格差・貧困・人権

子ども食堂とは?寄付の方法や企業事例を解説!

ここ数年で急増している、子ども食堂。

子どもの貧困対策と地域の活性化が期待できると注目を集めています。

とはいえ、子ども食堂という言葉自体を聞いたことはあるものの、実態についてはあまりよく知らない方もいるのではないでしょうか。

今回は、子ども食堂のメリットや課題について解説します。

また、企業や自治体が支援する取り組み、寄付する方法についてもくわしくまとめました。

子ども食堂は、子どもの成長にとってどのような良さがあるのか、みていきましょう。

子ども食堂とは

子ども食堂とは、子どもへ無料または低価格で食事を提供する食堂です。

地域の温かな団らんの場であることから「地域食堂」「みんな食堂」と呼ばれることもあります。

民間発の子ども食堂は、地域住民や支援団体などによって自発的に行われています。

月1回開催しているところから、ほぼ毎日開催しているところまでさまざまです。

もともと子ども食堂は、2012年に東京都大田区にある八百屋の取り組みから始まったとされています。

それから10年以上が経った2023年には、全国で9,000箇所を突破しました。

出典:厚生労働省|子ども食堂応援企画
出典:農林水産省|子供食堂と連携した地域における食育の推進
出典:むすびえ|こども食堂について

子ども食堂の3大メリット

日本国内で少子化が進むなか、孤食の解消・食育の推進・地域交流などの役割を担う子ども食堂は広がっています。

ここでは、子ども食堂のメリットを具体的に紹介します。

①子どもの貧困を救う

多くの子ども食堂は、子ども一人でも安心して通える場を提供しています。

無料または低価格で栄養のある食事を食べられるため、経済的に厳しい家庭の子どもを救う役割も期待されています。

厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、貧困状態にある 17歳以下の子どもの割合(子どもの貧困率)は、2021年で11.5 %でした。

これは、9人に1人に相当します。

貧困と聞くと、開発途上国のイメージが強い方もいるかもしれません。

しかし、日本では相対的貧困で苦しむ人が多くいます。

相対的貧困とは、その国の平均的な生活水準と比べて収入が少ない状態のことです。

子ども食堂は、貧困で苦しむ家庭で育つ子どもの食をサポートする役割も担っています。

以下の記事も参考にしてください。
日本で深刻化する「子どもの貧困」とは?実態や原因、対策を解説

②食育につながる

複数の人と食卓を囲む子ども食堂は、食育の推進も期待できます。

食育とは、健やかに生きていくための土台をつくるために行うものです。

健康的な食習慣を身につけるだけではなく、楽しい食卓を囲むことも大切です。

文部科学省の調査によると、朝食を1人で食べる小学5年生の割合は15.3%

1人で食事する経験が多い子どもほど、疲れやすくイライラする傾向が多いといわれています。

「みんなで食べるとおいしい」という経験を積むことも、健やかな成長のために必要です。

子ども食堂は、共食の機会を提供する場ともいえます。

③地域のつながりをつくる

多くの子ども食堂は、地域コミュニティのなかで運営されています。

そのため、子ども食堂を起点に地域のつながりを形成することにも役立てられています。

また、子ども食堂は親子での参加が可能です。

そのため、親同士の交流の場としても活用できます。

地域で子どもを育てるという意識が高まることは、子育て世帯の大きな支えになるのではないでしょうか。
出典:農林水産省|こども食堂と連携した地域における食育の推進

子ども食堂の課題

自発的に行動できる子ども食堂を運営するにあたり、現在どのような課題があるのでしょうか。

主な課題点についてまとめました。

①スタッフや会場の確保

子ども食堂は、調理したり食事したりできる環境が必要です。

そのため、会場の確保が容易ではありません。

運営スタッフや調理ができるボランティアなどの人材確保も大きな課題です。

②運営費や食材の確保

運営資金を集めたり、お肉や野菜などの食事を毎回調達したりすることも、大きな負担になっています。

また、食中毒対策や感染症対策に悩む子ども食堂も増えているそうです。

お金や食材だけではなく、スムーズな運営を実施するノウハウの提供も、子ども食堂に必要なサポートの一つです。

③参加への勧誘

「来てほしい家庭の子供や親に来てもらうことが難しい」という声も多くあがっています。

子ども食堂はみんなの居場所ではあるものの、「子ども食堂に行くのが当たり前」という認識はあまり浸透していません。

そのため、子ども食堂へ行くことに抵抗感をもつ家庭もあると考えられます。

放課後の公園のように、すべての子どもが気軽にアクセスできる環境を整えていくことが必要ではないでしょうか。

出典:農林水産省|子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集
出典:厚生労働省|子ども食堂応援企画
出典:むすびえ|こども食堂について

【自治体編】子ども食堂を支援する事例

地域住民のコミュニケーションの場としても活用される子ども食堂。

それぞれの自治体では、どのような支援をしているのでしょうか。

①神奈川県

神奈川県では、子ども食堂を応援するために「かながわスマイルテーブル」を運営しています。

これは、子ども食堂や子どもの居場所などをまとめたポータルサイト。

子ども食堂を地域別で検索でき、どんな支援が必要なのかがひと目でわかります。

また、物資や助成金に関する情報もまとめているため、運営側にとっても便利なサイトといえます。

出典:神奈川県|子ども食堂を利用したい・実施したい・応援したい

②大阪府

大阪府において子ども食堂は、2017年9月時点で大阪府内に219か所ありました。

それから6年後の2023年6月には、757か所まで増加しました。

大阪府は運営者同士でネットワークを構築したり、府民や企業からの支援を促進したりするために、子ども食堂を一覧にしてまとめています。

また、子ども食堂での衛生管理をサポートするために、食事の提供にかかる衛生管理のポイントも紹介しています。

出典:大阪府|大阪府内の子ども食堂について

③札幌市

札幌市内には、子ども食堂のような子どもの居場所づくりに努める取り組みが約100か所で行なわれています。

札幌市では子ども食堂の輪を広めるために、『さっぽろ「子ども食堂・子どもの居場所づくり」ガイドブック』を掲載しています。

  • 子ども食堂に関する説明
  • 利用や支援の仕方
  • 解説に向けた流れ
  • 運営方法や工夫

このように、利用者だけではなく、運営者や支援者にとっても役立つ情報が盛りだくさんです。

さらに、子ども食堂への補助制度として「札幌市子ども食堂活動支援補助金」「札幌市子どもの見守り強化事業補助金」などを実施。

活動にかかる経費の一部を支援しています。

出典:札幌市|子ども食堂など地域の子どもの居場所

【企業編】子ども食堂を支援する事例

続いて、子ども食堂を支援する企業の事例を紹介します。

それぞれの強みを生かした取り組みをまとめました。

①カゴメ

カゴメは「カゴメみらいやさい財団」を立ち上げ、子どもの貧困対策や食育活動に取り組む団体を支援しています。

主な支援方法は助成金の給付です。

2022年は、助成募集に対して応募があった団体は242。

そのうち、83団体に助成を行いました。

今年も最大で50万円の資金を助成。

さらに、こども食堂を新しく始めた団体に対しても最大10万円を助成すると公表しています。

出典:カゴメみらいやさい財団

②クボタ

クボタは、「クボタeプロジェクト」を通して、2018年から「食料・水・環境」分野における社会貢献活動に積極的に取り組んでいます。

クボタでは、2021年11月から全国500以上のこども食堂に新米を寄贈しました。

その合計は約54トン。

子ども食堂の運営者からも、喜びの声が届いているそうです。

出典:クボタプレス|「こども食堂」を通して一人ひとりができる社会貢献

③大豊建設

2022年3月、大豊建設は、子ども食堂の普及に尽力する「むすびえ」の「こども食堂支援自動販売機」を本社ビル内の2箇所に設置しました。

自動販売機飲料の売上の一部は、寄付金として全国のこども食堂への支援に活用されます。

今後は、支店・営業所・作業所にも設置する予定だそうです。

この事例は、業種関係なくどの会社も手軽に寄付できることを証明した事例といえるでしょう。

出典:大豊建設|こども食堂支援自動販売機を大豊建設本社に設置しました

④ファミリーマート

大手コンビニチェーンのファミリーマートは、「ファミマこども食堂」を実施しています。

ファミマこども食堂とは、店内で一緒に食事をしたり、お仕事体験をしたりできる交流の場です。

店舗の近隣に住む子どもや保護者が食事や交流を楽しむなど、地域の活性化を応援しています。

ファミマこども食堂は、2019年4月から全国各地で取り組みが開始されました。

わずか1年で約360回開催され、延べ4100人が参加。

しかし、新型コロナウィルスの感染症拡大の影響を受け、2020年3月に一時休止しました。

それから3年後の2023年、感染予防対策を行いながら、東京都内の世田谷瀬田四丁目店で先行開催されました。

ファミマこども食堂は、地域に根付いたコンビニの強みを生かした事例です。

また、通い慣れた店であるため、抵抗感なく参加できるのも魅力といえるでしょう。

出典:ファミマこども食堂

子ども食堂へ個人で寄付する方法

子ども食堂は、私たちも支援できます。

子ども食堂へ寄付したい場合、どうすればいいのでしょうか。

今回は、子ども食堂を支援している「むすびえ」を通してできる寄付方法を解説します。

むすびえの場合、お金・ポイント・物品で支援できます。

お金の場合

お金の場合、「毎月の寄付」「今回のみの寄付」「相続・遺言・香典による寄付」にわかれています。

毎月もしくは今回のみの場合は、お問合せフォームに連絡すれば、振り込みに関する案内が送られてきます。

毎月寄付する場合、継続寄付の金額は1,000円・3,000円・5,000円・10,000円から選択できます。

お金以外の場合

むすびえでは、以下のような家に眠るお宝でも寄付が可能です。

  • Tポイント
  • 使わなくなったアクセサリーやブランドバッグ、骨董品
  • 読み終わった書籍、DVD

寄付したい方は、自分が無理なくできる寄付はどれかを考えたうえで、支援することが大切です。

心とお腹を満たす子ども食堂を社会の当たり前に

子ども食堂は、無料もしくは低価格で子どもたちが食事できる場です。

みんなで食卓を囲むことは、子どもや保護者の心のケアも期待できます。

子ども食堂で1番期待されていることは、子どもの貧困対策といえるでしょう。

しかし、貧困であることにかかわらず、どの子どもも参加できるのが子ども食堂の魅力です。

「みんなで食べるとおいしい」「自分を見守ってくれる人や場所がある」と子どもたち自身が安心できる場である子ども食堂。

このような温かい憩いの場所が増え、社会に溶け込むことが、子どもの健やかな成長のために求められています。

子どもたちが安心して暮らせる社会にするために、一人ひとりができるアクションを考え、一歩を踏み出すことが大切なのではないでしょうか。

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