水資源

水不足の世界的な原因と対策から考える日本の未来予想図

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水不足は、温暖化による気候変動の影響を受けやすい干ばつ地域や人口増加の著しい中東アフリカ諸国でとくに大きな世界的問題です。

地球の7割が海。

陸地から採れる水資源の淡水はたった2.5%しかありません。

さらに、取水しやすい河川や湖の水は、0.01%しかないのが事実です。

国連教育科学文化機関(UNESCO)によると、2030年には世界人口の47%が水不足に陥り、2人に1人が、安全な水へアクセスできない水ストレスの状態になると予測されています。

貧困問題だけでなく、ナイル川やドナウ川では限られた水資源を争う紛争が起きていたり、水の枯渇により多くの生物が絶滅の危機に直面していたり…、日本も大丈夫?と不安な方は多いでしょう。

水不足の本当の原因を理解して、具体的な取り組みをしていきましょう!

水不足の原因は温暖化と人口増加!0.01%の水を守ろう

私たちが使えるのは、地球全体の0.01%と限られた水資源。

世界的にみると、農業用水が7割、工場用水が2割、生活用水が1割の割合で使われています。

地球温暖化と人口増加が主な原因で世界的に水が減少しており、途上国は農業用水を、先進国は工業用水を、中心に水を使っています。

飲み水やトイレ、洗濯など、生活用水も見直して、0.01%の水を守りましょう。

なぜ水不足が起きているのかを紹介します。

地球温暖化で水をコントロールできない

台風、豪雨災害、干ばつなど、地球温暖化による気候変動の影響は身近な問題です。

気候変動は、雨の量、強さ、頻度を変えます。

雨が安定しないと、季節や月ごとに水が枯渇したり、供給過多により洪水をひきおこします。

また、気温が上がると、積雪が減ったり雪解けが早まるので、春夏に必要な水の量を確保できなくなります。

地球温暖化が進むことで、水が多くなり過ぎたり、水が少なくなり過ぎたり、とコントロールが出来ない状況です。

人口増加は止まらない

人口増加と必要な水の量は比例します。

少子高齢化社会の日本で生活していると、人口は減っていくのかな、とぼんやりイメージしていませんか?

国連の世界人口推計によれば、現在70億人を超える世界の人口 は、2030年に85億人、 2055年には約100億人になるといわれています。

UNESCOのデータでは、1950年から1995年にかけて、人口増加の伸び率よりも、水の使用量の伸び率が高いと報告されています。

森林伐採により自然のダムが壊されている

人口が増えて経済が発展すると、都市化の動きで森林が埋め立てられています。

森林の土は落ち葉や枝、根っこの働きにより水が染み込みやすく、雨を蓄えて河川に流すダムの働きをしてくれます。

行き過ぎた乱開発は自然のダムを壊してしまいます。

農業・畜産業への利用

出典:「アラル海、縮小の歴史」より

田植えや綿・麦の栽培などの農業用水は、灌漑(かんがい:農地に外部から人工的に水を供給すること)を通して多くの水が必要です。

添付写真のように、琵琶湖の100倍の大きさのアラル海では、灌漑農業で大量の水を使用したため、約60年間で水が枯渇してしまいました。
(融雪水や干ばつも影響しています。)

畜産業から排出される水の量も大きな影響を与えます。

例えば200gのステーキの場合、家畜を育てるのに、牛肉で3,000リットル、豚肉で1,200リットル、鶏肉で900リットルのお水が必要です。

特に、インドなど南アジア地域は、全体の9割を農業用水が占めるので、畜産業による水不足は途上国のほうが比較的深刻といえます。

水不足を解決する対策と日本の未来予想図

世界的な水不足の問題は深刻ですが、日本で生活用水の枯渇が起きる可能性は低いです。

日本は降水量が世界平均の約2倍と高く、国土の75%が山林でよく雨が降る気候のため、水が循環する環境として恵まれています。

また、日本は水道等のインフラ設備が整っていることも強みです。

そこで、水不足を解消する技術と日本の未来についてみていきましょう。

海水を淡水に変える!世界へ誇る日本の技術

水不足対策として注目されているのが海水を淡水に変える方法です。

  • 蒸発法
  • 電気透析法
  • 逆浸透法(ROフィルター)

などがあり、ROフィルターでろ過する逆浸透法は世界シェアの半分以上を日本のメーカーが占めています。

陸地から取水できる水分は限られているので、地球の大半を占める海水を飲める水へ変えてしまおうという考えです。

ちなみに、沖縄では年間1,000トンの海水が淡水化されています。

海水淡水化は、海水の塩分濃度をあげ、酸素が減ることで海の生物に悪影響を及ぼすリスクがあると言われています。

一方で、温暖化が原因で北極や南極の氷が溶けると、真水が流れて塩分濃度を薄めてくれるという見解もあります。

地球全体をみてバランスよく海水を淡水化できれば、水不足の解消に有効な手段となるでしょう。

下水は飲み水をつくる貴重な資源

海水を淡水化するROフィルターの技術は下水処理にも使われています。

下水からウイルスを除去してきれいな水をつくるのは、海水を淡水化するよりコストを抑えて実現できます。

微生物の浄化作用を使った日本の下水処理技術は、低コストでメンテナンスしやすいため、途上国の水不足問題を解決する手段として各国に注目されています。

国内の食糧自給率をあげる!水の海外輸入を減らす

ロンドン大学の教授が提唱している仮想水(バーチャルウォーター)を聞いたことありますか?

日本の食糧自給率は40%程度で、高い方ではありません。

生産時に水をたくさん使う小麦やトウモロコシなどの食糧を海外から輸入していることはつまり、海外から多量の水を輸入していることになります。

これを仮想水(バーチャルウォーター)と呼ぶのです。

海外に頼っている仮想水の使用を減らし、国内の水を使いながら食糧自給率を上げていく。

食糧自給率があがると、世界の水不足を緩和できるだけでなく、輸送に伴って排出される温室効果ガスを減らせると、良いことづくしです。

AI(人口知能)で水需要を予測

AI(人口知能)を活用することで、ビックデータから水需要を予測し、必要な場所に必要な量の水を供給する技術が高まっています。

海水淡水化や下水再利用など水インフラを整えた先に、水をコントロールすることで誰もが公平に安全な水へアクセスできる社会になるでしょう。

私たちができる水不足対策

水不足の原因は地球温暖化や人口増加など、1人のちからではどうしようもない…と思えるかもしれませんが、生活用水を減らす努力を中心に、普段から私たちができることはあります。

1人ひとりの力は微力に思えても、信じて協力しあえば強力なちからになります。

具体的な取り組みをみていきましょう。

牛や豚など食肉を食べる頻度を減らす

東京大学生産技術研究所の発表によると、牛丼一杯で約1,900リットルという大量の水を消費することになります。

牛のゲップは大量の温室効果ガスを出すため、牛肉を食べることを我慢するだけで、地球温暖化と水不足の解消、両方に繋がる対策となります。

環境問題の解決を目的にした大豆ミートなど、環境負荷が低いだけでなく、味もお肉と変わらない美味しい代替ミートが注目されています。

洋服を必要以上に買い過ぎない

近年はファストファッションと対照的にスローファッションが注目されています。

スローファッションとは、「良質なものを長く大切に着る」ことを指し、自分にとって本当に必要なアイテムを簡単には捨てずに愛用するという価値観です。

ADDIXYやEnter the Eなど、完全受注生産のD2CアパレルブランドがZ世代から人気を集めているように、ぜんぶではなくても、10着に1着はサステナブルなお洋服を着るような自分ルールをもつことも水の使い過ぎを防ぐ行動です。

汚れた水を流さない意識を

トイレやお風呂、台所など生活から出る水を意識して、限られた水資源を汚さないようにしましょう。

たとえば、お風呂の残り湯を活用して洗濯機を回したり、油やマヨネーズなど汚れの元は紙で拭き取ってから洗うなど、ちょっとしたことの積み重ねが大切です。

水不足を解決する日々の取り組みは、海洋汚染を解決することにも繋がります。

下記の記事で詳しく紹介しているので、気になる方は合わせて読んでみてくださいね。

海洋汚染の本当の原因は?4割が食品包装のプラゴミ

まとめ

水不足の原因と具体的な対策を紹介しました。

日本にいるとあまりピンとこないかもしれませんが、世界には安全な水へアクセスできない方がいます。

誰もが飲み水を安心して飲むことができる世の中になれば、水不足の解決(SDGs目標6)だけでなく、貧困問題の解決(SDGs目標1)や健康・ウェルビーイングの問題(SDGs目標3)もクリアできます。

まずは、何気なく使っている水を節水したり、お肉など食事に使われている水の量を考えてみたり、身近なところから水に関心をもって生活してみてはいかがでしょうか?

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