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海洋汚染の本当の原因は?4割が食品包装のプラゴミ

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レジ袋の有料化やマイボトルの推奨など、環境保護への取り組みが強まっている昨今。

海上保安庁の「令和2年の海洋汚染の現状について」によると、令和2年1月から12月の間に確認された海洋汚染の件数は453件(油が286件、廃棄物が158件)と前年比10件以上のペースで増えています。

環境省によると、毎年約800万トンのプラスチックごみが海洋に流出しており、2050年には海洋生物よりプラスチックゴミの重量が多くなると推定されています。

いま私たちができることに取り組む必要があります。

本記事では、海洋汚染を引き起こす本当の原因と具体的な取り組みを紹介します。

海洋汚染の原因と割合

出典:「海洋プラスチック問題について」より

海洋ごみの中でも、最も海洋汚染に影響があるのは、プラスチックゴミです。

プラスチックゴミは、生ごみと違い分解されません。

釣り糸やおむつ、ペットボトルなどのプラスチックが5mm以下の微細なマイクロプラスチックとなり、海洋生物へ影響を及ぼしています。

体内がプラスチックで埋め尽くされた海鳥や漁具のあみを被ったウミガメ、100kgのゴミが胃に詰まったクジラなど、心が締め付けられる画像をみたことありませんか?

原因ランキング1位は使い捨てプラスチック

陸上で発生して海に流出した海洋プラスチックのうち、全体の4割から5割を占めるのが、普段わたしたちの身近にある食品包装のプラスチックごみです。

海洋研究開発機構(JAMSTEC)による深海のプラスチックごみの実態調査からも、深海6,000m地点に、はっきりと食品パッケージが読めるレベルのプラスチックごみが存在することが証明されています。

近年では、新型コロナウイルスの流行に起因し、使い捨てのフェイスマスクが大量に生産され、海に流失しているのも深刻な課題です。

生活排水に注意!特に油とマヨネーズ

洗い物をしたときに台所から出る排水やトイレの排水、歯磨き粉を含む洗面所の排水など、生活排水も海洋汚染に影響を及ぼしています。

水の汚れ度合いを示すBODの値が特に高いのが、天ぷら油とマヨネーズ

大さじ1杯の油を魚が正常に住める状態に薄めるには、約300リットルもの大量の水が必要です。

工場排水は広範囲に影響

日本において、臨海工場から出る工場排水による人体への影響は、過去にイタイイタイ病や水俣病などの公害から深刻視され、規制が強化されています。

工場排水による水質汚染は広範囲に及び、長期的な不法排出は深刻な問題です。

海上保安庁は、水質汚濁防止法に基づき、汚水の不法排出があった場合に地方自治体へ報告する役割を担っています。

また、工場排水により赤潮が発生すると、異常に発生したプランクトンが影響して魚が呼吸困難になり死滅する事態に繋がります。

船舶海難による油流出

海上保安庁の「船舶からの油排出による海洋汚染について」を参照すると、原因1位が船舶海難で2位が取り扱い不注意となっています。

漁船やプレジャーボートで起きる船舶海難やタンクやバルブの操作ミスで起こる油の流出をできるだけ防ぐ努力が必要です。

海底噴火による軽石も海洋生物に危険

小笠原諸島の海底火山の噴火など、海底火山の噴火に影響して噴出した軽石は、海に漂う過程で割れたり、こすれ合うことで小さく変形します。

マイクロプラスチックと同じ原理で、プランクトンを丸呑みするマンタなど、いくつかの海洋生物が軽石も一緒に食べることで命を落とす危険に繋がっています。

海洋汚染の対策と私たちができること

海洋汚染の原因を解決することは、海洋生物の命を守るためだけではありません。

マイクロプラスチックを食べて有害物質の影響をうけた魚が人体に入ると、健康面による人間への影響も大きいです。

海鮮料理が身近な日本人にとっては死活問題です。

下記では、私たちにできることとして、具体的な対策や取り組みを紹介します。

海洋汚染を止めるアクションは身近にたくさんあります。

これなら出来そう!と思えることから始めてみてください。

使い捨てプラスチックを減らす

スーパーやコンビニなどでもらう使い捨てのプラスチックゴミを1日1つでも減らす努力が大切です。

微力なようですが、1人1人が意識して毎日1つプラスチックゴミを減らせば、かなりの量を減らすことができます。

私生活やお仕事で、マイバックやマイボトル、マイ箸を使うように意識を変えてみるのも1つの手です。

お買い物を楽しむときも、お店の包装サービスが過剰だと感じたら、もらうのを控えるアクションも海洋汚染に歯止めをかける大きな一歩です。

キッチンや洗面所が身近な防波堤

  • 洗剤を適量使うことや調理くずを流さないこと
  • 洗い物前に食器を拭き取る
  • シャンプーやリンスを適量使う

など、日頃の生活のなかで意識をもつだけで変えられる行動はたくさんあります。

特に、油による海洋汚染への影響は前述の通りなので、唐揚げや天ぷらなど油を使ったら、

  • キッチンペーパーや新聞で染み込ませる
  • 100円均一でも売っている油の凝固剤を使って処理する

など、意識して行動してみてください。

生分解性プラスチックの容器に変える

微生物の力で自然に還るプラスチックを「生分解性プラスチック」と呼びます。

食品トレーやカップ、スプーン、ストロー、ティーパックなど、自然に還る素材で食品包装をすれば、海洋ごみにならずに分解されて水や二酸化炭素として自然界で循環することができます。

生分解性プラマークがついている商品をお買い物に出かける際に意識してチェックしてみてください。

プラスチックのリサイクルを習慣に

意識的に使い捨てプラスチックを減らすことは大切ですが、とはいえ、まだまだ通常のプラスチック包装の飲み物や食べ物は多いです。

いますぐプラスチックごみをゼロにするのはハードルが高いので、近くのスーパーにあるリサイクルボックスを活用したり、自治体等の分別ルールを守ることで、海水への流出を防ぎ、循環するように心がけましょう。

海のエコラベル「MSC認証」を探してみよう!

MSC認証は、海洋環境に配慮した漁業や養殖業で生産された海産物に表示されるラベルです。

海の健全性を保証した漁業で獲られた水産物はサステナブルシーフードと呼ばれています。

スーパーやレストランなど5,000以上の事業者がMSC認証を取得しているので、海のエコラベルがついたお魚など水産物を探してみてください。

海外ゴミ拾いのボランティアに参加

ビーチクリーンをしても、減らせるごみの量が物理的に少ないから……という理由で意味がないと思っていませんか。

たしかに、陸から海へ流れる800万トンの海洋ごみを考えると、海岸でゴミを拾っても海洋汚染を止めている実感を得づらいかもしれません。

しかし、大事なのは意識変容と行動変容です。

友人や子どもと一緒に、ゴミ拾いに参加することで、普段出している生活排水や食品包装を気にするキッカケとなり、海洋汚染の社会課題を「知る」こと、そして周りへ「伝える」ことは課題解決の大きな役割を果たします。

ひとりひとりのゴミ拾いは微力でも、無力ではありません。

デポジット制でペットボトル消費を抑える

世界では20カ国以上で導入されているペットボトルのデポジット制度があります。

ペットボトルを購入する際に、10円から20円など少額の預かり金を支払い、空ボトルを返却すると返金される仕組みです。

海洋プラスチックごみのうち、飲料用のペットボトルが占める割合は約3割

現在、スウェーデンでは回収率が98%と非常に高く、デポジット制が広く世界に普及すれば、海洋プラスチックごみの3分の1が削減されると言われています。

日本でも導入するためには、ボトラーと小売店の間で全国統一的なデポジット精算システムが必要なので、政府や民間企業で協力して進めていくとインパクトが大きいでしょう。

まとめ

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」でも、海洋汚染の防止と削減目標が掲げられています。

海洋汚染の原因として影響力が高いプラスチックを減らす努力は、生活を苦しく、大変な状況にすることではありません。

紙ストローを使ったり、シリコンタイプで何度でも使えるラップを使ったりすると、身近でこんなこと出来たんだ!という気づきや発見の連続で生活が豊かになります。

あなたも、生活の中からプラスチックをゼロにできるか、ゲーム感覚でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

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