エシカルライフ

サステナブルとは?具体的な取り組み事例やSGDsとの違いについて徹底解説

ニュースやネット記事などでよく目にするほど注目されている「サステナブル」という言葉ですが、実際にどのようなものなのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

この「サステナブル」と言う言葉は、ファッションや食品、住まいなど生活のあらゆるところで使われるキーワードになっています。

今回の記事では、「サステナブル」について解説をして、具体的な取り組み事例などもご紹介したいと思います。

今後ますます注目が予想される「サステナブル」について、この機会に是非知っていただけますと幸いです。

サステナブル(Sustainable)とはどんな意味?

サステナブル(Sustainable)とはどんな意味?

サステナブル(Sustainable)とは、英語のSustain(持続する)とable(可能な)をかけ合わせた言葉です。

つまりサステナブルとは、「持続可能な」という意味になります。

この「サステナブル」という言葉はもともとビジネスシーンでよく使われていましたが、近年では環境問題に限らずファッションや食品などの幅広い分野に浸透してきています。

例えば、「サステナブルファッション」「サステナブルフード」といった言葉は、持続可能なファッションや持続可能な食品という意味を表しています。

そして現在、世界中の多くの人たちが共通の目標として取り組み始めているのが「サステナブル」な社会の実現なのです。

今サステナブルが重視されている3つの背景

今サステナブルが重視されている3つの背景

そもそも、なぜサステナブルな社会を目指すようになったのでしょうか。

その背景には、地球環境が危機的状況を迎えていることが挙げられます。産業革命によって私たちの生活が豊かさや利便性を得る代わりに、環境破壊が進んだと言っても過言ではありません。

具体的には、下記3つの背景があると考えられます。

  • 環境問題
  • 資源の枯渇
  • 労働問題

それぞれ、詳しく解説していきます。

環境問題

大量生産や大量消費による環境問題が本格的に問題視されたのは、1990年代初めごろです。

環境問題の中でも4つの問題が挙げられ、それが次の通りです。

  • 地球温暖化
  • 海洋汚染
  • 森林減少
  • ゴミ問題

産業が発展したことで生産や輸送などのあらゆる活動で二酸化炭素が大量に排出されるようになり、地球の気候システムに変化が生じてしまいました。

また生活排水や工業排水による海洋汚染や、プラスチック製品やペットボトルの投棄などで海に住む生き物の生態系に影響を及ぼしたことも問題となっています。

大規模な土地の開拓で世界中の森林が減少していることで、森に住む生き物の生態系への影響も懸念されているのです。

資源の枯渇

資源の枯渇も問題視されており、人々は産業の発展にともなって、これまで石炭、石油、天然ガスなど多くの資源を使い続けてきました。

しかし当然ながら、これらの資源には限りがあります。

近年では中国やインドなどのアジアを中心とした新興国が経済発展を遂げていることもあり、エネルギーの消費量は増加。

油や石炭を使い果たすまでの年数が短縮される可能性も考えられるでしょう。

労働問題

産業の発展は人々の労働があってこそのものです。

しかしより安価なものを求めた結果、労働者の人権問題などが浮き彫りになりました。

労働者は過酷な労働に加えて低賃金で働かされているケースが多く、人権を無視した過酷な労働状況に置かれている人々が大勢いることが問題となっているのです。

産業が発展して生活が豊かになる一方で、労働問題についても見直していく必要があるでしょう。

「サステナブル」と「SDGs」の違いについて

「サステナブル」と「SDGs」の違いについて

サステナブルと深い関わりを持つのが「SDGs」です。

この「SDGs」について、近年よくニュースやネット記事で見かける機会は多いのではないでしょうか。

SDGsの正式名称は「Sustainable Development Goals」で、日本では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。

大きく分けて「環境」「社会」「経済」の3つの側面から、持続可能な社会を実現するための17のゴールで構成されています。

つまり、「サステナブル」な社会を実現するための行動を具体化した目標が「SDGs」であると言えるでしょう。

「サステナブル」と類似する言葉

「サステナブル」と似たような言葉は、SDGsの他にもいくつかあります。

例えば、「エシカル」や「エコ」などが挙げられるでしょう。

どちらの言葉も、サステナブルを理解する上で一緒に覚えておきたい言葉となっています。

それぞれの違いについては別記事にて解説しているので、是非ご参考いただければと思います。

サステナブル社会を実現するための具体例

サステナブル社会を実現するための具体例

サステナブルな社会を実現するため、あらゆる業界でその取り組みが広がっています。

この記事では私たちの生活と密接に関わっている、ファッション・フード・住宅におけるサステナブルな取り組みの具体例についてご紹介していきます。

アパレル・ファッション

近年では、アパレル業界においてサステナブルは強く意識されていると言えるでしょう。

アパレル業界で使われる原料は動物の皮や羽毛など天然物が多く使われており、染料や農薬などの化学薬品が原因で生じる水質汚染や二酸化炭素排出量の増加など発展途上国の人たちへ悪影響を与えている現状です。

特に「ファストファッション」と呼ばれる低価格帯の衣服は大量に生産される一方で、衣服として流通せずに大量に売れ残っているという事実も。

このような問題から、昨今では地球環境に優しい素材である「サステナブル素材」を活用した商品開発が進んでいます。

例えば、スポーツアパレルブランドのNIKE(ナイキ)では、Nike Airソールに製造廃棄物のリサイクル素材が使われていたり、ペットボトルをリサイクルした再生ポリエステルのほか、再生レザー繊維なども商品に活用されたりしています。

参照:https://www.nike.com/jp/sustainability/materials

また、同じくスポーツアパレルブランドのadidas(アディダス)は、「2024年までに、adidasではすべての製品にリサイクルポリエステルを100%使用へ」を掲げており、サステナビリティ戦略を一層強化していく動きがみられます。

ファッション業界でSDGs実現に取り組む企業・アパレルブランドはこちらの記事をご参考ください。

関連記事:ファッション業界でSDGs実現に取り組む企業・アパレルブランドをご紹介

フード

食品業界において最も思い浮かぶ問題として、「フードロス」が考えられるでしょう。

実際に世界では、まだ食べられる食品が年間13億トンも廃棄処分されている現状です。

これは、日本では2つの事例が理由として挙げられます。

  • スーパーやコンビニなどでの売れ残りや規格外品の廃棄
  • 家庭での料理の作りすぎや購入して使わなかった食材を捨てる

昨今、飲食店では食べきれなかった料理をパックに詰めて持ち帰ることができるお店が増えています。

廃棄処分される食品を減らすためにも、一人ひとりがしっかりと意識改革や取り組みを見直していくことが求められるでしょう。

また、今急拡大しているのがサステナブルフードの市場です。

サステナブルフードとは自然環境や社会問題に配慮した食品で、欧米を中心に広まり日本国内でも見かける機会が多くなっています。

サステナブルフードとは「代替肉」や「植物食」などの環境負荷を減らしながら生産される食品のことです。

また、生産者の人権や生活に配慮した食品などが当てはまります。

住宅

これまでの不動産は、老朽化すれば取り壊して新たに建築をする方法が主流でした。

しかしサステナブル社会の実現をするため、今ではリフォームして持続的に住める住宅作りが注目されています。

高断熱化や冬の日射熱の利用、 自然風の利用、太陽光発電などを取り入れたサステナブルな住宅を目にする機会も増えたかもしれません。

日本の不動産の寿命は約30年と言われていますが、今後サステナブルを意識した住宅はさらに拡大が見込まれるでしょう。

行政も100年耐えることができる持続可能な住宅へ支援を広げています。

企業はサステナビリティ・トランスフォーメーションの展開を目指す

企業はサステナビリティ・トランスフォーメーションの展開を目指す

わたしたち個人ではなく、「サステナブル」の考え方は企業でも取り入れることができるでしょう。

今までのように「稼ぐ」ことに評価の基準があった時代とは違い、これからの時代は「サステナビリティ(持続可能性)」を持った経営方針も評価基準になっていきます。

そこで重要になるのが、「サステナビリティ・トランスフォーメーション」という経営方針です。

サステナビリティ・トランスフォーメーションは「SX」と表現されることも多く、これは2020年に誕生したばかりの新しい言葉です。

企業がどのようにサステナビリティ・トランスフォーメーションという経営方針をもとにアクションを起こしたのかについて、下記記事でご紹介しているので、是非参考にしてみてください。

関連記事:サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)とは?日本・海外事例を紹介

サステナブルな社会を実現するために私たちができること

サステナブルな社会を実現するために私たちができること

今後もさらに注目が予想される「サステナブル」ですが、サステナブルな社会を実現するためには、私たち一人ひとりが日頃から意識して行動を起こしていく必要があります。

そこで、 日常生活の中で気軽に取り組むことができるアクションを5つまとめてみました。

  • 節電・節水を心がける
  • 使い捨ての物をなるべく減らす
  • できるだけ公共交通機関などを利用する
  • フードロスをしない
  • 生分解性の商品を選ぶ

それぞれ、具体的にご紹介していきます。

節電・節水を心がける

節電・節水を心がけることで、限りある資源を守ることにつながります。

生活費を抑えることにもつながるため、下記のような行動を意識してみるといいでしょう。

  • こまめに電気を消す
  • 冷蔵庫を開けっぱなしにしない
  • 洗濯はお風呂のお湯を再利用する
  • シャワーを出しっぱなしにしない

使い捨ての物をなるべく減らす

使い捨てのものは簡単で便利なアイテムですが、ゴミを増やしてしまうためなるべく使用を避けることをおすすめします。

食器などを洗う手間がかかってしまいますが、長期的にみると使い捨てアイテムを使うよりもずっと経済的です。

天然素材やリサイクル素材を使った「サステナブル素材」の製品もたくさん登場しているため、日頃使っているものを見直してみることが大切です。

できるだけ公共交通機関などを利用する

できるだけ公共交通機関などを利用することで、CO2の削減につながります。

CO2の排出量のうちおよそ2割が自動車などによる排気ガスとされているため、特に都心部などでは積極的に公共交通機関などを利用してみるといいでしょう。

また、徒歩圏内で行ける場所は徒歩や自転車を使うなどの取り組みも大切です。

フードロスをしない

本記事で前述したとおり「フードロス」は問題視されており、世界に比べて日本の割合は多いとされています。

日常の中で手軽に行えることとして、次のようなものが挙げられるでしょう。

  • 保存方法を工夫する
  • 本来食べられる部分まで捨てず活用する
  • 「賞味期限」と「消費期限」を確認して食品を買う

生分解性の商品を選ぶ

生分解性の商品とは、レーヨン、リヨセル、キュプラなどの植物由来の資源で作られたものです。

植物由来なので土に埋めた後でも特定の微生物によって水とCO2まで分解されることが特徴です。

土に埋めても自然に還るため、ゴミの削減につながるでしょう。

サステナブルな社会の実現を目指そう

サステナブルについて理解を深めることで、私たちの生活と密接な関わりがあることがわかったのではないでしょうか。

昨今、注目されている背景には、地球環境が危機的状況を迎えていることについても覚えておきましょう。

私たちが住む地球を平和で持続可能な環境を作るためには、一人ひとりの行動がとても重要となるのです。

小さなことでも、意識して積極的にアクションを起こすことが大切と言えるでしょう。

ゴミを出さない努力など、地球を守るために身近に始められることから取り組んでみてはいかがでしょうか。

サステナブルな社会を実現するためには国や企業だけが行えば良いのではなく、私たち消費者も意識して取り組みを行う必要があるのです。

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