格差・貧困・人権

【世界の10人に1人】貧困問題を抱えている現状とは?

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貧困という言葉を聞いて、身近に感じる人はどれくらいいるでしょうか。

「どこか遠い国のことだなぁ」「紛争地のことかなぁ」と、どうも遠くの話に聞こえてしまうかもしれません。

たしかに南アジアやアフリカなどでの貧困問題は話題になることも多く、広く広がっています。

でも、実は貧困問題とは日本を始めとする先進国にも広がっている問題です。

この記事では、そもそも貧困って何?という疑問を解消しながら、貧困がもたらす悪影響などをご紹介していきます。

最後に、私達には何ができるか?という点にも触れていきます。

遠い国の話だから…と思わず、自分事として考えられる人が、一人でも増えていくことが「貧困問題撲滅」に繋がっていきます。

世界に広がる貧困問題|そもそも貧困とは?

「貧困」と一言でいっても、具体的にはどのような暮らしや、生活が「貧困」に値するのでしょうか。

国ごとに生活様式などが異なるため、一概に言うのは難しいというのが正直なところです。

そんな中で指標となる基準と考え方をご紹介していきます。

世界銀行の制定する貧困レベル

貧困削減に積極的に取り組んでいる国際組織である世界銀行は、「国際貧困ライン」を「1日1.9ドル以下で暮らす人たち」と定義しています

現レートで換算すると、約210円程度ということになります。(2022年4月時点)

世界にはどれくらいの人が、この「1日1.9ドル以下」で暮らしているのでしょうか?たった210円で暮らしているというのは想像がつきにくいかもしれません。

でも、2015年のデータによると、7億3400万人がこのレベル以下で暮らしているそうです。

あまりにも数字が大きすぎて分かりにくいですが、これは 全人口の10%の人に値します

つまり、この地球に暮らしている人の10人に1人は「貧困レベル」の暮らしをしているということになります。

世界に広がる絶対的貧困

貧困を考える時にキーワードとなるのが「絶対的貧困」という言葉です。

これは、国や地域などは関係なく、「どう見てもこの現状は貧困」と言える場合です。

先にご紹介した「国際貧困ライン」が一つの例です。

「1日1.9ドル以下」という基準は、先進国にも発展途上国にも同じ数字が使われて、一律に「貧困であるか否か」が判断されます

日本でも気になる相対的貧困

一方で、忘れられがちなのが「相対的貧困」という考え方です。

これは国や地域ごとで平均値などを割り出して、大多数よりも上か下かで判断されます

2019年に厚生労働省が発表したデータによると、日本では等価可処分所得の平均値が254万円とあり、その半分である約127万円以下の場合は「相対的貧困」に値するとあります。

日本においても所得格差はどんどんと広がっており、とくにシングルペアレント家庭や高齢者がこの「相対的貧困層」に陥ることが多いとされています。

貧困状態に陥っている子供のニュースなどを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。

「貧困問題とはアフリカなどの話だから…」と他人事ではありません。

引用:「日本の貧困率の現状について」

世界の貧困問題に立ち向かう取り組み

「世界の10人に1人が貧困問題を抱えている」という大きな現状に対して、世界が一致団結して取り組みを進めています。

具体的にはどのような方針で、貧困問題撲滅運動が進んでいるのでしょうか。

SDGs目標の1番目に掲げられる「貧困をなくそう」

2015年に開催された国連サミットにて、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainastrongle Development Goals)が採択されました

将来に向けてよりよい地球を残して行こうという目標をもとに、全部で17個の項目が掲げられました。

その中の1番が「貧困をなくそう(あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ)」という目標です

ジェンダーの問題や福祉、環境保護などターゲットは多岐に渡っていますが、何よりも1番は「世界の貧困問題対策」という強い意志が感じられますね。

SDGs目標1番の中には7個のターゲットが掲げられていますが、その中でもトップにあるのが「2030年までに現在1日1.25ドル未満(※)で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」とあります。

※世界銀行は、現時点では「1.9ドル以下」を国際貧困基準にしていますが、SDGsが採択した時点では、1.25ドルだったため、ターゲット内は「1.25ドル」となっています。

関連記事:日本も他人事ではない?SDGs目標1「貧困をなくそう」

国際機関やNGO団体による各種取り組み

国連サミットの前からも、多くの国際機関やNGO団体は、国を超えて各種活動を続けてきました。

2015年の国際サミットでSDGs目標が採択されたことを受けて、取り組みは着々と進んできたといえるでしょう。

取り組みが効果を生み出している理由は、貧困層の数の推移を見ても明らかです。

1990年には全人口の36%が「貧困ライン以下」での暮らしをしていましたが、2017年には9.2%まで下がっていました。

とはいえ、まだまだ「10人に1人」という数字は大きく、SDGs目標で掲げている2030年の撲滅は、今まで以上の取り組みが必要だと言われています。

新型コロナウィルスにより悪化する貧困状況

SDGs目標にある「2030年までに極度の貧困を終わらせる」という大きな目標に向かって、各国政府や各団体が一致団結していて取り組みを進める中で、新型コロナウィルスが蔓延しました。

2019年末から広がり始めたパンデミックは、全世界へと広がっていきました。

パンデミックと同時に全世界に広がったのは「貧困」という大きな問題です。

これは連日ニュースでも報道されていましたし、実際に肌感覚としてお財布事情が苦しくなったな…と感じた方も多いのではないでしょうか。

先進国であるアメリカや日本においても、経済が滞り、多くの人が苦しい状況を強いられました。

もともと経済活動が脆弱である発展途上国においては、この影響は計り知れません

現時点で、世界銀行から詳しいデータは出ていませんが、少しずつ右肩下がりに下がっていた貧困層のパーセンテージが、2019年以上グッと上がってしまったことは容易に想像ができます。

貧困問題が世界の子供にもたらす悪影響

世界に広がる貧困問題の煽りを受けるのは、子供たちです。

輝かしい未来を描いてこの世に生まれてきたはずなのに、世界にはたくさんの子供たちが「貧困層」とされ、苦しい生活を強いられています。

6人に1人の子供が貧困問題にさらされている

貧困問題に取り組む世界銀行の発表によると、2017年時点(つまり、パンデミックが始まる前)で世界の6人に1人の子供たちが貧困状態に陥っています

この「1日1.9ドル以下」で暮らす子供たちのうち、2/3がサハラ以南のアフリカの子供たちだそうです。

また、南アジアでも、子供たちの5人に1人がこの対象に入っています。

少しずつ減少している「世界の貧困者数」ではありますが、子供に関していうと統計を取り始めてからあまり減っていないという悲しい現状も広がっています。

また、今回のパンデミックの影響は計り知れません。

家計が苦しいため、学業をあきらめて家業に専念する子どもたちが増えてしまう児童労働も問題になっています。

安全な暮らしが送れない

貧困地域や貧困世帯に生まれてくる子供は、安全な暮らしが保証されていません

雨風が防げる環境でない住宅に、親戚や兄弟とぎゅうぎゅう詰めで暮らしていることも多々あります。

また、貧困地域では災害や紛争などのトラブルも多く、心休まらない環境で暮らしている子供たちもたくさんいます。

満足いく食事が摂れない

貧困世帯に暮らす子供たちは、毎日のご飯も食べられるかどうか…というギリギリの状況で暮らしています。

1日210円で暮らすのですから、贅沢が言えないどころか、食べるものもあるかどうかということです。

幼少期を栄養不足で過ごしてしまうと、体や心の発達に影響が出てきます

国際団体やNGO団体が、子供への食糧配布プログラムを提供していることも多いですが、資金面や人手不足などもあり、必ずしもいきわたっているとはいえません。

関連記事:世界規模で考える飢餓問題の現状!ひとりひとりができること

病気になっても病院に行けない

貧困の中で暮らしていると「病院に行く」という選択肢がないかもしれません。

病気になってしまっても、医者に会ったり、薬を買うお金がありません。

また、事前にワクチンを打っておけばかかりにくくなる疫病なども、知識不足や制度不足で受けていないこともあります。

はしかやマラリアなどの伝染病も多い地域ということもあり、幼い子が命を落とすケースも決して少なくありません

しかるべき教育が受けられない

貧しい暮らしをしている子供は、少しでも家業を手伝うべく学校に行っていないことも多いです。

また、地域的に貧しいエリアに暮らしている場合、そもそも学校が存在しなかったり、あっても機能していないということもあります。

受けるべき教育を受けていないと、単純に物を数えたり、文字を読むことが出来ないまま大人になってしまうことも。

すると、 大人になった時の仕事の選択肢が限られてしまいます

単純作業や日雇いのような仕事にしか就けず、貧困生活から脱出することはますます難しくなってしまいます。

世界の貧困問題に向けて私達ができること

世界に、そして日本にも広がっている貧困問題。

SDGs目標の1番目に掲げられているほど大きな問題であるため、一個人として何が出来るのだろう?と悩んでしまうものです。

でも、日本にいながらでも出来るアクションはたくさんあります。まずは、一歩踏み出してみませんか。

現状を学ぶこと

「貧困問題とは世界のどこかの問題だから…」と見て見ぬふりすることはとても簡単です。

でも、貧困問題撲滅への大きな一歩は、まず一人一人が現状を知ることと言えるでしょう

「貧困っていうけど、どこの国で起きていることだろう?」

「日本でも格差や貧困が広がっているって本当?」

「実は貧困問題は自分の住む地域でも起きている!?」

そうやって学びを深めていくことで、自分にとって出来ることが見えてきます。

小さなアクションを起こすこと

世界に広がっている貧困問題について、学びを深めることが出来たら、ぜひ何かアクションを起こしてみましょう

何も巨額の寄付をする必要はありません。

まずは、できる範囲で小さな一歩を踏み出すことが大切です。

  • 国際団体やNGO団体の主催するイベントへ行ってみる
  • 地域の「子ども食堂」「フードバンク」などの活動に参加してみる
  • チャリティーランなどのイベントに参加する
  • NGO団体へ寄付や募金をする

小さなことに見えるかもしれませんが、間違いなく「大きな問題」への一歩に繋がっていきます。

SNSや友人にシェアをすること

世界の貧困問題に対して、少しでもアクションを起こしてみたら、そのことを周りの人にシェアしてみましょう

お友達との会話の中で「チャリティランに参加しない?」と声をかけてみるのもアリですし、SNSに活動報告を流してみるのも良いですね。

身近な人で何かやっている人がいる!と気づいてもらうことで、また別の方がアクションを起こすキッカケを作れるかもしれません。

まとめ

世界に広がる貧困問題。

少しずつ数字が改善しているとはいえ、「10人に1人が貧困ライン以下」での暮らしを強いられている現状です。

新型コロナウィルスの影響を受け、この数字は悪化しています。

パンデミックを受けて、貧困が遠い世界のことだけではない…と実感した方もいるのではないでしょうか。

SDGs目標達成に向けて、世界が一丸となって「貧困撲滅」に向けて動き出している真っ最中です

大きなうねりのなかで、自分でも出来る小さな一歩を踏み出してみましょう。

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GREEN NOTE編集部

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