【取材】ボタニカルファクトリーの環境・地域農業へ貢献するSDGsな取り組みについて
BOTANICAL FACTORY(ボタニカルファクトリー)は、鹿児島県大隅半島最南端の温暖と亜熱帯の気候に位置し、手つかずの自然に囲まれた小学校跡地を活用したオーガニック化粧品メーカーです。
近隣に生い茂る地産原料を丁寧に加工し、蒸留水やエキスを抽出し自然由来成分100%の化粧品作りをしております。
耕作放棄地を活用し契約で無農薬栽培することで、持続的な植物環境保護と地域農業への貢献をしている会社です。
今回は株式会社ボタニカルファクトリーの代表取締役の黒木靖之さんにSDGsの取り組みについてお話をお伺いしました。
↑GREEN NOTEアンバサダーの難波遥さんと黒木さん
ボタニカルファクトリーは自然由来成分100%に拘った化粧品メーカー
ボタニカルファクトリーは契約栽培や農産物規格外品の買取りから化粧品原料への再活用を行い、お肌ケアを通じて廃校活用や農業廃棄物の削減などSDGs目標12「つくる責任、つかう責任」を実施していくサスティナブルコスメ会社です。
本土最南端の街鹿児島県南大隅街に会社を構えるボタニカルファクトリーは、廃校になった小学校、及び中学校を再利用。
大自然の中に位置し、すべての原料がトレースできる原料を厳選、農業従事者とともに作る次世代の「地産化粧品」を目指しています。
現在は石鹸の製造、原料の水蒸気蒸留、エキスの抽出などすべての工程を廃校跡地にて一貫生産を行っています。
口に入れても安全なボタニカノン
肌の本質に沿った美を追求した美しさと健康的であることめざした自社コスメブランド「BOTANICANON(ボタニカノン)」を通して、オーガニック&ナチュラルコスメの開発から販売を行っています。
- 自然由来成分100%の化粧品
- 可能な限り近隣で採取した素材の活用
- 食品のような化粧品
の3点をコンセプトとしてつくられています。
お肌のために自然由来100%、農薬を一切使わない独自のレシピで、赤ちゃんからお年寄りまで安心して利用できるコスメを展開しています。
現在は自社オンラインショップや、百貨店などで販売されています。
生産から加工、販売まで一貫して行っているので、安全なコスメに自信をもってお届けすることができるそうです。
原材料へのこだわりや環境への配慮はもちろん、人本来の美しさを追求したコスメは多くのメディアにも取り上げられ、水原希子さんやアンミカさんなど芸能界でも多くのファンがいるようです。
公式オンラインショップ:https://botanicanon.com/
徹底的に環境に配慮したコスメづくり
ボタニカルファクトリーでは独自のカリ石鹸素地づくりとして、地元鹿児島の桜島で取れるツバキ油を積極的に用いた植物油脂等、厳選素材で作られており、生分解性の高い「液体石鹸」から
シャンプーやボディーソープ、ディッシュソープなどを生産しています。
を生産しています。
また工場の洗浄を液体石鹸で行うことにより、近隣の海への排出汚染の防止になるようです。
さらにボタニカノンでは使用される容器が、「バイオマスポリエチレン原料」を100%使用したものに変更され、より環境への配慮が高まる商品となりました。
バイオマスプラスチックとは「動植物から生まれた、再生可能な有機資源」です。
とうもろこしやサトウキビなどの植物由来の原料を利用して作られているので、環境への負担も小さいです。
↑人にも地球にも優しいコスメづくりを徹底することで、2021年環境省の「サステナブルコスメアワード」にてシルバー賞を獲得しています。
SDGsの取り組みについて
ボタニカルファクトリーでは、地域や環境のために様々なことに取り組んでいます。
SDGsの取り組みについて、概要や取り組んだきっかけなどについてお伺いしました。
どんな取り組み?
ボタニカルファクトリーでは製品に対するこだわりだけでなく、限りある資源を再利用することで地域創生に寄与できる活動をしています。
- 廃校になった小中学校をリノベーションし工場として活用
- 廃棄される果物を買取り加工
- 近隣の農家と提携しハーブを無農薬栽培
- バイオマスプラスチックのボトルでCO2排出をゼロに
- 自社製品の液体石鹸を工場洗浄に使用し海の汚染防止
など、お肌にも環境にもやさしい「サステナブルコスメの追求」を商品作りの基本としています。
鹿児島の豊かな自然を最大限に活かすべく、農家や自治体と協力しながらスキンケア商品の制作を通して永続的な発展と環境保全に寄与できる企業を目指しています。
取り組みのきっかけはなんですか?
GREEN NOTE編集部:SDGsに取り組まれたきっかけはなんですか?
黒木さん:ナチュラルコスメの先進地であるヨーロッパでは、古くは800年以上前に始まったイタリアのハーバルコスメの「サンタマリアノヴェッラ」を始め、ドイツのオーガニックコスメの元祖と言われるWELEDA(ヴェレダ)などの先駆者は、人と環境と社会との調和を哲学に落とし込み、自然な形でサスティナブルコスメを作り続けてきました。
私は18年前にヨーロッパで農業と化粧品工場が一体となった施設を数多く見学し、その哲学を学んでまいりました。
そのため、SDGsを殊更取り入れるというわけではなく、そもそもこのナチュラルコスメ製造業界がそのものであると考えており、設立当初からサステナブルな取り組みをおこなっております。
取り組むにあたってどんなことをしましたか?
GREEN NOTE編集部:取り組むにあたってどんなことをしましたか?
黒木さん:地域に眠る有休施設として、廃校になった小学校と中学校の校舎を化粧品製造工場としてリノベーションし活用しました。
また、地域の農家と協力し、パッションフルーツやタンカンの規格外品を買取り、化粧水やアロマオイルにアップサイクルした商品のラインナップを広げることができました。
取り組みの影響について、会社の売り上げはどうなりましたか?
GREEN NOTE編集部:SDGsの取り組みをはじめて会社への影響はありましたか?
黒木さん:サスティナブルコスメアワードを2年連続受賞し、取引先の拡大につながりました。
社員たちの雰囲気について
GREEN NOTE編集部:社員たちの雰囲気はどうなりましたか?
黒木さん:地元にこれまで見過ごされてきた資源を活用する事で、地元社員にも色々と声がかかり、商品に誇りを持つようになったと思います。
取り組みにあたって、大変なことはなんですか?
GREEN NOTE編集部:この取り組みを進めるにあたって、大変なことはなんですか?
黒木さん:農業規格外品は入手が不安定なため、年間を通じて原料の冷凍保存することが必須で保管コストがかかっています。
今後の目標
GREEN NOTE編集部:今後の目標を教えてください。
黒木さん:農業廃棄物の削減をさらに加速させるために、南大隅町に限らず鹿児島県内の農業生産者からも広く関係を持つ事です。
そしてオーガニックコスメの先進地、ヨーロッパへの展開を視野に準備を進めることです。
編集後記
今回の取材では、ボタニカルファクトリーさんの人と地球に優しい化粧品づくりへのこだわりについて取材しました。
食の宝庫である鹿児島県の豊かな植物資源を有効活用させること、消費者が安全で安心してコスメを使用できる「ボタニカノンしかない商品」を大切にしたいとおっしゃっていた黒木さん。
利益だけを考えるのではなく、地球のため人のためを想うコスメ作りを徹底しているからこそ、多くのユーザーに愛される商品を作り出せるのだと感じました。
ボタニカルファクトリーさんではワークショップも開催しています。
その様子はエシカル旅企画で紹介しています!
【エシカル旅企画第1弾】自然・ワークショップ・グルメ「鹿児島県大隅半島」を満喫!Part3
取材にご協力いただきありがとうございました!
他にも鹿児島大隅半島の下記企業の取り組みを取材しました。
【取材】南州農場のSDGsな取り組み「南州エコプロジェクト」について
【取材】白鳩会の「障がいのある方の自立を目指す」SDGsな取り組みについて
【取材】株式会社オキスの農福連携を活かしたSDGsの取り組みについて
提供:株式会社ボタニカルファクトリー
協力:株式会社ワークデザインラボおおすみ
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