地方創生

【取材】白鳩会の「障がいのある方の自立を目指す」SDGsな取り組みについて

障がい者向けの入所施設や通所施設といった福祉施設を運営している「社会福祉法人 白鳩会」。

障がいのある方が自分らしく、そして自立して生きていくことができるよう、地域と連携しています。

今回は、社会福祉法人 白鳩会理事長の中村隆一郎さんにSDGsの取り組みについてお話を伺いました。

↑GREEN NOTEアンバサダーの難波遥さんと中村さんご夫婦

障がいのある方の自立と地域課題解決を目指す「白鳩会」

社会福祉法人 白鳩会が運営する花の木農場は、障がいのある方とスタッフが力を合わせて、農園で育てた野菜や豚を育て、加工、販売しています。

農園の広さは、東京ドーム5個分がすっぽり入る広さで、販売されている商品は、すべて手間ひまかけて作っているため、手作りのあたたかみが感じられます。


↑実際に販売している「薬膳養正 緑茶」をお土産にいただきました!ありがとうございます!

花の木農場公式サイト:https://hananokifarm.jp/

SDGsの取り組みについて

GREEN NOTE編集部:白鳩会では具体的にどんな取り組みをされていますか?

中村さん障がいのある方へ、どんな形でもここにいていいんだよ、という安心できる「居場所」と、それぞれの持ち味を発揮できる「役割」を用意してあげる取り組みをしています。

自分達の農園で育てたハーブや豚を使い、障がい者の方に作業をお願いし、商品化しています。

また、自分ところの農園以外だと、

  • 耕作放棄地の手入れ
  • 農家さんの収穫のお手伝い
  • 伐採した後に植林

など、人手が足りないところに、作業できる人を派遣しています。

農作業だけでなく、周辺には林業の会社も多いので、植林する作業もお手伝いしています。

必ずしも難易度の高い重労働ではなく、第一次産業の方々からの依頼が増えてきた印象です。

自分たちの周りだけでなく、農家や林業が良い例で、見渡してみると周りに連携できるパートナーシップがあるなと思っています。

このような農福連携の課題を共有する取り組みとして、地域プラットフォームの機能をもった「大隅半島ノウフクコンソーシアム」を設立し、活動しています。

※大隅半島ノウフクコンソーシアムとは、農福連携の課題を共有する取り組みとして、農業のもつ多様な人材を生かす福祉力が発揮できるよう、農福連携を実践している団体を結びつける地域プラットフォーム

GREEN NOTE編集部:人にはそれぞれ得意・不得意があると思いますが、障がいのある方へどのようにお仕事の役割を割り振っているのですか?

中村さん:人間関係や、工程が難しすぎてできないなどのことがあった場合は、別の作業場に移動してもらって、また新しい作業してもらっています。

いろんな作業経験してもらい、一番得意なもの見つけてもらえるようスタッフも気を配っています。

作業の様子を見学させていただきました!

取材当日は、障がいのある方たちが作業をされているとのことで、様子を見学させていただきました。

↑農園で育てたローズマリーを使える部分と使えない部分に分ける作業中。

和気あいあいと、丁寧に作業されていて、アットホームな雰囲気でした!

取り組みのきっかけは?

GREEN NOTE編集部:この取り組みのきっかけはなんですか?

中村さん:きっかけは、障がいのある方の生きづらさ地域の人口減少です。

障がい者、高齢者だけじゃなく、発達障害とか、以前は障がいと認識されなかった分野の人たちの生きづらさが存在することが大きな社会課題だと感じています。

一般社会で障がいのある方が自立して生きてゆくことはかんたんなことではありません。

また、地域の人口減少も課題になっています。

どんなに少子高齢化が進んでも生まれてくる子供はゼロになるわけではないですが、次世代の子供たちが働く年齢になってくると都会へ出て行ってしまいます。

福祉は、常に人材を必要とする事業なので、どう人材を確保するかが重要です。

大事にしたいのは地元で生まれてくる子どもたちが我々の職場や周辺の人手を必要とする産業のことを成長段階でちゃんと脳裏に焼きついていることだと思います。

現在は県外からの採用が中心ですが、子供の頃の思い出を振り返って大人になったときに、そういえば地元でそんな活動している大人がいたな、仕事があったな、と思い出してもらい、大きくなったらここで働いてきたいと思ってもらえるようにしたいと考えています。

取り組むにあたってどんなことをした?その影響、大変だったことは?

GREEN NOTE編集部:取り組むにあたってどんなことをしましたか?

中村さん:現在進行形でもありますが、自分の考え方のターニングポイントを、自分の言葉で職員に伝えることを始めました。

GREEN NOTE編集部:どんな影響がありましたか?

中村さん:今のところ変化は出ていませんが、社員たちから少しずつ共感は出てきたように感じます。

GREEN NOTE編集部:取り組みにあたって、大変だったことはなんですか?

中村さん:現在進行形ですが、既成概念を抜け出し、新しい目標に向かうモチベーションをスタッフと共有することです。

今後の目標

GREEN NOTE編集部:今後の目標を教えてください。

中村さん:スタートは障がい者の社会福祉法人でしたが、だんだんと活動を凝縮していくところ、または広げていくことによって、持続性や多様性を身につけていきたいなというところがこれからの方向性と目標です。

大隅半島ノウフクコンソーシアムの活動のおかげで、つながりが増えてきました。

まずはそこで集まってみて、いろいろ情報やノウハウを共有したり、人材を共有したり、あらゆるマッチングが生まれるのではないかと言う仮説のもと活動しています。

福祉と農業を課題解決のツールとするのではなく、人々の共感を呼ぶ緩衝地帯のようなものにしていきたいと思っています。

編集後記

今回は、白鳩会さんの障がいのある方へ「居場所と役割」を用意する素敵な取り組みについて取材してきました。

みなさん楽しそうに作業されていることが何より大事なことだと実感しました。

また、今回取材にご協力いただいた中村さんは大隅半島ノウフクコンソーシアムの理事長もされています。

地域との連携で、多方面で持続可能なモデルを作り上げようとしている中村さんの行動力に、暖かさとエネルギーを感じました!

取材にご協力いただきありがとうございました!

他にも鹿児島大隅半島の下記企業の取り組みを取材しました。

【取材】南州農場のSDGsな取り組み「南州エコプロジェクト」について

【取材】株式会社オキスの農福連携を活かしたSDGsの取り組みについて

【取材】ボタニカルファクトリーの環境・地域農業へ貢献するSDGsな取り組みについて

提供:花の木農場 社会福祉法人 白鳩会
協力:株式会社ワークデザインラボおおすみ

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