エシカルライフ

ラボグロウンダイヤモンドが人気の理由6つ!販売店・ブランド5選

人の手で生成されたラボラトリー(実験室)育ちのダイヤモンド、「ラボグロウンダイヤモンド」をご存知ですか?

天然ダイヤモンドと比べて環境に優しい上に、労働問題を始めとする人権侵害を引き起こさない宝飾品として、注目を集めています。

本記事ではラボグロウンダイヤモンドについて、天然ダイヤモンドとの違いから現在注目されている理由に至るまで、詳しく解説いたします。

また、実際にご購入いただけるブランドもご紹介。

ラボグロウンダイヤモンドについて詳しく知りたい方、環境に配慮したエシカルジュエリーを楽しみたい方は是非参考になさってください。

ラボグロウンダイヤモンドとは

ラボグロウンダイヤモンドとは人の手によって生成されたダイヤモンドのことです。

海外では一般的に、略さず「ラボラトリーグロウンダイヤモンド」と呼ばれます。

模造ダイヤモンドと違って、見た目だけでなく成分に至るまで天然ダイヤモンドと全く同じです。

管理された条件の下でつくられるため不純物が少なく、天然ダイヤモンドではわずか2%ほどしか獲得できない純度を持っています。

天然ダイヤモンドに勝るとも劣らないクリアな輝きは、ラボグロウンダイヤモンドの大きな魅力です。

ダイヤモンド合成の歴史は古く、最初に成功したのは1950年のことでした。

その後、科学技術の進歩とともに実用的な方法が確立され、現在では工業分野において様々な用途で使用されています。

一方、最初の宝飾用ダイヤモンド生成は1970年ごろ、実際に販売に至ったのは20年以上経ってからのことでした。

今日、その硬度や安定性を活かして多くの製品・用途で使用されているラボグロウンダイヤモンドですが、その中で宝飾用はわずか6%ほど。

宝飾用ダイヤモンド生成は工業用よりも大きく育てる必要があるため、より高い技術が必要なのです。

宝飾用ラボグロウンダイヤモンドの合成方法はHPHT法とCVD法の2通りあります。

自然環境でダイヤモンドがつくられる条件を科学技術によって再現するため、天然と同じ性質のダイヤモンドがつくられるのです。

参考:AP DIAMOND合成ダイヤモンド:知っておきたい基礎知識から最新情報まで

人気になった理由


ラボグロウンダイヤモンドが注目されている背景には、サステナビリティへの関心の高まりがあります。

2019年に「持続可能なファッションのための国連アライアンス」が立ち上げられて以降、ファッション業界にもSDGsの考えが広く浸透しています。

そして近年、ハレの日を彩るダイヤモンドにまでエシカル消費の動向が強まっているのです。特に、サステナビリティに積極的な若い世代の需要は大きく高まっています。

ラボグロウンダイヤモンドがエシカル消費を望む消費者に人気になった主な理由には、以下のようなものがあります。

  • 環境への影響が軽減できる
  • 人権問題が回避できる
  • 手に取りやすい価格
  • 高い透明性とトレーサビリティ
  • 高い品質
  • カスタマイズできる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

環境への影響が軽減できる

かつて、天然ダイヤモンドは採掘の過程で環境に大きな負荷をかけていました。

企業が管理する大規模な採掘場では機材の規模も大きく、大規模な森林伐採や土地の荒廃が発生していたのです。

現在では、そういった大規模採掘場は「ISO環境マネジメントシステム」の認証を受けた企業が管理を行なっており、環境負荷は最低限に留まっています。

しかし、このシステムには具体的な評価基準が無く、運用は企業の裁量に委ねられているという課題もあります。

大規模採掘場で環境負荷が抑えられつつある一方で、規模の小さな採掘場では環境破壊が続いている現状も見逃せません。

企業による管理が行われないため、採掘後の土壌が放置されるケースが多くあるのです。

採掘後の土壌がそのまま放置されれば、土壌流出や土砂災害につながる危険があります。また、放置された巨大な穴に雨水が溜まり、マラリアを媒介する蚊が発生したり水難事故につながったりする可能性も。

「ISO環境マネジメントシステム」や国際的な機運の高まりで環境への負荷が軽減されたといっても、まだまだ課題が多いのが現状です。

ラボグロウンダイヤモンドには、採掘による直接的な環境破壊の心配がありません。

合成に用いるエネルギーを考慮しても、環境へ与える影響は現在の"管理されていない採掘"より小さいと言えるでしょう。

参考:環境破壊 | ダイヤモンド・フォー・ピース(DFP)

人権問題が回避できる

天然ダイヤモンドの採掘は、兼ねてから多くの人権問題を生み出しています。

紛争地域で採掘されたダイヤモンドは、古くから争いの資金源とされることも多く、「紛争ダイヤモンド」「血塗られたダイヤモンド」などと呼ばれています。

2002年には、ダイヤモンドが紛争の資金源となることを防ぐために「キンバリープロセス承認制度」が採択されました。

一定の成果を上げてはいますが、実際の運用や定義には課題も多く、紛争ダイヤモンド撲滅には力不足の感が否めません。

また、貧しい地域の小規模採掘場では児童労働や低賃金労働が常態化しており、1300万人もの労働者が厳しい生活を強いられているとも言われています。

こうした人権問題を回避できる点も、ラボグロウンダイヤモンドの需要が高まった一因です。

参考:
国連会合でキンバリープロセスの現状に異議を唱える|ダイヤモンド・フォー・ピース
ダイヤモンド・フォー・ピースの組織基盤強化ストーリー

手に取りやすい価格

天然のダイヤモンド1カラットを採掘するのに1,000トンの砂を掘り起こす必要があるとも言われ、ダイヤモンド採掘は多くの時間と労働力を費やします。

一方、ラボグロウンダイヤモンドは数週間〜数ヵ月で質の良いダイヤモンドをつくり出せます。管理された環境でつくられるので失敗も少なく、天然ダイヤモンドの採掘に比べて効率的です。

天然ダイヤモンドの30%〜40%ほど低い価格で販売されており、手に取りやすくなっています。

天然ダイヤモンドに勝るとも劣らない輝きが低価格で手に入るため、若い世代にも人気なのです。

参考:ラボグロウンダイヤモンドの市場分析・予測

高い透明性とトレーサビリティ

ラボグロウンダイヤモンドは人の手で管理されてつくられるので、その起源と製造過程が明確です。透明性が高く、天然ダイヤモンドのように「紛争ダイヤモンド」や人権問題が関わっている可能性もありません。

消費者は起源から流通まで多くの情報を確認した上で、納得して製品を購入できるのです。

そのため、エシカル消費への関心が高い世代や地域で支持を得ています。

一方で、透明性に関して課題もあります。ラボグロウンダイヤモンドは生成方法によって製造コストに差がありますが、その点は消費者にとって一般的ではありません。

一部では、製造コストの違いが販売価格に反映されていない現状もあるようです。

ラボグロウンダイヤモンドの情報開示については、今後、より一層の整備が急がれます。

参考:国際貴金属宝飾品連盟(CIBJO)ウェビナー|ダイヤモンド・フォー・ピース

高い品質

天然ダイヤモンドの98%は不純物として窒素を含んでおり、不純物を含まない純粋なダイヤモンドは全体の2%ほどです。

一方で、無色のラボグロウンダイヤモンドは全てが不純物を含まない純粋なダイヤモンドで、その品質の高さも多くの人を惹きつけています。

人の手で管理されているがゆえの高品質ですが、しっかりと個体差があるのも魅力です。生成にかかった時間・機器・技術によって、完成するラボグロウンダイヤモンドには輝き・色味・大きさなどに個性が現れるのです。

温室で育てられた花に個体差が見られるように、ラボグロウンダイヤモンドにも個性が宿っています。

実験室でつくられたといっても決して画一的でないところも、個性を重視する若い世代の心を掴んでいます。

参考:Lab-Grown Diamonds | PRIORITY DIAMOND

カスタマイズできる

天然のカラーダイヤモンドは色の薄いものが多く、レッドやブルーなどに濃く鮮やかに発色しているものは非常に稀で貴重です。

対して、ラボグロウンダイヤモンドは形・大きさ・色の選択肢が広く、天然ダイヤモンドでは通常入手できないカラーや大きさを楽しめます。

好みに合わせた色や形を選べるので、より個性的なデザインを求めている人に人気です。

ダイヤモンドだけでなく、地金や全体のデザインまでをフルオーダーできるブランドもあります。

ラボグロウンダイヤモンドを取り扱っているブランド5選

環境や人に優しいだけでなく、純粋な輝きで宝飾品としても魅力的なラボグロウンダイヤモンド。実際にお手に取りたいと思われた方も多いのではないでしょうか。

そこで、ラボグロウンダイヤモンドを取り扱っているブランドをご紹介します。

是非、お気に入りのジュエリー選びの参考になさってください。

SHINCA

京都の老舗ジュエラー「今与」が手掛ける、ラボグロウンダイヤモンド専門ブランド。

ラボグロウンダイヤモンドの中でも厳しい基準をクリアした高品質なものを取り扱っています。

仕入れ・デザイン・製造・販売の全工程を日本国内で行なっており、徹底した品質管理や高い透明性も魅力です。

フルオーダージュエリーの販売を行っている点も見逃せません。世界に1つだけの特別なジュエリーを手に入れられますよ。

そんな高品質なラボグロウンダイヤモンドが購入できる店舗は京都・大阪・銀座・シンガポールの4か所。

オンラインショップでの取り扱いもあるので、店舗が近くに無い方でもSHINKAを体感していただけます。

参考:ラボグロウンダイヤモンド|SHINCA(シンカ)

PRIORITY DIAMOND

日本で最初のダイヤモンド専門企業が直営する、ラボグロウンダイヤモンド専門ブランドです。

ダイヤモンドはアメリカのDIAMOND FOUNDRY社のものを使用しています。DIAMOND FOUNDRYではダイヤモンドの生成にかかる全てのエネルギーを、コロンビア川由来のクリーンエネルギーでまかなっています。

世界で唯一のゼロカーボンフットプリント認定を受けたダイヤモンド生産者です。

六本木のAP DIAMONDで取り扱っている他、オンラインでの購入も可能です。

AP DIAMONDでは天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドを同じ店舗内で見比べて選ぶこともできます。

特に環境に配慮したジュエリーをお探しの方は、是非お試しください。

参考:
Our Story | PRIORITY DIAMOND
Our Diamonds | Diamond Foundry
AP DIAMOND

PRMAL

ジュエリーの生産から販売までを一貫してコントロールすることで、サプライチェーンの透明化と最適価格での販売を実現しています。

日本国内で熟練の職人によってつくられるジュエリーは、生産者の労働環境まで配慮してつくられています。

デザインだけでなく、ジュエリーがつくられる背景にまでこだわって選びたい方におすすめのブランドです。

ジェンダーレス商品が充実しているのも注目したいポイント。

世代だけでなく性別を問わず愛用いただけるブランドの1つです。

販売はオンラインショップのみとなります。

参考:About Us | PRMAL

SRIYE

「心も地球も豊かになれる」をコンセプトとした、ラボグロウンダイヤモンド専門ブランドです。

福岡にある店舗は内装にもこだわり、足を運ぶだけで心が満たされる特別な空間となっています。

売上の一部を環境保全や福祉分野に寄付しているNY発ブランドの製品の他、オリジナル商品も扱っています。

オリジナル商品の中には男性向けのものもあるので、大切な方へのプレゼントにもおすすめです。

店舗は福岡のみですが、オンラインショップでの購入もできます。

参考:ラボグロウンダイヤモンド専門店SRIYE(スライエ)

cofl by 4℃

1972年から愛されるジュエリーブランド「4℃」が手掛けるサステナブルジュエリーブランド。

ラボグロウンダイヤモンドの他、地金にもリサイクルメタルを使用しています。

また、パッケージやショッピングバッグにも再生紙やリサイクル素材を使用し、売上の一部を森林保全団体に寄付するなどの活動も行っています。

よりサステナブルなジュエリーをお探しの方は、是非チェックしてみてください。

購入は公式オンラインショップのみとなります。

参考:About Us |cofl by 4℃ オンラインショップ

まとめ

ラボグロウンダイヤモンドをつかったジュエリー市場は、まさに急成長を遂げようとしています。

消費者が"知ろう"とすること、製造・販売者が"伝えよう"とすること。

両者が上手く噛み合うよう、伝える側は信頼できる情報開示が不可欠です。

そのためにも、具体的な認証制度などの拡充が求められます。

ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドの代替品ではありません。

人の手によってつくられた、地球も人も美しく輝かせる宝物です。

よりよい未来のために、ラボグロウンダイヤモンドという選択をしてみませんか。

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