日々のSDGs意識をUPするためにもエコバッグを取り入れよう|エシカルライフ
2020年7月1日から日本においてもレジ袋の有料化が始まりました。
それから2年が経ちましたが、あなたの生活に何か変化はありましたか?「レジ袋有料化」は定着しましたが、もう一度SDGs目標とどのような関係があるのかをおさらいしてみましょう。
さらには、SDGs観点からより良いとされるエコバッグの選び方についてもご紹介します。
小さな一歩に見えるかもしれないけれど、一人でも多くの人が実践することで、大きなインパクトに繋がります。
エコバッグを持ち歩くのはSDGsに貢献できるの?
2020年の夏にレジ袋が優良になってからというもの、「カバンの中にエコバックを入れているのは当たり前になった」という方も多いのではないでしょうか。
有料化当初はあちこちで話題になりましたが、少し時間が経ちましたので、エコ袋を持ち歩くこととSDGsの関連を再確認してみましょう。
SDGs目標14番「海の豊かさを守ろう」
日本ではもらい放題となっていたプラスチック製のレジ袋。
プラスチックのごみが増えるということは、SDGs目標14番に掲げられている「海の豊かさを守ろう」と関連しています。
とはいえ、突然言われても「プラスチック」と「海」の繋がりがいまいちよく分からない…という方もいるのではないでしょうか。
でも、残念なことに密接に繋がっている現状があります。
海や川に流れつくプラスチックごみの軽減
きれいな海の景色を楽しみに行ったのに、防波堤の近くにはプラスチックのボトルやごみがぷかぷかと浮かんでいる…という残念な光景を目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
プラスチックは適切な処理をしてリサイクルや再加工をされない限り、ごみとして地球上に残ってしまいます。
また、水に溶けない性質を持っているので、放置されたごみが川や海に流れつくという問題に繋がっています。
行く当てもなく、ただぷかぷかと海に浮かんでいたり、海の底に漂っているプラスチックの量は、実は1億5,000万トンにも及ぶというのだから驚きです。
これに毎年少なくとも800万トンが追加されているとあり、なんと2050年には「海の中のプラスチックごみのほうが、魚の量が上回る」という恐ろしい推測まで出ています。
さらに、ぷかぷかと浮かんでいるプラスチックのごみを、海の生き物が間違って食べてしまうというトラブルも定期的に報告されます。
体内に大量のごみを取り込んで呼吸困難に陥ったり、最悪のケースは窒息死に繋がることもあります。
人間がごみを放置したが故に、海の動物が不要な死を迎えるという残念な状況です。
参考:海洋プラスチック問題について
マイクロプラスチック被害の低減
海に浮かんでいるのは、目に見えるサイズのプラスチックだけではありません。
プラスチックを使うことで、その素材である小粒のマイクロプラスチックと呼ばれるツブツブが下水などに流れ着きます。
それがまた、川や海に流れることで、実は海の中には大量の小さなプラスチックが浮遊しています。
5㎜以下のものをマイクロプラスチックと呼び、場合によっては人間には見えないほど小さな粒子。
それを魚などがプランクトンや餌と勘違いして、食べてしまうという被害が発生しています。
実際魚のおなかを開けてみると、大量のプラスチックが入っているそうです。
さらに怖いのが、そんなプラスチック入りの魚を、今度は人間が食品として食べているという事態。
つまり、魚を食べることで、私たち自身も体の中にもマイクロプラスチックを貯めこんでいるというのです。
エコバッグは市民の生活になじんだのか?
レジ袋の有料化が導入されて2年以上が経ちました。
ご自身の生活を振り返った時に、どれだけエコバッグの持ち歩きが定着しましたか?
1週間レジ袋を使わないチャレンジを実施
レジ袋の有料化にともなって、環境省は「レジ袋チャレンジ」というキャンペーンを実施しました。
2020年の11月を対象として「1週間、レジ袋をつかわない人を6割にする」ということを目標に、イベント化してエコバッグの持ち歩きを推奨しました。
たった一週間ではありますが、最終的には71.9%の人がレジ袋を使わない一週間を過ごしたと報告し、目標の60%を大幅に超える数値をたたき出しています。
レジ袋有料化の直後ということもあり、人々の意識が高い時期だったということもあるかもしれませんが、意識を変えるだけで7割の人が「レジ袋無し週間」を過ごせるというのは、新しい発見です。
参考:レジ袋チャレンジについて
日常の家事とエコ意識調査からも意識変化あり
2022年5月に株式会社クロス・マーケティングが小学生の子どもを持つママ向けに実施した調査からも、人々のエコ意識は高まっているという結果が取れています。
政府や企業の取り組みも着々と進んでいることもあり、関心が高まったキッカケの7割が「SDGなど環境に関するニュースをネットやテレビで聞くことが増えたから」と答えています。
その中でも興味深いのが、今後取り組んでいきたいことの1位がダントツで「エコバッグを使う」(82.5%)という点。
SDGsなどと聞くと実際のところ何をしたらいいかわからない…という方も多い中で、
エコバッグは身近なアクションとして普及していると言えるでしょう。
エコバッグを持ち歩くことによるSDGs意識UPとは
エコバッグという日常の中でほとんど毎日使うアイテムがカバンの中の一員になりました。
これによって、レジ袋の消費量を減らすことができているという点もありますが、実はそれ以上のメリットを実感している方も多いのではないでしょうか。
エコバッグはあくまでも小さなアクションにすぎない
「レジ袋を有料化したところで、レジ袋以外のビニール袋はまだまだあるじゃないか」という話題が、有料化当初には騒がれていました。
確かに、レジ袋というのは日本国内で使われているビニール袋の数%に過ぎません。
よって、どれだけ有料化を進めて、使用率を下げたところで、小さな一歩にしか過ぎないかもしれません。
それでも有料化を進めたことの大きなポイントは「みんなに関係するごみを減らす」という点と言えるでしょう。
産業や工業系プラスチックを減らす方が、総量は減るかもしれないけれど、それでは企業頼みになってしまい、多くの人のアクションにはつながりません。
日本に暮らすほとんどの人が関係しているということで、レジ袋の有料化は「小さなことかもしれないけど、でも地球に良いことをやっている」という意識を、 全国民に感じさせてくれることとなっています。
プラごみの量にも気づかされる
レジ袋以外のプラスチックごみにも目が行くようになったという方は多いのではないでしょうか。
お昼ごはんをコンビニに買いに行ったというシーンを想定してみてください。
- レジ袋は受け取らないようにエコバッグを持参した
- でも、お弁当の容器はプラスチックのゴミになることに気付く
- さらに、割りばしの入った袋もプラスチック袋であると気づく
- おまけのデザートもしっかりとしたプラ容器に入っていると気づく など
何気なくお弁当とデザートを手にするランチタイムでさえも、これだけ気付けることが増えました。
せっかくエコバッグを持ってきて「ちょっと良いこと」をしているのだから、どうせ使わないスプーンは受け取らないようにする、極力簡易包装のデザートを選ぶなどの、プチアクションに繋がります。
プラスチックのリサイクル意識も高まる
エコバッグを持ち歩くようになったことで、毎日どれだけごみを出しているのかに意識が行くようになった方もいるでしょう。
何気なくゴミ箱に捨てていたプラごみを、コンビニのリサイクルゴミ箱まで入れに行ったり、地域のリサイクルの日に捨てるようにしたり…と方法は色々ですが、 ただ捨てていたものに見直しをかけている人は増えています。
食べ残しや食品ロスにも意識がいくように
エコバッグやレジ袋の有料化とは直接関係しているワケではありませんが、エコバッグを持ち歩くようになり、日常のエコ意識が高まったり、お弁当の容器などをリサイクルする意識が 高まったことで、食べ残しにも目が行くようになったという人も多いです。
今までは「プラスチック容器&食べ残し」をまとめてゴミとして捨てていた人も、リサイクル意識が高まることで「どれだけ自分が食べ残しているのか」に目が行くようになります。
それを受けて、自分が本当に食べられるだけの食材を買ったり、食べられる量のお弁当を買うようになったりと意識が変わります。
エコバッグを持ち歩くという何気ないアクションから、日常生活での「SDGs意識」が高まるというのは、多くの人が実感している点と言えるでしょう。
よりSDGsに貢献できるエコバッグとは?
エコバッグを持ち歩くようになり、より地球環境に優しいアクションをとりたいと感じている方は、毎日持ち歩くエコバッグを見直してみるのはいかがでしょうか。
すべてのエコバッグが「エコ」ではない!?
使い捨てのレジ袋を毎回使うよりは、繰り返し使えるエコバッグを活用する方が「エコ度」は高いといえます。
ただし、ある研究によると100回以上使わないと、環境負荷レベルでは元が取れないのだとか。
だからこそ、エコバッグを選ぶ際は「素材」にこだわって、より「エコ意識」が高いものを、そしてずっと愛用できるものを選びましょう。
リサイクルコットンのエコバッグ
コットンの中でも「リサイクルコットン」と呼ばれるものからできたエコバックがあります。
コットン製品を作る過程で廃材として出てしまう生地を集めて、再度糸として作られたコットンのことを指します。
本来ならば捨ててしまっていた端切れなどを、再度コットンとして作り直したものだからこそ、すでにリサイクルアイテムと呼ぶことができ、環境に優しい素材として注目されています。
リサイクルポリエステルのエコバッグ
コンビニやスーパーの入り口で回収されていることの多いペットボトルや容器などを再利用することで生まれるリサイクルポリエステル。
本来ならばゴミとなっていたプラスチックを加工して、布状にすることでエコバッグに生まれ変わらせています。
ごみを減らしながら、より良いものに変化させていくというアップサイクルの概念が詰まったエコ意識の高いエコバッグとして注目されています。
ジュート素材のエコバッグ
夏場に活躍する籠バッグなどに活用されることの多いジュート。
植物から作られる繊維は、自然由来とあって、使い終わって破棄する際には土に還るという性質を持っています。
薄くて折りたためるコットンやポリエステルのエコバッグと比べると少しかさばる感は否めませんが、持っているとエコ意識が高まること間違いなしです。
またしっかりとした素材なので、重いお買い物はもちろん、簡易包装のギフトを入れて人に渡すという時にも大活躍します。
エコバッグをカバンに入れることがSDGs意識を高めるキッカケに
「エコバッグ」という言葉が、日常の一部になり、かばんの中の一員になってから2年以上が経ちました。
いろいろと言われながら始まったレジ袋の有料化ですが、いざ始まってみるとあっという間に定着したなと感じます。
プラスチックのゴミを減らす努力をすることは、SDGs14番でも掲げられている豊かな海を守ることに繋がります。
日常生活であまり海とかかわりがないという方でも、ペットボトルやプラスチック容器と無縁という方はいないはず。
多くの人に関係するプラごみ問題だからこそ、小さな意識改革を進めて、一人でも多くの人がプラスチック削減に向けたアクションをとることが求められています。
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