引越しや大掃除に知って得する!SDGsな捨て方
使わなくなったアイテムの捨て方にお困りではありませんか。
引越しや子どもの成長とともに、不用品は増えてしまいます。
しかし、ただ捨てるのではなく、SDGsに貢献する手放し方を知ることも大切です。
今回は、引越しや大掃除の際に役立つ、不用品の捨て方やSDGsへの貢献方法を解説します。
また、リユースや寄付に取り組む企業事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
捨て方を工夫してSDGsに貢献しよう
これまでの経済社会では、大量生産・大量消費・大量廃棄が主流でした。
先進国を中心に経済的に大きく発展した一方、環境問題は深刻化しています。
まず、捨て方とSDGsのどの目標が関係しているかみていきましょう。
- 「12.つくる責任つかう責任」
環境省によると、令和3年度の日本におけるごみの総排出量は4,095万トンでした。
国民1人当たりの平均は、1日に890グラムのごみを捨てているということです。
廃棄物を焼却することで大量の資源が消費され、さらに焼却後には地球温暖化の原因である二酸化炭素が排出されます。
SDGsの目標「12.つくる責任つかう責任」では、「12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。」という内容が明記されています。
事業者も消費者も、ごみを減らす捨て方が求められているといえるでしょう。
- 「14.海の豊かさを守ろう」
ごみの中でも、特にプラスチックごみが問題視されています。
世界規模でみると、1950年以降、約63億トンのプラスチックが廃棄物として処理されてきました。
このペースが続けば、2050年には海中には魚よりもプラスチックの量が多くなると懸念されています。
SDGsの目標「14.海の豊かさを守ろう」では、「14.1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。」と述べられています。
プラスチックごみの削減は、SDGsの目標達成には欠かせません。
国内でも、年間約9,400千トンのプラスチックごみが排出されています。
プラスチックの処分方法も、環境への配慮が必要です。
持続可能な社会を実現するためには、不用品を捨てる前に、他の手段がないかを模索することが重要です。
国内外のごみの現状について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
関連記事:【SDGs】ゴミ問題の現状は?解決に向けて実践したい6つのこと
参考:外務省|12.つくる責任つかう責任
参考:外務省|14.海の豊かさを守ろう
参考:環境省|プラスチックを取り巻く国内外の状況
参考:消費者庁| 令和2年版消費者白書
3つのSDGsな捨て方
SDGsに貢献する捨て方のコツは、捨てずに手放すことです。
以下に、その方法を3つまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
リサイクル
リサイクルとは、再生利用することを意味します。
例えば、プラスチックの場合、回収された容器包装を原料に加工したのち、新しい再生トレイやごみ袋、洋服や植木鉢などに再形成されます。
このように、ごみではなく資源として再利用することで、ごみの削減に効果的です。
リユース
リユースとは、再利用のことを指します。おさがりやフリマなどがその例です。
不用品を他者が引き取って再利用するため、新たな資源が必要ありません。
そのため、リユースはリサイクルよりも環境負荷が小さいと言われています。
2020年のリユース市場規模は 2 兆4,169億円であり、ここ数年で大きく増加しました。
今後も成長が見込まれ、2025年には3兆 5,000億円を超えるとの見通しもあります。
寄付
不用品を寄付することも可能です。
最近では、洋服や食品、日用品、学用品などの寄付を呼びかけている団体が増えています。
寄付されたものは、国内外で必要としている方へ届けたり、リサイクルしたりして循環しています。
ごみ削減に貢献する!企業事例5選
消費者が捨て方を工夫するためには、企業のサポートが欠かせません。
不用品のリサイクル・リユース・寄付に取り組む企業の事例をまとめました。
H&M
H&Mでは、2013年から世界最大級の古着回収サービスを導入しました。
世界中の店舗にボックスが設置され、ブランドや状態を問わず、不要な衣類や布地を回収しています。
回収されたまだ着用できる衣類は古着として販売され、着用できないものはリメイクや清掃用品などにアップサイクルされています。
その他、細かく切り刻まれ、断熱材などにリサイクルされるとのことです。
エコリング
エコリングでは、日用品からブランドものまでの買取りを実施しています。
他店では買い取ってもらえないようなボロボロな品物も取り扱っているのが特徴です。
リユース事業を通して、大量生産・大量消費を抑制しながら、循環型社会に貢献することを目指しています。
ジモティー
ジモティーでは、地域密着型のリユース事業を展開しています。
一般的に取引が難しいとされる古い家具や家電・自転車・中古車でも、地域内での取引を通じて、リユースを成功させました。
捨てる以外の選択肢が増えることで、不法投棄の防止にも期待できます。
古着deワクチン
古着deワクチンは、衣類や服飾雑貨、着物のリユースを通して、世界の子どもへのポリオワクチン寄付や雇用創出などを支援するプログラムです。
引越しや子どもの成長に伴って生まれる不用品を手放すだけで、医療支援や経済的な支援に貢献できます。
古着deワクチンを利用する場合は、まず3,300円の専用回収キットを購入します。
あとは届いたキットに寄付したい衣料品を詰めて、集荷日時を予約するだけです。
これまでに50,707,400着分を回収し、6,432,348人分のポリオワクチンが寄付されました。
誰かの役に立つと思えば、手放す勇気も生まれるのではないでしょうか。
参考:古着deワクチン
木更津コンセプトストア
木更津アウトレットに隣接した木更津コンセプトストアでは、最新テクノロジーを駆使して洋服を土へ還す取り組みを支援しています。
古着から生まれた肥料は、京野菜の栽培に活用されているそうです。
来場者は誰でも古着寄付に参加でき、不要衣類の回収1キログラムごとに250円相当のクーポン券が発券されます。
店内にあるサステナブルなアイテムの購入に使えるのが魅力です。
参考:木更津アウトレット
参考:PR TIMES「2023年6月8日(木)KISARAZU CONCPET STOREに「CIRCULAR FARM Lab.」をオープン」
やむを得ず捨てる場合の方法
不用品を手放す方法をいくつか紹介しました。
しかし、当然ものを捨てざるを得ない場合もあります。
特に、マットレスやソファなどの大物家具は捨て方に迷う方も多いのではないでしょうか。捨て方のポイントを紹介します。
分別ルールに従って処分する
「CDの捨て方がわからない」「アイロンは粗大ごみになるのか」など、不用品の捨て方に悩むことはよくあります。
迷ったときは、必ず自治体ごとのルールを調べましょう。
ここ数年、分別の検索も改善されてきました。
例えば、福岡市では公式ラインアカウントで分別が検索できます。
また、松戸市や名古屋市、京都市など214の自治体では、ごみの分別を検索できる「さんあ~る」というアプリを導入しています。
最新の検索方法を活用してみてください。
参考:福岡市|福岡市LINE公式アカウントでごみの分別検索ができます!
参考:さんあ〜る
粗大ごみとして廃棄する
マットレスやソファ、机などは、粗大ごみとして捨てる必要があります。
それぞれの自治体のルールに従って、手続きを進めましょう。
最近では、LINEで申し込みをしたり、PayPayで支払いができたりなど、以前よりも粗大ごみ収集サービスを利用しやすくなっています。
「粗大ごみ (捨てたい品物)(自治体名)」と検索して、詳細を調べてみてください。
参考:PayPay
引越し業者や購入先で不用品回収サービスを利用する
引越しをしたり、アイテムを新調したりする場合、事業者が不用品を回収してくれる場合があります。
有料である場合が多いですが、粗大ごみより手間がかからないのがメリットです。
自力でマットレスやベッドを外へ出すのが難しい方に特におすすめです。
未来が明るくなる捨て方を意識しよう
不用品の捨て方を少し工夫するだけで、環境や社会へ貢献できます。
循環型社会の構築には、一人ひとりの協力が欠かせません。
地球上の資源には限りがあるからこそ、不用品を捨てずに循環させることが大切です。
最近では、リサイクル・リユース・寄付を活用した事業も増えています。
捨て方に迷ったときこそ、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
不用品を賢く手放すことで、地球と社会に貢献できます。
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