人権

【SDGs目標5】ジェンダー平等への取り組み~一人一人ができること~

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現代社会には、ジェンダーの平等が実現していないことで、幼い頃から悲惨な人生を辿らなければならない女性たちが多く存在します。

この記事では、ジェンダー平等に関する多くの話題を取り上げました。

国連が採択した”SDGs5「ジェンダー平等を実現しよう」”とはどのような目標なのか。

また、ジェンダーが平等に行われなければどのような問題が起きるのか。

それを解決するために、私達一人一人が何に気づき、取り組まなくてはいけないのか。

世界や国内の取り組みも紹介しながら解説していきます。

ジェンダーってどんな意味?


ジェンダーが本来意味するところは、単なる生物学的な男女の違いではありません。

社会や文化の中で「男性はこうあらねばならない」「女性の役割はこうである」と「無意識のうちに形づくられた性別的役割」のことを言います。

例えばおもちゃで遊ぶ時に、

男の子は「車」や「ヒーローの人形」
女の子は、「かわいいぬいぐるみ」や「赤ちゃん人形」でおままごとをするのが当然

このような固定観念はないでしょうか?

本来は自分の好きなものであれば男女の違い関係なく、好きなおもちゃで遊んでいいはずですよね。

このように「男の子だから」「女の子だから」と、社会がその在り方を決めつけてしまうこと。

それが「ジェンダー」の持つ本当の意味です。

長じてそれが大人になるにつれ、「男性は子育てを手伝う必要はない」「女性の政治家なんていらない」という、不平等につながります。

世界や日本国内を見渡すと、まだまだそういったジェンダーによる差別は多く存在します。

ジェンダーが平等でないとどのような問題が起きるの?


社会がジェンダーに対して、平等な認識を持たないと、どのような問題が起きてくるのでしょうか。

例えば、女性は結婚し子供を生んで育てるだけなら「教育」を受ける必要などない、と考えるでしょう。

教育を受けることは、人間にとって必要で重要な権利であり、男女による違いがあってはなりません。

このようにジェンダーが平等でなければ、「女性が学ぶ権利」が阻害されます。

そして、女性を単なる「子供を産む道具」としか見ない国も存在し、本人の意志とは関係なく10代で結婚させたり、児童売春で性的搾取を行ったりなどの行為が平然と行われているのです。

特に成長が未発達な子供を結婚させる「児童婚」は、世界的に見ても大きな問題となっています。

ユニセフの報告によれば、世界では約7億5,000万人の女の子が18歳未満で強制的に結婚させられています。

ジェンダー平等が達成されなければ、このような「女性の性的搾取」が後をたちません。

世界で現実に起きているこのような事態を、私達は変えていく努力をしなくてはいけない問題なのです。

【SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」】を実現するためには?

国連が定めた持続可能な社会を実現するためのさまざまな目標が「SDGs」です。

これは、未来的に私たちが豊かさを保ちつつも、環境や自然に配慮し、また人々がお互いに思いやりを持って生活していくために達成しなくてはならない、具体的な目標を定めたものです。

その中の目標5に、「ジェンダー平等を実現しよう」が掲げられています。

環境問題と同様にジェンダー平等は、私達の未来に実現していかなければならない大切な目標と言えるでしょう。

【SDGs目標5】「ジェンダー平等を実現しよう」ってなに?

「SDGs目標5」には、ジェンダー平等について目指すべき具体的な項目が定められています。

男女の社会的な平等を実現し、世界のすべての女性や女の子たちが学び、可能性を広げるための目標です。

【SDGs目標5】の9つのターゲット

「SDGs目標5」には、達成するための9つのターゲットが存在します。

具体的にどのような内容なのか見てみましょう。

SDGsでは「1.1」のような数字は具体的な目標となっており、「1.a」などのアルファベットは、目標を達成するための必要な手段や措置を示しています。

5.1 あらゆる場所におけるすべての女性および女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。
5.2 人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性および女子に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。
5.3 未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚、および女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。
5.4 公共のサービス、インフラ、および社会保障政策の提供、ならびに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。
5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参加および平等なリーダーシップの機会を確保する。
5.6 国際人口開発会議(ICPD)の行動計画および北京行動綱領、ならびにこれらの検討会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康および権利への普遍的アクセスを確保する。
5.a 女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップ、および土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。
5.b 女性のエンパワーメント促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。
5.c ジェンダー平等の促進、ならびにすべての女性および女子のあらゆるレベルでのエンパワーメントのための適正な政策および拘束力のある法規を導入・強化する。

引用:外務省「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」より

ジェンダー平等の国内外の取り組み

ジェンダーに対しての取り組みは、どのように行われているのでしょうか。

世界と日本に分けてその取り組みを見てみましょう。

世界での取り組みは?

世界各国のジェンダー平等を指数化したものにジェンダー・ギャップ指数(GGI)があります。

それによると、ジェンダー格差が世界で低い国のトップ3は、「アイスランド」「フィンランド」「ノルウェー」です。

それぞれの国の取り組みを簡単にご紹介しましょう。

アイスランド

アイスランドでは、女性たちが声を上げ続けた結果、さまざまなジェンダー平等が実現しました。

母親父親の隔てなく「育児をすることは、誰にとっても守られるべき大切な権利」という意識のもと「父親(6か月)+母親(6か月)+6週間(自由に活用可能)」の育児休暇があり、政府から80%の給与が支給されます。

また2010年には、企業の役員や公共の委員会には女性を40%以上採用することを定めた性別クォーター制を導入し、議会での意思決定にも女性が大きく関わっています。

フィンランド

フィンランドは、女性に完全参政権を認めた世界で初の国です。

フィンランド男女平等会議(TANE)が存在し、ジェンダーにかかわる法整備を行っています。

母親の就労の有無にかかわらず、子供であればだれでも保育園に入ることが可能です。

父親の育児休暇取得は80%で、ほとんどの父親が主体的に育児に参加しています。

ノルウェー

ノルウェーでは1978年に男女平等法が制定されました。

ノルウェーでも性別クォーター制が導入されており、公的な機関の委員会では女性も最低40%を占めることが定められています。

1993 年には、「パパ・クオータ」という育児休暇の4週間を父親に割り当てる制度も導入し、多くの父親が活用しています。

また、保育園の整備の充実により、待機児童の数はゼロのため、女性が社会進出しやすい土壌が整っています。

このように、北欧諸国では、女性たちが自ら声をあげジェンダーの平等を推し進めています

この他、児童婚の問題がある国では、ユニセフにより女性の教育に力を入れ、自立を促す取り組みなどが行われています。

日本での取り組みは?

日本では、1999年に男女共同参画社会基本法を施行し、さらには2016年に、「女性活躍推進法」が制定されました。

この法の制定で、企業は女性が積極的に活躍できる環境を整え、女性を登用するための取り組み数値などを公表することになり、女性の社会での平等が後押しされることとなったのです。

2021年に育児・介護休業法が改正され企業側は労働者に対して以下の措置が義務付けられました。

  1. 男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設
  2. 育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置
  3. 育児休業の分割取得
  4. 育児休業の取得の状況の公表
  5. 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
  6. 育児休業給付に関する所要の規定の整備

出典:厚生労働省「育児・介護休業法について」より

このように日本でも男性が積極的に育児休暇をとれるような取り組みが始まっています。

ただし、日本のジェンダーの取り組みは、先進国の中でもかなり遅れていると言われています。

家事や育児だけではなく、女性の政界進出など、今後、さらなるジェンダーの平等に向けて、日本の取り組みが加速することが望まれます。

関連記事:【2022年4月改正】女性活躍推進法とは?概要や効果をわかりやすく解説

ジェンダー平等のためにできることを考えてみよう

私達一人一人は、ジェンダー平等のために何ができるでしょうか。

身近なところで言うなら、男女の役割が決めつけられている部分を少しでも改善してくことが必要です。

例えば

  • 家庭内での家事育児を分担する
  • 男女の違いなく、その子の好きなものを尊重し、周りが「男の子だから」「女の子だから」と押し付けない
  • 政治や社会活動のあらゆる分野での女性の活躍を応援する
  • 発展途上国の女性の教育支援団体に寄付をする

このように気づいたところから、身近に取り組めることは、たくさんあります。

まずは自分に何ができるのかを考えるだけでも、社会は間違いなく変わっていくでしょう。

誰もが相手の性別に敬意を払う社会に

ジェンダー平等について、その言葉の意味するところや「SDGs目標5」がどのようなものか、世界や日本の取り組み例を含めて解説しました。

男性であること女性であることは、同じ「人間」であるということを考えれば、本来差別などがあってはならないものです。

まずは、男女という枠を超えてお互いを尊重する思いを持つことが、いちばん大切なのではないでしょうか。

相手の性別に対して敬意をはらい、思いやること、そしてそれぞれの可能性を認めることでジェンダー平等の世界は近づいてきます。

「男だから」「女だから」ではなく、「人としてできること」に目を向け、ジェンダー平等についてぜひ考えてみてください。

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