ナチュラルクリーニングでSDGsに貢献!そうじのコツも解説
「ナチュラルクリーニングで本当に汚れは落ちるの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
ナチュラルクリーニングは、汚れに合わせてクリーナーを使い分けることで、驚くほど効果を発揮します。
しかも、環境負荷の軽減も可能です。
この記事では、ナチュラルクリーニングの意味やクリーナーの使い方を紹介します。
具体的な実践方法もまとめていますので、ぜひ今日からのそうじに役立ててください。
ナチュラルクリーニングとは
ナチュラルクリーニングとは、合成洗剤ではなく自然由来の成分を活用してそうじする方法です。
使用するクリーナーには、重曹・クエン酸・セスキ炭酸ソーダ・過炭酸ナトリウム・アルカリ電解水などがあります。
一般的な洗剤の場合は、トイレ・お風呂・台所などの場所に応じて使い分けます。
一方、ナチュラルクリーニングでは、油汚れ・皮脂汚れ・水アカなど汚れの性質に合わせてクリーナーを選ぶのが特徴です。
例えば、お風呂のそうじの場合、鏡の汚れには水アカに効果的なクエン酸を、浴槽には研磨剤の作用がある重曹を使用します。
汚れの性質に合ったクリーナーを正しく使い分ければ、家中の汚れを落とせます。
ナチュラルクリーニングは万能なそうじ術です。
また、ナチュラルクリーニングは肌への刺激が少なく、ペットや小さい子どもがいる家庭でも安心して使えます。
販売されている合成洗剤は汚れの洗浄力は強いものの、肌荒れのリスクが高くなります。
一方、ナチュラルクリーニングは自然由来の成分なので低刺激です。
「浴槽用」「キッチン用」「油汚れ用」など、家にさまざまな種類の洗剤を常備している方もいるかもしれません。
しかし、ナチュラルクリーニングのクリーナーは、使い分ければさまざまなそうじに応用できます。
何本も洗剤を買い揃える必要がないため、洗剤ボトルの数を減らしたい方、家のものを減らしたい方にもおすすめです。
ナチュラルクリーニングとSDGsとの関係
ナチュラルクリーニングは、環境負荷が少ないと高く評価されているそうじ方法です。
これは、SDGsの目標「14.海の豊かさを守ろう」と深く関わっています。
目標14番には、2025年までに、海洋ごみや富栄養化などの人間の生活による海洋汚染を防止し、大幅に削減することが明記されています。
富栄養化とは、栄養になる成分が増えすぎてしまう現象です。
海水が赤褐色になる赤潮が発生すると、プランクトンが急激に増えます。
その結果、海中の酸素が減少して他の生物が呼吸できなくなったり、プランクトンが魚のえらに詰まって死亡したりする可能性があります。
富栄養化の原因の一つは人間が使った合成洗剤です。
1977年には、合成洗剤が原因で琵琶湖に赤潮が発生し、深刻な問題となりました。
洗剤に含まれる窒素やリンがプランクトンの栄養となり、富栄養化を引き起こしたためです。
しかし、ナチュラルクリーニングで使用するクリーナーは自然由来のものなので、窒素やリンは含まれていません。
ナチュラルクリーニングの実践は、持続可能な社会の実現につながるといえるでしょう。
参考:外務省|14: 海の豊かさを守ろう
参考:農林水産省|なぜ赤潮(あかしお)は発生するのですか。
参考:滋賀県|「びわ湖の日」とは?
ナチュラルクリーニングのクリーナーと使い方
「ナチュラルクリーニングでは汚れが落ちない」と感じる場合は、クリーナーの使い分けが間違っているかもしれません。
それぞれのクリーナーには、酸性やアルカリ性などの特徴があり、汚れに合ったクリーナーを選ぶことが大切です。
ナチュラルクリーニングを始める前に、クリーナーの特徴や使い方を理解しておきましょう。
重曹
重曹は、ふくらし粉や胃薬の成分として昔から食品に使われてきました。
弱いアルカリ性を持つため、冷蔵庫や生ゴミ、靴箱などの酸性物質の臭いを中和反応で消す作用があります。
また、鍋や電子レンジなどのコゲ落としにも最適です。
重曹水を沸騰させた中に入れたり、重曹と水を混ぜた重曹ペーストを塗ったりすることで、二酸化炭素の泡が発生してコゲを浮かせます。
さらに、粒子が細かく水に溶けにくいため、研磨剤としても活用できます。
浴槽や洗面台のそうじにおすすめです。
参考:石鹸百科|重曹とは
クエン酸
クエン酸は、レモンやミカンなどの柑橘系果物に多く含まれる酸味成分です。
酸性のため、トイレのアンモニア臭や尿汚れを消したいときに役立ちます。
また、カルシウムを溶かす働きがあるので、シンクや電気ケトルなどの水アカそうじでパワーを発揮します。
セスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダは、重曹と炭酸ソーダで構成された「アルカリ剤」で、両方の中間的な性質を持っています。
重曹よりもアルカリ性が強く、サラサラとした結晶状の粉で扱いやすいのが特徴です。
皮脂汚れや手アカ、ひどい油汚れのそうじに適しています。
重曹では落ちにくい換気扇やコンロの油汚れ、お弁当箱のヌメリを取るのにも役立ちます。
参考:ナチュラルクリーニング|それぞれ得意なことが違うんです。
参考:石鹸百科|セスキ炭酸ソーダとは
過炭酸ナトリウム
過炭酸ナトリウムは、セスキ炭酸ソーダよりも強いアルカリ性です。
酸素系漂白剤の主成分として使われているため、衣類やふきんの漂白、茶しぶ落としに適しています。
塩素系の漂白と違って、鼻をつく臭いや刺激がないのが特徴です。
また、洗濯槽クリーナーや排水パイプクリーナーとしても活用できます。
アルカリ電解水
アルカリ電解水とは、水を電気分解してマイナスの電極で生成されるアルカリ性の水です。
水と塩から作られているため、安心して使えます。
洗浄力が高く、しつこい油汚れや手アカをそうじするときに最適です。
また、水拭きでは落とせない汚れや雑菌を分解するので、除菌効果も期待できます。
ただし、強アルカリ性でタンパク質を分解する作用があるため、皮膚に触れた際には注意が必要です。
手荒れの原因となります。
自宅でできるナチュラルクリーニング
自宅で簡単にできるナチュラルクリーニングを紹介します。
ぜひ、できることから取り入れてみてください。
トイレ
トイレをキレイにする方法を紹介します。
・トイレの壁紙や床
- クエン酸スプレーを吹きかける。
- 雑巾で拭き取り、汚れと臭いを除去する。
【クエン酸水の作り方】
水200mlにクエン酸小さじ1/2を加え、スプレーボトルなどでよく混ぜる。
・尿石汚れ
- 気になる箇所にクエン酸スプレーを吹きかける。
- その上から重曹をまぶす。
- 30分ほど放置する。
- ブラシでこすり、水で流す。
参考:くらしのマーケット|トイレの尿石掃除|頑固な黄ばみは「酸性洗剤」「削り落とし」が最強
お風呂
お風呂で活用できる方法を紹介します。
・浴槽
- 水で軽く流す。
- 重曹をスポンジにのせるか、浴槽に振りかける。
- スポンジで磨いて、皮脂汚れや湯アカを落とす。
- 水で洗い流す。
・浴槽の小物類
- 軽い石けんカスや水アカ部分にクエン酸スプレーを吹きかける。
- スポンジで汚れを落とし、水で洗い流す。
・鏡
クエン酸スプレーで水アカや石けんカスが落ちにくい場合は、「クエン酸パック」がおすすめです。
- キッチンペーパーにクエン酸水を染み込ませる。
- 気になる箇所にパックのように貼る。
- 乾燥しないようにラップで覆う。
- 2時間から一晩ほど放置する。
- スポンジでこすり、水で洗い流す。
参考:wash-U|お風呂はナチュラルクリーニングで!浴槽汚れからカビまで落ちる掃除方法
キッチン
キッチンの汚れをナチュラルクリーニングで簡単に落とす方法を紹介します。
・コンロの五徳
- 軽い汚れの場合は、重曹水を吹きかける。
- スポンジでこすってから水で流す。
【重曹水の作り方】
水(もしくは42度前後のお湯)100mlに重曹小さじ1を溶かし、スプレーボトルに入れます。
汚れが落ちにくい場合は、重曹を入れた鍋で煮ましょう。
- 大きめの鍋に、水200mlに対して重曹大さじ1を入れる。
- 沸騰したら五徳を入れ、10分ほど煮る。
- 冷めたら、ブラシやスポンジで汚れを洗い流す。
・換気扇
- 分解した換気扇の部品に、キッチンペーパーをかぶせる。
- その上からセスキスプレーを吹きかける。
【セスキスプレーの作り方】
水500mlに対して、セスキ炭酸ソーダ大さじ1を入れて混ぜる。汚れが落ちやすい場合は、小さじ1から調整する。
セスキ炭酸ソーダは強いアルカリ性なので、手袋をして作業しましょう。
・蛇口
クエン酸スプレーか、クエン酸パックで汚れを取る。
・電子レンジのコゲ
- コゲの部分に重曹ペーストを塗る。
- 30分ほど放置する。
- 雑巾で汚れを拭き取る。
【重曹ペーストの作り方】
重曹と水を2:1の割合で混ぜる
・茶しぶ
- 過炭酸ナトリウム大さじ2と水2リットルを大きめの容器に入れる。
- 茶しぶが気になる食器を入れ、30分ほどつけ置きする。
- 水で汚れを洗い流す。
同じ要領でふきんや食器も漂白できます。
・お弁当箱のヌメリ
- セスキ炭酸ソーダ大さじ1と水3リットルを混ぜ合わせる。
- お弁当箱を入れて30分以上つけ置きする。
- スポンジでヌメリを取り除く。
参考:キナリノ|『五徳』の汚れ、どう掃除してる?コゲつきをスルンと落とす掃除術をご紹介
参考:ナチュラルクリーニング|それぞれ得意なことが違うんです。
ナチュラルクリーニングでSDGsへ貢献しよう
ナチュラルクリーニングは、天然由来のパワーで汚れを落とすそうじ術です。
環境や肌にも優しいため、近年、注目度が高まっています。
しかし、なかには「汚れは本当に落ちるのか」と心配になる方もいるかもしれません。
正しいクリーナーの使い分けが重要であり、汚れの性質を理解して実践することが汚れを落とす鍵となります。
ナチュラルクリーニングの普及は持続可能な社会の実現につながる一歩となるでしょう。
今回紹介したコツを参考にして、ぜひ実践してみてください。
『GREEN NOTE(グリーンノート)』は環境・社会課題をわかりやすく伝え、もっと身近に、そしてアクションに繋げていくメディアです。SDGs・サステナブル・ESG・エシカルなどについての情報や私たちにできるアクションを発信していきます!