エシカルライフ

生ごみが地球温暖化を加速させる?生ごみ処理機『バリミ』がもたらすサステナブルな未来

家庭から出る生ごみが地球温暖化を助長していることをご存知でしょうか。

日本では、家庭から排出されるごみの約3割が生ごみと言われています。

生ごみは重量の約8割が水分のため、焼却処分する際に多量の化石燃料が必要になり、大量の二酸化炭素(CO2)を排出してしまうのです。

そのため、世界各地で様々な対策が行われています。

お隣の韓国では、世界に先駆けて生ごみの問題に取り組み、今では世界トップレベルの生ごみリサイクル率を誇っています。

この記事では生ごみ処理の現状と課題、そして課題解決手段のひとつである韓国で開発された家庭用生ごみ処理機『バリミ』について紹介します。

『バリミ』は環境に配慮した、便利で効率的な生ごみ処理を実現し、家庭のサステナブルな暮らしをサポートします。

個人個人が、未来のために何ができるのか、共に考えてみましょう。

提供:TVQ九州放送

生ごみ問題とサステナビリティ

家庭から出る生ごみが地球温暖化に影響を与えているのをご存知でしょうか。

生ごみの有効活用が注目されている理由とあわせて、解説していきます。

生ごみ処理の現状とその問題点

日本では、家庭ごみの約3割が生ごみと言われています。

生ごみは多くの自治体で一般ごみとして焼却処分されていますが、その重量の80%以上が水分のため、焼却処分の際により多くの化石燃料が必要になります。

化石燃料を使えば使うほど、CO2排出量が増えるので、より地球への負担が大きくなってしまいます。

日本はそもそも、ごみの焼却処分や発電における化石燃料への依存度が高く、水分量が多い生ごみの焼却が、輪をかけるようにCO2排出量を増やしているわけです。

さらに、日本の生ごみのリサイクル率はOECD諸国の中で極端に低い状況です。

もし、家庭ごみの約3割を占める生ごみを有効活用できれば、CO2排出量を減らし、日本のリサイクル率を大幅に向上させられるでしょう。

生ごみ処理に関する海外の取り組み

生ごみの有効活用方法として、たい肥化が挙げられます。

世界各国の自治体で、生ごみをたい肥にする試みが行われています。

フランスでは、2024年1月に生ごみのたい肥化が義務付けられ、アメリカの一部州でも同様の取り組みが実施されているのです。

ここでは、海外で加速する生ごみ処理の事例として、韓国とアメリカ・ニューヨーク市を取り上げます。

韓国の取り組み

韓国では、1970年代頃から高度経済成長による都市化が進み、食品廃棄物が急増しました。

当初は生ごみの埋め立てが予定されていましたが、悪臭や環境汚染の問題からそれは断念されました。

その後、2013年から生ごみのコンポスト化が義務化され、住民は専用の生分解性の袋を購入し、その袋に生ごみを入れて処分するようになりました。

韓国の生ごみ専用のごみ箱

また集合住宅では、生ごみ専用のごみ箱が設けられているところがあります。

このごみ箱は従量課金制で、生ごみの量に応じて支払金額が決定します。

生ごみの量が多いほど支払金額が高くなるため、多くの住民が生ごみの量を少なくし、水分を抜いてから処分するようになったそうです。

現在、韓国は、世界トップレベルの生ごみリサイクル率を誇ります。

参考:South Korea has almost zero food waste. Here’s what the US can learn|The guardian
The Country Winning The Battle On Food Waste|Huff post
参考:韓国の生ごみリサイクルに関する情報|環境省

アメリカ・ニューヨーク市の取り組み

iStock.com/MDoculus

ニューヨーク市では、街中に誰でも24時間利用可能な「スマートコンポスト」が設置されています。

スマートフォンにアプリをダウンロードすれば、生ごみや落ち葉などの有機ごみを入れられる仕組みです。

回収された有機ごみは下水処理施設か、たい肥化施設に送られます。

下水処理施設では有機ごみはメタンガスになり、発電に利用され、施設内で使われる電気になります。

たい肥化施設に送られた有機ごみはたい肥になり、造園業者向けに販売されたり、学校や教会などに無償で提供されたりしています。

参考:New York City Department of Sanitation

生ごみ問題の救世主「家庭用生ごみ処理機」の可能性

生ごみのたい肥化によく用いられるのがコンポストです。

コンポストは昔から家庭で取り入れられ、今ではダンボール箱型コンポストやバッグ型コンポストなど様々な種類が開発されています。

最もポピュラーなのは、庭や畑などで使用する設置型コンポスト。生ごみや落ち葉を入れ、蓋を閉めて数か月ほど放置し、微生物の力で生ごみや落ち葉がたい肥になるのを待ちます。

しかし、設置型コンポストは、悪臭や虫が発生するという問題点を抱えています。

場合によってはご近所トラブルになることもあり、都市部の家では導入のハードルが高いでしょう。

一方、家庭用生ごみ処理機は室内での使用を前提に設計されているため、悪臭や虫が発生しません。

家庭用生ごみ処理機には主に「乾燥式」と「微生物分解方式」※の2種類があります。

※微生物分解方式は微生物と電気を組み合わせて処理するためハイブリッド式ともいわれています。

「乾燥式」は温風や加熱処理で生ごみの水分を減らし減量化を図り、「微生物分解方式」は電気と微生物の力を使い、生ごみをたい肥にします。

「乾燥式」は生ごみを乾燥させることで、燃えるごみの量を減らすことはできますが、たい肥として活用するには乾燥後、発酵させるひと手間が必要になります。

生ごみ処理機の購入に対し、多くの自治体が助成金を設けていますが、「生ごみの再資源化」につながりにくいという理由から乾燥式を助成金の対象から除外している自治体もあるようです。

ただ、生ごみの水分量を減らすだけでもそのまま捨てるよりは焼却エネルギーの削減になります。

生ごみ処理機がなくても普段から生ごみを絞って水分を切って捨てることも重要です。

一方、「微生物分解方式」は生ごみが発生するたびに本体に投入し、分解できないものが少しずつ本体内に溜まっていきます。この溜まっていくものがそのままたい肥になります。

電気は必要であるものの一般的に乾燥式よりも電気代は安く、処理したものを毎回取り出す必要がないのも「微生物分解方式」のメリットです。

「家庭における生ごみの再資源化」という点においては、微生物発酵分解式の普及が鍵となるのではないでしょうか。

家庭用生ごみ処理機『バリミ』は、生ごみ処理の先進地・韓国で開発されたものです。

韓国の生ごみ処理機メーカーの中で唯一、微生物研究所を併せ持つ「GL PLUS」のオリジナル商品です。

韓国で特許を取得しているハイブリッド脱臭装置を備えているため、正しい方法で使用すれば臭いは発生しません。

家庭で『バリミ』を使用すれば、生ごみの焼却時に排出されるCO2だけでなく、生ごみを焼却場に運搬する時に排出されるCO2の削減にもつながります。

さらに、できあがったたい肥を観葉植物や園芸に活用できるのも嬉しいポイントです。

家庭用生ごみ処理機『バリミ』の紹介

『バリミ』は、日本ではTVQ九州放送が販売しています。

なぜ、マスメディアのTVQ九州放送が家庭用生ごみ処理機を販売しているのでしょうか。担当者にお話を聞きました。

『バリミ』の販売背景:担当者インタビュー

編集部:
なぜメディアであるTVQ九州放送が家庭用生ごみ処理機を販売することになったのでしょうか。

ご担当者:
TVQ九州放送が家庭用生ごみ処理機「バリミ」を販売する背景には、企業の社会的責任(CSR)やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みがあります。

社会課題の解決に向けた新規事業プロジェクトチームが立ち上がり、食糧問題やエネルギー問題、少子高齢化といった様々な課題を検討し、その中で特に注目したのが「生ごみの再資源化」でした。

日本は「焼却大国」とも揶揄され、多くのエネルギーや化石燃料を使って生ごみを焼却しています。

一方、多くの自治体が生ごみ処理機の購入に助成金を設けているにもかかわらず、その事実を知っている人は少ないのが現状です。

この事実を広く知らせるとともに、生ごみ処理機を普及させることが焼却処分を減らし、持続可能な社会を実現させるため重要だと考えました。

海外では「生ごみの再資源化」の動きが加速しており、日本でも生ごみのたい肥化が一般的になる可能性があります。

マスメディアとして、日本の現状や生ごみ処理機の必要性を具体的に広めることができると考え、販売に踏み切りました。

また、TVQは最近「マスメディアから“ファン”メディアへ」というリブランディングを行い、「Q=〇+1」と定義しています。

これは、「〇=正解や常識」に満足せず「+1」のアイデア・チャレンジ・ヴァリューを追求する姿勢を示しています。

生ごみ処理機の普及は、この新たな価値創造の一環として位置づけています。

編集部:
家庭用生ごみ処理機には種類がありますが、乾燥式ではなく、微生物発酵分解式に注目された理由を教えてください。

ご担当者:
乾燥式の場合、たい肥として有効活用することも可能ですが、「乾燥した生ごみ≒たい肥」ではなく、乾燥したものを畑や観葉植物の土に混ぜて微生物の力で発酵させて初めてたい肥になります。

加えて乾燥式の場合、取り出す頻度が高く、たい肥として有効活用しようと思えば、取り出すたびに土に混ぜるか、取り出したものをビニール袋などで保管し、ある程度溜まってから土に混ぜるなどの必要があります。

これは、あまり現実的ではないと感じました。「乾燥が終わったら、燃えるごみとして捨てることになるのではないか。ごみの量は減らせても、生ごみの再資源化にはつながりにくい」と考えました。

実際、「生ごみの再資源化」につながりにくいという理由から乾燥式を助成金の対象から除外している自治体もあります。

そして、たどり着いたのが電気と微生物の力で生ごみを分解する微生物発酵分解式です。

一般的に乾燥式よりも電気代は安く、微生物発酵分解式の場合、処理したものを取り出す頻度が年に数回という点に「家庭における生ごみの再資源化」の可能性を感じました。

微生物発酵分解式は、分解できない生ごみがたい肥として溜まっていき、本体内の限界ラインに達したときに全量の三分の一から半分を取り出す必要があります。

中身を残すことで、微生物基材を追加購入することなくそのまま使用できます。

取り出す回数は生ごみの量にもよりますが、年に2~4回の計算になります。

1回で取り出す量は、自宅に大きな観葉植物が2つもあれば、有効活用できる程度です。

資源ステーションなどで、たい肥を回収している自治体も少なくありません。

年に数回であれば、使い切れないたい肥が仮にあっても資源ステーションに持っていこうと思う人も多いと思います。

編集部:
ご担当者として実際にバリミを使用された感想をお願いします。

ご担当者:
バリミに出会うまで私は、料理をする際、専用ネットを被せたシンクの排水口に生ごみを集めていました。

料理が終われば、臭い防止のためにネットごと生ごみを小さなビニール袋に入れて縛り、ごみ箱に捨てていました。夏場はごみ箱ではなくごみの日まで冷蔵庫で保存することも。

一方、バリミ導入後はまな板の横に置いた皿などに生ごみを集め、終われば、バリミにすぐに投入するようになりました。

このちょっとした習慣の変化が大きな負担軽減につながっているんです。

まず、排水口の汚れが以前よりも改善されました。

また、生ごみを入れる小さなビニール袋が不要になっただけでなく、ごみ全体の量が減ったことで、週2回のごみ出し日に使う市指定のごみ袋のサイズが大から中になることが多くなりました。

それまで大の袋が当たり前だった我が家ですが、初めて中の袋で間に合うことに気付いたとき「いかに生ごみが多かったか」ということを実感しました。

ちなみにごみを指定の場所に出し、自宅に戻ったあと、冷蔵庫にある生ごみの存在を思い出し、もう一度ごみ置き場と自宅を往復するというミスを心配する必要もなくなりました。

編集部:
バリミに今後どのような期待をされていますか。

ご担当者:
「エコでスマートな暮らしへ」。これは私たちが家庭用生ごみ処理機バリミを販売する際のキャッチフレーズです。

環境に配慮した、未来のための賢い(スマートな)選択が広がってほしいという思いを込めています。

かつての「一家に一台」というキャッチコピーが白物家電やテレビの普及を象徴していましたが、いつか日本でも生ごみの再資源化が当たり前になり、令和の新たな価値として「一家に一台、生ごみ処理機」が定着することを願っています。

『バリミ』の使い方

『バリミ』の使い方はとても簡単。生ごみを投入し、蓋を閉めると自動的に作動します。

特に操作は必要なく、全自動で生ごみを分解してくれます。

静音設計のため、稼働している間は35.5dB(デシベル)、つまり図書館より静かな作動音しか発生しません。

投入できる食品は以下の通りです。

  • 投入できる食品:果実類・野菜類・肉類・魚介類・パン類・麺類・穀物類・卵・お菓子など

一方、以下の食品は投入できません。

  • 投入できない食品:各種動物の大きな骨・硬い種や殻類・貝殻類など

使用を繰り返していると、段々と本体内にたい肥が溜まってきますので、1年に2〜4回ほど溜まったたい肥を取り除きましょう。

取り除いたたい肥は、自治体のルールに従ってごみとして処分できますが、良質なたい肥です。園芸や観葉植物などの肥料として有効利用しましょう。

『バリミ』を含め家庭用生ごみ処理機をご購入になる際、お住まいの地域の自治体から助成金が出る場合があります。

お住まいの自治体が助成金を提供しているかどうかは、こちらからご確認ください。

まとめ:『バリミ』がもたらすエコライフ

生ごみの焼却処分の問題点や世界各地の取り組み、そして家庭用生ごみ処理機『バリミ』について紹介してきました。

生ごみの焼却処分には大量の化石燃料が用いられ、地球に負荷をかけています。

そのため、自治体や個人による生ごみの削減や有効活用が求められています。

『バリミ』の導入は、個人の生活習慣を見直すきっかけとなり、生ごみの再資源化を通じて家庭のごみの量を減らせるでしょう。

また、できあがったたい肥を観葉植物や園芸で活用できます。

サステナブルな社会を実現するためには、私たち一人ひとりの小さな一歩が重要です。

『バリミ』が提供するエコライフの可能性を、ぜひご自身の生活に取り入れてみてください。

提供:TVQ九州放送

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