある」という信念のもと行っているそうです。
主にオンラインショップで購入できます。
スポーツボール:サッカーボール
公式サイト:https://www.fairselect.jp/?mode=cate&cbid=1528384&csid=1
スポーツボールにも、フェアトレード認証商品があるのはご存知でしょうか。
実は、サッカーボールだけではなく、バスケットボール、ラグビーボール、バレーボールなども販売されています。
食べ物だけではなく、スポーツ用品にもフェアトレードのものがあれば、社会貢献できる幅も広がるのではないでしょうか。
オーガニックコットン:明治大学トートバッグ
公式サイト:https://meidaigoods.net/hpgen/HPB/categories/105839.html
フェアトレード認証されたコットンで作られたトートバッグもあります。
最近では、大学が手掛けている商品が注目されています。
明治大学以外にも、駒澤大学や法政大学がフェアトレードアイテムを学生中心になって制作していました。
買って使うことで、開発途上国の綿農家やその家族の持続可能な生活を支援できます。
トートバッグだけではなく、洋服やタオルなどのコットン用品を買う際は検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、フェアトレード認証について詳しく解説しました。
フェアトレードとは、公平な取引を意味し、それを保証しているのがフェアトレード認証です。
残念ながら、社会的弱者である開発途上国の生産者が、低賃金や劣悪な環境で働かされている現状があります。
あらゆる貧困と児童労働を解決するためには、公平な取引を通して開発途上国の労働環境を守らなければなりません。
企業としてできることは、フェアトレード認証商品を原料として活用すること、消費者としてできることはフェアトレードのラベルをみて買い物をすることです。
すべてを購入するのは難しいですが、自分ができることから始めてみてはいかがでしょうか。
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