サーキュラーエコノミー

サステナブルな容器とは?注目の業界や取り組むメーカーもご紹介

サステナブルな容器とは?注目の業界や取り組むメーカーも紹介

近頃は「サステナブルファッション」「サステナブルな企業」なども耳にする機会が増えています。

身の回りにある「サステナブルな〇〇」には、どんなものがあるでしょうか。

今回は「サステナブルな容器」に注目し、サステナブルな容器やサステナブル容器を製造するメーカーなどをご紹介します。

サステナブルな容器とは?

サステナブルな容器とは?

サステナブルは「持続可能な」という意味を持ちますが、具体的に何が持続可能なのか、までは定義されていません。

では容器におけるサステナブルとはどのようなものがあるのでしょうか。

一般的に「サステナブルな容器」と呼ばれるものの特徴を3つご紹介します。

環境負荷の低い素材でできている

サステナブルな容器の特徴の一つは「環境負荷の低い素材でできている」です。

容器には、プラスチックでできているものが多いです。

しかし一般的なプラスチックは石油からできており、石油系プラスチックは海に流れても分解されず、海を漂い続けます。

そして、今問題となっている海洋プラスチックごみに繋がります。

そこで環境負荷の低いプラスチックとして、バイオマス(植物)由来やリサイクル素材を原料としたプラスチックが注目されています。

またプラスチックを使わず、紙や竹なども環境負荷の低い素材です。

関連記事:海洋汚染の本当の原因は?4割が食品包装のプラゴミの現状

洗って繰り返し使える容器

容器は使い捨てされるものが多いですが、近年は繰り返し使える(リユーザブルな)容器にも関心が集まっています。

マイボトルは洗って繰り返し使える容器の代表だといえるでしょう。

リターナブルビンは昔からあるサステナブルな容器の一つです。

また料理などに使われるシリコーンバッグは、繰り返し使えるだけでなくレンジやオーブン、湯せんにも対応しており、利便性と環境負荷の低さから人気を集めています。

石油ではなく、ケイ素と酸素からできており、燃やしても二酸化炭素が発生しにくいこともポイントです。

サステナブルな容器が注目されている業界

サステナブルな容器が注目されている業界

サステナブルな容器は、日常生活のさまざまな場所で利用されています。

ではどんな業界で、サステナブルな容器が広まっているのでしょうか。

近年、サステナブルな容器が使われるようになった業界を3つご紹介します。

  • 化粧品
  • 日用品
  • 食品

化粧品に関するサステナブル容器

サステナブルな容器が広まっているものの一つに、化粧品があります。

ヴィーガン対応やクルエルティフリー(動物実験をしていないもの)、オーガニックなどサステナブルな化粧品が増えています。

この流れにともない、サステナブルな容器も増えているのです。

化粧品に使われるサステナブル容器には、以下のものがあります。

  • 詰め替え可能:リフィルのあるもの
  • プラスチックフリー:紙製、竹製、ガラス、木製の容器
  • 環境負荷の低いプラスチック:バイオマスプラスチック、生分解性プラスチック
  • 再生素材:PCR(ポストコンシューマーリサイクル)材料

また使い終わった化粧品の容器を回収し、リサイクルや再利用するメーカーも増えています。

関連記事:化粧品業界が取り組むSDGs|解決すべき問題や取組事例を紹介

日用品に関するサステナブル容器

日用品に関するサステナブル容器は、生活のあらゆる面で見つけることができます。

例えばシャンプーやボディソープの詰め替え。

今では当たり前ですが、最初に発売されたのは1970年代でした。

近年ではリフィル(詰め替え用)をそのまま使用する商品も販売されています。

シャンプーやボディソープ以外には、以下の日用品でサステナブルな容器が使われています。

  • プラスチックフリー:アルミ製、ガラス、紙製の容器
  • コンポスト(堆肥化)可能:紙製、竹製で作られたもの
  • 使い終わったら別の用途に使える:石鹸でできた容器など

量り売りによって、そもそも容器を必要としないものもあります。

食品に関するサステナブル容器

食品業界はサステナブル容器がもっとも広まっている業界の一つです。

食品に使われる容器は使い捨てが一般的であることから、紙などの環境負荷が低い素材に注目が集まっています。

またプラスチック容器をガラスや缶素材に変えることで、リサイクル率を向上させる取り組みも行われています。

また食材でパッケージを作るというサステナブルな取り組みを行っている企業もあります。

日本では販売されていませんが、インドネシアでは100%植物性で海藻からできたパッケージがあります。

「Biopac」はインドネシアで一年中取れる海藻が原料で、食べることもできるようです。

サステナブルな容器をつくるメーカー

サステナブルな容器をつくるメーカー

最後に、サステナブル商品への需要の高まりから、容器に対してもサステナブルが求められるようになっています。

最後に、サステナブルな容器をつくるメーカーを4社ご紹介します。

  • 竹本容器株式会社
  • 株式会社ツバキスタイル
  • 三井化学株式会社
  • 凸版印刷株式会社

「竹本容器株式会社」のサステナブル容器

1953年設立、東京に本社を置く竹本容器株式会社は、プラスチック製等の放送容器の製造や販売を行う企業です。

「-カタチ(容)あるウツワ(器)-をつうじて、お 客様の商品である内容物の価値を安全に包み、さらにその商品の個性化を高めることで、世界の器文化に貢献すること」を使命とし、容器が与える環境負荷を考慮した取り組みを行っています。

例えば、植物由来の原料で作られた容器。

サトウキビやトウモロコシから砂糖を作る際に出る残糖蜜を使って作られたバイオマスプラスチックの開発、リサイクルPETを使用した容器など環境への影響が少ない素材を使っています。

参考サイト:竹本容器株式会社「サステナビリティ」

「株式会社ツバキスタイル」のサステナブル容器

プラスチック容器の販売及び製造や化粧品の販売を行う企業、株式会社ツバキスタイル。

株式会社椿スタイルは「人も、地球も、美しく。」をテーマに、地球環境に負荷を与えない環境対策容器の開発に取り組んでいます。

飲料用プラスチックボトルを100%リサイクルした再生PET樹脂を使った容器は、従来の石油由来のボトルと強度や見た目は変わりません。

また透明の色であれば再度リサイクル可能。資源を循環させられるので、石油由来の原料を新たに使用する必要はありません。

また業界初の二軸延伸ブロー成型によるポリエチレンボトルを開発。

機密性や耐久性に優れているだけでなく、製造過程で余分な部分がで出ないため、再加工した際のCO2排出量を削減できます。

参考サイト:株式会社ツバキスタイル「サステナビリティ」

「凸版印刷株式会社」のサステナブル容器

東京に本社を置く凸版印刷株式会社は、環境配慮型パッケージ「サステナブル バリュー パッケージ」に取り組む総合印刷会社。

「GL BARRIER」と呼ばれる透明なバリアフィルムは、世界最高水準のバリア性能を持ちます。

世界中の洗剤などの日用品や医療医薬品包材、そして食品などに使用されており、その耐久性の高さや長時間の高湿環境下にも耐えることのできるバリア力が評価されています。

2022年9月には、フードロスの削減運動の一環として「GL BARRIER」をパッケージに使用した食パン「凸パン(読み: トツパン)」を開発、配布しました。

この食パンはパッケージの高いバリア性能のため、賞味期限を従来の7倍まで延長することに成功。

今後広く広まれば、家庭からのフードロス削減に貢献するでしょう。

「三井化学株式会社」のサステナブル容器

三井化学株式会社は、プラスチックのバイオマス化でカーボンニュートラルを、リサイクルでサーキュラーエコノミーの実現を目指すプラスチック製造メーカーです。

一般的なプラスチックは石油由来のナフサと呼ばれるものが原料となっています。

しかし三井化学では2021年12月より石油由来のナフサではなくバイオマスナフサの使用を進めています。

三井化学ではマスバランス方式と呼ばれる管理方法により、製造設備の更新が不要になります。

この製造システムが広まれば、企業はよりバイオマス化をすすめることができるでしょう。

また素材の単一化(モノマテリアル化)や容器への印刷を除去するシステムの開発により、素材のリサイクル率向上にも積極的に取り組んでいます。

参考サイト:三井化学株式会社「BePLAYER® -RePLAYER®」

まとめ

サステナブルな容器は、今後ますます注目されるでしょう。

その背景として、海洋プラスチックごみ問題があります。

海には毎日のように大量のプラスチックゴミが流れ出ており、それらは永久に分解されません。

また日本は世界で二番目にプラスチック廃棄量が多いプラスチック大国です。

プラスチックの廃棄量を減らすためには、私たち消費者の意識が変わる必要があります。

そしてそれに合わせて企業もサステナブルな容器を選ぶようになるのです。

環境負荷を少しでも減らすため、持続可能な世界を実現するため、今日からサステナブルな容器を選ぶよう意識してみてはいかがでしょうか。

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