気候変動・脱炭素

世界・日本の取り組み事例|SDGs目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」

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クリーンエネルギーは国際的にも注目されているエネルギーです。

持続可能な社会を構築するためのSDGs目標の7にも「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」があります。

エネルギーは私たちに欠かせないものですが、いまのまま化石由来のエネルギーを使い続ければ、温室効果ガスの排出により地球温暖化が加速し、気温上昇の危機は避けられません。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告では、このままでは平均気温は2度も高くなるといわれています。

そうなれば地球に暮らす私たちはどうなるのでしょうか。

また海外にはエネルギーが行き渡らず、電気さえ使用できない人も多く存在します。

クリーンエネルギーについて学び、さらに世界や日本政府のエネルギーへの取り組みをみながら、私たちにできることは何かを考えてみましょう。

SDGs目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」とは?

SDGsの目標7は「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」です。

エネルギー、特に電力に注目した目標です。

電気は人々の生活に必須なエネルギーです。

しかし、現在のように火力を中心とした化石エネルギーは環境に多大な負荷を与えます。

また、これだけの便利なエネルギーを、いまだに世界人口の4分の1の人が使用することができていない現実があります。

私たちは世界中のすべての人々が、安心で便利なエネルギーを使用できる世界を構築しなくてはいけません。

目標7は「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」ことをテーマとした目標です。

世界で電力を使えない人は7億5900万人

世界で電力を使用できていない人の数は7億5900万にも昇ります。

そのうちのほとんどは南アフリカに住んでいる人々です(※2019年)それらの国が「未電化」の理由は、貧困や紛争などさまざまですが、未電化の状態は健康被害、経済発展の妨げなど多くの弊害を生みだします。

これらの国々にエネルギー供給が可能になるよう国際的な取り組みが必要です。

参照:国連広報センター「SDGs報告2021」

化石エネルギーから排出される温室効果ガス問題

化石由来のエネルギーは大量の温室効果ガスを発生させます。

2018年度、エネルギー起源の世界の温室効果ガス排出量は約335億トンにもなり、日本の排出量はそのうち3,2%です。

温室効果ガス排出を早急に削減しなくては、地球温暖化による異常気象は加速するでしょう。

世界の温室効果ガス排出量(2018年)

参照:資源エネルギー庁「2050年カーボンニュートラルに向けた我が国の課題と取組」

目標7のターゲットを解説

目標7のターゲットをご紹介します。

3つの具体的な目標と、2つの実施する手段で構成されています。

7-1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
7-2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
7-3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
7-a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
7-b 2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。

※「7-1」のように数字で示されるものは、それぞれの項目の達成目標を示しています。
※「7-a」のようにアルファベットで示されるものは、実現のための方法を示しています。

参照:外務省「SDGグローバル指標(SDG Indicators)」

クリーンエネルギーって何?

クリーンエネルギーとは、温室効果ガスや有害な廃棄物を発生しない、環境に負荷をかけないエネルギー源の事を指します。

太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーがこれにあたり、世界で開発が進められています。

再生可能エネルギーとは?

再生可能エネルギーとは、自然由来で国内で生産が可能なエネルギーのことです。

太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマス発電などさまざまな種類があり、低炭素で環境に負荷を与えることが少ないのが特徴です。

それぞれの特徴をくわしく見ていきましょう。

太陽光発電

太陽光発電は、日本で最も代表的な再生可能エネルギーで、太陽の光のエネルギーを利用し発電する方法です。

太陽光がエネルギー源のため、導入しやすいというメリットがあります。

ただし気候条件に左右されることがデメリットです。

風力発電

風力をエネルギー源として発電する方法です。

近年は日本の豊かな海洋が着目され、洋上風力発電の開発が進んでいます。

陸上と洋上も、生物や環境に配慮した開発を行うことが重要な課題です。

水力発電

日本は水資源が豊かな国です。

そのため水力発電は昔から国内の貴重なエネルギー源でした。

近年は大型ダムではなく、中小水力発電の開発が活発化しています。

安定して長期稼働できるのが大きなメリットですが、地域の住民の理解が欠かせません。

バイオマス発電

バイオマスとは、動物や植物をあわせた生物資源の総称で、これらの生物資源を燃焼したりガス化したりして発電するのがバイオマス発電です。

廃棄物のリサイクルや減少につながり循環型社会の構築に役立つと言われています。

地熱発電

地熱発電は火山国である日本にとっては期待の高い再生可能エネルギーです。

開発にはコストや住民理解の課題がありますが、純国産の再生可能エネルギーとして注目されています。

参照:資源エネルギー庁「なっとく!再生可能エネルギー」

再生可能エネルギーのメリット

再生可能エネルギーには多くのメリットがあります。

ここではそのメリットをいくつか詳しくご紹介しましょう。

地球温暖化の抑止に貢献

再生可能エネルギーを使用することで、温室効果ガスの排出を抑制することができます。

非化石由来のエネルギーは温室効果ガスの輩出が少ないので、地球環境に負荷をかける割合が大変低いのです。

関連記事:パリ協定の概要とは|温室効果ガス削減目標とその背景

安全で安定したエネルギーである

再生可能エネルギーは自国の自然を利用しながら発電する仕組みです。

そのためエネルギーの自給自足が可能になります。

これまで輸出に依存していたものを自国で賄えるようになれば、国際問題等に影響されエネルギー供給が不安定になることもありません。

世界と日本のクリーンエネルギーの現状は?

世界と日本のクリーンエネルギーの現状はどうなっているのでしょうか。

世界ではクリーンエネルギーである再生可能エネルギーの開発が、早くから推し進められており、自国の電力の半分近くを再生可能エネルギーで賄っている国もあります。

電力別に発電推移を見ていると年々クリーンエネルギーの発電量が増加していることがわかります。

世界の発電電力の推移

参照:自然エネルギー財団「発電電力量の推移」

世界で進む再生可能エネルギーの導入

それでは各国の再生可能エネルギー導入はどのような現状なのかを詳しく見ていきましょう。

アメリカ

アメリカのクリーンエネルギーへの取り組みは遅れていましたが、2022年には発電量構成比率の22.5%まで再生可能エネルギーは伸びるとの見通しです。

風力や水力発電等の占める割合が大きいですが、今後は太陽光を含めた大幅な増加を見込んでいます。

ドイツ

環境先進国と言われているドイツは、国民の90%以上が、発電電力を再生可能エネルギーにシフトすることを支持しており、2035年には総発電量の80%を再生可能エネルギーで賄うことを目標としています。

デンマーク

世界に先駆けて再生可能エネルギーの開発を推進してきたデンマークは、2019年には国内の50%以上の電力を再生可能エネルギーで占めています。

国全体のゼロエミッション化(環境を汚染する廃棄物をゼロにする)を目標に、今後も再生可能エネルギーのさらなる普及を目指しています。

日本

日本は太陽光発電の開発や導入に関しては、世界でもトップを誇ります。

普及した背景には国が制定した固定価格買取制度(FIT)の存在が大きいでしょう。

そのような制度の後押しもあり、2020年には日本国内の年間発電電力量に占めるクリーンエネルギーの割合は21%を達成し、この10年で大きく割合を伸ばしました。

政府は2030年度までに、総発電量の22~24%を再生可能エネルギーにする目標を打ち立て、太陽光発電以外のエネルギーの開発も促進しています。

しかし送電網の設備や、安定した電力供給など課題は多く存在しており、国を挙げての取り組みが必要です。

参照:環境エネルギー政策研究所「【速報】国内の2020年度の自然エネルギー電力の割合と導入状況」

目標7達成のために私たちができることは?

目標7を達成するために私たちができることを身近なところから考えてみましょう。

以下に具体的な方法をいくつかあげてます。

この他にもまだまだできることはたくさんあるはずです。

  • 自動車をEV(電気自動車)に変える
  • 省エネに対応した電気製品を使用する
  • 使用電力を再生可能エネルギー由来のものに変える
  • 電気はこまめに消し、つけっけぱなしにしない

誰もが持続可能なエネルギーを手にできる社会に

私たちの生活の豊かさはエネルギーによって支えられているといっても過言ではありません。

だからこそ、持続可能なエネルギーを開発し、誰もが使用できるようにならなくてはいけないのです。

身近にあるエネルギーがクリーンなものなのかを考え、また少しでも無駄にしないように、できることから取り組んでみましょう。

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