ダイバーシティ

【企業事例5選】小1の壁とは?問題点や対策を解説

保育園を卒業して小学校へ入学する際、多くの共働き世帯が直面する課題が「小1の壁」です。

育児を理由に「これまで積み上げてきたキャリアを手放したくない」「退職したくない」と考える方も多いのではないでしょうか。

今回は、小1の壁について解説するとともに、その壁を乗り越えるための対策を紹介します。

また、仕事と育児の両立を支援する企業事例もまとめました。

共働き世帯が必要とする子育て支援とは何かを一緒に考えましょう。

小1の壁とは

小1の壁とは、子どもが小学校へ入学することで、共働き世帯が仕事と育児を両立しづらくなる問題を指します。

主な原因は、小学校への登校時間が保育園の預かり時間よりも短いことです。

基本的に、小学1年生の登校時間は6〜7時間ほど。

一方で、保育園の保育時間は、通常9〜10時間とされています。

総合的に見ると、3時間ほど短縮していると考えられます。

放課後の学童保育はあるものの、延長保育に比べると預かり時間が短くなることや、学童への登録が受け入れられないケースもあるようです。

小1の壁に直面することで、正社員からパートへ変えるか、フルタイムから勤務時間を短縮するなど、働き方を見直す必要があると感じる方も多くいます。

子どもが小学生に成長すれば、毎日の送り迎えが不要になります。

また、子ども一人でできることも増えるため、育児が楽になり、仕事がしやすくなるかもしれません。

しかし、預かり時間の確保という視点で見ると、仕事と育児の両立が難しくなる時期であるといえます。

小1の壁の問題点

小学校への入学にともない増える負担は、単に預かり時間の短縮だけではありません。

ほかの問題点もまとめました。

①長期休暇がある

小学校には、春休み・夏休み・冬休みの3つの長期休暇があります。

長期休暇中は、仕事と育児の両立がより厳しくなる期間の一つです。

給食が提供されないため、昼食の準備にかかる負担も増えます。

②下校時間が変わることがある

原則として、時間割で決められた時間に下校しますが、行事や学校事情により下校時間が変更される場合があります。

小学校では、下校時間は学校に決定権があり、これは保育園との大きな違いといえるでしょう。

③振替休日による平日休みがある

運動会や土曜参観日など、学校行事が土曜日や日曜日に実施される場合、振替休日により平日が休みになることがあります。

その際、仕事を調整したり、預かり先を確保したりする必要があります。

④毎日の宿題や持ち物チェックがある

小学生になると、保育園時代と比べて子どもができることが増えるため、「子どもに任せておけば大丈夫」と考える方もいるかもしれません。

しかし、小学校では毎日のように宿題が出されます。

プリントやドリルの添削、音読の確認などが必要な場合もあります。

仕事から帰宅したあとに、宿題をチェックすることも大きな負担になると考えられるでしょう。

小1の壁を乗り越える対策

岸田総理大臣も「小1の壁についてしっかり向き合っていきたい」と述べています。

現在、厚生労働省と文部科学省では「新・放課後子ども総合プラン」を策定しており、国の対策として、放課後の居場所づくりを推進しています。

令和4年の放課後児童クラブの登録児童数は、1,392,158人で、これは過去最高値を更新しました。

ただし、現在も待機児童数は15,180人となっており、課題が残っています。

では、個人として小1の壁をどのように乗り越えるべきでしょうか。

退職以外の対策として、働き方や育児の工夫が考えられます。

それぞれについて詳しくまとめました。

働き方を工夫する

子どものスケジュールに合わせやすい働き方をまとめました。

フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、労働者の都合に合わせて出勤時間を早めたり、遅くしたりするなど、柔軟な働き方を可能にする制度です。

子どもの登校時間や下校時間、学校行事に合わせて、労働時間を調整できるのが魅力といえます。

自由な働き方ができる制度ではありますが、企業によって定められた総労働時間やルールがあるため、注意が必要です。

出典:リクナビ|フレックスタイム制とはどんな制度?仕組みやメリット・デメリットを詳しく解説

リモート勤務

リモート勤務とは、オフィスに出社せず、自宅やコワーキングスペースなど離れた場所で仕事を行うことです。

通勤時間を仕事や育児にあてられるのが、1番のメリットといえるでしょう。

リモート勤務は、出社する従来の働き方に比べて、時間や場所に制限がないため、子育て中の世帯でも柔軟で効果的な働き方といえます。

出典:女性がテレワークで働くメリットとは?導入における課題点と施策を解説!

時短勤務

時短勤務は、1日の労働時間を短縮して勤務する働き方です。

厚生労働省が定めた「育児・介護休業法」に基づき、労働者が仕事と育児を両立させることを支援するために設けられました。

この制度の対象は、原則として3歳未満の子どもを養育する従業員ですが、最近では3歳以上の子どもがいる場合でも、希望すれば短時間勤務が可能な企業が増えています。

出典:厚生労働省|育児・介護休業法のあらましp.3

育児を工夫する

続いては、育児において工夫できるヒントをまとめました。

夫婦で役割を見える化する

夫婦で役割分担を明確にすることが大切です。

社会には「母親が育児するのが当然」「父親は仕事を優先すべき」といった無意識の偏見が存在しています。

このようなジェンダーバイアスが原因で、特に女性が仕事と育児の両立に苦しむことがあります。

どちらかに負担が偏らないようにするためには、夫婦間で育児や家事などの役割をしっかり話し合い、明確に決めることが大切です。

お互いが一目で理解できるように、やるべきことをリストアップし、それぞれに適切に分担するのがおすすめです。

関連記事:ジェンダーバイアスとは?意味や身近な例を紹介【あなたは大丈夫?】

周りのサポートを得る

育児は夫婦二人で抱え込む必要はありません。

祖父母や親族の協力も大切です。

しかし、頼れる家族が近くにいない場合も考えられます。

その際は、学童保育やベビーシッターなどのサービスを利用するという選択肢もあります。

また、送迎付きなどのサービスもあるため、自分たちに合ったサービスを賢く利用することも解決策の一つです。

育児を支援する企業

多様な働き方が求められる現代。仕事と育児を両立できるような環境が企業に求められています。

2022年4月に改正された「女性活躍推進法」により、女性が働きやすい職場づくりがますます必要とされています。

最後に、子育て世帯を支援する企業事例をまとめました。

「女性活躍推進法」について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
【2022年4月改正】女性活躍推進法とは?概要や効果をわかりやすく解説

①富士通

富士通は、ワークライフバランスが整う環境を目指す企業の一つです。

社員一人ひとりが育児を楽しみながら、自分らしく働けるような支援を積極的に進めています。

小1の壁の対策として挙げられるのが、育児短時間勤務制度です。小学校6年生の3月31日までの期間、1日最大2時間の短縮が可能です。

さらに、子どもの看護休暇も充実しています。

小学校6年生の3月31日までが取得対象となっており、柔軟な休暇制度を提供しています。

出典:富士通|職場環境整備

②富士フイルム

富士フイルムは、多様な社員の能力を最大限に発揮させるために、女性の活躍を支援する仕組みづくりに努めています。

【制度】

  • 再入社制度
  • 在宅勤務制度
  • 時間単位有休制度

【学び】

  • 女性向けキャリアデザイン研修
  • 育児復職支援プログラム
  • 仕事と育児の両立支援セミナー

また、これらの対策は、子どもの小学校入学というライフステージの変化にも対応できるようになっています。

出典:富士フイルム

③SOMPO

SOMPOは、仕事と家事・育児の両立を支援することを目的とし、男女問わず働き方をサポートする制度を整えています。

例えば、育児短時間勤務は原則として、子どもが小学校3年生の学年末に達するまで利用可能です。

また、勤務時間についても複数のパターンが用意されています。

さらに、育児両立支援および男性の育児休業取得推進に向け、2023年度からはグループ全体で当事者やマネジメント層を対象とした研修を開催。

仕事と育児を両立しやすい風土づくりにも努めています。

出典:SOMPO|社員一人ひとりが活躍できる多様な働き方の推進

④ソニー

ソニーは、ダイバーシティ推進の一環として積極的に女性の活躍を推進しています。

2022年度末時点で、ソニーグループ全社員に占める女性の比率は34%であり、女性管理職の比率は30%でした。

ところが、国内のソニーグループにおける女性管理職の比率は10.9 %にとどまっています。

この数値から、国内でのジェンダーに関連する無意識の偏見や思い込みが取り除かれていないことがわかります。

この問題に対処するために、ジェンダーバイアスを排除するマネジメント研修や、男性社員の育児参加を促すプログラムなどを整備。

多様性に富んだ社員が活躍できる職場環境づくりに努めています。

出典:ソニー|サステナビリティレポート2023 人材p.4

⑤高島屋

高島屋は、人を通じた接客やサービスにより、新たな付加価値を提供することを目指しています。

サービスの質を向上させるためには、従業員の働きがいの向上が欠かせません。

これまで当たり前とされた働き方を見直し、新しい働き方を模索しています。

  • デジタル技術を活用した業務の再構築
  • 業務のムダや重複を排除する業務改革
  • 在宅勤務制度の推進

さらに、仕事と私生活の両立も支援しており、「ライフサポート休暇制度」を導入しています。

  • 失効した年次有給休暇の積立休暇
  • 学校行事に使用するスクールイベント休暇

小学校の学校行事にも対応できるサポートが整備されています。

出典:高島屋|働き方改革推進

小1の壁を社会全体で支える未来を

小1の壁は、子どもが小学校へ入学することで、共働き世帯が仕事と育児を両立しにくくなる問題です。

これは家庭内の問題であると同時に、国や企業など社会全体で解決すべき課題といえます。

国においては、放課後児童クラブの充実化が必要であり、企業には多様な働き方の推進が求められています。

また、個々としては、「女性が育児に専念する」「男性は仕事が最優先」などのジェンダーバイアスに無意識に陥っていないかを見直すことが必要です。

子どもが小学校に入学しても、子育て世帯が安心して働き続けられる社会を築くことが、持続可能な社会の実現につながるでしょう。

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