オーガニックコットンってなに？人と地球に優しいサステナブル素材

オーガニックコットンとは？

オーガニックコットンとは、有機栽培で育てられたコットン（綿花）のことです。

原則、土壌づくりから化学肥料や農薬を2〜3年間使用せず、可能なかぎり自然の力で栽培されています。

土壌づくりから出荷まで手間と時間をかけて作られているのです。

身近な日用品では、以下のものにオーガニックコットンがよく使われています。

どうしてオーガニックコットンが必要なのか？

どうして、オーガニックコットンが必要なのでしょうか。

それは、コットン栽培で起こっている深刻な問題があるからです。

農薬の問題

コットンは植物由来のため「エコ」「人にやさしい」などのイメージがあるかもしれません。

しかし、綿花の生産過程で農薬が大きな問題になっているのです。

綿花畑は、世界の農作物で利用される土地のわずか2.5％しかないにもかかわらず、世界の農薬の6.8％を使用しています。

さらに、殺虫剤は15.7％にのぼります。

大量の農薬や殺虫剤は土の中の微生物を殺し、畑の土から栄養を奪ってしまいます。

さらに土壌から流れ出る水が周りの自然環境も汚染してしまうのです。

生産者の労働環境の問題

大量の農薬の影響は、生産者へも与えています。

農薬による皮ふや呼吸の病気などが懸念されるからです。

綿花の生産者が病気になれば、働けず貧困や飢餓にもつながるといえるでしょう。

生産者やその家族の命を守るためにもオーガニックコットンは必要とされています。

児童労働の問題

さらに、インドのコットン畑では、48万人以上の子どもが働かされています。

コットン栽培における児童労働も深刻化しているのです。

児童労働は、子どもから教育の機会を奪うことにつながるといえるでしょう。

将来の可能性が閉ざされ、就職することも困難になってしまいます。

このような問題を解決するため、最近ではオーガニックコットンを普及させる動きが活発化しています。

参照：日本オーガニック協会
参照：ACE｜｜インド・コットン生産地の児童労働

オーガニックコットンの3つのメリット

では、オーガニックコットンにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

3つのポイントをそれぞれまとめました。

肌にやさしい

一つ目は、肌にやさしいことです。

最低限の農薬や化学肥料しか使用されていないコットンのため、安心して着用できます

日本アトピー協会も、肌への負担を減らすためにオーガニックコットン製品の使用を推奨しています。

オーガニックコットンは、着る人の健康も守れるといえるでしょう。

参照：日本アトピー協会

環境にやさしい

二つ目は、環境を守ることにつながるというメリットです。

先ほど解説したように、コットン栽培では大量の農薬が使われていて、環境破壊への原因にもなっています。

けれども、オーガニックコットンの場合環境への負荷が少ないため、畑だけではなく周りの自然環境も守れるのです。

オーガニックコットンの栽培方法は、未来の環境を考えた方法ともいえるでしょう。

生産者にやさしい

三つ目は、生産者の健康を守るというメリットです。

最低限の農薬や化学肥料の使用であれば、薬品を扱う生産者の身体への影響も軽減できます。

皮ふや呼吸に関する病気を引き起こすリスクを下げられるので長い期間健康に働けるのです。

このように、持続可能な社会をつくるために、オーガニックコットンは欠かせない存在であるといえるでしょう。

オーガニックコットンの3つのデメリット

とはいえ、オーガニックコットンにもデメリットがあります。

以下に3つの課題をまとめました。

値段が高い

一つ目は、一般的なコットンと比べると値段が高いということです。

「オーガニックコットンは高い」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし、これには次のデメリットとも関係する理由があります。

もしかしたら、価格設定の背景を理解すれば、納得して購入できる方も増えるかもしれません。

手間がかかる

二つ目は、栽培に手間がかかることです。

オーガニックコットンはできる限り自然の力で栽培されています。

そのため、一般的なコットン栽培より何倍以上の手間と時間がかかってしまうのです。

コストもかかるため、値段も高くなってしまいます。

しかし、その分の品質と安全性は保証されているのです。

品数が少ない

三つ目は、オーガニックコットンの品数が少ないことです。

オーガニックコットン製のものは見つかっても、気に入ったデザインに出会えない場合もあります。

今後オーガニックコットンの需要が高まれば、商品のバリエーションも増えることが期待できるのではないでしょうか。

オーガニックコットンを証明するマーク「GOTS」

オーガニックコットンを買う場合は、どれを選べばいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。

実は、購入時にオーガニックであることを教えてくれるマークがあります。

それは、世界共通のオーガニック繊維基準である「GOTS」です。

GOTSとは「Global Organic Textile Standard」の略称。

オーガニック繊維の生産、製造、販売まですべての工程の取り扱いについての基準を定めた国際認証機関です。

オーガニック認証を受けた原料の使用量は70〜100％と定められ、生産から販売までの全工程（トレーサビリティ）を追跡できることが保証されています。

基準は、ドイツ、アメリカ、イギリス、日本の4カ国のメンバーによって決められました。

世界的にも有名な認証機関の一つといえます。

オーガニックコットンを購入する時の参考にしてみてください。

参照：GOTS

おすすめ！オーガニックコットン商品

最後に、オーガニックコットンが使用されたおすすめ商品を紹介します。

パジャマやタオル、Tシャツやワンピースなど、さまざまなものをまとめました。

【無印良品】オーガニックコットンパジャマ

2018年から無印良品の衣服の綿はすべてオーガニックコットンが使われています。

そのため、迷わずオーガニックコットン商品を購入できます。

中でもおすすめなのがオーガニックコットンのパジャマです。

筆者自身も夏用と冬用どちらも使用しています。

夏は長袖でも涼しく、冬は厚手ではないのに温かいです。

肌にチクチクする感覚もないので、快適な眠りをサポートしてくれます。

商品サイト：https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/section/S10016

参照：無印良品｜みんなに知ってもらいたい。無印良品がオーガニックコットンにこだわる理由。

【今治タオル】オーガニックタオル

タオルブランドとして有名な今治タオルもオーガニックコットンを扱っています。

インド産のオーガニックコットンを一般のものより細い糸に仕立てているため、肌ざわりはしなやかでやわらかく、女性やお子様にも人気だそうです。

商品サイト：https://www.imabari-kinsei.com/organic/

【パタゴニア】Tシャツ

環境意識が高いアパレルブランドとして評価されるパタゴニアでは、オーガニックコットンを使用した衣類を多数展開しています。

パタゴニアのロゴが入ったTシャツはデザイン性も高く、カラーバリエーションも豊富なため、おすすめです。

商品サイト：https://www.patagonia.jp/shop/organic-cotton-clothing

【ピープル・ツリー】ワンピース

フェアトレードや環境保護に力を入れているピープル・ツリーでは、さまざまな形や柄のワンピースを手がけています。

オーガニックコットンでありながら、おしゃれなワンピースを着たいという方におすすめです。

商品サイト：https://www.peopletree.co.jp/special/oc/01.html

未来を変える！人と環境にやさしいオーガニックコットン

オーガニックコットンは、2〜3年以上農薬や化学肥料を使っていない土壌で栽培された綿のことです。

環境だけではなく、生産者の命を守ることにもつながります。

「オーガニックコットンは高い」というイメージがあった方も、コットン栽培に関する問題やオーガニックコットンの重要性を知ることで、値段以上の価値を感じたのではないでしょうか。

「安いから」「デザインが好きだから」だけではなく、原料に隠された背景にも注目して買い物をすることが大切です。

あなたの一つひとつの選択が未来を変える力になります。

今回紹介したポイントを参考にしながら、オーガニックコットンを購入してみてください。

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