環境にやさしい洗剤とは?おすすめエシカル洗剤11選
環境意識が高まる中、「環境にやさしい洗剤」に注目が集まっています。
とはいうものの「エコな洗剤ってどんなもの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、環境にやさしい洗剤の意味や選び方を解説します。
さらに、汚れもしっかり落とすおすすめのエコな洗剤も厳選しました。
食器洗剤や洗濯洗剤を買う時の参考にしてみてください。
環境にやさしい洗剤とは?
環境にやさしい洗剤とは、主に植物由来の成分からできた洗剤を表します。
植物の力で汚れを落とす洗剤は排水後も微生物の力で自然へ分解されるため、環境負荷が少ないのです。
これまでは石油を原料としたものが主流でした。
石油系洗剤の方が安くて大量生産できるから人気だったのです。
また、多くの洗剤には「界面活性剤」などの化学物質が含まれています。
水と油を混ざりやすくする性質があるため、高い洗浄力を発揮するのが魅力です。
石油系洗剤や界面活性剤を含む洗剤はメリットが大きい一方で、排水後は非常に分解されにくい弱点があります。
その結果、河川や湖沼で汚染を引き起こす可能性があることが懸念されています。
現在では、持続可能な社会への実現が重視される時代の変化に伴い、植物由来の成分からできた洗剤が注目を集めるようになりました。
洗剤が環境へ与える影響
多くの家庭で、洗濯や食器洗いなどで洗剤を毎日使っているのではないでしょうか。
では、洗剤が環境へ与える影響とは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
以下に3つの問題についてまとめました。
水質汚染
1960年以降世界的に合成洗剤が普及すると同時に、川や海の汚染が指摘されるようになりました。
家庭や工場から排水された水に含まれた泡が川や湖に消えずに残り、水中の生態系へ悪い影響を与えたのです。
その原因は界面活性剤の一種で、合成洗剤に含まれるABS(分岐アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)という物質でした。
また、1970年代には海や湖の「富栄養化」も問題になりました。
この原因は界面活性剤の力を強めるために添加されたリン酸塩など。
これらには肥料成分があったため、プランクトンが増えすぎたのです。
1977年には、滋賀県の琵琶湖でも赤潮が発生し、深刻な問題になりました。
関連記事:水質汚染の原因や影響は?きれいな水を守るために家庭でできること
二酸化炭素排出量の増加
洗剤は、家庭から排出される化学物質の中では最も多いといわれています。
家庭からの生活排水が直接河川などへ排出されないよう、汚水を浄化することが欠かせません。
浄水場からの配水や下水処理では大量の電気や水を使用します。
稼働への負荷が多いほど、資源を消費し、二酸化炭素排出量の増加にもつながるのです。
洗剤の使用量を増やせば、洗浄効果が増すとは限りません。
洗剤による環境負荷を少しでも減らすためには、適正な使用量を守って、使うことが大切です。
関連記事:SDGsを学ぼう!目標 13「気候変動に具体的な対策を」について
パーム油の採取による環境破壊
洗剤の原料の一つである天然素材パーム油の採取によって、環境破壊を引き起こしています。
実は、植物油は必ずしも環境にやさしいとは限りません。
パーム油の確保のために熱帯雨林を伐採することで、豊かな自然が失われ、生息地を失った野生動物は命の危機にさらされたのです。
このような環境問題を受けて、最近では環境を守りながらパーム油を採取する動きが強まっています。
参照:環境省|洗剤と化学物質|
環境にやさしい洗剤の選び方
生活に欠かせない洗剤だからこそ、使用量や成分には注意する必要があることがわかりました。
けれども、環境にやさしい洗剤はどのように選べばいいのでしょうか。
洗剤選びで見るべきポイントは、
- 植物由来で作られている
- 環境に優しいマークの有無
です。それではそれぞれのポイントを詳しく解説します。
植物由来のものかどうか
植物由来の原料である洗剤を選ぶようにしましょう。
バーム油、天然精油、ヤシの実などの植物由来の成分がおすすめです。
裏面の成分表やパッケージに表記された「100%天然由来」「植物由来の洗剤」のものを買うといいでしょう。
環境にやさしいマークがあるか
植物由来でも本当に環境にやさしいのか不安になることもあるかもしれません。
その時は、マークに注目しましょう。
環境に配慮した商品は、認証マークが記載されていることが多いです。
エコマーク:生産から廃棄までの全体を通しての環境負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられる環境ラベル。
出典:エコマーク事務局
RSPO認証マーク:パーム油を使用する製品の製造・加工・流通過程(サプライチェーン)を対象に、RSPOが定める要求事項を満たしていることを認証したマーク。熱帯雨林を守りながらパーム油を採取していることを証明しています。
このようなマークの有無を確認しながら、商品を選ぶことも心がけましょう。
紙製やリサイクル素材のパッケージか
洗剤の容器が環境にやさしい素材かどうかも大切なポイントです。
例えば、以下のものがあげられます。
- 紙製
- 軽量化したパッケージ
- リサイクル素材で作られたもの
- 詰め替えが量り売りできるもの
このような素材は、使用後のゴミを減らしたり、リサイクルしたりすることができます。
使い切った後のことも想像しながら、選ぶようにしましょう。
手軽に買える!エコな食器洗剤3選
「環境に優しい食器洗剤はどんな商品か」を具体的に知りたい方も多いのではないでしょうか。続いては、手軽に買えるエコな食器洗剤を紹介します。商品選びの参考にしてください。
フロッシュ
環境先進国ドイツで生まれた「フロッシュ®」は、環境にも人にもやさしい洗剤です。
原料には再生可能な植物由来の洗浄成分を使用し、成長速度のはやいヒマワリや菜の花由来の界面活性剤も使用しています。
パッケージにもリサイクルPETを再利用し、マイクロプラスチックを減らす取組みにも力を入れています。
公式サイト:https://www.asahi-kasei.co.jp/saran/products/frosch/about/frog.html
ヤシノミ洗剤
ヤシの実由来の洗浄力が特徴なのが「ヤシノミ洗剤」です。
香料や着色料などは無添加のため、人へのやさしさも保証されています。
さらに、ヤシノミ洗剤の売上の1%はボルネオ環境保全活動へ寄付されます。
環境を守りながら家事を楽しめる洗剤といえるのではないでしょうか。
公式サイト:https://www.yashinomi.jp/
シャボン玉台所用せっけん
「シャボン玉台所用せっけん」は、合成界面活性剤、香料、着色料、酸化防止剤を使用していない無添加石けんです。
熟練の技術が必要な釜炊き製法にこだわって生産しているため、出来上がった石けんには天然の保湿成分が残っています。
そのため、手肌を守ることにもできます。
おすすめ!エコな洗濯洗剤8選
次は、環境にやさしい洗濯洗剤を紹介します。
洗浄力もしっかりある、おすすめのものを厳選しました。
エコストア
自然豊かなニュージーランドで生まれたエコストアは、RSPO認証を受けたサステナブルなパーム油を使用しています。
無駄なパッケージをできる限りなくすことを目指し、再生可能なパッケージを使用しています。
特に、プラスチックボトルには、再生かつリサイクル可能なシュガープラスチックと、リサイクルプラスチックの混合素材が原料になっているのです。
さらに、店舗によっては、詰め替えの量り売りを実施している場合もあります。
使い終わった後に、ゴミがゼロなのは魅力ではないでしょうか。
自然由来の原料だけではなく、製造工程や容器の素材、毎日の使い心地やデザインにまでこだわった商品を販売しています。
公式サイト:https://ecostore.jp/
Ecover(エコベール)
「エコベール」の洗剤は、植物由来の成分を使うこと、リン酸塩や汚染物を河川へ流さないことにこだわっています。
中でも「ゼロシリーズ」は、無香料かつ無着色のため、敏感肌の方にもおすすめです。
ボトルには、再生可能なプラスチックが使用されているため、プラスチックによる環境負荷を軽減できます
公式サイト:https://www.ecover.co.jp/
HAPPI EARTH
ハッピーは100%オーガニックの製品です。
植物由来の成分である「濃縮ヒマラヤ産ソープナッツ」を配合していて、地球環境にも配慮しています。
さらに、有機ソープベリーナッツ、有機大豆グリセリン、有機ココナッツビネガー、有機ユーカリオイル、有機オレンジオイルなど天然オーガニック成分で、敏感肌を守ってくれるのです。
パッケージはクラフトペーパーを使用しているため、プラスチックの使用を最低限に抑えられます。
また、1袋で洗濯約400回分のため、大変お得で家計にも優しいといえるでしょう。
公式サイト:https://happi.co.jp/
ZumClean(ズムクリーン)
「ZumClean」は、100%植物由来の洗濯洗剤で、合成化学物質を含みません。
自然なエッセンシャルオイルで生産されているため、アロマ効果も期待できます。
動物実験を行わない代わりに、従業員の衣類でテストするなど、サステナブルな製法にもこだわっている点も環境にやさしいといえるのではないでしょうか。
公式サイト:https://www.indigowild.com/collections/laundry-soap
AllthingsinNature(オールシングスインネイチャー)
「AllthingsinNature」は、100%植物由来の洗浄成分です。
合成香料、蛍光剤、防腐剤も使用していません。
一本で洗濯100回分で、少量の洗剤でしっかり汚れを落としてくれます。
最低限の洗剤で済むことは、海の豊かさを守ることにもつながるといえるでしょう。
こちらの商品は、パタゴニアの全国22店舗で購入できます。
さらに、18店舗で量り売りも実施しています。
ゴミ削減とともに、欲しい分だけ購入できるのが最大のメリットです。
公式サイト:https://shop.slow-village.jp/all/
アラウ
「アラウ.洗たく用せっけん」は、ヤシノミ洗剤を販売するサラヤが手がけた商品です。
無添加で100%植物性洗浄成分が配合されているため、排水後は微生物に分解され、自然へと還ります。
柔軟剤なしでもなめらかでふっくらした仕上がりになるのが魅力です。
ヤシから生まれたせっけん成分でしっかり汚れを落とすため、安心して毎日使えます。
公式サイト:https://shop.saraya.com/smile/item/30863/
ファーファアイランド 超コンパクト洗剤
ファーファの「アイランド超コンパクト洗剤」は、紙製の容器を使用しています。
プラスチックを74%削減に成功しました。
さらに、香料、漂白剤、着色剤不使用で、肌にも優しい中性洗剤です。
プラスチック削減で、海洋生物を守ることができるといえるでしょう。
公式サイト:https://www.fafa-online.jp/shopdetail/000000000942/
Nellie’s ランドリーソーダ
ネリーズのランドリーソーダは、カナダのエコ洗剤として知られています。
ココナッツオイル由来の粉末洗濯用洗剤です。
レトロでおしゃれなデザインの缶が人気ですが、使用後はリサイクルできる原料のため、環境にやさしいパッケージといえます。
一缶あたり、100回分の洗濯ができるのでコスパがいい商品です。
公式サイト:https://jp.iherb.com/pr/nellie-s-laundry-soda-100-loads-3-3-lbs-1-5-kg/38185
環境にやさしい洗剤でSDGsへの貢献を!
快適な生活に欠かせない洗剤ですが、使い方を間違えると環境へ悪影響をもたらします。
これからは洗剤による環境破壊をなくすために、環境にやさしい洗剤の使用が欠かせません。
最近は、「植物由来のもの」「認証マークがついたもの」「売上の一部が環境保全に寄付されるもの」「エコなパッケージ製品」など、さまざまな環境にやさしい洗剤が販売されています。
毎日使うものだからこそ、どれを使うべきか真剣に選ぶことが大切なのでしょうか。
今回のポイントを参考にしながら、一緒にSDGsへ貢献してみませんか?
『GREEN NOTE(グリーンノート)』は環境・社会課題をわかりやすく伝え、もっと身近に、そしてアクションに繋げていくメディアです。SDGs・サステナブル・ESG・エシカルなどについての情報や私たちにできるアクションを発信していきます!