ダイバーシティ

【SDGsとLGBTQ+】その関係と国内外の取り組み

LGBTQ+とは、性的少数者(セクシュアルマイノリティ)を総称する言葉のひとつです。

「自分の周りにはいないのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、2020年の電通の調査によると、日本のLGBTQ+の割合は8.9%だといいます。

これは、学校の1クラス(40人)のうち、3人以上が当てはまる割合となります。

LGBTQ+の当事者のなかには、「周りには怖くて言えない」という人も多いことから、私たちは気づかないうちに、普段の生活の中でLGBTQ+の人たちとかかわりを持っていると考えられます。

本記事では、LGBTQ+の基礎知識について解説したのち、SDGsとLGBTQ+の関係性や、LGBTQ+に関する国内外の政治的な取り組み、日本企業の取り組み事例などを具体的に紹介していきます。

LGBTQ+に関する最新の動向を一緒に確認していきましょう!

LGBTQ+について

まずは、LGBTQ+とは何か、わかりやすく解説していきます。

LGBTQ+とは?

LGBTQ+とは、以下の言葉の頭文字をとったもので、性的少数者の総称のひとつです。

  • レズビアン(Lesbian)
  • ゲイ(Gay)
  • バイセクシュアル(Bisexual)
  • トランスジェンダー(Transgender)
  • クエスチョニング/クィア(Questioning/Queer)
  • プラスアルファ(+)

レズビアンとは心の性(性自認)も恋愛対象(性的指向)も女性の人のことを指し、ゲイは心の性も恋愛対象も男性の人を指します。

バイセクシュアルとは、自分の心の性にかかわらず、恋愛対象が男性にも女性にも向いている人のことを指します。

トランスジェンダーとは、身体の性と心の性が一致しない人のことを指します。

LGBTQ+の「Q」には、「クエスチョニング」と「クィア」の2つの意味があります。

「クエスチョニング」とは、「性自認や性的指向が定まっていない」、または「あえて定めていない」人のことを指します。

「クィア」という言葉には、性的マイノリティ全般を総称する意味があります。

もともと、英語圏では「風変わりな」「変態」といった侮蔑的な意味として使われていましたが、20世紀終盤以降、性的マイノリティの当事者たちが、「私たちはクィアである」といったように、ある種、開き直ったような態度で積極的に使われるようになり、現在の意味合いとして広まった背景があります。

LGBTQ+の「+」は、そのほかのセクシュアリティを表す記号です。

性的マイノリティは、上記以外にも、アセクシュアル(他者に対して恋愛感情も性的欲求も抱かない人)や、Xジェンダー(男性・女性のいずれにも属さない人)など、人それぞれさまざまなセクシュアリティがあります。

実際に、すべての頭文字を並べて表記するのは難しいため、「LGBTQ」だけに限定しない、多様なセクシャリティを前向きに表現する方法として、「LGBTQ+」という言葉が一般的に使われています。

そのほか、性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字をとった「SOGI」といった表現もあります。

日本のLGBTQ+の割合は約8.9%

2020年に電通が60,000人を対象に行ったインターネット調査によると、日本のLGBTQ+の割合は8.9%だといいます。

引用:「電通、『LGBTQ+調査2020』を実施」

学校の中で考えると、40人のクラスに3人以上いることになります。

社会人の人は、会社の1フロアの人数や、部署・チームの人数の割合で想像してみてください。

このように考えると、私たちの身の回りにLGBTQ+の人がいることは決して珍しいことではありません。

決して他人事ではなく、一人ひとりが自分ごとと捉えて行動することが重要です。

自分がLGBTQ+であると言いづらい社会

LGBTQ+への正しい知識がないために、差別的な言動をしてしまう問題があります。

LGBTQ+当事者の意識調査によると、71.7%の当事者が職場や学校での差別発言を聞いたことがあると答え、27.6%の当事者しか職場や学校でカミングアウト(自分がLGBTQ+であることを他人に告白すること)していないという現状があります。

性的指向や性自認を理由に差別されることはいかなる理由があっても許されるものではありません。

LGBTQ+へのからかいやうわさ話、アウティング(本人の了承なしにその人の性的指向や性自認を他人に話すこと)がなくならなければ、LGBTQ+の人たちが安心して日常生活を送ることはできません。

LGBTQ+に対する正しい知識を身に付け、無意識に行われている差別的な言動に気づくことによって多様性を認める社会になります。

関連記事:LGBTQ+は日本人口の10%!認知度は高いが理解が低い原因は?

SDGsとLGBTQ+の関係

つづいて、SDGsとLGBTQ+の関係についてみていきましょう。

結論から言うと、SDGsの目標やターゲットのなかに、LGBTQ+に関する内容は明記されていません。

ただし、SDGsの目標5「ジェンダーの平等」のように、関連する目標があることから、一切関係がないとは言えません。

では、両者の関係について詳しくみていきましょう。

SDGsの「誰一人取り残さない」という大前提

SDGsには大前提のテーマとして、「No one left behind(誰一人取り残さない)」という共通理念があります。

SDGsの目標は、貧困の根絶、持続可能な開発・経済成長、環境保全など、地球規模での幅広い内容が示されていますが、一方で、「目標5:ジェンダーの平等」の例のように、個人の人権・尊厳の保証についても、重要なターゲットとして掲げられています。

SDGsの具体的な行動目標のなかに、「LGBTQ+に関する内容」は記載されていないものの、世界中の性的少数者の人たちも、「誰一人取り残さない」という大前提に含まれています。

実際に、2015年に国連サミットでSDGsが採択された際に、当時の国連事務総長パン・ギムン氏は、「LGBTはSDGsのすべての項目に関わる問題であり、『誰も置き去りにしない』というSDGsのモットーに含まれている」と述べています。

つまり、SDGsの達成のためには、LGBTQ+への支援やサポートの構築も必須課題ということがわかります。

SDGsのなかにLGBTQ+が明記されていない理由

SDGsの目標のなかにLGBTQ+に関する内容が明記されていない理由は、主に以下の要因が考えられます。

  • 世界各国共通の認識として明記しづらいため
  • 細分化するジェンダーを一括で区分するのは難しいため

世界では同性婚を認める国が徐々に増えてきている印象がありますが、一方で、宗教上の理由などでタブーとされている国もあります。

SDGsの共通目標は国連で採択された背景もあり、世界各国から合意が得られる必要があったため、LGBTQ+に関する要素は明記されなかったと考えられます。

また、人の性自認は多様であり、細分化していることから、世界共通の目標の中で、必ずしも「LGBTQ+」という言葉ひとつでまとめられるものではない、という理由も考えられます。

SDGsからみるLGBTQ+の現状・課題

では、SDGsとLGBTQ+の関係を踏まえた上で、LGBTQ+の現状や課題を確認していきましょう。

LGBTQ+だから昇進できない?

SDGsの目標10に「人や国の不平等をなくそう」があります。

OECD(経済開発協力機構)の調査によると、同性愛者は異性愛者に比べて1.5倍、採用面接に呼ばれにくいということが発表されています。

さらに、昇給・昇進の際に結婚要件があった会社で、同性パートナーの存在は結婚には当てはまらないとして、昇給・昇進ができなかったという報告もあります。

LGBTQ+であるというだけで、昇給・昇進がしづらくなり、給与に差が生まれてしまう社会を変えなくてはなりません。

また、SDGsの目標8に「働きがいも経済成長も」があります。

欧州の調査によるとLGBTQ+の5人に1人が職場での差別を経験しています。

LGBTQ+の人がいじめやアウティングなどを恐れることなく、安心して働くことができる環境を実現することで生産性が向上するのではないでしょうか。

LGBTQ+の保健・トイレの問題

SDGsの目標3に「すべての人に健康と福祉を」があります。

戸籍上の名前を変えて生活しているトランスジェンダーの人が、医療機関では戸籍上の名前で呼ばれるため、受診しづらいという問題があります。

また、トランスジェンダーの人でも使えるトイレが不足しているという問題を解決しなければ、この目標を達成することはできません。

これは、SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中ににも関連します。

昨今は、日本でも性自認に配慮した「オールジェンダートイレ」を整備する取り組みが、各地で少しずつ広がってきています。

国内のオールジェンダートイレの設置場所の一例は、以下の通りです。

  • 成田空港第1ターミナルビル
  • ドン・キホーテ(渋谷本店)
  • 鳥取大学
  • 公衆トイレ(渋谷区幡ヶ谷)
  • 東急歌舞伎町タワー

一方で、オールジェンダートイレは、設備によってはプライバシーの問題などが発生する場合もあり、すべての利用者が快適に使えるトイレを整備するには、慎重なアプローチが必要です。

LGBTQ+の半分以上がいじめを経験したことがある

SDGsの目標4に「質の高い教育をみんなに」があります。

ある調査によると1/2から2/3のLGBTQ+が幼少期にいじめを受けたことがあると言われています。

LGBTQ+の子供がいじめを恐れて学校に行きづらい社会ではすべての人が教育を受けることはできません。

幼いうちからLGBTQ+についての正しい知識を身に付けておくことが大切です。

また、友達や家族、カウンセラーなどに、悩みを打ち解けられるような仕組み・関係の構築も必要です。

ジェンダーとLGBTQ+

SDGsの目標5に「ジェンダー平等を実現しよう」があります。

ジェンダーとは「社会的、文化的な性差」と一般に訳されます。

先天的なものではなく、文化的に身につけた、あるいはつくられた性差の概念をさす(日本大百科全書)と定義されています。

つまり、ジェンダー平等とは、「男だから」、「女だから」ということと関係なく、すべての面で男女間の平等が保証されることです。

このように、ジェンダー平等とLGBTQ+の平等は「性」という部分で深くかかわっています。

LGBTQ+に関する海外の動き

では、諸外国のLGBTQ+に関する動向について、法律整備の状況や教育現場での取り組みを確認していきましょう。

LGBTQ+への差別を禁止する国

世界中にはLGBTQ+であることを理由に多くの人々が苦しんでいます。

LGBTQ+は親からの虐待、教育機会や就業機会の喪失など数多くの課題を抱えています。

LGBTQ+の人たちへのいじめ、孤立、排除を無くすために、世界各地でLGBTQ+への差別を禁止する法律が制定されてきました。

2013年時点では65か国及び85地域に差別禁止法が存在します。

2011年には国連においてLGBTQ+への差別や暴力に関する決議を採択し、性的指向や性同一性を理由とした差別や暴力に対する「由々しき懸念」を発表しました。

採択では、23か国の賛成、19か国の反対、3か国の棄権からもわかるように、世界においてLGBTQ+の差別解消への行動は始まったばかりといえます。

同性婚を合法化する国

世界では、31か国および35地域で同性婚が認められています。

アジアで唯一、同性婚が認められているのが「台湾」です。

2019年に合法化され、これまでに1万組以上の同性カップルが結婚し、外国籍の同性との結婚も認められているといいます。

引用:「同性婚 世界の現状は|NHK」

なお、G7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)の中で同性婚を認めていないのは日本だけです。

国レベルの同性パートナーシップ制度や差別禁止法がないのも日本だけとなり、ほかのG7諸国と比較すると大きな遅れをとっています。

海外の教育現場での取り組み

ジェンダー平等の先進国であるスウェーデンのジェンダー教育は、義務教育開始前の「就学前学校(フォースコーラ)」から始まっています。

スウェーデンでは両親の育児休暇が終了する1歳、または1歳半の頃から就学前学校に通い始める割合が多く、そこでの「ごっこ遊び」をはじめとした日々の体験を通じて、さまざまな価値観を学んでいきます。

また、読書コーナーには、人間の性器に関する本や、性的少数者多数をテーマにした子ども向けの絵本が置いてあることも特徴的です。

フランスでは生物学、歴史学など様々な方向からLGBTQ+についての教育を実施しています。

また、フィンランドでは教育機関や企業が学生や従業員とともに、ジェンダー平等のための行動計画を作ることが義務となっています。

LGBTQ+に関する日本の動き


つづいて、日本のLGBTQ+に関する現状はどうなっているのでしょうか。

結論から言うと、国レベルでの取り組みは、諸外国と比較しても非常に遅れをとっているのが現状です。

一方で、都道府県・地方自治体レベルでは、「パートナーシップ制度」の推進をはじめ、全国各地で年々前向きな取り組みが増えてきています。

教育現場での変化も含めて、順番に紹介していきます。

政府の取り組み

日本では、同性婚を認める法律がありません。世界と比べて日本は多様性社会の実現から遅れをとっています。

一方で、性的マイノリティーに対する理解を広めるための「LGBT理解増進法」が2023年6月16日に国会で成立し、23日に施行されました。

LGBT理解増進法の正式名称は「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」。ただし、これは理念法のため、罰則はありません。

また、自民党内でも推進・慎重両派の対立が顕著となっており、具体的な基本計画や指針の策定が進まず、議論が停滞している現状があります。

スムーズな運用を実現するためにも、今後の具体的な指針づくりでは、LGBTQ+の当事者や自治体担当者の参画が求められます。

地方自治体の取り組み

地方自治体では、独自に同性パートナーの証書の発行を行うことや、性的指向や性自認を理由とする差別を禁止する条例を制定することを通して、LGBTQ+が暮らしやすい街を実現しています。

それぞれの事例を交えて、一緒に確認していきましょう。

パートナーシップ制度

パートナーシップ制度とは、各自治体が同性同士のカップルを婚姻と同等の関係と認め、証明書を発行する制度のことです。

パートナーシップ制度を利用することで、病院での面会が認められたり、生命保険の受取人として指定できるなどのメリットがあります。

日本全国で制定済み・制定予定のパートナーシップ制度は、全278件です(2023年8月時点)。

2015年11月、渋谷区では、全国で初めて同性パートナーシップ制度を導入、かつ、条例に規定しました。

2022年11月には、東京都によって、「東京都パートナーシップ宣誓制度」が始まりました。東京都のパートナーシップ制度の申し込みや、「受理証明書」の受け取りは、原則オンラインで行われています。

差別を禁止する条例

都道府県や各自治体では、性的指向や性自認による差別的な取り扱いを禁止する条例の策定が広がっています。

一般財団法人・地方自治研究機構によると、条例は70以上の自治体にあります(2023年8月時点)。

都道府県では東京、大阪、埼玉、三重、秋田、沖縄など、9都府県で制定されています。

引用:「性の多様性に関する条例|一般社団法人 地方自治研究機構」

教育現場の取り組み

小中高の学校教育においても、LGBTQ+に関する取り組みが広がっています。

全国の小中高の教員1,800人を対象にした調査によると、「LGBTQ」の生徒・児童の把握状況は、小学校は約1割、中学・高校では約3割となり、小学校に比べて、中学・高校で増加しているという結果が出ています。

引用:「約6割の学校が「LGBTQ」の生徒・児童に関する服装の配慮を導入・検討中」

ではこの現状を踏まえて、具体的に教育現場ではどんな取り組みが推進されているのか、紹介していきます。

ジェンダーレス制服の導入

学校の制服については、男女兼用のブレザータイプの制服や、女子制服のスラックスの導入、ネクタイ・リボンの自由選択など、「ジェンダーレス制服」を実施・検討している学校が増えてきています。

小中高校の教員を対象にした調査によると、「服装による配慮をしている」(39.3%)、「今は服装による配慮はしていないが、今後予定している」(20.3%)をあわせると、約6割の学校でなんらかの服装の配慮を導入・検討中であるといいます。

引用:「約6割の学校が「LGBTQ」の生徒・児童に関する服装の配慮を導入・検討中」

別の「女子スラックス制服の採用率の調査」によると、女子スラックス制服の採用率の全国平均は、44.4%だといいます。

採用率の高いトップ5の都道府県は、長野県(87.8%)、滋賀県(86.4%)、神奈川県(84.3%)、千葉県(77.3%)、大阪府(75.2%)という結果になりました。

一方で、女子スラックス制服の採用率が10%を下回る都道府県(青森県、愛媛県、岩手県)の存在も明らかになり、地域ごとの女子スラックス制服の採用率の差が顕著に表れる結果となりました。

引用:「全国の女子スラックス制服の採用率は44.4%。都道府県別では長野・滋賀・神奈川が上位に」

教科書の「性の多様性」に関する記述が増加

2024年度から使われる小学校の教科書では、「性の多様性」について記述する教科書が増えました。

とくに保健体育で使われる教科書は、申請した全6社が取り上げた形となり、大幅に記述が増えた形となります。

大日本図書では、3、4年の保健で初めて「LGBT」の記述を取り入れています。

「さまざまな性」と題し、「生まれたときの体の性と、今、自分が思っている性がちがうこともあります。

また、気になったり、好きになったりする相手が異性の場合もあれば、同性の場合もあって、『好き』の形もさまざまです」と説明。

また、さまざまな性を表す言葉の一つとして、「LGBT」という言葉があることを紹介しています。

なお、文部科学省の学習指導要領では、「異性愛」が学びの前提で、性の多様性には触れていません。

一方で、各出版社としては、全国的に「パートナーシップ制度」が広がっている情勢や、実際に、性的マイノリティーの子どもがいる現状、さまざまな子どもに対応したいといった教員の声に応える形で、このような判断に至ったといいます。

教育現場からこのような取り組みを加速させていくことで、社会全体でのLGBTQ+への理解がさらに深まっていくことが期待されます。

引用:「性や「好き」の形、さまざま 小学校教科書で増える「性の多様性」」

LGBTQ+フレンドリーな日本企業の取り組み事例

日本の企業のなかでも、LGBTQ+フレンドリーな取り組みが拡大してきています。

ユーザーに対するサービスと、社内の従業員向けの取り組みの双方について、紹介していきます。

スターバックスコーヒージャパン株式会社

スターバックスでは、「NO FILTER」というスローガンを掲げて、先入観や思い込み、偏見といったフィルターを持たず、すべての人を認め合い、一人ひとりが自分らしくいられることをテーマに、アクションを続けています。

同社では、2018年から毎年、「NO FILTER」をテーマにしたアイテムを企画・販売しています。

期間限定でレインボーカラーのタンブラーやカップなどを販売し、毎年人気を呼んでいます。

2020年からは、NO FILTERをテーマにしたアイテムの売上の10%を、認定NPO法人ReBitに寄付する取り組みを始めました。

ReBitは、子どもたちに多様な性を学ぶ機会を提供することを目的に、学校への出張授業などを行っているNPO法人です。

またスターバックスでは、2017年1月から、「同性パートナーシップ登録制度」と「性別適合手術のための特別休暇制度」を導入しています。

「同性パートナーシップ登録制度」は、登録した同性パートナーを「結婚に相当する関係」「配偶者と同等」とみなし、慶弔見舞等の特別休暇、育児や介護休職、転勤に伴うサポートを実施。2021年10月1日時点で、16名が登録しているといいます。

また、2017年、2018年には「PRIDE指標」で5点満点のゴールド評価を獲得しています。

引用:「スターバックス コーヒー ジャパン 性の多様性に関する取り組みが評価され、 「PRIDE指標」最高評価の「ゴールド」受賞および最も優れた事例に選定」

楽天グループ株式会社

楽天では、自社で展開する各種サービスにおいて、LGBTQ+へのサポートを行っています。

例えば、「楽天生命」での同性パートナーの保険金受取や、「楽天損保」での同性パートナーの家族登録制度、「楽天カード」での生計を同一にする同性パートナーの家族カードの申し込み、「楽天銀行」のLGBTQ+当事者向けの住宅ローンの提供などを行っています。

LGBTQ+従業員をサポートする取り組みとしては、同性パートナーの配偶者を持つ従業員を対象とした福利厚生や社内制度の導入、ヘルプデスクの設置などを行っています。

また楽天では、2015年から7年連続で、「PRIDE指標」の「ゴールド」を受賞しています。

参考:「Walk Together with Pride 2022 | 楽天グループ株式会社」

株式会社リクルート

株式会社リクルートが運営する、不動産情報サイトの「SUUMO」では、LGBTQ+の人でも安心して入居できる物件の紹介を行っています。

社内での取り組みでは、2017年4月から、国内グループ会社9社において、慶弔休暇、休職(介護・育児)などの制度について、同性パートナーへの適用を開始しました。

2019年には、従業員を対象としたコミュニケーションガイドの作成や、相談窓口の開設、eラーニングのコンテンツ拡充を実施。2022年度には、リクルート、および国内グループ会社の従業員約2.4万人に向けて、eラーニングを配信しました。

このような実績が評価されて、リクルートは「PRIDE指標」で最高評価のゴールドを5年連続で取得しています。

参考:「リクルート、セクシュアル・マイノリティに関する取り組み指標『PRIDE指標2022』で最高評価のゴールドを5年連続取得」

第一生命保険株式会社

保険金の受取人について、第一生命では、「パートナーシップ証明書」の写しを提出することで、同性パートナーを保険金の受取人に指定することが可能です。

社員に向けての取り組みについては、相談窓口の設置のほか、結婚・出産時等の休暇制度の拡大適用、社宅貸与基準の拡大適用などがあります。

第一生命は、「PRIDE 指標」における最高位「ゴールド」を7年連続で受賞しています。

参考:「ダイバーシティ&インクルージョン:LGBTQフレンドリー|第一生命」

私たちができること

上述の通り、日本ではLGBTQ+への差別禁止法がないことや、同性婚が法律で認められていないことなどから、世界各国と比べると多様性への理解に大きな遅れをとっています。

私たちができることは当然、LGBTQ+への差別をやめることです。

この記事を読んでいる人のほとんどは差別をしたことがないように思うかもしれません。

しかし、私たちは「無意識」に差別をしてしまっているのではないでしょうか。

例えば、男性の友達に彼女ができたかどうかを聞くことや、女性の友達の外見を男っぽいと言うことは無意識のうちにLGBTQ+を傷つけています。

「人は恋愛をするのが普通」
「男性は女性と付き合うのが普通」
「女性は女性らしい服を着るのが普通」

という間違った普通にとらわれて他人を傷つけてしまうことがあります。

私たちは、間違った普通に気づき、改善することが大切です。

誤った普通に気づくための第一歩は、知ることです。

この記事を読むことを通して何かしら知り、自分の誤った普通を改めることで無意識のうちにLGBTQ+を傷つけることを減らすことができます。

LGBTQ+の存在に目を向け、理解することで多様性社会を実現することができるのではないでしょうか。

まとめ

本記事では、SDGsからみるLGBTQ+の現状の取り組みや課題について、国内外の事例をあわせて紹介しました。

「性のあり方はグラデーション」という言葉があるように、人それぞれ顔や体型、好きな食べものが違うように、性のあり方も人それぞれで異なり、また、年月によって変化することも自然なことです。

一番大切なのは、一人ひとりが自分ごととして、LGBTQ+について認識することです。

LGBTQ+への理解を深めて、自然と受け入れられるようになれば、無意識のうちに誰かを傷つけることもなくなるのではないでしょうか。

SDGsを達成するためには、LGBTQ+へのさらなる理解やサポートの構築が必須です。

「誰一人取り残さない、持続可能でよりよい社会」を本当の意味で実現するために、まずは私たちのできることから、考え方を見直してみましょう。

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