SDGsとメンタルヘルス|心の健康を守るための基本とセルフケア
近年、取り上げられることの多いメンタルヘルスは、「心の健康状態」を意味します。
メンタルヘルスは、QOL(生活の質)を左右する重要な要素です。
メンタルヘルスを良好に保つことは、毎日をイキイキと過ごすうえで欠かせません。
本記事ではメンタルヘルスの定義やその重要性、メンタルヘルスを維持するための具体的な方法を詳しく解説します。
また、メンタルヘルスとマインドフルネスとの関係やSDGs目標3との関連性にも触れていきます。
記事の後半では、メンタルヘルスをサポートするスタートアップ企業の事例を取り上げました。
今一度自分の心と向き合い、心の健康を守るための基本を学びましょう。
メンタルヘルスの定義と重要性
メンタルヘルスとは、体ではなく「心」が健康な状態を指す言葉です。
近年、うつ病・適応障害・自律神経失調症といった心の病気が増加傾向にあります。
こういった病気は自分には関係ないと思っていませんか?
生涯を通じて5人に1人が心の病気にかかるともいわれており、誰にでも起こりうる病気です。
「健康」と聞くとどうしても体の健康が先に浮かびますが、心と体の両方が健康であってこそ、はじめて質の高い生活が送れるといえるでしょう。
メンタルヘルスが良好な状態の特徴
メンタルヘルスが良好だとストレスに対して適切に対処でき、感情をコントロールできるようになります。
ストレスフルな状況や一時の感情に振り回されず、目の前のことに集中して取り組めれば、自ずと仕事や学業のパフォーマンスも向上するでしょう。
こうした姿勢は人間関係を円滑に進めることにも寄与したり、自己肯定感が高まったりと、良いサイクルをもたらします。
メンタルヘルスが日常生活に与える影響
メンタルヘルスは、日常生活に大きな影響を与えます。
精神的な不調があると、あれこれ気になったりイライラしたり、モチベーションがわかなかったりと、目の前のことに集中できません。
結果として、仕事や学業のパフォーマンスが下がってしまいます。
やがては人間関係にも影響を及ぼし、コミュニケーションをとることが難しくなることもあるでしょう。
メンタルヘルスの不調によって引き起こされる精神疾患には、うつ病・パニック障害・適応障害・睡眠障害・依存症などがあります。
良好なメンタルヘルスを維持することは、健康で充実した生活を送るための基盤となります。
メンタルヘルスとストレスの関係
メンタルヘルスに大きく影響するのがストレスです。
ストレスは適度なレベルであれば、パフォーマンスを向上させることもあるため、必ずしも悪ではありません。
しかし、過度なストレスは健康に悪影響を及ぼします。
現在の自分がどれくらいのストレスを抱えているかを知ることは、メンタルヘルスの状態を把握するうえで大切なポイントです。
厚生労働省が提供する「5分でできる職場のストレスセルフチェック」は、たった5分でストレスレベルを測定できます。
自分で気づいていないだけで、ストレスの度合いが高いことも十分に考えられます。
ぜひ一度チェックしてみてください。
ストレスは、私たちが生活するうえで避けることのできないものです。
うまく付き合っていくことが大切です。
ストレス管理の基本
ストレス管理の基本は、以下の3点です。
- 適度な運動
- バランスの取れた食事
- 十分な睡眠
適度な運動は筋肉の緊張をほぐし、満足感や解放感・リフレッシュ効果を得られます。
激しい運動をする必要はなく、軽いジョギングやウォーキング・ストレッチなど、無理せずできる簡単な運動でかまいません。
また、東京医科大学精神医学分野の研究結果では、不規則な睡眠と食事がメンタルヘルスに影響していることが明らかになっています。
健康的なライフスタイルを心がけることでストレスにうまく対処でき、結果としてメンタルヘルスの維持にもつながります。
参考:厚生労働省|共通「メンタルヘルス対策」安全衛生のポイント
参考:東京医科大学 プレスリリース |残業それ自体ではなく、長時間労働による睡眠不足と食事の不規則さがメンタルヘルスに害を与える
メンタルヘルスとマインドフルネスの関係
マインドフルネスとは、現在の瞬間に意識を集中させ、自分の思考や感情、身体の感覚をありのままに受け入れる心のトレーニングです。
マインドフルネスは、メンタルヘルスにも良い影響を与えることが分かっています。
マインドフルネス瞑想を行うと、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑えられ、リラクゼーション効果が高まるといわれています。
マインドフルネスは、感情に振り回されることなく、不安やストレスに負けない心を養える効果的な方法です。
物事を冷静に見つめられれば周囲を思いやる余裕も生まれ、人間関係も円滑に進むでしょう。
マインドフルネスの効果やマインドフルネス瞑想の方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」
SDGsの目標3には、「すべての人に健康と福祉を」が掲げられています。
この目標は、あらゆる年齢の人々が健康的な生活を送ることを促進し、福祉を確保することを目指しています。
具体的には、感染症の予防や治療、心の健康や福祉の向上、医療サービスの普及などが含まれます。
心の健康や福祉の向上に着目して、メンタルヘルスとSDGs目標3との関係性を掘り下げてみましょう。
メンタルヘルスとSDGs目標3の関連性
メンタルヘルスは、SDGs目標3と深い関連があります。
心を含め「健康であること」は、幸福な生活を送るために必要不可欠です。
SDGs目標3は、精神的な健康を含む全体的な健康を促進することで、持続可能な社会を実現しようとしています。
先述のように、メンタルヘルスが良好な人は生活の質が高く、病気のリスクも低くなります。
メンタルヘルスの向上は、SDGs目標3の達成に貢献する大きな要素といえるでしょう。
メンタルヘルスをサポートする企業事例
メンタルヘルスを良好に保つことが、毎日をイキイキと過ごすためのポイントであることが分かりました。
ここからは、メンタルヘルスをサポートする製品を開発している注目のスタートアップ企業を3つ紹介します。
気軽に使える製品ばかりですので、気になるものがないかチェックしてみてください。
emol
emolは、2019年創業のメンタルヘルス関連の治療用アプリ開発を行う企業です。
「emol」アプリは、創業者の千頭氏が過去にメンタルヘルスを悪くし、苦しんだ経験から生まれました。
目的や対象に合わせ、それぞれの用途に合わせた以下のさまざまなサービスを提供しています。
- 小中学生向けアプリ
- 妊婦・パートナー向けアプリ
- 一般人向けアプリアプリ
- 従業員(対企業)向けアプリ
- 強迫症・社交不安症・潔癖症・あがり症・人見知りの人向けの不安要因を知るためのアプリ
emolではAIとチャットでの対話を通して自分のメンタルヘルスの状態を把握でき、「誰かに聞いてほしいけれど人に相談するのは怖い」ときでも気兼ねなく使えます。
参考:emol公式サイト
Upmind
Upmindは、2021年創立のウェルビーイングテックカンパニーです。
代表の箕浦氏が大学時代に訪れたインドでのマインドフルネスとの出会いが、「Upmind」の開発へとつながりました。
Upmindは、東京大学との共同開発で誕生したマインドフルネスアプリです。
マインドフルネス瞑想やヨガなどのコンテンツ、自律神経のバランスを改善するための習慣、質の良い睡眠サポートなど、心に余白をもつ習慣を気軽に学び、実践できます。
2024年5月のApp Storeのヘルスケア・フィットネス領域では、ダウンロード数ランキング1位を獲得しています。
「心が健康な社会の実現」を目指し、今後も魅力的なコンテンツが増えていくことでしょう。
参考:Upmind公式サイト
参考:PR Times |「心に余白をもって幸せに生きる」。東京大学発のマインドフルネスアプリ「Upmind」の開発ストーリー
Flora
Floraは、2020年創立のフェムテックスタートアップです。
女性のメンタルヘルスサポートアプリ「Moonly」の運営をしています。
女性の社会進出が進む中、PMSなど女性特有の症状や、女性ホルモンの乱れによるメンタルヘルス、不妊治療に悩む人が増えています。
Moonlyは、日本の実に10万人以上の女性が利用しているアプリです。
生理/排卵日の予測や妊活プランの作成、更年期症状の管理、医師への相談や診察、ブログなど、女性にとって役立つコンテンツが充実しています。
また、女性だけでなく男性の理解や健康にも同時にアプローチしており、ジェンダーを超えて社会課題を解決しようとする姿勢が見て取れます。
参考:Flora公式サイト
まとめ
メンタルヘルスは生活の質や幸福感に直結し、誰にとっても重要なものです。
心からのSOSに気づかないふりをして、がんばりすぎてはいませんか?
メンタルヘルスに効果のあるマインドフルネスの実践や、本記事で紹介したヘルスケアアプリをうまく活用し、ご自身のメンタルヘルスと向き合ってみてはいかがでしょうか。
多忙な人、まじめな人ほど、無理して走り続けてしまいがちです。
心が疲れているなと感じたら、決して1人で悩まないでください。専門家の助けを借りて、心の健康を第一に考えましょう。
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