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SDGsとMDGsの違いとは?2つの目標の関係や背景を比較

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SDGsへの関心が高まる中、似たような目標としてMDGsを目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。

この記事では、SDGsとMDGsの違いを分かりやすく解説します。

さらに、2つを比較しながら、それぞれの関係や背景も紹介していきます。

SDGsとMDGsの違いとは?

SDGsとMDGsの違いは、国連で最初に掲げられた目標が「MDGs(ミレニアム開発目標)」、その後継者としてできたのが「SDGs(持続可能な開発目標)」です。

「よりよい未来を築くことを目指している」「世界共通で達成すべき目標」という点は同じですが、設定された時期と内容が違っています。

時代とともに、MDGsからSDGsへとバトンが渡されました。

では、それぞれの目標の内容を、詳しくみていきましょう。

MDGsとは?

MDGs(ミレニアム開発目標)は、発展途上国の開発を目指した目標です。

2000年9月に「国連ミレニアム・サミット」で採択された国連ミレニアム宣言をもとにまとめられました。

2015年までに国際社会が一丸となって達成すべき目標として掲げられたのが、MDGsです。

MDGsの8目標

MDGsには、8つの目標があります。

  1. 極度の貧困と飢餓の撲滅
  2. 普遍的初等教育の達成
  3. ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
  4. 乳幼児死亡率の削減
  5. 妊産婦の健康の改善
  6. HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止
  7. 環境の持続可能性の確保
  8. 開発のためのグローバル・パートナーシップの推進

引用元:「MDGsの8つの目標」(国連広報センター)より

MDGsの成果

世界全体で目標や行動を見える化し、15年間取り組んだ結果、多くの成果が得られました。

特に大きな成果があった5つを紹介します。

①栄養不良の人の割合が半減

アジアやアフリカなどの開発途上地域における栄養不良の人々の割合は、1990年から、ほぼ半分に減少しました。

これは、目標「1.極度の貧困と飢餓の撲滅」での成果です。

さらに、10億人以上の人々が極度の飢餓から救われたとも言われています。

②初等教育の充実

初等教育を受ける年齢にもかかわらず学校に通っていない子どもの数は、2000年時点で1億人でした。

けれども、2015年には5700万人までに減少しました。

4000万人以上の子どもが、学校に行って教育を受けられるようになりました。

これは、目標「2.普遍的初等教育の達成」に該当します。

③妊産婦の健康状態が改善され始めた

妊産婦の死亡率は45%減少しました。

目標「5.妊産婦の健康の改善」の取り組みを通して、多くの妊産婦と赤ちゃんの命が救われたといえます。

さらに、医療従事者の立ち会いのもとでの出産も、15年間で大きく増加しました。

④結核から約3700万人の命が救われた

2000年から2013年の間に、「結核の予防」「診断」「治療」によって、約3,700万人の命が救われました。

「救えるはずの命を失いたくない」という思いが、目標「6.HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止」の貢献につながりました。

⑤インターネットの普及率アップ

インターネットの普及率も大幅にアップしました。

2000年に世界人口の6%だった普及率が2015年には43%まで増加。

約32億人がグローバル・ネットワークにアクセスできるようになったといえます。

これは、目標「8.開発のためのグローバル・パートナーシップの推進」の成果で、多くの人の生活をより便利にしました。

では、MDGsの後継として掲げられたSDGsとは、どのような目標なのでしょうか。

参照「国連ミレニアム開発目標報告2015」(国連広報センター)より

SDGsとは?

SDGsとは、持続可能な開発目標です。

2015年9月の国連サミットにて採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で掲げられています。

2030年までに、持続可能でよりよい未来を目指しています。

MDGsと大きな違いは、対象国です。

MDGsは開発途上国の問題解決がメインでした。

しかし、SDGsの場合は、開発途上国だけではなく先進国も含まれています。

対象を地球上にいる人全員と定めたSDGsは、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

そして、SDGsは、17つの目標から構成されています。

SDGsの目標 MDGsの目標
貧困をなくそう 1.極度の貧困と飢餓の撲滅

 

飢餓をゼロに
すべての人に健康と福祉を 4.乳幼児死亡率の削減

5.妊産婦の健康の改善

6.HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止

質の高い教育をみんなに 2.普遍的初等教育の達成
ジェンダー平等をなくそう 3.ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
安全な水とトイレを世界中に 7.環境の持続可能性の確保
エネルギーをみんなにそしてクリーンに ※SDGsで新たに追加
働きがいも経済成長も
産業と技術革新の基盤をつくろう
10 人や国の不平等をなくそう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
15 陸の豊かさを守ろう
16 平和と公正をすべての人に
17 パートナーシップで目標を達成しよう 8.開発のためのグローバル・パートナーシップの推進

引用元:「SDGs17の目標」(ユニセフ)より

このように、MDGsより目標の内容が増えていることが分かります。

関連記事:SDGsとは何かわかりやすく解説!3つの取り組み事例を紹介

どうしてSDGsができたの?

先ほど解説したように、MDGsには成果が多くありました。

しかし、MDGsの中でさらに解決すべき課題がたくさん見つかったことでSDGsが採択されました。

このように、国や地域、性別などの格差が明らかになり、「世界から取り残された人」の存在が浮かび上がりました。

MDGsとSDGsを徹底比較、何が変わったのか?

それぞれの特徴を知ることで、MDGsとSDGsの違いをイメージできるようになったのではないでしょうか。

では、MDGsからSDGsへ移行したことで、何が変わったのでしょうか。

今回は、違いを明確にするために、徹底比較しました。

特徴比較表

MDGs SDGs
名称 ミレニアム開発目標 持続可能な開発目標
期間 2001年から2015年 2016年から2030年
達成期限 15年間 15年間
対象 開発途上国 開発途上国と先進国
目標の数 8個 17個
特徴 開発途上国の

持続可能な開発を重視

「社会」「環境」「経済」

3つともの

持続可能な発展を重視

移行して変わった3大ポイント

移行後に変わったことを3つのポイントを紹介します。

①「誰一人取り残さない」という意識が高まった。

世界全体の「誰一人取り残さない」という意識が一気に高まりました。

この背景には、MDGsを実施したことで「世界に取り残された人が多くいる」ことが明らかになった現状があります。

SDGsでは先進国も対象に追加されたことで、全体的に「誰一人取り残さない」という意識が高まりました。

つまり、SDGsの方が、より自分ごととして考えられる目標といえます。

②個人や企業単位で取り組みやすくなった

個人や企業もSDGsに取り組みやすくなりました。

なぜなら、SDGsの方がより具体的に目標や行動が示されるようになったからです。

さらに目標に、先進国も身近に感じられる内容のものが追加されました。

例えば、節電、プラスチック容器、食品ロス、地方創生などの社会問題も解決すべき課題として示されています。

このような背景があったことで、新事業や商品開発などにSDGsを取り入れる企業が増えました。

③環境を守る内容が強化された

環境保護や気候問題の対策に関する内容が増えました。

開発途上国の開発を重視していたMDGsでは、開発と環境を一緒に考えることはしていませんでした。

経済成長のために食料や洋服などが大量生産・大量消費した結果、それが自然環境への大きな負担となり、環境問題が深刻化してしまったのです。

将来も豊かな暮らしを続けるためには、環境を守りながら、経済成長をする必要があります。

そのため、SDGsでは、環境を守り続けること、気候問題を対策することを重視するようになりました。

自分たちにできること

個人としても取り組みやすくなったのが、SDGsの特徴のひとつです。

けれども「個人として何をしたらいいのか?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

SDGの達成に向けて、一番大切なことは、まずSDGsがどんな目標であるかについて理解することです。

この記事を読んでSDGsの理解を深めたことも価値のある行動です。

「誰一人取り残さない」という理念を聞いて、SDGsの意識が少し変わった方もいるのではないでしょうか。

SDGsの達成を人任せにせず、「自分もできることを始めよう」という気持ちを持つことが何よりも大切です。

まとめ

MDGs、SDGsどちらの目標も国際社会が一丸となって達成すべき目標であることは同じでしたが、それぞれの時期や内容が違っていました。

MDGsの成果や課題を見ることで、SDGsの特徴や必要性が前より明確になったという方も多いのではないでしょうか。

「誰一人取り残さない」という理念があるSDGsの達成で欠かせないことは、一人ひとりの行動です。

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