気候変動・脱炭素

炭素税とは?メリット・デメリット、日本と海外の取り組み事例を紹介

炭素税とは脱炭素政策のひとつで、企業や個人が排出する二酸化炭素(CO2)の量に応じて課税する制度になります。

つまり簡単に言うと「二酸化炭素を出したらその分の税金を払って貰います」ということです。

2022年における世界の二酸化炭素排出量は約368億トンにもなりました。

引用:国際農研「2022年世界における温室効果ガス排出」

このままCO2をはじめとする温室効果ガスの排出が続けば、温暖化は加速し気温上昇による異常気象はますます増え地球は危機的状況に陥るでしょう。

脱炭素に向けた取り組みは急務です。

この記事では炭素税とはどのようなものかを、必要性やメリット・デメリット、日本と海外の取り組み事例など、あらゆる角度からわかりやすく解説していきます。

どうして炭素税を導入するのか?

炭素税はなぜ必要で、目的は何でしょうか。

それには脱炭素の重要性を認識する必要があります。

また炭素税の具体的な内容と目的についてもご紹介していきます。

炭素税は脱炭素のために必要

炭素税は脱炭素政策を進めるにあたって重要な制度と言えます。

それではなぜ、そこまで脱炭素を推進しなければならないのでしょうか。

理由の一つとして、温室効果ガス排出による地球温暖化が挙げられます。

温室効果ガス排出の増加により、地球の気温は上昇を続けており、2050年には平均で1.5度も上昇すると言われています。

地球の気温上昇が続いていけば気候変動による異常気象が増加し、豪雨や干ばつ、台風が多発し大きな被害を招きます。

温暖化を防止するためにも脱炭素への取り組みは必須です。

炭素税の目的とは

炭素税は世界的な「CO2排出量を削減しよう」という流れのもとに制度化されました。

1990年にフィンランドがいち早く政策に取り入れ、成果を上げています。

炭素税の最大の目的は、温室効果ガスの排出削減です。

企業は課税されることで、税率を軽減するために化石エネルギーの使用を抑制する努力を開始するでしょう。

さらにCO2排出の少ない生産過程の製品を消費者が購入することで、包括的な脱炭素の流れを作ることが可能です。

関連記事:【世界と日本】温室効果ガス削減の取り組みと個人でできること

炭素税はカーボンプライシングのひとつ

炭素税は「カーボンプライシング」の手法の一つになります。

もう一つのカーボンプライシングである「排出権取引」と併せて詳しく解説していきます。

カーボンプライシングとは

カーボンプライシングとは、炭素(CO2)に価格をつけることで、CO2排出の削減を目的とした政策手法です。

大まかに分けて以下の種類があります。

  • 炭素税
  • 国内排出取引(排出権取引)
  • クレジット取引
  • 国際取引による市場メカニズム
  • インターナルカーボンプライシング

参照:環境省「カーボンプライシング」

もうひとつのカーボンプライシング排出権取引

排出権取引とは、国や企業が定めた温室効果ガスの排出量を超過した場合、排出枠に余裕がある企業などから排出枠を購入できる制度です。

排出分を購入することで自社の排出をゼロにできます。

カーボンプライシングを導入する場合は、排出権取引と炭素税のどちらを選ぶべきか、または組み合わせるべきなのか、という問題があります。

仮に組み合わせた場合は、両制度の対象範囲について検討の余地があるでしょう。

炭素税のメリットとデメリットを解説

炭素税を導入することのメリットとデメリットはどのようなものでしょうか。

  • 最大のメリットはCO2排出量削減
  • デメリットは所得が低い層への負担増

以上の2点にポイントをおいて詳しく解説していきましょう。

最大のメリットはCO2排出量削減

炭素税導入における最大のメリットは、CO2排出を削減し地球温暖化を抑止できることです。

世界中のあらゆる企業が炭素税を導入し、温室効果ガスやCO2排出削減に努力すれば大きな成果を上げることが可能です。

また環境負荷を減らすための製品の開発にも力を注ぐこととなり、企業にとって新たなビジネスチャンスが拡大します。

デメリットは所得が低い層への負担増

炭素税のデメリットとしては、所得の低い企業や個人店に対して負担が大きいということです。

どの所得者に対しても一定の額で課税される炭素税は、課されることで経営自体を圧迫する可能性があります。

またCO2排出がどうしても多くなる業界に対しては大きなダメージを与えることになりかねません。

炭素税の動向と海外と国内の取り組み事例

世界の炭素税の動向と取り組み事例をご紹介します。

北欧は1990年代から炭素税を積極的に導入しており、大きな成果を上げています。

海外取り組み例

  • フィンランド
  • 前述したようにフィンランドは、炭素税導入をいち早く開始した国です。徴収された税金は所得税の引き下げや企業の雇用に係る費用を軽減することに使用されます。炭素税を導入することで、フィンランドのCO2排出量は確実に下降しています。
  • デンマーク
  • デンマークでは1992年にCO2税を導入しています。税収の使途は法人税の引き下げなどに使用されています。CO2導入において過去20年でCO2排出を大きく減少させた実績があります。またデンマークは再生可能エネルギー等の関連技術の輸出が欧州最大を誇っています。
  • フランス
  • フランスは2014年に、化石エネルギーに係る内国消費税を炭素部分とその他の部分に置き換える方法で炭素税を導入しました。2015年のエネルギー移行法においては2030年までの税率引き上げを発表しており、税収をエネルギー移行のプロジェクトに充当する計画です。

参照:資源エネルギー庁「諸外国における炭素税の導入状況」

日本の現状は?

日本でも「地球温暖化対策のための税」が2012年に段階的に施行されています。

これは化石エネルギーを使用する際に排出されるCO2の排出量に応じて負担を求める税です。

日本で排出される温室効果ガスの90%は化石エネルギー由来であり、これを削減するための排出抑制対策をとることは不可欠です。

しかし、段階的に税率は引き上げられていますが、海外の炭素税と比較して日本の「地球温暖化対策のための税」は非常低い税率となっています。

CO2排出量1トン当たり289円に等しくなるよう設定されています。

温室効果ガス削減対策としての効果が高いとは言えません。

海外で炭素税を取り入れている国は、GDPの成長とともにCO2排出も減少していますが日本ではほぼ横ばいの状態です。

参照:環境省「地球温暖化対策のための税の導入」

炭素税の課題に今後どう取り組むべきか

日本は「2050カーボンニュートラル」宣言をしています。

国際的なカーボンプライシングの動向をみても炭素税の普及が望まれます。

そのためにも税率アップも含めた課税に対する課題をきちんと洗い出し、それに向けての具体的な対策が望まれます。

そのためには国民一体となった環境意識への変化が必要です。

しかし低所得層に負担が行かないようにする、国際競争から外れない、などの配慮も必要です。

炭素税は世界的なCO2削減のために必要な税制

地球規模でCO2排出増加が進み地球温暖化が加速する中、企業や個人は真剣にCO2削減に取り組まなければなりません。

炭素税はそのための政策の一つです。

今後はさらなる脱炭素の普及に向かって炭素税は重要な政策となることは間違いないでしょう。

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