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世界の水・トイレ事情は?SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」

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私たちの生活の中でも広く普及してきた「SDGs」ですが、SDGsは17の目標によって、構成されています。

SDGs6番目の目標として、「安全な水とトイレを世界中に」が掲げられています。

発展途上国を中心に水やトイレの問題については長年取り組み続けられているため、水やトイレが不足していることを何となくでも認識している人は多いと思います。

本記事では、SDGs6番目の目標「安全な水とトイレを世界中に」の詳細や世界の水・トイレ問題の現状、私たちができることなどを紹介していきます。

本記事を通して、水とトイレの問題に関する知識を深めていきましょう。

SDGsとは?今一度振り返ろう!

SDGsという単語を耳にする機会が多くありますが、ここで今一度「SDGsとは何か?」ということをおさらいしておきましょう。

持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。

参照: https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

SDGsを簡単にまとめると、持続可能な世界を作るために、先進国と発展途上国が協力して2030年までに達成する目標をまとめたものです。

17の目標それぞれの中にも、達成すべく、ターゲットが設定されています。

そのため現在、各国においてSDGsの目標を達成すべく様々な取り組みを行っています。

SDGs6番目の目標「安全な水とトイレを世界中に」について

ここから本記事のテーマであるSDGs6番目の目標「安全な水とトイレを世界中に」について具体的に見ていきましょう。

私たちは日頃、飲み水や料理、お風呂、掃除、トイレなどあらゆる場面で水を使っていて、水無しでは私たちは生きていきません。

しかし世界には安全な水を使用することができずに、汚水を使用せざるを得ない人が多くいます。

また汚水の使用が原因となって、感染症が広がることも多くあります。

そのため、安全な水の確保や適切な排泄物の処理などは、健康的な生活を送る上で必要不可欠です。

目標6番目「安全な水とトイレを世界中に」は、以下のように6つのターゲット及び2つの具体的な目標で構成されています。

6-1 2030年までに、だれもが安全な水を、安い値段で利用できるようにする。
6-2 2030年までに、だれもがトイレを利用できるようにして、屋外で用を足す人がいなくなるようにする。女性や女の子、弱い立場にある人がどんなことを必要としているのかについて、特に注意する。
6-3 2030年までに、汚染を減らす、ゴミが捨てられないようにする、有害な化学物質が流れ込むことを最低限にする、処理しないまま流す排水を半分に減らす、世界中で水の安全な再利用を大きく増やすなどの取り組みによって、水質を改善する。
6-4 2030年までに、今よりもはるかに効率よく水を使えるようにし、淡水を持続可能な形で利用し、水不足で苦しむ人の数を大きく減らす。
6-5 2030年までに、必要な時は国境を越えて協力して、あらゆるレベルで水源を管理できるようにする。
6-6 2020年までに、山や森林、湿地、川、地下水を含んでいる地層、湖などの水に関わる生態系を守り、回復させる。
6-a 2030年までに、集水、海水から真水を作る技術や、水の効率的な利用、排水の処理、リサイクル・再利用技術など、水やトイレに関する活動への国際協力を増やし、開発途上国がそれらに対応できる力を高める。
6-b 水やトイレをよりよく管理できるように、コミュニティの参加をすすめ、強化する。

※「6-1」のように数字で示されるものは、それぞれの項目の達成目標を示しています。
※「6-a」のようにアルファベットで示されるものは、実現のための方法を示しています。

参照:https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/6-water/

6つのターゲットを具体的に見てみると、単に水やトイレの整備やアクセスについてだけでなく、ゴミや水源の管理、自然界の水環境についても書かれています。

上記のことからも水やトイレの問題は、ゴミ問題や自然環境の問題などとも密接に繋がっていることがわかります。

また目標を実現するための方法では、水の利用や排水の処理に関する技術面だけではなく、水やトイレを管理するためのコミュニティの活用についても書かれています。

適切な水やトイレ環境を整備するためには、私たち一般市民の積極的な参加が重要であるといったことが読み取れます。

日本は幸いにも水やトイレの環境が整っていますが、この問題を他人事と思わずに一緒になって取り組んでいくことが大切です。

世界の水問題の現状

現在世界が抱えている水問題について一緒に見ていきましょう。

取り上げる水問題は以下の通りです。

  • 安全な飲み水の普及率
  • 衛生的な下水設備の普及率
  • 適切な手洗い環境の普及率

安全な飲み水の普及率

ユニセフが発表した2017年度のデータによると、世界人口の約71%が安全な飲み水を使用できています。

しかし3分の1にあたる約22億人は、安全な飲み水を使用できていません。

特にアフリカにおいて、安全な飲み水の確保ができていない割合が多いです。

アフリカ全体の18%がウイルスなどに対する適切な処理がされていない飲み水を使用しています。

参照:unicef

不衛生な飲み水は、特に子どもに大きな影響を与えます。

下痢を始めとする病気が原因となり、下痢が原因となり、命を落とす5歳未満の子供は毎年約36万人もいると言われています。

特に幼い子どもの命を守るためにも、安全な飲み水が使用できる環境作りが重要です。

参照:Edu Town SDGs

衛生的な下水設備の普及率

世界人口の約45%程度の人しか、適切に処理された下水設備(トイレ)を使用できていません。

世界の半分以上に及ぶ約42億人は、適切に処理されないトイレを使用しています。

ユニセフの定義によると、アフリカでは約31%の人々が、排泄物が正しく処理されない環境のトイレを使用しています。

すなわち排泄物が近くに滞留したまま日常生活を送っているケースも多いと考えられます。

加えて約6億7,300万人が未だに野外で排泄をせざるを得ない環境にいます。

こちらについても、人口が急速に増加しているアフリカで主に起こっています。

トイレ環境が整っていないと、衛生面はもちろんのことながら人間としての尊厳の部分についても影響を与えかねないことが考えられます。

関連記事:水質汚染の影響は?その原因と私たちができること

適切な手洗い環境の普及率

世界人口の約60%の人が自宅にて適切な手洗い環境(水と石鹸)を使用できる環境にいます。

しかし約40%に及ぶ30億人の人々は水か石鹸のどちらかが使用できない(整備されていない)、または水と石鹸の両方が使用できない環境にいます。

コロナウイルスのパンデミック下においても、手洗いの重要性が訴えられているように、感染症や様々な病気を防ぐ上でも手洗いの効果は大きいと考えられます。

そのため適切な手洗い環境を整備していくことも、飲み水やトイレ環境の整備と同じぐらい重要であると言えるでしょう。

参照:unicef

安全な水とトイレを世界中に広げるための取り組み

安全な水とトイレを世界中に広げるための取り組みを実際に見ていきましょう。

国や国連団体の取り組みだけでなく、企業の取り組みも例として取り上げています。

あなたが知っている有名な企業も素晴らしい取り組みを行っています。

気になる企業の公式サイトやSNSなどで確認してみるのも良いでしょう。

「世界水の日」や「世界トイレの日」を制定

水問題やトイレの問題について、考えてもらう日にしてもらおうと「世界水の日」と「世界トイレの日」が制定されています。

世界水の日と世界トイレの日の詳細については以下の通りです。

世界水の日 世界トイレの日
日付 3月22日 11月19日
制定年 1992年 2013年
制定者 国連 国連
目的 水資源の保全と開発について考えるための日であり、世界各国でこの国際的な課題について普及啓発するための会議やセミナー、展示会が開かれています。 トイレについてまつわる問題を考える日とし、トイレにまつわる会議やセミナーを開催

参照:unicef worldtoiletday

世界水の日や世界トイレの日といったように全世界共通の日程を定めることによって、世界中で水やトイレの問題を考えるきっかけとなります。

それに応じて、関連する会議やセミナーも開催されることから、意義深いものであると考えられます。

世界水の日や世界トイレの日に関連するイベントが開催されるときは、積極的に参加して水やトイレ問題について学ぶのも良いでしょう。

ユニセフの取り組み

子どもの貧困や健康問題など、世界中で活動を展開している国連機関の1つであるユニセフ。

学校でユニセフについて学ぶ機会も多く、知っている人も多いのではないでしょうか。

ユニセフではこれまで、世界100か国以上で上下水道の整備や浄水施設・トイレの設置などの給水・衛生システムの構築に加えて、地域住民の中から井戸の管理委員会や保健委員を育てて、上下水道設備を正しく長く使用するための衛生知識の普及を行っています

ハード面だけでなく、ソフト面の支援も行うことによって、一過性の支援ではなく地域住民自らによる持続可能な支援を行っています。

実際2019年度には、世界中で約3220万人以上が安全な水や衛生環境を利用できるようになりました。

ユニセフは国連機関であるので、世界中の人々からサポートを受けながら幅広い地域で活動しています。

参照:unicef

国際NGOウォーターエイドの取り組み

水やトイレの問題について取り組んでいるNGO団体の例として、ウォーターエイドを紹介します。

ウォーターエイドは1981年にイギリスで設立された水・衛生分野に特化した国際NGOであり、40年以上の活動実績を誇ります。

2021年現在は、世界34か国に活動拠点を置き、世界26か国で水・衛生プロジェクトを実施しています。

取り組んでいる活動内容はユニセフと大きく変わりません。水や衛生分野の専門家という特徴から以下の点を重視して活動を行っています。

  • 問題の根本的な原因を見極めること
  • 住民のプロジェクト参加の推進
  • 政府・自治体の能力向上支援
  • システム全体の強化

参照:https://www.wateraid.org/jp/

コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社の取り組み

コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社では、「2030年までに水使用量の30%削減」及び「2025年まで水源涵養率200%維持」を目標に様々な取り組みを行っています。

取り組みの1つとして、工場で使用した水の再利用があります。

工場で使用した水を「製造に使用した水」と「製品に使用した水」の2種類に分けます。

製造に使用した水は、製造工程において洗浄水や冷却水として使用した後に回収・処理を行い、循環利用します。その後、適正に処理した上で河川へ放流します。

一方で製品に使用した水は、植林や間伐、水田湛水、草原再生といった水源の保全活動を通じて水源涵養の能力を高め、豊富な地下水を育むことで自然へ還元しています。

参照:https://www.ccbji.co.jp/csv/environment/

1度使用した水を自然に返すことは、水資源を守るだけでなく、地下水や河川を通じて再び工場で使用される水として返ってくるので、自然環境に負荷をかけない水の循環サイクルを生み出すことに繋がっています。

サラヤ株式会社の取り組み

衛生製品メーカーのサラヤ株式会社では、「100万人の手洗いプロジェクト」を2010年より実施しています。

サラヤではウガンダ共和国を活動対象とし、ユニセフと協力して以下の活動に取り組んでいます。

  • 手洗い普及活動
  • 母親に対する手洗い認知の向上

対象となる衛生商品の売上の1%を寄付することで、ウガンダで活動するユニセフを支援しています。

参照:https://tearai.jp/project/

現地に直接行って活動を行うだけが支援のやり方ではなく、資金や設備などを提供することも立派な支援方法の1つです。

「安全な水とトイレを世界中に」を実現するために私たちにできること

「安全な水とトイレを世界中に」を実現するために、私たちが日々の生活の中でできることを紹介します。

具体的には以下のことを通して、安全な水とトイレを世界中に広げるための活動に貢献できます。

  • 母親に対する手洗い認知の向上
  • 寄付を行う
  • 各種イベントに参加する

節水を行う

日本は島国であり周りを海で囲まれていることに加えて、雨も定期的に降ることから水資源に恵まれています。

そのため水が貴重なものであるという認識が薄れてしまっている場合もあるのではないでしょうか。

2018年度の世界の水使用量ランキングを見ると、日本の使用量は、79.30立方キロメートル/年で世界全体の10位に位置しています。

参照:GLOBAL NOTE

日本は人口も多いことから、10位という順位が妥当と捉えることもできますが、日本は水を様々な形で輸入しています。

小麦や牛肉、綿製品、工業製品を生産する際に大量の水が使用されています。

それらの製品を多く輸入している日本は、水の使用量増加に加担していると言えます。

直接的に水を使用していなくても、間接的に世界全体の水の使用量を増加させていることから、節水を意識する必要があります。

具体的に私たちの生活でどれだけの水を使用しているかを見てみましょう。

洗面所での手洗い利用 1分間水の流しっぱなしで約12リットル
洗濯機の利用 全自動洗濯機で約110〜120リットル※機種によって異なります
シャワーの利用 3分間水の流しっぱなしで約36リットル
トイレの利用 水洗「大」利用時: 約12〜20リットル
水洗「小」利用時: 約8〜12リットル
洗車時 ホースの水を流しながら、約20分の使用で約240リットル

参照:https://www.env.go.jp/recycle/jokaso/

日々の生活で私たちがどれだけ多くの水を使用しているか分かったのではないでしょうか。

こまめに水を止めたり、お風呂のお湯を活用するなど昔から言われ続けていることではありますが、それらを実践する効果は大きいと言えます。

水の使い方をもう一度振り返ってみて、節水をこころがけましょう。

寄付を行う

直接支援の現場に行って井戸を建設したり、衛生に関する啓蒙活動を行いたい気持ちを持っている方も大勢いると思いますが、現実問題として直接現場に足を運ぶことは簡単ではありません。

そこで寄付を通じて上記で紹介したユニセフやウォーターエイドのような組織をサポートするのも、有意義で効果の大きい貢献方法の1つです。

ユニセフを例にして、寄付による効果を見てみましょう。以下は一例なので、下記に記載されている以外の活用方法も多数あります。

支援金額 できること
3,000円 汚れた水を安全な飲み水にする浄水剤7,653錠を提供できる。
5,000円 正しい手洗い方法など命の守り方を広める保健員2人に技術研修を行える。
10,000円 下痢による脱水症状から子どもを守るORS(経口補水塩)1.475袋を提供できる。
30,000円 石鹸・洗剤・洗面用具など、6世帯(1ヶ月分)の衛生用品を提供できる。
50,000円 子ども達に綺麗な水を届ける井戸の手押しポンプ器材3基分を提供できる。

参照:https://www.unicef.or.jp/special/20sum/

少額の寄付から可能であり、あなたの寄付を通して命を救うことも可能です。

またユニセフを始めとする一部団体への寄付は、所得税控除の対象にもなります。

税制面での優遇もあるので、無理のない範囲での寄付をぜひ検討してください。

その他にも日頃使用している日用品の中には、売上金額の一部を寄付するといった特徴を持った商品もあります。

購入する商品を変えるだけでも、普段の生活の中に簡単に寄付を取り入れることが可能です。

各種イベントに参加する

国や自治体、NGO・NPOなど多くの機関や団体が、水やトイレに関するイベントを開催しています。

イベントに参加することで、世界の水・トイレ問題の現状についての理解がさらに深まるだけでなく、日本にいながらできる支援方法や、同じ思いを持った人とも出会うことが可能です。

イベントを通じて得た知識をご家庭内や学校、近所の方達に広げる啓蒙活動も重要な支援方法の1つだと言えます。

多くの人が水・トイレ問題の重要性を認識し、節水や支援活動などに取り組むようになることで大きな効果を生み出せます。

気になるイベントがありましたら、積極的に参加してみましょう。

まとめ

SDGs6番目の目標「安全な水とトイレを世界中に」について解説し、実際に行っている取り組みや私たちができることについても紹介しました。

世界では安全な水を飲めない人や不衛生なトイレを使用している人が多くいて、それらが原因となって命を落としている人が大勢います。

日本で生活していると当たり前に使用できる水は、限りのある貴重な資源であることを認識し、大切に使用していくことが重要なのではないでしょうか。

多くの企業や団体が水やトイレに関する活動を行っていますが、私たちが日々の生活の中でできることはたくさんあります。

まずはあなたができる無理のない範囲から、安全な水とトイレを世界中に広げていくための活動を始めてみましょう。

あなたの行動一つで世界に良い影響を及ぼすことも可能です。

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GREEN NOTE編集部

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