生物多様性

SDGs14「海の豊かさを守ろう」|企業や個人の海を守るための取り組み

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SDGs14の目標は、「海の豊かさを守ろう」です。

突然ですが、最近いつお魚を食べましたか?

日本人の魚の摂取量は1人あたり45kg。

世界平均20kgの倍以上というほど、私達は日々の生活で海の恵みをうけています。

必要以上に魚を取る乱獲やプラスチックごみによる環境破壊は、海の魚にとって死活問題です。

ウミガメやクジラ、海鳥など、人間活動によって命の危険にさらされる生き物を減らし、海と海の資源を持続可能な方法で利用する方法について考えていきましょう。

海を守るために、具体的な企業や個人の取り組みも紹介します。

SDGs14「海の豊かさを守ろう」って何?

国連が発表している持続可能な開発目標は17個あります。

そのうち、目標14番が「海の豊かさを守ろう」です。

目標14番のターゲットは7つの目標と、3つの実現方法にわけられています。

14-1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。
14-2 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。
14-3 あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し、対処する。
14-4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。
14-5 2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。
14-6 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する。
14-7 2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。
14-a 海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。
14-b 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。
14-c 「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。
  • ※「14-1」のように数字で示されるものは、それぞれの項目の達成目標を示しています。
  • ※「14-a」のようにアルファベットで示されるものは、実現のための方法を示しています。

引用:https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/14-sea/

海の豊かさを守るのはなぜ必要?乱獲と海洋汚染の問題

地球面積の7割は海です。

海の生き物のおかげでお寿司など海産物を楽しめるだけでなく、海水浴などでリフレッシュできたり、大気中の二酸化炭素を吸収して大量の酸素を生み出してくれたりと、海は私達に恵みを与えてくれています。

お魚を取り続ける乱獲や、生活排水や工業排水のような水質汚染、そして使い捨てられたプラスチックゴミが海辺に漂着することは、海にとって深刻な問題です。

私たち人間の行動が海と海の生き物にとって、どんな影響があるのか詳しく見ていきましょう。

海の生き物の乱獲と未利用魚の問題

海の生き物の乱獲は世界的に問題視されています。

2030年に予測される魚の生産量は約2億トン。

一方で消費量の予測は約1億8千トンなので、ギリギリの需給状態です。

獲りすぎの魚と限界まで利用している魚をあわせた割合は90%を超え、たった6%しかまだ十分に利用できる魚の資源はありません。

世界的に健康志向で魚の消費が増えたことで、需要に伴って必要以上に魚を獲る量が増えています。

一方で、お魚に価格がつかない場合は、未利用魚として処分されてしまう別角度の問題もあります。

海洋汚染に繋がる排水の問題

洗い物をしたときに台所から出る排水やトイレの排水、歯磨き粉を含む洗面所の排水など、生活排水は海洋汚染の大きな原因です。

特に、油とマヨネーズは分解が難しく、海の汚染に影響します。

流す前にキッチンペーパーで拭くなど、少しの努力が海を守ることに繋がります。

さらに、工場排水により赤潮が発生すると、異常に発生したプランクトンが影響して魚が呼吸困難になり死滅する事態に繋がります。

企業の責任として、工場排水を出さない取り組みが求められています。

関連記事:水質汚染の影響は?その原因と私たちができること

使い捨てプラスチックの問題

日本で最も海ゴミが漂着する島をご存知でしょうか。

長崎県の対馬には、年間約3,200万リットルの海ゴミが流れています。

木材が半分、もう半分は人工物でなかでも30%がプラスチックごみです。

海辺を埋め尽くすマイクロプラスチックを、エサと間違えて海鳥やウミガメが食べてしまうと命を落とす危険があります。

ストローがささったウミガメや体内がゴミで埋め尽くされた海鳥の画像はかなり印象的です。

このままだと2050年には海の生き物よりプラスチックの数の方が多くなると言われているので、私たちにできることから行動を起こして被害を受ける海の生き物を守りましょう。

関連記事:SDGsとプラスチックごみの関係を学ぼう!今からできる取り組みを紹介

海の豊かさを守る取り組み

海の汚染や海の生き物を危険に晒す原因を見てきましたが、具体的に海の豊かさを守る取り組みについて見ていきましょう。

個人や企業、国としての取り組みをご紹介します。

消費は投票!食べる魚を選ぼう

出典:https://www.msc.org/

「海のエコラベル」というものがあります。

適切に持続可能な方法で育てられた天然の水産物にはMSC認証が、養殖の水産物にはASC認証のマークがつけられています。

違法な乱獲や環境への負荷がかかっていない水産物を見分けるマークをたよりに、食べるお魚を選ぶことが海を守ることに繋がります。

ほかにも規格外で価格がつかないお魚を味付け加工して定期便でお届けしてくれる「フィッシュル」や未利用魚を加工した五島列島の「フィッシュハム」など、美味しい!を通して海の豊かさを守る選択肢もあります。

正しさだけではなく、楽しい感情で行動をすることも続けるには大切なことです。

プラスチックゴミを減らす努力

レジ袋有料化による大きな成果は環境配慮への意識変革です。

1人あたりの使い捨てプラスチック廃棄量はアメリカに次いで第二位の日本。

コンビニやスーパーで買うお弁当の容器やペットボトル飲料など、使い捨てが故に廃棄されるプラスチックの量が増え、海に住む生き物の命に危険を及ぼしています。

マイボトルやマイ箸を持ち歩くことや、ラップを何度も使える蜜蝋ラップへ代えたり、プラスチックの歯ブラシを竹素材に代えるなど、普段の生活から出来るアクションです。

「使い捨て」の考え方を「長く使う」考え方にスイッチするだけで、世の中の環境は確実に変わり、海と海の生物を守ることに繋がります。

関連記事:レジ袋有料化のメリットとは?「本当に効果があるの?」の疑問に迫る!

海の豊かさを守る企業

化粧品メーカー大手のコーセーがサンゴ礁の移植プロジェクトを行っていたり、マルハニチロがサステナブルシーフードの普及や乱獲の廃絶に向けた取り組みを行っています。

大手の会社の影響力は大きいです。

市と連携して海辺を掃除するボランティアを開催していたり、小学校で海の大切さを伝える授業を行ったりと、地域活動も多く見られます。

海の資源の現状を伝えて、行動する人を増やすことも企業にとって大きな役割です。

海外を中心に、肉からのタンパク質シフトとして「海藻」が注目されています。

海藻はタンパク質の含有率が約3割のものもあり、期待の代替ミートです。

海藻の養殖が世界的な市場の9割を占めるアジアで海藻の養殖を進める企業が増えれば、環境負荷の低減と海の豊かさを共に実現できる取り組みになるでしょう。

途上国の魚の獲り過ぎ問題

世界的に海洋水産資源が減っているなか、全体の3割は過剰漁獲といわれています。

特に、多くの途上国は経済を一次産業に依存しているので、漁業資源の減少が栄養、雇用、経済などに大きな影響を与えます。

海洋資源に頼る開発途上国では、国内の少ない人口やインフラの不整備により乱獲された魚を海外へ輸出しています。

各国政府や国際機関が再生産可能な漁業資源をなんとか守ろうと取り組むなかで、管理体制をすり抜ける違法・無報告・無規制(IUU)漁業が行われています。

国際課題として解決するために、1992年の国連環境開発会議(地球サミット)で採択されたアジェンダ21(第17章)、1995年にFAOで採択された責任ある漁業のための行動規範など、国際的文書や宣言のなかでIUU漁業の撲滅に向けた取り組みが強化されています。

映画『ゴースト・フリート 知られざるシーフード産業の闇』では、東南アジアの漁船で奴隷として働かされている数万人の労働者がいる現実が伝えられています。

世界の漁業人口のうち97%の人が途上国に住んでいます。

生計を立てるうえで欠かせない漁業資源を持続的にみんなで守る取り組みが大切です。

まとめ

マグロやサーモン、うなぎなど、美味しいお魚をずっと食べ続けていたいですよね。

人の手を加えなければ、生態系のなかで海の生物が補い合って豊かな環境をつくることができます。

経済的な豊かさと環境の豊かさにはバランスを保つ意識がまず第一に大切です。

その上で、海や海の生き物の適切な管理に配慮したお魚を選んだり、使い捨てプラスチックの数を減らしたり、私たちにできることから取り組んでいきましょう。

特に、日本人は世界的にみても、海やお魚など海洋資源からたくさんの恩恵を受けているので、感謝の気持ちを忘れずに海の豊かさを守る責任ある行動をしていきたいですね。

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GREEN NOTE編集部

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