ダイバーシティ

【取材】ギークスメンバーに聞く『産休育休ガイドブック』とは?|長く働き続けるための取り組み

左から難波遥さん、笠置麻紀子さん、池亀梓さん

ITフリーランスの活用を主軸としたIT人材事業を展開するギークス株式会社(以下、ギークス)。

ギークスでは毎年、周年記念イベントとしてさまざまな企画を実施しています。

今期は「家族への感謝」を企画のテーマとして、今後ママやパパになる社員(以下、メンバー)向けに『産休育休ガイドブック』の制作・Web公開をしました。

GREEN NOTEアンバサダーの難波遥さんとギークス本社を訪れ、メンバーみんながギークスで長く働き続けられるための取り組みについてお話を伺いました。

ギークスの概要

ギークスは、ITフリーランスと企業をマッチングするサービス「geechs job(ギークスジョブ)」や、ITフリーランス向け福利厚生プログラム「フリノベ」といったITフリーランスの活躍を支えるIT人材事業をメインに展開しています。

また、グループ企業にはゲーム・xR事業を展開するG2 StudiosやIT人材の育成やオフショア開発を進めるシードテックなどがあります。

ギークスは、フレックスタイム制・リモートワーク・時短勤務の導入や、WeWorkに拠点を構えることでの利便性の向上、フリードリンクなどの補助的な福利厚生など、メンバーが長く働き続けられるための取り組みにも力を入れています。

参照:https://geechs.com/

ギークスを訪問

左から難波遥さん、笠置麻紀子さん、池亀梓さん

GREEN NOTEアンバサダー難波遥さんとギークス本社を訪問。

長く働き続けられるための取り組みの一つである「産休育休ガイドブック」の制作にメインで携わった

広報/サスティナビリティ推進部 池亀梓さん
コーポレートデザイン部 人事労務チーム リーダー 笠置麻紀子さん

のお二人に、「産休育休ガイドブック」の内容や制作に至った経緯、今後の展望等についてお話を伺いました。

ギークスの制作する「産休育休ガイドブック」とは

左:難波遥さん、中央:笠置麻紀子さん、右:池亀梓さん

難波遥さん(以下、難波さん):
さっそくですが、 「産休育休ガイドブック(以下、単に「ガイドブック」ともいいます)」とは、どのような内容が記載されたものでしょうか?

池亀 梓さん(以下、池亀さん):
ご自身やパートナーの妊娠、出産、産休育休、復帰という各フェーズにおいて活用できる諸制度、必要な申請、先輩ママパパメンバーのインタビューなどをわかりやすくまとめたものが記載されています。

ガイドブック制作にあたり、対象のメンバーに事前アンケートを実施したところ、周りで(産休育休などの)制度を活用した事例や、ママパパの働き方をあまり聞いたことがないという意見がありました。

そこでガイドブックの内容では、ギークスで働いているママパパの生の声を充実させています。

難波さん:
このガイドブックは社内のみで公開しているのですか?

池亀さん:
ガイドブック自体は、ギークスの社内全体を対象にしていますが、ギークスの活動としてWeb公開しており、ガイドブックの内容は社外の方でもPDFで閲覧可能です。

私たちも先行して制作されていた他社様のガイドブックを参考にさせていただいていたので、同じようにギークスのガイドブックもこれから制作される企業の方に参考にしていただけると嬉しいです。

産休育休ガイドブックPDF

「ガイドブック」制作に至った経緯やきっかけ

難波さん:
「ガイドブック」制作に至った経緯やきっかけはなんですか?

池亀さん:
今後ママパパメンバーが増えていく可能性がある中で、手に取りやすい「ガイドブック」にすることによって、少しでも不安を払拭し、安心して仕事に挑戦できるように活用してもらいたいという想いです。

私自身が2児の母なので、こういうものがあったら嬉しかったなという想いもあります。

もともと社内制度や情報がまとまっている、いわゆる「社内Wiki」があるのですが、ガイドブックという形にすることで、対象になる人やこれから対象になる人にも、「これを読めばわかる」という手に取りやすい、安心してもらえる存在になったら嬉しいなという想いも込めて制作を進めました。

笠置 麻紀子さん(以下、笠置さん):
人事労務チームとしては、2022年10月から改正育児・介護休業法*が施行され、出産・育児を行いながらも、働きやすい社会的環境が整ってきたと感じる一方、一人ひとりのメンバーからすると、それらの仕組みを理解し、活用するのはなかなか難しいものだと感じていました。

*改正育児・介護休業法は、育児や介護を行う労働者の雇用の継続や再就職の促進などを通じ、仕事と家庭生活との両立に寄与することで、福祉の増進を図りつつ、経済・社会の発展に資することを目的とした法律です。雇用環境の移り変わりなどにあわせて改正が行われ、育児や介護を理由とした休業、短時間勤務などを定めています。
参考:厚生労働省「育児・介護休業法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

 

そこでギークスでは、本人や家族が出産を控えている方、育児中の方に対して、面談でしっかりと制度の説明をしています。

加えて、将来そういったライフイベントがご自身に発生する可能性があったり、家族や同僚にそういったタイミングが訪れたりと、「これから」のメンバーに対しても気軽に手に取ってもらえる情報源をつくることで、安心して長く働くことができる会社環境を実現していきたいと考え、池亀さんと連携し、一緒にこのガイドブックを制作していこうとなりました。

難波さん:
出産や育児に関するさまざまな制度がありますが、制度の存在や手続き方法など、認知が進んでいない現状から、その不安要素を取り除きたいと思って生まれた取り組みなんですね。

「ガイドブック」で重視したポイント

難波さん:
ガイドブックの中で特に重要と考えているポイントは何ですか?

池亀さん:
不安要素を払拭できるように、各フェーズにおいて、何をすべきか・したらいいかが明確にわかるものにすること。そして、ママパパの先輩たちのリアルな声を載せることです。

私自身、産休育休制度を活用しようとしたとき、いつ、どこに、どのタイミングで、誰に相談・申請したらいいのか、わからないことだらけだった経験があります。

とはいうものの、メンバーはこうしなければいけない、という「べき論」になってしまっても良くないと思っています。一人ひとりの状況や環境が違うので。

決められた制度をしっかり説明をして把握していただき、ママパパの声を通じてこういう事例もあるよというように、押し付けすぎないこと、提案型であることも大事にしたいと思っています。

難波さん:
デザインにはどんなこだわりを持っていますか?

池亀さん:
「赤ちゃん」というキーワードから手に取りやすい優しい色合いと、ギークスのコーポレートカラーのブラックネイビーをうまく調和させて、ギークスならではのデザインにしました。

社外の方が見ることもできるガイドブックなので、ギークスらしい統一感を持たせるために、社内のデザイナーやイラストレーターと相談しながら進めました。

デザインだけでなく、ガイドブックの内容にも通ずる部分ですが、どうしても産休育休のことは、ママのイメージが強かったりします。

そのため、ママを全面に出すのではなく、男性や今後ママパパになる若手メンバーなど、アンコンシャスバイアスを助長しないよう意識して制作しました。

また、メンバーの中には、子どもをもつという選択をしない方もいらっしゃると思うので、このガイドブックはいろんな働き方を推進していく中の一つの提案であって、いろいろな選択肢を尊重していることを伝えられるように意識しました。

難波さん:
目に見えない形で圧をかけてしまっているかもしれない方々への配慮も意識しながら制作されたんですね。

社内での情報収集の方法

難波さん:
ガイドブックの制作にあたり、メンバーのニーズや要望を把握するためにどのような情報収集を行いましたか?

池亀さん:
具体的な取り組みを進める前に、小学生までのお子さんがいるメンバー約70名にアンケートを行いました。

アンケートにより、制度や手続きの複雑さなどに不安を感じている方が多いことがわかりました。

他には、人事労務チームの対応に感謝していることや想像以上に現場の皆さんがママパパメンバーに対して温かく対応していることがわかりました。

そういう背景からか、アンケートへの回答に好意的に取り組んでくださり、90%近くの回答率がありました。ママパパの声を集めるためのインタビューへの対応も可能と答えてくれた方も多く、とてもありがたかったですね。

難波さん:
多くのメンバーの方がこの取り組みを応援してくださっているんですね!

ガイドブック制作の課題と改善策

難波さん:
ガイドブックの制作過程において課題となった点はありますか?またそれに対してどのような改善策を考えましたか?

池亀さん:
産休育休取得者と一緒に働く周りのメンバーは、多少なりとも業務負担が増えることがあります。ガイドブックの制作により、ママパパたちを持ち上げすぎて周りの方を置いてけぼりにしてしまうかもしれないという課題がありました。

この課題に対しては、アンケートやインタビューを通じて、産休育休取得者や周りのメンバーをマネジメントする方々の声もなるべく多く拾うよう心がけました。

また、働き方の工夫を説明する箇所に関しては「子育てをする人にだけサポートが手厚い」とメンバーに思われないような言葉選びを心がけました。

難波さん:
いろいろな立場にある方のことを考えて制作していったガイドブックなんですね。

今後の展望

難波さん:
ガイドブックの制作を踏まえて、 今後の展望としてはどのようなことを考えていますか?

池亀さん:
今回制作の元となった産休育休制度のように、ちゃんとした制度はたくさんあるのに、知られていなかったり、活用されていなかったり、もったいないと感じていました。

今後は、ギークスの人材育成・研修・評価など、人に関する情報を体系化した冊子も作成し、メンバーへ発信していきたいと思っています。

笠置さん:
私たちは出産が決まったメンバーを対象に面談を実施していますが、今後、出産・育児を考えている方や制度に興味のある方も参加できるオープンな説明の場をつくるなど、情報収集ができる機会を作っていきたいと思っています。

難波さん:
このガイドブックの制作を起点に、さまざまな情報をわかりやすく発信し、メンバーの方が情報収集できる機会を作っていかれる予定なんですね。

ガイドブック以外の取り組み

難波さん:
このガイドブック制作以外にも、メンバーが長く楽しく活躍してくれるような会社にしていく取り組みや企画はありますか?

池亀さん:
いろいろな取り組みがありますが、「家族」に関連したものですと、「ファミリーデー」という企画を不定期に開催しています。

ファミリーデーは、メンバーのご家族やパートナーへの感謝をお伝えし、ギークスという会社や仕事、仕事仲間に、より親しみを持って知っていただく企画です。

2023年7月開催の社内イベント「ギークス ファミリーデー」の様子

今年の7月に開催したファミリーデーでは、メンバーの子どもたちが会社に来て、さまざまなミッションをクリアしていくオフィス探検ツアーを開催しました。

参加した子どもたちに、名刺やお菓子が入ったオリジナルパッケージのギフトボックスをプレゼントしました。

参照:https://geechs.com/newsrelease/20230727_familyday/

こうした企画を点として、さまざまな企画に参加することで、点と点を線でつなげてもらい、長く楽しく活躍してもらえるような会社を作っていきたいですし、その可能性がある会社ということをメンバーに伝えていきたいです。

難波さん:
子どもたちもママ、パパが働いている会社のことを知ることができたり、働いている姿が見られたりと、家族と会社を繋ぐとても素敵なイベントですね。

本日はありがとうございました。

産休育休ガイドブック→PDF

対談から難波遥が感じたこと

お二人とのお話から、「ガイドブック」の制作にあたり、さまざまな方々の立場を考えて制作されたことがとても印象的でした。

産休育休と聞くと、現在妊娠している方や産後の方を対象にしていると考えがちですが、ギークスでは、まだ出産予定がない方々に向けても、いつそのような環境になっても安心できるよう、さまざまな制度が考えられているということでした。

産休育休は当事者だけではなく、周りの方々との関係性があって初めて成り立つものなんだと感じました。

またギークスでは、ガイドブック制作以外にも、ファミリーデーなど多くの取り組みがあり、社内・社外全体で協力して行う仕組みが作られているように思えました。

このような取り組みが、今後たくさんの企業に広がっていくことで、子どもたちが健やかに育つ素敵な社会になっていくのだと考えます。

まとめ

企業の持続的な成長において、社員のワークライフバランスの推進は、重要な取り組みとなっています。

産休育休制度は、ワークライフバランスを推進する制度のひとつですが、手続きの複雑さなどさまざまな不安要素があります。

今回お話を伺ったギークスの「ガイドブック」は、不安や疑問の解消のため、仕組み作りだけで終わらせることなく、活用してもらうところにまで踏み込んだ取り組みです。

こうした取り組みは、社員の方々が安心して長く働き続けられる環境を提供する企業のあり方、そして企業の持続的な発展に大きく貢献していく新たな好例として、今後多くの企業で取り入れられていくことが期待されます。

一人ひとりに合った働き方で活躍できるギークスの今後の取り組みにも、期待と注目が集まります。

提供:ギークス株式会社 「https://geechs.com/

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