【厳選12店】量り売りが続々と開業中!メリットやデメリット、実施店舗を解説
量り売りは、環境に配慮したエコな買い物の1つです。最近では、量り売りのサービスを導入する企業や専門店が増えています。
とはいえ、「量り売りとは」「気になるがハードルが高い」と思っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、量り売りのメリットやデメリットを分かりやすく解説します。さらに、食品や日用品を量り売りで購入できる店をまとめました。量り売りの楽しさを体験しましょう。
量り売り(バルクショップ)とは
量り売りとは、必要な分だけを計量して販売することです。
他にも、バルクショップやバルクストアとも呼ばれています。
バルク(bulk)とは、英語で「大量」「かたまり」の意味です。
店が大量に仕入れたものを、個人向けにバラ売りすることからその名前が付いたともいわれています。
消費者は、持参した空き容器に欲しい商品を必要な量だけ詰めて購入できます。
環境意識が高まるとともに、量り売りで販売する店が増加中です。
例えば、量り売りで購入できるものは以下のものがあげられます。
- ナッツ
- ドライフルーツ
- チョコレート
- お菓子
- 米
- しょうゆ
- オリーブオイル
- 洗濯洗剤
- 食器洗剤
- ハンドソープ
- シャンプー
このように、食品だけではなく日用品も量り売りが可能です。
海外では、ヨーロッパを中心に量り売り文化が広まっています。
日本では、2020年7月からレジ袋有料化がスタートし、約3年たちました。
レジ袋の削減の意識は高まっています。
しかし、商品の包装への興味・関心は低いといえます。
今後は、買い物の仕組みや包装のあり方も見直すべきではないでしょうか。
量り売りのメリット
では、どうして量り売りを開業する企業や店が増えているのでしょうか。
それは環境だけではなくビジネスにおいてプラスになることがあるからです。
量り売りのメリットを4つまとめました。
①ごみを減らせる
パッケージ不要で購入することは、ごみを減らし環境負担を軽減することに貢献します。
ごみ処理において、資源を有効に使うことが必要です。
ごみが発生すると、埋めるか燃やすかリサイクルするかのいずれかの処理をすることになり、どれを選択しても資源やエネルギーを消費します。
ごみ削減の方法としてリデュース、リユース、リサイクルがあげられます。
その中で、1番好ましいとされるものは「リデュース(ごみを減らす)」です。
世界でも、無駄・浪費やごみをなくすという考えである「ゼロ・ウェイスト」を目指す動きが広まっています。
つまり、量り売りで商品パッケージを減らすことは、資源やエネルギーの有効活用において非常に望ましい仕組みといえるでしょう。
参考:上勝町|ゼロ・ウェイストとは
参考:JICA|世界のごみの現状を知る
②プラスチックフリーに近づける
量り売りが広がれば、プラスチックごみの削減に大きく貢献します。
ごみの中でも、重要視されているのがプラスチックです。
世界で見ても、プラスチックの廃棄量の増大が懸念されています。
1950年以降に生産されたプラスチックは83億トン。
そのうち63億トンがごみとして廃棄されました。
とはいえ、「ペットボトルやプラスチックごみはリサイクルされているのでは」と思う方もいるかもしれません。
けれども、リサイクルされる割合はわずか9%。
回収されたプラスチックごみの79%が埋め立てられたり、海洋へ捨てられたりしています。(2017時点)
現状のペースでは、2050年までに120億トン以上のプラスチックが埋め立てや自然投棄されると見込まれています。
その結果、海の中は魚よりプラスチックのほうが多くなると指摘されているのです。
世界と比べると、日本はプラスチック容器をどれくらい廃棄していると思いますか。
実は、日本のプラスチック廃棄量(人口1人あたり)はアメリカに次いで2番目に多くなっています。
大量にプラスチックを生産し消費している日本こそ、量り売りを積極的に導入すべきではないでしょうか。
参考:GREEN NOTE|海洋汚染の原因の4割が食品包装のプラゴミ|私たちができる取り組みは?
参考:環境省|プラスチックを取り巻く国内外の状況
③好きな分だけ購入できる
買い物中、「少ない量だったらいいのに」「この調味料は使い切る自信がない」と思うことはありませんか。
量り売りなら、必要な量だけ購入できます。
消費者にとってもメリットが大きいでしょう。
また買いすぎを防げるため、食品ロスの削減にもつながるといえます。
④パッケージのコストカットができる
量り売りの場合、商品はケースに入っている場合が多いでしょう。
一般的な商品にあるパッケージは不要です。
パッケージのデザインや機能性も、重視する必要はありません。
パッケージにかけるコストや手間を省くとともに、商品の味や品質、安全性などに注力できます。
量り売りのデメリット
量り売りには、環境だけではなく買い手と売り手にもメリットがあることが分かりました。
けれども、心配な点や配慮すべき点があります。量り売りの理解を深めるために、デメリットも見ておきましょう。
割高なものが多い
量り売りで販売されるものは、割高の場合が多いでしょう。
けれども、ただ高いわけではありません。
環境意識が高い店が多いため、オーガニックや品質にこだわっていることが理由として考えられます。
しかし、ただ高いのではなく、質がいいから高いといえるでしょう。
保存するスペースや設備が必要
量り売りの場合、商品が保存ケースやビンに入っています。
販売店は、保存するスペースや設備が必要です。
パッケージがない分、衛生管理に注意を払わないといけません。
一般的なスーパーマーケットよりも管理に手間がかかるといえるでしょう。
店舗ごとに容器のルールが違う
量り売りは、空きの容器に欲しい商品を入れます。
けれども、店舗ごとに細かいルールが異なるので注意が必要です。
例えば、容器を持参しなくても、店にある紙袋や有料容器で対応できる場合がある一方で、持参したものだけしか対応しない店もあります。
初めて行く場合は、店のルールを確認しておくことをおすすめします。
大手日本企業も続々と開業!量り売りの取り組み
環境への負荷が少ない一方で、保存の手間がかかる量り売り。
最近では、日本の大手企業が開業する動きが目立つようになりました。
無印良品
無印良品では、必要なものを必要なだけ買える量り売りを導入しました。
雑穀や乾物、コーヒーやナッツ、ドライフルーツなどの食品を扱っています。
1グラムや1個ずつなど、自分にとって必要な量を選択できるのが魅力です。
洗剤の量り売りも実施している店舗もあります。
100ml単位で購入可能。空になった無印良品の洗濯ボトルか市販のペットボトルを持参すればいいそうです。
参考:無印良品|【板橋南町22】オープンまであと3日‼必要なものを、必要なだけ。『量り売り』入ります。
参考:無印用品|【東京有明】3階 洗剤量り売りは、きっかけになる。
ドン・キホーテ
世界において店舗拡大を続けるドン・キホーテは、2023年に「ド試し」という量り売りを導入しました。
実施店舗は、新しくオープンしたおドろき専門店「ドミセ」1号店の渋谷店(東京都)と2号店のアリオ八尾店(大阪府)です。
利用者からの「ちょっと試したい」という声に応えて、ナッツやドライフルーツ、コーヒーなどを、自分好みの量や種類を選んで購入できるサービスを始めました。
ナチュラルローソン
ナチュラルローソンでは、プラスチック削減の取り組みとして量り売りを実施しています。
松山油脂の「LEAF&BOTANICS(リーフ&ボタニクス)」シリーズのハンドソープやボディソープ、シャンプーやコンディショナーを取り扱っています。
「LEAF&BOTANICS(リーフ&ボタニクス)」とは、老舗せっけんメーカー「松山油脂」が手掛けた、植物の洗浄力にこだわったウォッシュ&ケアシリーズ。
商品への環境配慮も重視しているといえるでしょう。
自宅にあるボトルでも購入可能です。ない場合でも、店に無料ボトルが用意してあるため、気軽に利用できます。
食品編!量り売り店舗
続いては、食品の量り売りをしている店舗を紹介します。東京や神奈川、京都などを中心にまとめました。
ビオセボン
ビオセボンは、パリ発のオーガニックスーパーです。
店内の一角にバルクコーナーが設置されています。
雑穀、ナッツやドライフルーツ、チョコレートなど140種類もの素材の量り売りを実施しています。
海外から調達したオーガニック商品も充実した人気コーナーです。
利用者から「国産のオーガニックお菓子が少ない」という声を受け、国産のオーガニックお菓子を自社開発。
老舗お菓子企業などと協働した結果、有機JAS認証を取得したチョコレートコーティング商品である「オーガニック生おからクッキー」が誕生しました。
ビオセボンは、オーガニックのお菓子を購入したい方におすすめです。
参考:ビオセボン
参考:ビオセボン|ビオセボンの代名詞!バルクフーズ(量り売り)をもっと楽しく
AKOMEYA TOKYO
AKOMEYA TOKYOでは、一部の店舗でお米の量り売りを実施しています。
販売するお米は、実際に生産地へ出向き、 日本各地から厳選していたものです。
玄米1kg以上の購入で、店頭精米が可能。精米は「玄米・三分づき・五分づき・七分づき・白米」より選択できます。
精米したての新鮮な味わいを楽しめるのが魅力です。
公式サイトを見ると、実施店舗には「量り売り」と記載されているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
参考:AKOMEYA TOKYOのお米
参考:AKOMEYA TOKYO|店舗一覧
斗々屋京都店
京都に本店を構える斗々屋は、2021年7月にオープン。
日本初のゼロ・ウェイストなスーパーマーケットです。
仕入れた商品のすべてが個包装なしの量り売りです。
乾物をはじめ、野菜や果物、納豆や豆腐、お肉やお総菜など、幅広く取り扱っています。
直営店の「nue by Totoya国分寺店」もあります。
参考:斗々屋
HACARI中目黒店
東京の中目黒にある野菜の量り売り専門店です。
農園直送にこだわった野菜の量り売りをしているため、ちょうどいい量で購入できます。
スーパーで見かける野菜だけではなく、珍しい野菜にも出会えるのが魅力です。
直接買い付けをしている加工品、店内で手作りしたお総菜を取り扱っています。
参考:HACARI
ル・ボスケ
葉山にお店を構えるル・ボスケでは、オリーブオイルの量り売りをしています。
オリーブオイルの主な商品はすべて量り売り。10グラム単位で購入できます。
持参した容器で利用できますが、店内でも専用容器を販売しているそうです。
参考:ル・ボスケ
バルクフーズ
バルクフーズは、好きな入れ物に好きなものを好きなだけ食材を買えるお店です。
神奈川県を中心に店舗を構えています。
漂白剤不使用のドライフルーツやナッツ類が購入可能です。
作りたてのナッツバターやアーモンドやマカダミアナッツのペースト、乾燥野菜などの珍しいアイテムも取り扱っています。
持参した容器で利用可能ですが、店内にもビンやボトル、紙袋などを用意しています。
ただし、1つの入れ物に1種類しか入れられないので注意しましょう。
参考:バルクフーズ
日用品編!量り売り店舗
量り売りは食品だけではありません。生活に欠かせない洗剤やシャンプーも、好きな量だけ購入できます。
パタゴニア
パタゴニアの一部の店舗では、洗濯用洗剤「All things in Nature」の量り売りを実施しています。
専用の空ボトルや空のペットボトルなどを持参すれば、利用可能です。
詰め替えより、価格も少しだけお得になります。
All things in Natureは、環境に配慮していて、赤ちゃんにも使える肌にやさしい洗剤。
利用者からも使い勝手もいいと評判です。
エコストア
エコストアでは、自社の洗濯洗剤や食器洗剤などの量り売りを実施しています。
ごみになる容器を削減してコストを下げることで、環境にも人にもやさしいサービスに努めています。
100ml単位で販売していて、お試しの少量から大量買いまで対応可能です。
容器は、自由で専用ボトルでも自宅にある容器でも構いません。
1番量り売りの商品が充実しているのは、日本で唯一の直営店。
「エコストアアトレ恵比寿店」です。
提携店なら、東京だけではなく、大阪や名古屋など全国各地にあります。
参考:エコストア
すみれ研究所
大阪にあるすみれ研究所はヘアケア専門店で、ヘアケア用品の開発や製造、美容室のオリジナルブランド開発も多く手掛けています。
店内では、シャンプーの量り売りを実施。
シャンプー7種類、トリートメント4種類から、髪の状態や目的に合わせて選べるため、自分に合うシャンプーに出会えます。
「少しだけ試してみたい」「ささやかな贈り物用に購入したい」といった要望にも応えてもらえるのは、うれしいことです。
参考:すみれ研究所
量り売りでエコな買い物を楽しもう
量り売りは、ごみを減らせるエコな買い物です。プラスチック容器の使用が多い日本だからこそ、買い物の仕方を見直す必要があるといえるでしょう。
量り売りを実施している店からは「プラスチックのごみをなくしたい」「環境にやさしい商品を届けたい」「お客さまに買い物を楽しんでもらいたい」という環境にも人にもやさしい思いが感じられました。
容器を準備する手間はかかりますが、未来の地球のためになる買い物といえます。興味をもった方は、ぜひお近くの量り売り店を訪れてみてはいかがでしょうか。
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