ダイバーシティ

アライ(ally)とは?LGBTQ+の差別をなくすためにアライができることを紹介

LGBTQ+に対する偏見や差別をなくし、真にフラットな社会を実現するために、アライ(ally)という存在に注目が集まっています。

アライとは、LGBTQ+当事者を理解し、支援する仲間のことです。

個人だけでなく、企業や自治体を指す場合もあるのが特徴です。

まだまだLGBTQ+に対する偏見や差別が残るなかで、当事者の近くにアライがいると、当事者が安心感を覚えたり、より生きやすくなったりするといわれています。

今回は、アライになる方法やアライの事例などをご紹介します。

アライ(ally)とは

アライ(ally)とは、当事者を理解し、支援する仲間のことを指します。

英語で「味方、仲間、同盟」を意味する「ally」が語源です。

当事者はマイノリティーであることから、社会活動において生きづらさを感じたり、差別を受けたりする場面があります。

LGBTQ+に対する偏見や差別を是正し、当事者がより生きやすくなるためには、アライの活動が重要です。

アライの活動事例として、身近な当事者の相談に乗ることや、LGBTQ+の地位向上を目的としたイベントへの参加などが挙げられます。

「これをしたらアライ」という明確な基準はありません。

行動の大小にかかわらず、「当事者に寄り添う姿勢を示すこと」こそが、アライにとって不可欠な要素です。

LGBTフレンドリーとの違い

アライと似た表現に「LGBTフレンドリー」があります。LGBTフレンドリーもアライ同様に、当事者に協力的な姿勢を示す個人や法人を指しますが、アライはより積極的に活動し支援している人を指す場合が多い傾向です。

また、LGBTフレンドリーは組織や法人に対して使われることが多く、LGBTQ+が働きやすいような制度や設備を整えた企業は「LGBTフレンドリー企業」と呼ばれています。

アライ(ally)が支援するLGBTQ+とは

LGBTQ+とは、以下の言葉の頭文字を取った「性的マイノリティー」の総称です。

  • Lesbian(レズビアン/女性同性愛者)
  • Gay(ゲイ/男性同性愛者)
  • Bisexual(バイセクシュアル/両性愛者)
  • Transgender(トランスジェンダー/身体的性と性自認が異なる人)
  • Questioning(クエスチョニング/性自認や性的指向などが定まっていない人)
  • +(プラスアルファ)

+(プラスアルファ)には、身体的性の男性と女性の両方の性別を有しているIntersex(インターセックス)や、どの性にも恋愛感情を抱かないAsexual(アセクシャル)が含まれます。

日本のLGBTQ+の割合は8.9%といわれています。

つまり、10人のうち約1人が当事者といえるでしょう。

当事者は決して珍しい存在ではなく、あなたの周りにもいるはずです。

一方で、全人口の約9割がLGBTQ+ではないため、企業はマジョリティーに合わせた経済活動を、政府や自治体はマジョリティーに向けた法律や条例を作ってしまいがちです。

マジョリティーに合わせた社会では、当事者にとって息苦しさを感じる場面があります。

例えば、「公共のトイレは男女しかないので、学校や職場でトイレにいけない」「男性は会社でスーツを着用しなくてはならず息苦しい」などの声が当事者から上がっています。

したがって、当事者が社会で生きやすさを感じるためには、さらなる配慮と理解が必要です。
参考:電通「LGBTQ+調査2020」

アライ(ally)が必要な理由

 

 

LGBTQ+にも公平な社会を実現するために、アライの存在が非常に重要です。

その理由は2点あります。

  • 客観的にLGBTQ+の差別を指摘できる
  • LGBTQ+当事者に安心感を与えられる

順番に見ていきましょう。

客観的にLGBTQ+の差別を指摘できる

LGBTQ+ではない人たちが9割を占める社会では、まだまだLGBTQ+に対する偏見や差別が存在します。

例えば、職場で差別発言があった場合、当事者が声を上げるのはなかなか難しいことです。

声を上げたとしても、主観的で感情的な意見としてとらえられてしまう可能性があるでしょう。。

そこで、アライが第三者の立場から差別発言を指摘することで、差別の解消につながる場合があります。

また、アライは、当事者とLGBTQ+ではない人どちらの気持ちと考えもわかるため、両者の緩衝材としての役割を果たします。

LGBTQ+当事者に安心感を与えられる

アライは当事者に安心感を与える存在です。

例えば、職場の上司がアライだった場合、部下は安心して個性を発揮しながら仕事に取り組めるでしょう。

職場にアライがいる当事者は、勤続意欲が高い傾向があります。

アンケートでは、職場にアライがいる当事者の76.8%が「勤続意欲が高い」と回答したのに対し、職場にアライがいない当事者の51.8%が「勤続意欲が高い」と回答しました。

また、職場にアライがいる当事者は、心理的安全性が高い傾向があります。

アンケートでは、職場にアライがいる当事者の66.5%が「心理的安全性が高い」と回答したのに対し、職場にアライがいない当事者の19.7%が「心理的安全性が高い」と回答しました。

これらの結果から、職場にアライがいることで、当事者の勤続意欲と心理的安全性が高まることがわかります。

参考:認定NPO法人 虹色ダイバーシティ、国際基督教大学 ジェンダー研究センター「niji VOICE 2020」

アライ(ally)とSDGsの関係

 

アライが支援するLGBTQ+とSDGsには、深い関係があります。

SDGsの行動のなかにLGBTQ+の記載はありませんが、目標5「ジェンダーの平等を実現しよう」目標10「人や国の不平等をなくそう」はLGBTQ+と関係のある目標といえます。

異性婚はできるのに、同性婚はできないのは不平等ですよね。

さらにSDGsの目標は「誰も置き去りにしない社会」を達成することです。

性的マイノリティーが生きづらさを感じている社会は、誰も置き去りにしない社会とはいえません。

SDGsの目標を達成するには、当事者がマジョリティーと同じように社会生活を営めるようになる必要があります。

SDGsとLGBTQ+の関係は、次の記事で詳しく紹介しています。
【SDGsとLGBTQ+】その関係と国内外の取り組み

アライ(ally)になるには

 

 

アライになるのには、決まった手順や資格はありません。

当事者に寄り添う気持ちがあれば、誰でもアライになることができます。

個人、企業、自治体に分けて、アライになる方法をご紹介します。

個人がアライ(ally)になる場合

個人がアライになるには、次の方法があります。

  • LGBTQ+について本や研修で知識を付ける
  • 性別を特定しない言葉を使う(お嬢様・ご子息様→お子様など)
  • 当事者が気にする言葉を使わない
  • LGBTQ+に関する差別表現を指摘する
  • アライであることを表明する

まずは、性自認や性的指向とは何か、当事者が何に困っているかなど、知識を付ける必要があります。

これは、アライになるための第一歩です。

あなたの周りにも当事者がいる可能性は十分にあります。

知識を活かして、当事者が困っていることがあれば、支援の手を差し伸べましょう。

当事者は、LGBTQ+であることを隠している場合が多いため、アライであると表明することは、当事者にとって大きな勇気になります。

レインボーカラーのグッズを身に付けるなど、アライであることを表明する方法はさまざまです。

企業がアライ(ally)になる場合

企業がアライになるには、次の方法があります。

  • LGBTQ+に関する方針を明確にする
  • LGBTQ+に配慮した職場環境を整える
  • 社員向けの研修を行う
  • 関連のイベントに参加する
  • 当事者の相談窓口を設ける

はじめに、当事者が職場で働きやすくなるような、LGBTQ+に関する方針を明確にすることが大切です。

例えば、採用の方針やハラスメントの取り締まりの方針などです。

方針を固めたうえで、企業ができることは多岐にわたります。

人事部なら、採用活動の際にLGBTQ+も受け入れていることをアピールし、応募フォームや書類から性別の欄をなくす、

または「男・女・その他」のような選択項目にするのもよいでしょう。

また、トイレや更衣室などの設備を当事者も使えるように改修したり、同性パートナーシップを対象とした福利厚生を充実させたりするのも有効です。

自治体がアライ(ally)になる場合

自治体がアライになるには、次の方法があります。

  • 当事者の交流会を開催する
  • 当事者の相談窓口を設ける
  • アライを表明するステッカーを配布する
  • パートナーシップ制度を導入する

上記はすべて、実際に自治体が行っている活動の事例です。

特にパートナーシップ制度の導入は、日本が同性婚を認めていないなかで、自治体だけが行えるアライ活動です。

パートナーシップ制度を利用したカップルは、病院で家族と同等の扱いを受けることができたり、公営住宅に2人で入居できるようになったり、企業の家族向けサービスが利用できるようになったりします。

自治体に住む当事者のカップルに良い影響を与える制度といえます。

アライ(ally)の事例

続いて、アライとして活動している企業や自治体をご紹介します。

ランスタッド株式会社

ランスタッド株式会社は、職場におけるLGBTQ+に関する取組み評価指標である「PRIDE指標2023」で、最高レベルのゴールドを3年連続で受賞しました

定期的に社員向けの研修や啓発イベントを開催するほか、Tokyo Rainbow Prideにブース出展するなど、積極的に活動しています。

また、同社では男性のスーツ着用が撤廃され、LGBTQ+の働きやすさにつながっています。

参考:ランスタッド株式会社公式HP「LGBTQ+に関する取組みが評価され「PRIDE指標」最高評価の 「ゴールド」を3年連続で受賞。 今年はセクターを超えた共同推進企業として「レインボー」も初受賞。」

サントリーホールディングス株式会社

サントリーホールディングス株式会社は、多様な意見や考え方により新たな価値を創造することを目的とした「Suntory Group Diversity Vision」を設定し、グループ全体でダイバーシティを推進しています。

具体的な取り組みは、次のとおりです。

  • LGBTに関する相談窓口の設置
  • 性別に関係なく誰でも自由に使えるよう、多目的トイレマークの表示を順次切り替え
  • 全社員へのeラーニングなどを実施

このような取り組みが評価され、「PRIDE指標」で最高評価のゴールドを2年連続で受賞しています。

参考:サントリーホールディングス株式会社公式HP「LGBTの取り組み指標「PRIDE指標」で最高評価のゴールドを受賞!」

埼玉県

埼玉県では、性の多様性を尊重した社会づくりを目指し、アライの活動として次のような取り組みを行っています。

  • レインボーカラーのグッズの配布
  • LGBTQ+に関する講座の開催
  • LGBTQ+に関するハンドブックを県職員に配布

また、令和4年7月8日に「埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例」が施行されました。

参考:埼玉県HP「アライ(ALLY)の取組」
埼玉県HP「性的マイノリティ(LGBT等)」

まとめ

ここまでで、アライについて紹介してきました。

アライになるのに特別な資格や手順は必要ありません。

まずは、LGBTQ+について知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

本やインターネットで知識を得たり、自治体や企業が開催する講座に通ったり、LGBTQ+関連のイベントに参加したり、さまざまな方法があります。

そして、知識を得たあとは、ぜひアライとしてできることから取り組んでみてください。

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