社会課題解決を目指すベンチャー必見|スタートアップ発掘コンテスト「Extreme Tech Challenge (XTC)」とは?
「Extreme Tech Challenge (XTC)」とは、グローバルな社会課題をテクノロジーの力で解決することを目指す世界最大級規模のスタートアップコンテストです。
2022年8月25日、日本国内のイベントとして、【XTC JAPAN Meet Up XTC2022世界大会 パブリックビューイング(日本語解説付き)】が開催されました。
今回のMeet Upでは、
- XTC2022世界大会の振り返り
- 今年、2022年3月の日本予選を勝ち抜き世界大会へ進出したスタートアップ企業の体験談パネルトーク
など、世界大会に出場した企業のプレゼンや実際に大会に参加して感じたことなどを伺うことができました。
本記事では、XTCについて概要や世界大会の様子、実際に大会へ参加した方から聞くエントリーのメリットなどをご紹介します。
グローバル課題をテクノロジーで解決する起業家発掘コンテスト「XTC」
XTC(Extreme Tech Challenge)とは、人類が抱えるグローバル課題をテクノロジーの力で解決することを目指すスタートアップ企業を発掘、そして支援をする世界最大級のピッチコンテストです。
XTCに出場するスタートアップ企業は、SDGsの目標を集約した下記11カテゴリーに分かれて、事業計画の市場性と問題解決力を競います。
- AGTECH & FOOD(農業・食糧)
- CLEANTECH & ENERGY(環境・エネルギー)
- ADVANCED MATERIALS(新素材)
- EDTECH(教育)
- ENABLING TECH(実現技術)
- BIOTECH(バイオ技術)
- DIGITAL HEALTH(デジタルヘルスケア)
- FINTECH(フィンテック)
- MORILITY(モビリティ)
- SMART CITIES(スマートシティ)
- Web3
日本ではまだ広く知られていませんが、世界の有名VCや大手企業など71団体の連合により、16ヶ国21都市およびオンライン公募で開催される世界的な大会です。
2021年の世界大会では、世界92ヶ国から3700社以上のスタートアップが参加し、その内80社は出場後に合計約200億円の資金調達を実現しています。
(内43%は女性起業家によるスタートアップ企業)
過去のXTC世界大会には、ビル・ゲイツ(マイクロソフトの共同創業者兼元会長兼顧問)やリチャード・ブランソン(イギリスの実業家。コングロマリット、ヴァージン・グループの創設者で会長)がスペシャルゲストスピーカーとして登壇しています。
自分たちのテクノロジーで社会課題を解決したい!という熱い思いのあるスタートアップ企業はぜひチャレンジしてほしい大会です。
XTCの共同創業者
XTCの創業者は下記の2人です。
Bill Taiは1991年からベンチャーキャピタリストとしてスタートアップ企業に出資し、これまでに22社の新興企業を上場企業に育て上げました。
また、8社の上場企業(AWRD EGHT HUT8 IAWK NPIX TMTA)で取締役を務めています。
Young Sohnは韓国系アメリカ人の経営者であり投資家で、サムスン電子の社長兼最高戦略責任者。
Sohnはサムスン電子の子会社であるHARMAN International 取締役会長、Walden Catalyst 創設マネージングパートナーを務めています。
XTC世界大会2022はアメリカで開催【最終決勝ステージのピッチ映像】
前回のXTC世界大会は、 2022年6月14日にアメリカ・サンフランシスコで開催されました。
↑ゲストスピーカーにはビル・ゲイツが登壇。
↑また、アメリカの代替肉市場を牽引するインポッシブル・フーズのCEOパトリック・ブラウンもゲストとして参加し、注目を集めた大会となりました。
↑XTC前夜祭の様子。3年ぶりのオフライン開催ということもあり、より盛り上がりを見せていました。
XTC2022世界大会の模様は、下記Twitterでチェックできます。
https://twitter.com/i/events/1551416716088881152
またグローバル最終決勝ステージ全社(12社)のピッチ映像と日本語解説は、下記の動画から視聴可能です。
XTCにエントリーするメリット
XTCのエントリーには、下記のメリットがあります。
- 日本予選の選出企業はグローバル決勝ラウンドに日本代表として世界大会に出場
- 世界的な露出機会とメンターシップ
- 事業が審査員やパートナーの目に留まるチャンス
- 海外VC・CVCからの資金調達機会
- グローバル企業との協業機会
- XTC公式パートナーのVCによるピッチメンタリング
世界大会に先立ち、日本予選など世界各地の予選を勝ち抜いた100社(10カテゴリー各10社)は、カテゴリー決勝(カテゴリー内の優勝企業を決め、優勝した企業が世界大会でプレゼン)やブートキャンプに参加することができます。
ブートキャンプでは、世界中のVC、投資家、有名外資企業の有識者がスピーカー、講師、メンターとしてアドバイスを受けることができ、具体的には
- タームシートの作り方
- 魅力的なピッチプレゼン資料の作り方
- 30秒のエレベーターピッチ
- 投資家のハートを掴むためのピッチ
- 企業との建設的なミーティングを行うためのアドバイス
などといったレクチャーがあります。
世界大会へ日本代表として出場した2社の体験談
2022年のXTC日本予選を勝ち抜き、世界大会への参加を経験した2社(3名)の体験談パネルトークでは、下記のような感想、メリットについてお話を伺うことができました。
実際にXTC世界大会に参加した感想
金 鍾明氏―何よりも熱気が違いました。
いろいろな起業家が集まっていたので、パーティーで各社の苦労話を聞くことができ、とても勉強になりました。
白尾 智明氏―参加企業の皆さんが一生懸命にプレゼンや事業に取り組まれているのを見て、自分たちも負けてられないという気持ちになりました。
現地では、起業家の横のつながりもでき、情報交換することができました。
関野 祐子氏―ステージに立つ方たちからパワーを感じました。
そういう方に囲まれる環境だったので、もっとチャレンジしようという自分自身のエネルギーになりました。
ブートキャンプについて
白尾 智明氏―約1ヶ月のブートキャンプでは、アクティブプログラムとレクチャーのセッションがあり、周りの方が積極的に発言していました。
このブートキャンプに参加できただけでも価値があったと思います。
資金調達について
金 鍾明氏―XTCの日本代表に選出されたことで、間口を広げることができました。
メインターゲットとなる現地クライアントやVCから声がかかったり、メールのレスポンスがあったりなど、事業として活動しやすくなりました。
アクプランタ株式会社
代表取締役社長 CEO 金 鍾明氏
エピジェネティクス技術による農作物の耐乾性・耐暑性・生産性向上を目指す
https://ac-planta.com/
アルメッド株式会社
代表取締役 CEO 白尾 智明氏
脳型ドレブリンを指標とした認知症診断法および治療薬の開発を行う
https://www.alzmed.jp/
アルメッド株式会社
サイエンスアドバイザー 関野 祐子氏
東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員
XTC日本予選2023と今後のMeet Up情報
次回のXTC日本予選2023(2023年2月末~3月開催予定)への応募は、2022年10月上旬より募集受付予定です。
次回の日本予選、世界大会に向けて、10月以降もXTC JAPAN Meet Up(オンライン&オフライン)を開催予定です。
今後のMeet Upでは、XTCの10のカテゴリーから各分野の専門家、CVC・VCを招いてのトーク(海外の最新動向などの情報)やスタートアップによるライトニング・ピッチセッション等の内容を予定しています。
テーマ:モビリティ&スマートシティ2022年11月(予定)
テーマ:バイオテック・メディカルデバイス&デジタルヘルスケア
今後のイベントはXTC JAPAN公式WEBサイトおよびTwitterでチェックできます。
公式WEBサイト:https://xtc-japan.org/
公式Twitter:https://twitter.com/XTC_JAPAN
XTC日本予選【応募要項】
XTC日本予選の応募要項は下記5つの条件があります。
条件①:XTCの定める10カテゴリーに、少なくとも1つ当てはまること
条件②:下記のうち少なくとも1つを達成していること
1. VCによる資金調達
2. アクセラレーターへの採択
3. 顧客への製品・サービス提供
条件③:法人として登記されていること(国・地域を問わない)
条件④:日本予選ピッチ選出時に、ピッチ登壇できること(過去の大会に応募した企業の再応募も可能)
条件⑤:グローバル決勝進出時のルールは下記が適用される
https://extremetechchallenge.org/rules
XTCのエントリー費用やその他の条件
XTCのエントリーは無料です。
ただし、貴社が参加資格のあるコンペティション関連イベントに参加するための旅費、宿泊費、その他の費用は自己負担となる場合があります。
資金調達に関して、これまでに受けた資金に制限はありません。
すでに資金援助を受けている場合でも、XTCにエントリーすることができます。
XTC JAPAN主催会社・パートナー企業
「XTC JAPAN」では、下記の2社が共催しています。
- 株式会社アイティーファー
- 株式会社ガイアックス
東京発の国際VCとして欧米スタートアップに20年以上の投資&事業開発支援。
代表的なシード投資 実績はTreasure Data、Zoomなど。株式会社ガイアックス
新卒入社卒業生の6割は起業する、起業家輩出のスタートアップスタジオ。
また下記の企業がパートナーとなっています。
【XTC グローバルパートナー】
- 富士通株式会社
- Benhamou Global Ventures
- 株式会社アイティーファーム
【XTC JAPANゴールドパートナー】
- 三菱地所株式会社
- 日本電気株式会社
【XTC JAPANシルバーパートナー】
- ノーリツ鋼機株式会社
- 三菱電機株式会社
- ヤンマーホールディングス株式会社
まとめ
海外で大きな盛り上がりを見せている「Extreme Tech Challenge (XTC)」について、昨年の世界大会の模様や現地参加企業の体験談などをご紹介しました。
XTCは、グローバル課題にテクノロジーで立ち向かうスタートアップが、世界で戦う足がかりとなります。
そして、10月以降に開催されるXTC JAPAN Meet UpやXTC日本予選は、事業アピールのチャンス!
ぜひ、ご参加・ご応募ください!
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