エシカルライフ

【最新】エシカルなパッケージ!プラスチックに代わる新素材を紹介

スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどあらゆる場所で見るプラスチックパッケージ

食品の衛生を保ち、商品を汚れなどから守るプラスチックパッケージは、その便利さからさまざまな商品に使われています。

今や私たちの生活に欠かせないプラスチックパッケージですが、世界では年々生産量が増え続けています。

これに伴い問題となっているのが、海や川へのプラスチックごみの流出です。

今回はプラスチックパッケージの現状や、環境にやさしい最新の新素材・パッケージなどを紹介します。

プラスチックパッケージの生産量


プラスチックパッケージは、世界中で生産、使用されています。

国連環境計画(UNEP)の発表によると、世界におけるプラスチックの年間生産量は約4億トン(2015年)。

そのうち最も多いのがプラスチックパッケージで全体の約36%を占めています。

次いで建材、繊維、消費者・業務用、輸送と続きます。
参考:UNEP「SINGLE-USE PLASTICS」

2021年の日本では、合計約900万トンのプラスチック製品が消費されました。

そのうちパッケージが占める割合は約45%です。

次いで、電気・電子機器やケーブル、輸送、建材と続きます。

参考:プラスチック循環利用協会「2021年 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」

世界でも日本でも、生産されたプラスチックの多くがパッケージとして使用されている状況です。

プラスチックごみ問題の現状は?


プラスチックは便利である一方、その手軽さから捨てられる量も非常に多いのが現状です。

プラスチックごみはリサイクルされる場合もありますが、多くが川や海に流れ、生態系の破壊や環境汚染の原因になっています。

世界と日本、それぞれのプラスチックごみ問題の現状をみていきましょう。

プラスチックごみと海洋汚染、SDGsとの関係性は以下の記事で解説しています。

詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

海洋汚染の原因の4割が食品包装のプラゴミ|私たちができる取り組みは?
SDGsとプラスチックごみの関係を学ぼう!今からできる取り組みを紹介

世界のプラスチックごみ問題

経済協力開発機構(OECD)の発表によると、2019年に世界で発生したプラスチックごみの量は3億5,300万トンでした。

2000年の生産量は1億5,600万トンだったため、廃棄量は約20年で2倍に増加したことになります。

参考:OECD「OECD Global Plastics Outlook 2022」

プラスチックごみの量は増加していますが、ヨーロッパなどではプラスチック容器に関する規制が強化されています。

例えば、スペインでは2023年1月から使い捨てプラスチックの製造や輸入に対して課税する取り組みを開始。

ニュージーランドは2023年7月よりスーパーにある薄い生鮮食品用ビニール袋などの使用を禁止しています。

参考:BBC「New Zealand bans plastic bags for fresh produce in supermarkets」

プラスチックごみを削減するために、各国はさまざまな取り組みを行っています。

日本のプラスチックごみ問題

日本は、プラスチックごみの廃棄量が世界第2位のプラスチック消費大国です。

2021年のプラスチック生産量(1,045万トン)のリサイクル種別と割合は以下のとおりです。

  • マテリアルリサイクル(新たな製品の原材料にすること)…177万トン(21%)
  • ケミカルリサイクル(化学的処理で他の物質に変えること)…29万トン(4%)
  • サーマルリサイクル(焼却処理の際に発生する熱をエネルギーとして利用すること)…511万トン(62%)

リサイクル率は717万トン(87%)と高いですが、その多くが焼却されるサーマルリサイクルであるのも問題視されています。

参考:プラスチック循環利用協会「2021年 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」

2020年7月からはプラスチック製買物袋(レジ袋)の有料化が、2022年4月からは「プラスチック資源循環促進法」が施行されていますが、日本の取り組みは世界と比較すると遅れているのが現状です。

プラスチックパッケージの革命!新しい3つのアイテム

画像引用:Notpla Food Containers

プラスチックパッケージの廃棄量削減に向け、世界中でさまざまな新素材が開発されています。

ここでは今話題の3つの新素材を紹介します。

  • 食べられる包装カプセル「Notpla Ooho」
  • 海藻からできたパッケージ「Biopac」
  • 余剰野菜から作られたラップ「SCOBY」

食べられる包装カプセル「Notpla Ooho」

イギリス・ロンドン発の「Notpla Ooho」は、海藻を原料にした液体用のパッケージ。

2019年のロンドンマラソンでは、エナジードリンク入りの「Notpla Ooho」を選手の水分補給として配布し、話題になりました。

海藻と植物性成分100%を原料とするパッケージは丸ごと食べられるだけでなく、家庭用コンポストに入れれば分解されます。

ドリンク以外にも、ケチャップやドレッシングなどの調味料を入れて使用することができます。

「Notpla Ooho」を開発したNotpla社は、他にも使い捨て食用油用パッケージ「Notpla Pipette」や、プラスチックフィルムの代替品「Notpla Film」なども販売しています。

公式サイト:Notpla(海外サイト)

海藻からできたパッケージ「Biopac」

「Biopac」はインドネシアで開発された食べられるパッケージ。

原料は、インドネシア原生の海藻です。

お湯に入れると1分ほどで溶け、土では5〜12日程度で分解されるのだそう。

コーヒーや紅茶のパック、ラーメンやスープの素のパッケージとして使えば、熱いお湯を注いでそのまま食べることができます。

2023年4月には、日本での販売を開始しています。

着色や印刷、厚さなどの調整が可能で、使い方は多岐に渡ります。

オンラインショップではシートの他、サンプルセットの注文が可能です。

参考:ECO Wappin by Biopac

余剰野菜から作られたラップ「SCOBY」

ホーランドのデザイン学生が開発した「SCOBY」は、野菜でできたラップです。

Roza Januszさんが大学の卒業制作として提案し、その後エコ専門家チームによって開発されました。

Januszさんが提案したSCOBYは、紅茶キノコと砂糖などを原料としていましたが、現在は地元の余剰野菜から作られているそうです。

柔らかさや耐水性も十分にあり、従来のラップと同様に使用できるSCOBY。

使用後は賞味期限内なら食べることが可能で、有機肥料として再利用もできます。

参考:Webマガジン「AXIS」

プラスチックパッケージはいらない!パッケージレスになった2つの事例

本来必要とされていたパッケージを排除したアイテムも増えています。

プラスチックパッケージが環境にもたらす影響を考えたら、「パッケージがあって当たり前」という認識そのものを変えるのも良いかもしれません。

ここでは、パッケージレスになった2つの事例を紹介します。

  • 容器のない化粧品「LUSH:ネイキッドマスカラ」
  • プラなしで使用可能な歯磨き粉「MiYO Organic:歯磨きペーパー」

容器のない化粧品「LUSH:ネイキッドマスカラ」

容器の回収・再利用や動物実験反対を掲げるLUSH。

そんなLUSHが2023年5月に発売したのが、パッケージレスのヴィーガンマスカラ「ネイキッドマスカラ」です。

パーツはソリッドマスカラと3種類の付属のブラシ。

ブラシを軽く濡らしてソリッドマスカラの穴に差し込み、内側をくるっとこすりつけて使用します。

現在発売しているカラーは全4色でベーシックなブラック、ブラウンのほか、ブルーとレッドもあります。

化粧品のパッケージは衛生面などからリサイクルされにくく、プラスチックごみを最も多く出している業界の1つといわれています。

「ネイキッド」は、そんな化粧品業界にインパクトを与えるアイテムとして注目されています。

参考:LUSH

プラなしで使用可能な歯磨き粉「MiYO Organic:歯磨きペーパー」

MiYO Organicが販売する、使い残しなしの歯磨き粉「歯磨きペーパー」も、パッケージレス商品の1つです。

歯磨きペーパーは歯磨き粉をペーパー状にしたもので、水や唾液で濡れると溶け、従来の歯磨き粉のように使用できるもの。

プラスチックパッケージに入っていないだけでなく、旅行やアウトドアなどでも便利です。

中身の劣化や固まることを防ぐため、プラスチック容器に入っていることが多い歯磨き粉。

ホテルのアメニティとしても提供されていますが、最後まで使用されることはほとんどありません。

歯磨きペーパーは環境にやさしいだけでなく、資源も大切にするアイテムといえるでしょう。

参考:MiYO Organic

まとめ

世界では年間約3.8億トンものプラスチックが生産され、そのうちの4割がパッケージとして使われているといわれています。

生産されたプラスチックパッケージがすべてリサイクルされることは難しく、焼却や埋め立てなどの方法で処分されていますが、一部は海や川に流れ出てしまっています。

プラスチックパッケージは、私たちの生活を便利にする一方で、海洋プラスチックごみ問題などの原因になっています。

環境問題を解決するためには、プラスチックパッケージの削減やリサイクル方法についてより深く考える必要があるでしょう。

また、パッケージレスやプラスチックパッケージの代替となる素材を使用するのも有効です。

豊かな地球環境を未来に残すためにも、まずはプラスチックパッケージが地球にもたらす影響を知ることから始めませんか?

GREEN NOTE
GREEN NOTE編集部

『GREEN NOTE(グリーンノート)』は環境・社会課題をわかりやすく伝え、もっと身近に、そしてアクションに繋げていくメディアです。SDGs・サステナブル・ESG・エシカルなどについての情報や私たちにできるアクションを発信していきます!

みんなで紡ぐサステナブル

一人ひとりの小さなアクションの積み重ねで
サステナブルを実現していく。
まずはたくさんの人に知ってもらうことから一緒に始めてみませんか?

SNSでシェアする
クリップボードにコピーしました

知ってほしい「GREEN NOTE」の
大切にしていること

サステナビリティとSDGsが
すぐわかるニュースメディア
  • 分かりやすく
    伝える
  • もっと
    身近に
  • アクション
    に繋げる
GREEN NOTE
(グリーンノート)アプリ

GREEN NOTEスマホアプリでエシカル・サステナブルをアクションに変えていきませんか?

  • ◎サステナビリティ/ SDGsに関する国内・海外の最新動向および話題のニュース情報を厳選して毎日お届け!
  • ◎あなたの声を企業に届けよう!大手企業との共創プロジェクトに参加できる!
  • ◎プロジェクトへの参加でポイントをGET!貯まったポイントをサステナブルな特典に交換しよう!
スマホ版のGREEN NOTEアプリの画像
GREEN NOTE APP
Contact
  • 記事掲載についての
    お問い合わせ

    GREEN NOTEへの記事掲載をご検討の方は
    こちらよりご連絡ください。

  • 消費者リサーチ
    についてのお問い合わせ

    「エシカル・サステナブル関心層への消費者リサーチ」について
    のお問い合わせはこちらよりご連絡ください。