エシカルライフ

持続可能な漁業が海の未来を守る!今日からすぐにできる行動とは

「スーパーに並んでいる魚の値段が、数年前に比べて高くなった」
「以前よく見かけていた魚を最近見かけなくなった」
このように感じたことはありませんか?

限りある水産資源や海の環境を守りながら、この先も魚をおいしく食べ続けるためには、持続可能な漁業が必要不可欠です。実際、世界の多くの海で魚の数が減っており、対策が急がれています。
本記事では持続可能な漁業の意味やその大切さ、SDGs各目標との関連性や、私たちにできる行動について詳しく解説します。

持続可能な漁業とは?

持続可能な漁業とは、魚の生息域や生態系への影響を最小限に抑えながら、十分な水産資源を残しつつ行う漁業のことです。

しかし、魚の数や海の環境を無視した過度な漁業を続けた結果、魚の数は激減しています。国連食糧農業機関(FAO)の発表によると、世界の魚の約35.5%が過剰に獲られている状態です。
このままでは近い将来、魚が食べられなくなる日が来る可能性もあります。

参考:FAO|FAO releases the most detailed global assessment of marine fish stocks to date

持続可能な漁業の重要性

持続可能な漁業は、水産資源と私たちの生活を守るために欠かせません。魚が減ると食料が不足し、漁業に従事する人の仕事も失われてしまうためです。

世界の3分の1以上の人が、魚を主なたんぱく源として利用しています。近年、魚介類の需要は右肩上がりですが、それに対して供給が追いついていないのが現状です。こうした高まる需要に応えようと、漁業の設備や技術が向上し、漁獲量も増えてきました。しかし、結果として、海の生態系を崩すほどの影響を与えることになってしまったのです。

このような状況を踏まえ、海の生態系を守りつつ、これからも魚を食べ続けていくためには、持続可能な漁業が必要不可欠です。

参考:MSC|持続可能な漁業とは?

持続可能な漁業がもたらす経済的・環境的利益

持続可能な漁業は経済の安定につながります。魚が継続して安定的に獲れるようになれば、漁業やそれに関連する仕事が長く続けられるためです。雇用創出や地域経済の活性化にも役立つでしょう。

また、持続可能な漁業は海の環境を守るうえでも重要です。国連食糧農業機関の報告では、「効果的な漁業管理は漁業資源を保全するための最も強力な手段」と述べられています。そのため、持続可能な管理がなされている漁業では、漁業資源が十分に保たれていることが分かっています。

このように、魚は獲りすぎずに適切に管理すれば、数が激減したり絶滅したりする心配はありません。魚は自然のサイクルに従って増え続け、安定した数を維持できます。

参考:FAO|FAO releases the most detailed global assessment of marine fish stocks to date

漁業における課題とその解決策

漁業には、乱獲や気候変動など多くの課題があります。これらの課題に対応し、持続可能な漁業を実現するためには、それぞれの課題において適切な対策を講じることが求められます。

乱獲の現状と対策

先述のとおり、世界の魚の3分の1は乱獲(獲りすぎ)の状態にあります。このままでは個体数がさらに減少し、絶滅してしまう海洋生物も増えていくでしょう。

特に、私たち日本人になじみの深いニホンウナギなども、絶滅危惧種に指定されています。
なお、以下の記事では、すでに絶滅してしまった海洋生物やほかの絶滅が心配されている種にも触れているので、ぜひ併せてご覧ください。
関連記事:日本の魚の絶滅危惧種の数や種類とは?無限ではない海や川の豊かさ

また、密漁が増えている点も大きな問題です。水産庁によると、2023年の漁業関係法令違反(密漁)の検挙件数は1,653件にも上りました。
対策としては、漁獲量の制限や特定の魚を狙う選択的な漁具の使用、監視体制の強化などが挙げられます。

参考:水産庁|密漁を許さない ~水産庁の密漁対策~

気候変動が漁業に及ぼす影響

気候変動は、漁業・養殖業に大きな影響をもたらします。例えば、水温の上昇や海洋酸性化によって、海洋生物のすみかが変わったり、失われたりしてしまうかもしれません。
実際に、もともと南の地域に生息していた魚が近年は北部で獲れるようになる、以前は北部でよく獲れていた魚がさらに北上していなくなるなど、魚の分布が変化しています。また、魚が自国の海域を超えて移動し獲れなくなれば、漁業そのものの衰退をも招きかねません。

さらに、水温や沿岸部の気温上昇によって貝類や海藻類の生育にも問題が出るなど、養殖業にも甚大な影響が出ています。

参考:水産庁|(5)漁場環境をめぐる動き

持続可能な漁業を実現するための取り組み

持続可能な漁業を実現するためには、各国が協力して取り組む必要があります。自然任せにしていては、水産資源が回復しないどころかいずれ絶滅の危機に直面しかねません。

それでは、世界と日本での取り組みにはどのようなものがあるのでしょうか。

世界の持続可能な漁業の事例

まず、世界での成功事例を紹介します。

ブラックタイガーの主要生産地であるインドネシアでは、エビの養殖池確保のためにマングローブが大量に伐採され、その多くが失われました。そこで、現地のエビ加工会社とエビを仕入れている日本生活協同組合連合会が協業し、「インドネシアエビ養殖業改善プロジェクト」に取り組むことになりました。

さまざまな困難に直面しながらも、約3年もの月日をかけて改善を続けた結果、養殖業の国際認証であるASC(水産養殖管理協議会)認証の取得を達成。こうして持続可能なブラックタイガーの養殖業が実現しました。

この成功事例は、SDGs「14. 海の豊かさを守ろう」「12. つくる責任、つかう責任」「17. パートナーシップで目標を達成しよう」といった目標にも貢献しています。

参考:WWFジャパン|サステナブルなブラックタイガーエビが発売!

日本における持続可能な漁業の事例

続いて、国内での成功事例を紹介します。

パナソニックグループは、20年以上にわたり海の豊かさを守る活動を推進しています。
2018年には、日本で初めて「サステナブル・シーフード」の提供を社員食堂で開始しました。
サステナブル・シーフードとは、資源管理のほか、環境や社会にも配慮しながら持続可能な方法で生産された水産物のことです。

2024年1月時点で、サステナブル・シーフード導入拠点数は57ヶ所にも上ります。同社はこの活動を通じて、従業員は水産資源の危機的状況やサステナブル・シーフードへの認知を深め、消費行動の変革を促しています。

参考:パナソニックグループ|海を守る選択

持続可能な漁業を推進するために私たちができること

私たち一人ひとりの消費行動は、持続可能な漁業の推進に直結します。本項では、持続可能な漁業の実現のために、今日から始められる具体的な行動を紹介します。

日常生活の中でできる取り組み

日常生活の中でできる工夫としては、地元で捕れる旬の魚を食べることや、食べ残しをしないことが挙げられます。また、海岸で行われているごみ拾いのボランティアに参加するのもよいでしょう。
私たちの小さな努力が積み重なることで、やがて大きな変化をもたらすことができます。

エコラベル製品の選択

エコラベルが付いた水産物を選ぶのもおすすめです。水産資源に関する主なエコラベルには、MSC「海のエコラベル」やASC認証などがあります。

MSC「海のエコラベル」は、持続可能な方法で漁獲された水産物であることを証明するラベルです。一方、ASC認証は、周辺の自然環境や地域社会に配慮しながら持続可能な方法で養殖された水産物であることを証明する、養殖業向けの認証制度です。

これらのラベルが付いた製品を選ぶことで、持続可能な漁業を後押しし、豊かな海の資源を守ることにつながります。

参考:水産庁|水産エコラベルをめぐる状況について

SDGsと漁業の関係

SDGsと漁業は密接な関わりがあります。海や水産資源を守ることを目指した目標だけでなく、食品ロスの削減や経済成長への貢献など、さまざまな側面から関係しています。

SDGs14「海の豊かさを守ろう」とは?

SDGs14は、海洋汚染の防止や水産資源の適切な管理を通じて、海を守ることを掲げた目標です。14.1から14.cまで、全部で10個のターゲットがあります。

SDGs14の各ターゲットについては、以下の記事で詳しく解説しています。また、個人ですぐに始められる取り組みも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:SDGs14「海の豊かさを守ろう」|企業や個人の海を守るための取り組み

参考:SDGsジャパン|目標14のターゲット・実施手段と指標

持続可能な漁業がSDGsに貢献する方法

SDGs14の各ターゲットには漁業に関する項目が多くあり、持続可能な漁業の実現はSDGs14を達成するうえで欠かせない要素といえるでしょう。

また、未利用魚を食べることを選択をすることは、食品ロスの削減にも役立ちます。
未利用魚とは、水揚げされたにもかかわらず、市場に出回らずに廃棄されてしまう魚のことです。以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:未利用魚とは?SDGsとの関係やおすすめ通販を紹介

食品ロスはSDGs12「つくる責任 つかう責任」と関連があり、特に「12.3」の項目では食品ロスの削減がターゲットとして定められています。仮に未利用魚が販売できるようになれば、漁師の収入増にもつながり、SDGs8「働きがいも経済成長も」にも貢献します。

さらに、これまで廃棄されていた魚を食料として活用することは、SDGs2「飢餓をゼロに」にも役立つと考えられるでしょう。このように、持続可能な漁業はSDGsの多くの目標と深く関連しています。

参考:ワールド・ビジョン|食品ロス削減とSDGsの関係|現状・世界や日本企業の取り組みを解説

まとめ

日本は四方を海に囲まれており、水産資源の豊かな国の一つです。寿司や刺身など、日本が世界に誇る食文化を未来へ残していくためには、今すぐ行動することが必要です。
私たち一人ひとりの日々の心がけや適切な選択が、海を守ることにつながります。持続可能な漁業をみんなで後押ししていきましょう。

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